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第2章

刑の執行

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私がこうして各地を巡り、各地の土地がよくなっているのと同時に、国の制度も変化していった。これまでの王族の元、甘い汁を享受し、領民の声に耳を傾けなかった領主は少なくなかった。そうした者たちは厳しく粛清された。
イヴァンカ国の貴族の数は、これを機にかなり減ることとなった。貴族が減ったからと言って、残った貴族の力が強くなったわけではなく、平民の声をきけるような体制にしたのだ。平民代表は貴族とも話し合いの場を持つことができ、環境改善を求めることができる。そしてこれからも変化していこうとお互いが手を握ったのだ。

そんな毎日を忙しなく過ごして、ついに明日は新国王の即位式だ。
私とフレッドはようやく落ち着いた日々を振り返っていた。

「なんかあっという間だったな。
サリーと1か月の新婚旅行のはずが、まさか1年もここにいることになるなんて想像もしなかったし、ナシェルカ家にすでに嫁いだ身で他国の運営に携わるだなんて想像もしなかった。
そして明日はようやく即位式。ここからがまた新たな始まりなんだな」

「そうね。私もずっとずっと行ってみたかったイヴァンカ国にまさか呼ばれていたなんて思いもしなかった。
でもおかげでキュミー達にも会えた。それにまさか自分で魔法が使えるようになるだなんて思いもしなかったけど、嬉しかった。

でも元王族の人たちは強烈だったわね。それに久しぶりのキャロル様も変わらずに強烈だった……
強烈なだけならよかったのに………」

あれから3か月後、元王族であり、斬首系を言い渡されていた4人に関しては、約束通り刑が執行された。
3か月間彼らは魔石取りの為に採掘作業に当たった。採掘作業は力がいる仕事な上に、忍耐力が必要とされるらしい。どの場所を掘れば必ず採取できるというものがあるわけではないため、ずっと掘り進めなければならない。

そしてどれだけ掘り進め、どれだけ多くの魔石を見つけたとしても、彼らにはすでに斬首系が言い渡されている。そのような状況では希望もない。しかし王だけはなにも言わず、ただただ作業を行ったそうだ。さすがに王であれば、元々自分たちが戦で負けたとなればどうなるかは覚悟ができていたそうだ。だからこそ、現実を受け入れることができたそうだ。

しかし、他は違った。

ただただ失意の底にいるようだったのが第4王子だ。王族に関して不思議なことに、すくなからず全員が持っていたはずの魔力が、捕らえられた日を境に消滅してしまった。そのことに誰より衝撃を受けたのが第4王子だった。今までどの王子たちより魔力が多いことが一番の自信だったのに、それがなくなってしまったのだ。仕方がないことなのかもしれない。

その中でどうにか身体を動かしながら魔石探しをしていたそうだ。

そんな中で相も変わらずといったところなのが第3王子と第4王女だ。ずっと叫び、文句を言い続けていたらしい。中でも王女がずっと言っていたのが「絶対あの女は許さない!絶対に復讐してやる!」というもの。

そんな強い憎しみを目に込めたまま、首を跳ねられていった。
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