ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います

お店作り

その日から私たち家族はお店を出すための準備を始めました。
私とお母様でどんなお菓子を出すのか、どんな内装にするのかを考えます。

そしてお父様とエドで店の出店場所を考えます。

私は出来ればこじんまりと始めたらどうかと考えていたのですが、お父様とエドがもって来た場所は王都の1等地。ただそこらへんにある店は宝飾店や、服飾店など高級店ばかりです。そんな場所でお菓子を売るなんてと驚いていると、隣で聞いていたお母様は楽しそうねと嬉しそうな声で話しています。

お母様のその一言を聞いたら、即決でした。

そして場所さえ決まったら早い早い。さすが公爵家。お金は出し惜しみせず必要なところに必要な分だけ使うことが出来ます。

だからまた分担。
お母様はお店の内装を整えます。
お父様はセキュリティー関係と雇用関係です。
エドはリーシャさんと一緒に、お土産用のお菓子の箱のデザインを考えます。
そして私はもちろんお菓子のレシピと、なにより楽しみなのが店内スタッフの制服作り。キャロルがメイド服でお菓子を作っていたのを見て今回はどうしても作りたかった。白いフリルを多めにつけたメイド服。男性は清潔感のある白のコックコートを採用しました。
内装担当のお母様にお願いして、キッチンの一部をガラス張りにしてもらって、メイド服姿の娘がお菓子を作っている姿も覗けるようにしました。

だって可愛い子が頑張ってる姿ってそれだけで萌えちゃいます！

もちろんそこからコックコートの男性が作る姿も覗けるので、女性の目も絶対に引けると思います。

この世界では基本的に貴族は調理室に足を踏み入れません。だからどのように調理しているか知らない人も多いのです。もちろんお菓子だって出来立てを熱いうちに食べることなんてありません。あの熱々感も美味しいのに…

だから中が覗けるこのタイプは絶対に目を惹くはずなのです！！

そんなこだわりをちょいちょい見せながら、かなりの人数を投入して作り上げた店はなんと構想からほぼ1か月くらい。元々建物自体はあったものを再利用したということで早かったらしいです。

なによりもステジア男爵が正式にあのお菓子を売り出す前に、お店で売り出す必要があったからかなりのお金を使って準備をしました。

お父様とお母様にそんなにお金を使っていいのか聞いたこともあったけど、今回のは使うだけ雇用が生まれ、お金が回っている。いいお金の使い方だと誇らしげに言われたので存分に甘えさせてもらいました。


そしてここだけは譲らないと言われたのは店の名前。

堂々と私が関わったとは言えないけど、今後の為と言われ決まった店の名前

『シア・スイーツ店』