小動物生活も悪くない！

嫌な記憶

俺は、すでに『前世』となってしまった記憶を辿ってみる。不思議なことに、人生最初の記憶であろう幼稚園で友人とごっこ遊びをしているものから死ぬ直前まで、全て濁ることなく思い出すことができた。
その鮮明な記憶の中から、最近のものをピックアップする。
常に反抗的な態度をとっていたため、教師陣からは嫌われており、一部の大人気ない者は授業中、わざと解けないような難問に俺を指名して、クラスの笑い者にすることがしょっちゅうあった。
クラスでも、人とはほとんど話さないサボりの常習犯だったため、避けられることが大半であった。かといって、不良グループに入れるほどヤンチャが過ぎる奴でもなかった。よって、悪い意味で孤立した存在であったはずだ。
下に見られている、ということを常に意識させられる立場であったが故、俺はゲームにのめり込んだといっても過言ではない、と思う。
自分で言うのもなんだが、現実に満足している人間は、ゲームなんていう所詮は架空の世界に全てを費やしている暇も理由もないのだから。
情けないな。
みっともない。
客観的に見てみると、自分は酷くみっともない存在であった。第三者から見ればすこぶるどうでもいいプレッシャーから逃げて、その行先がゲーム廃人だなんて。
違う生き物になってみて初めて、俺は自分自身を軽蔑することができた。
軽蔑する人生に、未練はあるか？
ー…ない。
今までの自分から、逃げているだけの弱虫だという自覚はあるか？
ーある。
今ある子猫としての人生（猫生）でも、同じ過ちを繰り返すのか？
ー嫌だ。
なら過去を忘れなさい
ーわかった
忘れて、今与えられた命で楽しむことだけを考えなさい
ー分かりました
ただし、自分がみっともないと思うことだけは絶対にするな
ーはい