上 下
20 / 55

19

しおりを挟む


あまりのことに驚きすぎて声が出せずに固まっている私を見て神田君はふっと笑った。

そして甘えるかのように ダメかな? なんて聞いてくる。

なに?これ?夢?私潜在的には神田君がすきだったの?

じゃなきゃ爽やか好青年としてクラスで騒がれてる人が私なんてありえない!

なんて、もう頭の中はまとまるどころかてんで散り散りに思考が動いてる感じ。

「大田さん?」

神田君の声でハッとする。

「あっ、ごめん!ぼーっとしちゃった」

「ふふっ、ひどいなぁ、じゃあもう一回言う?」

なんていたずらっ子のような顔で聞いてくる。

神田君ってこんな人なの??もう顔がさわやか好青年じゃないよ!!!

いまだに頭のパニックが収まらない私は、もう間違いなく、間違った質問をしてしまった。

「えっと……わたし??ですか??」

もう人違いではなかろうかと思ってしまったんです!

「ははっ、さすがに顔を見て人違いはしないよ」

そりゃそうだ!!LINEや電話ならまだしも私たちは今会っている。それをどうやって間違えばいいんだ

「そ、、そっか。そうだよね」

 にっこり笑ってみせるが、自分でもわかるくらいに引きつってる。

「えっと…あの、、えっとね…」

なんといっていいかわからず、ただただどもっている私を尻目に神田君はニコニコとずっと微笑んでいる

「大田さん、困らせてごめんね。ダメ?なんて言っといてなんなんだけどね、今返事が欲しいわけじゃないんだ。」

え?
私が驚いた顔で神田君を見つめていると

「いや、勘違いしないでね!僕の気持ちはさっき伝えた通りだよ?

けど、今は大田さんが僕をそういう風に見てないってことくらいわかるよ。だから意識してもらいたいなと思って伝えたかったんだ。

   だから意識して?   」

またいたずらっ子みたいな笑顔で私に笑いかけてくる。

「え?なんで私?だってほぼ接点なかったよね?そんな話した記憶もないし」

ふとそんなことを聞くと照れたようなはにかみわらいで答える

「そんな話した記憶がないって傷つくなぁ。来栖さんと席が隣になってからは話すようになったと思ってたんだけどなぁ。」

なんて言いながら、まぁこれからだねと笑った。

「ん~、、始まりは一目惚れになるのかな。でも気になって、目で追うようになってからは性格がすごく好きだなぁって思った。友達想いだしね」

は?一目惚れ??目が悪いの?それか趣味が悪いの?

てかなんで告白されて自分を蔑まなきゃいけないんだ!!!

でもこれはどう考えてもおかしい!!

私は神田君の話しを聞き終え、ちょっとだけぼーっとした後周りをキョロキョロと見渡した。

ふっと笑い声が聞こえて、ドッキリじゃないよって言われた。

なんで私の心の声がわかるの??

やっぱり夢なの??

まだふふふっと笑ってる神田君が どうしてそんなに驚いてるの?って聞いてくる。

「いや、なんで神田君もてるのに…それに私可愛くなんてないのに一目ぼれなんてありえないし…」

自分で言っていてなんだかさみしい気持ちと真に受けて恥ずかしい気持ちとがおり混ざって凄く変な気持ちだ。

「え?大田さん可愛いじゃん!!クラスの男子も言ってるよ?野球部でも話出たりするし」

「……そんな話盛らなくて良いよ?」

「ほんとだって!!盛ってないよ!!!」

「……ありがとう…」

これ以上否定してもどうにもならない気がして、気持ちだけ受け取っておくことにした。

「信じてないね?まぁ、いいんだけどね。他の奴らがどんなふうに見てるかなんて教えてあげたくもないし」

そういってにこっと笑った。

ん~…なんだかどうしていいかわからないけど逃げ出したい!!

「で、ちょっとは意識してくれた?」

私の顔を覗き込んでそんな事をいう彼の顔が目の前にくる

「あっ、えっと、、でも、、その…ごめんなさい」

最後は絞り出すように言葉を出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

約束してね。恋をするって

いずみ
恋愛
宇都木陽介は、天文部に所属する高校二年生。今夜も、せっせとバイトして買った新しい望遠鏡を持って、高台の公園で天体観測を楽しんでいた。 そこにふらりとあらわれたのは、白いワンピースを着た無表情な少女。幽霊かとも見まごうその少女に、陽介は見覚えがあった。 学校での様子とは月と太陽のように違う顔を持つ木ノ芽藍。 陽介の学校生活と進路が、藍によって乱されていく。 高校生のあれやこれやです。でもやっぱりちょっと変な話です。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

人生負け組のスローライフ

雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした! 俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!! ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。 じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。  ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。 ―――――――――――――――――――――― 第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました! 皆様の応援ありがとうございます! ――――――――――――――――――――――

あの音になりたい! 北浜高校吹奏楽部へようこそ!

コウ
青春
またダメ金か、、。 中学で吹奏楽部に挫折した雨宮洸。 もうこれっきりにしようと進学した先は北浜高校。 [絶対に入らない]そう心に誓ったのに そんな時、屋上から音が聞こえてくる。 吹奏楽部で青春and恋愛ドタバタストーリー。

処理中です...