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2:朝までゆっくり寝たい俺(3)

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 俺の上に乗ったナディアは騎馬にまたがる戦場の女神のごとき凛々しさがある。揺れるたびに髪がうねり、形のいいふくらみがたゆんたゆんと揺れる。美しい光景だ……。その腰をしっかりと抱いて、ぴったりと深い結合を味わう……。頂点が近い。ナディアが俺に倒れ込むようにしてのけぞり、密着してきた。押し付けられた二つの柔らかなふくらみに両頬を包まれて、甘い香りと汗が鼻をつく。
 
「はア……ッ」
「うう……!」

 きゅっと引き締められ、今度こそ同時に頂点に達した。ナディアを見ると、とろんと目も口も半開きになっていた。

「ト……トモヤ……まだまだゃ……よ」
「ふっ……!」

 快楽と魔力酔いのはざまでも、なお強気なナディア。そのギャップが可愛いのだ。

「そろそろ俺の魔力が回ってきたんじゃないか?」
「……ううん、まだ……いける……」
「本当か? じゃあこのまま突くぞ?」
「の、のじょむとこりょ、よ……!」

 おいおい。後半ほぼ喋れてないぞ。

「ほい」
「ひにャアン……ッ!」

 下から軽く突いてやったら、案の定クテン。俺はナディアをベッドに横たえてから、侍女に任せて部屋を出た。前半のナディアは虎であり、後半は猫だな……。

 本当なら、夜を共にした相手とは朝まで一緒にいてやりたい……。だが一晩中一緒にいると魔力酔いが深くなりすぎて、翌日どころか数日間恍惚状態に陥ってしまうということがすでにわかっている。

 身をもって知っているのは第一妃のレアナ。魔力の二日酔いならぬ五日酔いになったレアナは、なにも怖くない、怪我も痛くない、窓から落ちても階段から落ちても死ぬ気がしないといって、笑顔で無謀なことをするいわば幸せハイ、歓喜ハイの状態になった。一見楽しそうでいいのだが、危機意識や防御意識が極端に低下し、放っておいたらなにをしでかすかわからない無邪気な子供のようだった。目が離せないほどの脳内お花畑状態が五日も続くとあっては、朝まで同じベッドにとは行かないだろう……。

 そんなことなければ俺だって妻をこの手に抱いてゆっくり眠りにつきたいのだが……。まったく、チートすぎるのも考えものだ……。


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