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#99、 ――元の世界

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 プールの底から水面に浮上するように、意識が浮かび上がってくる。
 薄く開いた瞼の隙間から光が差し込み、遠かった音が次第にはっきりと聞こえてきた。

「奈々江、目が覚めたのか?」
「奈々江!」

 奈々江はにわかに頭に浮かんだその名前を口元で呼んだ。

(シュトラス……?)

 奈々江は何度か瞬きを繰り返して視点を合わせると、ぼんやりとしていた人影が次第に輪郭をおびていく。
 認識できた人影と景色。
 目の前には白い天井と、覗き込む懐かしい人たちの顔があった。
 奈々江はまだ声にならない声、あるいは心の中で呼びかけた。

(……、お母さん、お父さん……。 それに和左君と右近君まで……?)

 次第にくっきりとしていく感覚の中で、白衣の男性の声が聞こえる。

「血圧脈拍共に正常です。
 熱も下がっており、脳波も今はもう正常です。
 おそらく心配はいらないと思います。
 が、しばらくは定期的な検査を続けた方がいいでしょう。
 奈々江さんのような脳波形を持つ方は、医学的な見地から見ても、貴重なデータですしね」
(……脳波……?)

 なんのことをいっているのかわからなかった。
 奈々江はもう一度周りを見渡した。
 病院のベッド、白いカーテン、窓から覗く現代的な風景。
 今度こそ、元の世界だ。
 母の柔かな手の感触が、父の微笑みが、その実感を後押ししてくれる。
 ようやくその実感がわいてきた。

「奈々江、気分はどう?」
「……うん、少しぼうっとするけど、大丈夫」

 今度ははっきりと言葉に出た。

「心配をかけて、ごめんね、お母さん、お父さん。和左くんと右今くんも来てくれてありがとう……」
「いいんだよ、お前が無事でいてさえくれれば。いくらだって心配するさ」
「お、俺達は別に……。なあ?」
「うん。でも奈々江……姉ちゃんの目が覚めて本当に良かったよ」

 みんなの温かい言葉に、涙が出そうになる。

(わたし、本当に帰って来た……。現実に帰ってこれたんだ……!)

 奈々江は何度も何度も、家族の顔を見まわした。
 長い夢がやっと終わったのだ。
 心の底から安心して、深いため息をついた。

(シュトラス……。
 ありがとう、あなたのお陰で、現実に戻れたよ……。
 きっともう、二度と会うことはないと思うけど、でもありがとう……。
 わたし、きっとずっと、あなたのことを忘れないから……。
 この気持ち、死ぬまでずっと、この胸に抱き続けていくから)

 それから数日後、奈々江は退院することになった。
 正直、夢の世界のことがあまりにもはっきりと記憶にありすぎて、現実のほうが現実ではないような奇妙な感覚すら覚える。
 病院のエントランスホールで須山真が娘を振り返った。

「ナナエ、これで荷物は全部か?」
「ええ、お父様」
「おとうさま!?」

 驚いたようにその場にいた全員が奈々江を見た。

「あ……、お、お父さん……」
「やあねぇ、奈々江ったら、まだ本調子じゃないのね」

 須山日夏が少し心配そうに娘を見た。

「そ、そうみたい……」
「今お父さんと車をとってくるから、和左と右今といっしょにここにいて」
「はい、お母様……。あっ、お母さん……」

 隣でぶっと右今くんが笑った。

「奈々江姉ちゃん、乙女ゲームに入りすぎ」
「仕事のやりすぎなんだよ。大体」

 和左くんがぶっきらぼうにいった。
 何年もあっていない二人はもう全然知らない大人の男性になっていた。
 昔の感情を持ち越すかと思ったけれど、"恋プレ"の夢のおかげもあってか、全然嫌な感情は湧いてこなかった。

「そういえば、右今くん。今度お店に食べに行くね。今から楽しみにしてるの」
「ああ、来てよ。俺、今野菜番なんだ。野菜の料理注文してよ」
「ふふっ、うん、わかった。和左くんのお店もそのうち行くね」
「はあっ!?」
「お母さんも楽しみにしてるから」
「来なくていいから、マジで!」

