幼い子が父に会いたいと夫を訪ねてきました。この国は不倫はご法度の国。これから先起こることは全部ご自身のせいですよ？

本音

私を引き寄せ、ギュッと抱きしめながらダグラスがそんな事を言います。

頭をポンポンと叩きながら、まるで赤子をあやすように叩きながら………


私は弱音を吐き出しながらダグラスのいう通り大きく息を吐いて吐いて、吐いて、吐いて、大きく吸い込みます。

大きく吸い込むとダグラスのにおいがします。安心する優しい匂い。大好きだった匂い………



ふっ……ふぇっ………




気付いたら息を吐くのと一緒に涙も流れていました。

一度流れだすと堰を切ったように涙が流れだし、止めることができません。



「んっ……わたじだって…ふっ………夫のこと、、だいじに思ってて……ふぅっ……いつかわたしたちのペースで子どもだってって………ふっ、なのに……なのにっ！

うわきってなによ！！こどもってなによ！！5年ってなんなのよ！！！ふっ、、、ふっ………うぁぁぁぁぁっっっ！！！！！！」





涙が溢れ出すと、心の中で渦巻いていた嫌な感情もあふれ出て来て、ダグラスに抱き着きながら散々喚きながら泣き、、、いつの間にか深い眠りに落ちていました。




そして気付いたのは翌日のお昼でした。
カーテンから漏れる陽はとても明るく、カーテンを開けると、まるで新しいスタートの日を祝うような天気のよさです。

昨日は泣いて泣いて泣きました。


あんなに泣いたことはダグラスが突然いなくなってしまった日以来です。


でも泣いてすっきりしたから今日からはもうくよくよなんてしません！


だってあんなくそ野郎の為にくよくよする時間なんてもったいないですから。