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しおりを挟む直哉のさっきのはなんだったんだろう?
いつものからかいとは種類が違うし、私相手にあんなことするなんて…
いくら考えても酔ってたからとしか思えない……ていうか、今更冷静になってみれば、きっと酔ってる人は自分で酔ってるなんて言わないんじゃないか。そしたらきっと直哉はすごく酔っていたに違いない。
まるでそうでなければいけないというかのように、自分に言い聞かせるようにそう考え、無理やり納得し、そのままパタンと眠った…
***************
次の日が休みで本当によかった…
頭が痛い……でも休みでよかったと思う。じゃなきゃ絶対色々考えてた…
でも色々と考えてしまいそうになっても、それからの日々も今までと何も変わらなかった。直哉の態度も変わらないし私との接し方も変わらない。それに由美さんと付き合ってるのも変わらない…
あれは夢だったのじゃないかと今でも思う。
でもそれでいいんだ。私と直哉は友達。それ以上ではないんだから。
そんなことがあって夏休みも後半になると模試もあるし体育祭の準備もあり忙しくなる。
変わらず直哉は教科書を借りに来るし夜にDINEも来る。
神田君とも相変わらず美穂と3人でよく話している。変わったのは神田君の呼び方くらい。
体育祭があるから、クラス全員のあだ名を決めて呼ぶことになったから。
神田健太の「けんちゃん」美穂は「みほリン」私は「みかリン」
美穂がいてくれてほんとによかった…キャラ的にリンではないけどあだ名きめだけで長くなりそうだったから余計なことは言えなかった。
でも体育祭の練習が本格化してくると炎天下の下で走ったり準備したりと身体は疲れるらしく、10時ころにはいつも眠くなってくる。
直哉からのLINEはいつもその頃だから1,2回返すのが精一杯。特に内容があることではないからいいっかとは思うけど一応朝に「ごめん。また寝てた。学校でね!」と返すことが多くなってた。
そして魔の10時を前に、そろそろ模試だから本格的に勉強しなきゃいけないけど眠い…
でもしなきゃなぁ…と葛藤していると電話が鳴った。
着信は直哉だった。
LINEは暇つぶしのようによくやってたけど電話なんて珍しい
「もしもし?」
「あー、もしもし?」
「どしたの?」
「いや、特に用事はねぇけど、」
「は?電話してきたのに?暇人なわけ?笑」
わざわざ電話してきたのに用事はないってどういうこと?
訳が分からなくって笑ってしまう。だって彼女持ちのすることじゃなくない?
「いや、お前最近LINEあんま返さないし…」
「あーごめん。体育祭の練習 外になってからめっちゃ眠くって。ってそれでわざわざ電話してきたの?暇か!?彼女にしなよ」
そう、そんな内容なら彼女にすればいいんだ。
ほんとはLINEだって後ろめたさがあるから少し量を減らしたいのもある。
教科書だって彼女に借りに行けばいいのにわざわざ遠い教室の私に借りに来るからか、最近直哉の彼女の周りからのあたりはきつい。わざと聞こえるように「彼女もちにちょっかいかけんなよ」と囁かれたり、「ぶすのくせにマジ男好き」と噂されているという。
でもいつまでも彼女持ちの直哉への気持ちを引きづってる私が悪いからその噂も否定することができずにいる。
「あー、まぁ彼女とは別に話してるしよくね?」
「嫌だめでしょ。また愛美の時みたく振られちゃうよ。ちゃんと彼女大事にしなよ」
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