 こんなふうにふたりと普通にしゃべれる日が来るなんて思っても見なかった。

(ふたりと一緒にこんなに自然体でいられるなんて不思議。ブランシュとライスのおかげかな)

 そのとき、担当医師の智野井宗次と、看護師の浜辺祥一が揃ってやってきた。

「退院おめでとうございます」
「ありがとうございます。いろいろとお世話になりました」

 智野井宗次が眼鏡を押し上げる。

「しばらくの間は定期検査を受けて様子を見させてくださいね」
「はい、今後もよろしくお願いします」

 浜辺祥一がにこっと笑った。

「予約の電話は早めにお願いしますね。検査技師のスケジュールをとらなきゃいけないので」
「はい、わかりました」

 そのとき、エントランスのほうから足早に人影がやってきた。
 斎藤拓真だった。

「え、社長、わざわざ来てくれたんですか?」
「ああ、今日だと聞いていたから。退院おめでとう。俺も安心したよ」

 今度は後ろから奈々江を呼ぶ声がした。

「奈々ちゃん、退院おめでとう」

 そこにいたのは、小学校の頃からの幼馴染だった。
 早稲田ライル。
 そういえば、製薬メーカーの営業として働いていて、見舞いにも何度か顔を出してくれていたと、奈々江は日夏から聞いていた。

「あ、ライルくん、久しぶり……」

 そのとき、エントランスのガラスの回転扉のほうから複数の男性が入ってきて、奈々江の前で止まった。
 黒いスーツの男がさっと名刺を差し出す。

「退院おめでとう」
「え……」

 それに続いて、橙色のネクタイをして、弁護士バッジをつけた男性も名刺を差し出す。

「退院おめでとうございます。これから賠償金のことで少しお打ち合わせ願いたいのですが」
「え……?」

 その隣にはフォレストグリーンのスーツを来た男性、またも名刺。

「どうしても弟が退院に立ち会うと聞かないもので」
「え……??」

 その隣にはグリーンのパーカーを着た見覚えのある男性の顔。
 職場近くをよく犬の散歩をしているドッグトレーナーだ。

「須山さん、無事の退院おめでとうございます」
「え……???」

 奈々江は戸惑うほかなかった。
 上司や幼なじみはともかく、さほど馴染のない顔ぶれや知らない人まで、どうして退院の見送りに来てくれているのか。
 妙なことは重なるもので、回転扉から今度は遠目にも白く派手な男性がやってきた。

「おお、奈々江ちゃん、退院おつ~。って、俺のこと覚えてないか。はいこれ店の名刺。来る時は俺を指名してね~」
「え……????」

 さらに困惑していると、和左がため息をついて、口をゆがめた。

「奈々江は寝てたから全然覚えてねぇと思うけど、そっちからバスの事故の担当した警察の人。
 事故の賠償についてやってくれてる弁護士。
 事故を起こすきっかけになった犬を散歩させていた、ドッグトレーナーとその会社の社長。
 んで、この人は俺の店の先輩。つうか、先輩なんで来たんすか?」
「お前は俺の弟分だろ。弟の妹は俺の妹みたいなもんだろ~」
「はあ……、そうっすか?」

 同時多発的に複数の男性が周り、奈々江の周りはいきなりちょっとした輪ができている。

(な、なんか、わたしだけ浦島太郎状態で、よくわからないんだけど……)

 そのとき、ふいに奈々江は髪を耳にかけるタイミングで自分のこめかみ触れた。
 その時だ。
 突然、目の前に無数のポップアップが一斉に現れた。

「えっ……!?」

 見覚えのあるそのポップアップに思わず息が止まった。
 MRのように現れたポップアップは、目の前にいる人々から一つずつ出ている。
 それぞれのポップアップに、対象の情報が書かれていた。

(な……、なに、これ……!?)

