上 下
28 / 87

ナタ、ナタ、ナタって……

しおりを挟む

「あっ、じゃあ持ってくるまでの間にチーズケーキを」

カチャッ

「お待たせいたしました。こちらがその箱でございます」

お父様…チーズケーキは諦めたら?

「ありがとう。えっと……ナタロン?それと、ナタマル?もう一つがナタロアって書いてるわね。どう?」

ナタ、ナタ、ナタって…ナターシャのナタね…そんなに自己主張しなくても……
でも大ナタとかナタ福はいやだったのね。まぁ分からないわけでもないけど…その名前推しはどうかと思うわ……

「お母様らその名前についての感想はありませんが、私が思っていたものとは違っていたので、商売するのは問題ないかと思います。ただ、そのお菓子の考案者と思われる方は多少面識がありますので私が関わることは隠して欲しいです」

「え?シルヴィちゃんしりあいなの?」

お母様が不思議そうに見てきます。もちろんお父様とエドも。

「エド、ピンクの彼女よ」

「え?あの人!?あの人前も見れないのに味覚もないの?」

たしかに……そう言われればそうね…なんだか生きづらそうね……

「エドも知り合いの人なのか?だがこんな粗悪品を商品にするような度胸があるのはすごいな…どういう人なんだ?」

んー……あれを度胸とは言わない気がする…

「私にとったらなぜか事あるごとにぶつかろうとされ、その度に『あ、すみません。よく前を見ていなくて…あら?あなたはエドワード様。またお会いしましたね』って言う怖い人かな。それから……その……王子とよく一緒にいるらしい人…かな…」

「王子と一緒にいるとはどういうこと?」

お母様の顔が一瞬にして歪んだ…あっ、氷点下に下がる前……

「いや、えっと…最近学校ではその女性と王子がよう一緒にいるそうなのです。なんでもその女性がいじめられていると噂もあり、彼女がそう主張するたびに王子がそのクラスまで出向き、いじめをしてる奴をみつけたときは許さないといっているそうです。ですよね、姉上」

エド…お母様の迫力に押されて私に振らないでほしいわ。

「私もその現場を見たわけではありませんが、いろいろな方に聞く限りその話は事実だと思います。またわざとかまでは断言できかねますが、何度か私の前で仲睦まじく身体を寄せ合っているところを見せつけるようにしていたので、そのときは婚約者でもない方とそのように手を握ったり、身体を寄せるべきではないと伝えております。」

「そう、あのお馬鹿王子は女性と手を握ったり、身体を寄せていて、しかもその様子をシルヴィちゃんにみせていたと言うことね」

あぁ、お母様の姿勢がピシッと伸びています…
さすがマナー講師です。その姿勢は見惚れてしまいます。でも家でこの姿勢のときはいいことがありないのよね。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜

晴行
恋愛
 乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。  見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。  これは主人公であるアリシアの物語。  わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。  窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。 「つまらないわ」  わたしはいつも不機嫌。  どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。  あーあ、もうやめた。  なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。  このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。  仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。  __それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。  頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。  の、はずだったのだけれど。  アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。  ストーリーがなかなか始まらない。  これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。  カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?  それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?  わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?  毎日つくれ? ふざけるな。  ……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?

公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~

薄味メロン
恋愛
 HOTランキング 1位 (2019.9.18)  お気に入り4000人突破しました。  次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。  だが、誰も知らなかった。 「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」 「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」  メアリが、追放の準備を整えていたことに。

推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした

古里@10/25シーモア発売『王子に婚約
恋愛
前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。二人をくっつけようとするシルフィだけど、何故か上手くいかなくて・・・・。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。 その上、何故か史上最強の母親たちが出てきてもう大変です! 今回もハッピーエンド目指して頑張ります! 小説家になろう、カクヨム掲載中です。

「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?

白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。 「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」 精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。 それでも生きるしかないリリアは決心する。 誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう! それなのに―…… 「麗しき私の乙女よ」 すっごい美形…。えっ精霊王!? どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!? 森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

第二部の悪役令嬢がシナリオ開始前に邪神の封印を解いたら闇落ち回避は出来ますか?~王子様との婚約解消はいつでも大歓迎です~

斯波
恋愛
辺境伯令嬢ウェスパルは王家主催のお茶会で見知らぬ令嬢達に嫌味を言われ、すっかり王都への苦手意識が出来上がってしまった。母に泣きついて予定よりも早く領地に帰ることになったが、五年後、学園入学のために再び王都を訪れなければならないと思うと憂鬱でたまらない。泣き叫ぶ兄を横目に地元へと戻ったウェスパルは新鮮な空気を吸い込むと同時に、自らの中に眠っていた前世の記憶を思い出した。 「やっば、私、悪役令嬢じゃん。しかもブラックサイドの方」 ウェスパル=シルヴェスターは三部作で構成される乙女ゲームの第二部 ブラックsideに登場する悪役令嬢だったのだ。第一部の悪役令嬢とは違い、ウェスパルのラストは断罪ではなく闇落ちである。彼女は辺境伯領に封印された邪神を復活させ、国を滅ぼそうとするのだ。 ヒロインが第一部の攻略者とくっついてくれればウェスパルは確実に闇落ちを免れる。だがプレイヤーの推しに左右されることのないヒロインが六人中誰を選ぶかはその時になってみないと分からない。もしかしたら誰も選ばないかもしれないが、そこまで待っていられるほど気が長くない。 ヒロインの行動に関わらず、絶対に闇落ちを回避する方法はないかと考え、一つの名案? が頭に浮かんだ。 「そうだ、邪神を仲間に引き入れよう」 闇落ちしたくない悪役令嬢が未来の邪神を仲間にしたら、学園入学前からいろいろ変わってしまった話。

【完結】聖女として召喚されましたが、無力なようなのでそろそろお暇したいと思います

藍生蕗
恋愛
聖女として異世界へ召喚された柚子。 けれどその役割を果たせないままに、三年の月日が経った。そして痺れを切らした神殿は、もう一人、新たな聖女を召喚したのだった。 柚子とは違う異世界から来たセレナは聖女としての価値を示し、また美しく皆から慕われる存在となっていく。 ここから出たい。 召喚された神殿で過ごすうちに柚子はそう思うようになった。 全てを諦めたままこのまま過ごすのは辛い。 一時、希望を見出した暮らしから離れるのは寂しかったが、それ以上に存在を忘れられる度、疎まれる度、身を削られるような気になって辛かった。 そこにあった密かに抱えていた恋心。 手放せるうちに去るべきだ。 そう考える柚子に差し伸べてくれた者たちの手を掴み、柚子は神殿から一歩踏み出すのだけど…… 中編くらいの長さです。 ※ 暴力的な表現がありますので、苦手な方はご注意下さい。 他のサイトでも公開しています

もしもし、王子様が困ってますけど?〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜

矢口愛留
恋愛
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。 この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。 小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。 だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。 どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。 それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――? *異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。 *「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。

処理中です...