幼い子が父に会いたいと夫を訪ねてきました。この国は不倫はご法度の国。これから先起こることは全部ご自身のせいですよ?

暖夢 由

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ちょっと剣を持ってこい

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「ステフ、急を要する案件とはなんだ?なにか大事でも起こったか?」

父がそのように問います。

「お父様、お母様、そしてお祖父様にお祖母様、急な呼び出しにも関わらず、こうしてお越しいただきありがとうございます。

緊急に相談したい内容がございましたのでご連絡いたしました」

「やめなさい。ここには家族しかいないんだから畏まる必要はない。
内容を聞こう。だがその前にジョシュエル君がいないようだが、もしかして彼に関することなのかい?」

お祖父様、さすがにいい勘ですね。

「ええ。

……………ジョシュエルには、他に女性がいることがわかったの。

女性だけではない。子までいることが」

「子!?その女性が身籠っているということ!?なんて事……まだ結婚して半年だというのに!」

母が怒っているとわかる声でそのようにいいます。
………でも身籠っているだけではないのです……

「子を身籠ってもいるみたい。
………でも一人目はすでに3歳。4歳になろうとしている子がすでにいるそうですよ」

私の言葉に誰も言葉を発しなくなくなりました。

それほどに衝撃的な内容。

だって結婚する前に子がいる人だったなんて衝撃的すぎるでしょう。

「……4歳!?………それは間違いなくジョシュエル君の子なのか?
誰かの噂話なら……事実を先に確かめなければ。

この国でそんなばかな事をする者などさすがに………」

父が信じられなさそうにそういいます。
そうですよね。これがよその国ならばまだしも、この国でこんな事をするだなんて………

「間違いなく彼の子だと思います。
だってその子はジョシュエルによく似ていたもの。

そして彼は今でも週に3回はその母の元に通っているの。」

「まって、

身籠ってもいると言わなかった?2人目がお腹の中にいるということなの?」

母が私の目を見てそのような質問を口にします。

「そう。さすがにその子がジョシュエルの子かまでは断言できないけど、相手の女性はジョシュエルが侯爵家当主だと思っているようですし、他人の子を身籠ることはないのではないかと」

「ちょっ、ちょっと待て………
どうしてジョシュエルが侯爵家当主になる?

いや、すまない。私たちが取り乱しすぎた。最初からわかるように説明をしてくれ」

父が少し冷静になったのか、わからな過ぎてパニックになっているのか、そのように言います。


私はできるだけ正確に、わかりやすいように私情を省き事のあらましを説明しました。

私の説明を聞き、とりあえず全員一口お茶を飲んだところで……

「ちょっと剣を持ってこい。ジョシュエルは今どこにいる?」

父が剣をもってこさせようとします。
いや、剣を持ってどこに行くつもりですか……
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