 木藤和左、二十六歳、トビ職人だったが腰を痛め、現在はホストクラブ勤務、奈々江の従兄。
 木藤右今、二十四歳、調理師学校卒業後、中華料理店に勤務、奈々江の従弟。
 早稲田ライル、二十五歳、製薬会社勤務、奈々江の幼馴染、犬好き。
 斎藤拓真、四十一歳、ゲーム会社社長、奈々江の上司、バツイチ。

(なんで、なにこれ? わたし、まだ夢を見ているの?)

 奈々江は混乱した。
 戻ってきたはずの現実の世界にまで、どうして"恋プレ"と同じキャラ情報のポップアップが出ているのだろう。
 しかも、ポップアップにはゲーム同様、もれなくピンクのラブゲージがついている。

(ど、どうなっているの……!?)

 視線を移すと、それぞれのポップアップが前に出てくる。
 智野井宗次、四十代、脳神経専門医、奈々江の担当医。
 浜辺祥一、二十代、奈々江の担当看護師。
 本宮人志、二十代、警視庁勤務、奈々江の乗っていたバスの事故を担当する。 
 新谷章介、三十代、弁護士、奈々江の乗っていたバスについて賠償を対応する。
 藤堂祐、二十代、バスの事故のきっかけとなった犬を散歩させていたドッグトレーナー。
 藤堂満、三十代、藤堂祐の兄で、ペット関連の会社社長。
 古賀旅人、三十代、ホストクラブ勤務、和左の先輩。

 奈々江は彼らのゲージを見てなんども瞬きした。

(ラブゲージ、なんか異様に高くない……?)

 思い当たる節、そんなの奈々江にあるわけがない。
 奈々江の頭はますます混乱する。

(社長のラブゲージが九十パーセント!?
 ええっ、和左くんも右今くんも五割超えてるなんて、そんなに……?)

 あまりよく知らない相手に至っては、ばらつきはあれど半分以下ほどの好感度がピンク色で示されている。

(ど、ど、どうなってるの……!?
 わ、わたしの頭、おかしくなっちゃったの……?
 それとも、わたし、まだゲームの夢の中にいるの?)

 衝撃と混乱が奈々江の口をあわあわと動かすが、言葉になって出てこない。

「大丈夫か、奈々江?」
「奈々ちゃん、どうしたの?」
「須山くん、大丈夫かい?」
「奈々江ちゃん?」

 攻略キャラ達が口々に奈々江の名前を呼んで、顔を覗きこんでくる。
 その景色たるや、"恋プレ"にも負けない、まるでリアルな乙女ゲームのキャラ一覧図だ。
 でもこれはゲームじゃない。
 夢じゃない。
 夢じゃないはず。
 いや、え、夢じゃないよね?
 頭の中はもうパニックだ。

(なんでなの?
 両想いになってゲームをクリアしたらと、元の世界に戻れるんじゃなかったの!?
 なんで、ここにもラブゲージがあるの?
 ……まさか、ここでも両想いになってクリアしろってこと……!?)

 奈々江がそれぞれの顔を見わたすと、それぞれがじっと奈々江を見つめ返してきた。

(ひっ、ひえ~っ……!)

 思わず、かあっと顔に熱いものが駆け上る。
 ついに思考回路がショートした。
 顔から火が出そうとはこのことをいう。
 たまらず顔を覆ってしゃがみこんでしまった。

「奈々江!?」
「な、奈々江姉ちゃん!」
「奈々ちゃん、大丈夫!?」
「須山くん!」
「須山さん!」
「大丈夫ですか!?」
「ど、どうした!?」
「須山さん……!」
「須山さん!?」
「どうしたんですか!?」
「奈々江ちゃん、大丈夫か~!?」

 降り注ぐ声を頭の上にして、奈々江は心の中で叫ぶ。

(今度はリアルでなんて……、そんなのぜんぜん、聞いてない~っ!!)







 ご愛読ありがとうございました! この後はあとがきです。


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