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妖精も食べれました

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そうして話がひと段落つくとメイドがお菓子を運んできてくれます。
今日は冴木美加が死ぬ前によく食べていたもの。フルーツサンドをお願いしていました。フルーツがたくさんとれるこの国だからどうしても食べたくなったのです。
でもお願いした通り、とても綺麗に盛られ、とても綺麗に切られています。美味しそう!!
そして一人ずつの前にお皿が用意されるとさすがにお母様たちは離れてくれました。アンだけは腕に触るだけということで、隣で食べるようです。

「シルヴィア!なんだこれは!!」

私の分のお皿のふちにぴょん吉が座って、フルーツサンドを見ています。

「フルーツサンドというもので、パンの間に生クリームとフルーツを挟んでいるのよ。良かったら食べてみる?」

妖精は食べないと聞いていましたが、ぴょん吉の様子になんとなくそう聞いてみると、無言で頭をコクコクと揺らしています。
あら、可愛い!

私はナイフで少しだけ切り分け、ぴょん吉の前に置きました。

ぱくっ!!

「うっ……」

うっ??

「うまい!!なんだこれ!すごくうまいぞ!!」

それはよかったですね。私も……令嬢ならばナイフとフォークということはわかっていますが……これは手でしょう!私は手でサンドイッチを持ち、そのままパクッ……ん~これこれ!!フルーツの甘み、酸味と生クリームがふわふわのパンに包まれてて美味しい!!

私が目を瞑ってその美味しさに浸っていると腕をペチペチぺちと叩かれます。アンが私の腕を叩いているのです。それに気づき、目を開けるとぴょん吉の周りが今までは少しキラキラしていただけなのに、今はあきらかにキラキラが増しています。

「んんっ!!うまい!シルヴィアもっとくれ!」

まさかのおかわり?それを聞いてアンがメイドにお願いするために席を立ってくれました。
そしてこちらに帰ってくると

「お姉様!!ぴょんちゃんが見えます!!」

いつの間にやらぴょんちゃん。
でもアンは今わたしから離れているのです。それでも見えているということは!…………どういうこと?そうしているとまた切り分けられたフルーツサンドが運ばれてきて私の前に置かれます。すぐにぴょん吉が飛びつくように食べ始めます。すると先ほどよりも輝きが増していきます。

「うわっ、光が見えるようになった!」

ルイス様が少し興奮気味にいいます。
だから試しに私はお母様と手を繋ぐことにしました。

「シルヴィア、これうまい!!明日も食えるのか?」

「まぁ!!妖精さんは随分と低い声なのね……」

やっぱり聞こえるようです。
これはきっとぴょん吉の力が強くなっているということなのでしょうね。

この後も出されたお皿の上のサンドイッチをすべて食べていましたが、これ以上の変化はありませんでした。

そんなことがありながらも、私たちは正式な婚約者となりました。そして今後の事を話し合い、自分の国スコラッシュ国へ帰ることになりました。



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