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#21、 7人目の攻略キャラ、第二皇太子シュトラス

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 奈々江は思わず口走っていた。
 バラの庭の中に佇むシュトラス。
 そのシュトラスの前には、ハスキー犬を藍色に染め抜いたような犬がいる。
 王族同士、互いに礼をし合った。
 太陽のエレスチャルのことを聞くのはまずいといわれているが、核心に触れずとも、それとなく情報を聞き出せないものか。
 奈々江と同じことを考えていたのか、ブランシュが口を開いた。

「すばらしい庭ですね、シュトラス殿下。
 貴国の植物における魔改良の技術の高さが伺われます」
「お褒めのお言葉ありがたく存じます」
「俺の国でも魔法研究は盛んですが、貴国でも研究は魔術師団の特権ですか?
 シュトラス殿下は並外れた魔力の持ち主だと聞き及んでいます。
 それに、特別な力がおありだとか」
「……」

 突如としてシュトラスの顔色が変わった。

「貴殿がお考えの事柄でしたら、私の口から話すことはなにもありません。
 失礼」

 ぱっと背を向けてシュトラスが離れていく。
 ブランシュが、しまったとつぶやいた。

「心を読まれた。
 防御魔法を張っていたのに、簡単に破られた」
「えっ……!?
 じゃあつまり……」
「エレスチャルを取り出す方法を探っていることがばれた。まずいな……」
「そ、それじゃあ、シュトラス殿下のエレスチャルを狙ってるって思われたんですか?」
「ああ、誤解を解かないと……。
 でなければ、最悪このまま兵士を呼ばれて、俺もお前も地下牢行きだ」

 さあっと奈々江は青くなった。
 まさか、この期に及んで獄暮らしなど経験したいはずもない。
 奈々江はブランシュの腕から離れると、すぐさまにシュトラスを追っていた。

「シュトラス殿下、お待ちください!」

 ぴたっと足が止まり、強張った顔でシュトラスが振り向いた。
 寄り添っていた藍色の犬も主人と同じように奈々江を見た。
 こうなっては、もはや隠しておく方が危険だ。
 奈々江はすべてを打ち明ける覚悟を決めた。

「少しだけ……、少しだけわたしの話を聞いて下さいませんか?」

 グレナンデスをそのままそっくり一回り小さくしたようなシュトラス。
 グレナンデスと違うのは、警戒心の強いそのまなざしと、耳たぶのあるほくろくらいだ。
 シュトラスはため息をついた。

「正直、僕は兄とあなたとの結婚が気に入らない」
「そ、それは……」
「あなたは嘘をついている」
「え……」
「噓というのは正しくないな。
 本当のことをいっていない。
 そうだろ?」

 人の心が読めるというシュトラス。
 シュトラスに、奈々江の心はどう映ったのだろうか。
 奈々江はすぐに答えられなかった。
 しかし答えなければ、そうだと肯定してしまうことになる。
 奈々江は息を吸いなおした。

「シュトラス殿下……。
 今からするわたしの話を聞いて、もしもわたしのことが信用できないと思ったら、どうぞそうおっしゃってください。
 わたしはすぐにも兄とエレンデュラ王国に帰ります」
「あなたも僕のエレスチャルが欲しいのか?」

 眉を寄せるシュトラスに向かって、奈々江は首をゆっくり横に振った。

「わたしの体の中にも太陽のエレスチャルがあるのです」
「……なんだって?」
「わたしの場合は生まれながらにではなく、誤って太陽のエレスチャルを飲み込んでしまったんです」
「の、飲んだ……!?」
「はい……。
 取り出すにも、どうしたらよいのかわからなくて困っていたのです。
 そんな折、わたしと同じように体の中に魔法アイテムを持っている人物がいると聞いて、それで、わたしはシュトラス殿下にお会いしたら、このことをご相談させていただきたかったのです。
 しかし、内容が内容なだけに、どのように切り出したらいいのか、あるいはシュトラス殿下のお命を狙っていると誤解されるのではないかと懸念しておりました……」
「それで、エレスチャルのことを探ろうとしていたのか?」
「はい……」

 シュトラスが慎重な面持ちで奈々江を見つめる。
 以前見たとき、シュトラスのラブゲージは半分だった。
 そのとき推察したとおりなら、シュトラスも奈々江の心を半分くらいしか読めないのかもしれない。
 それで、本当のことをいっていない、と判断したのではないだろうか。
 奈々江はシュトラスが信じてくれるとように祈りながら、シュトラスの視線を真正面から受け止めた。

「そうか……、それでだったのか……」
「それで、とは……?」
「ナナエ皇女殿下、あなたの心は僕には読み切れない。
 あなた以外の人の心は、言葉や映像ではっきり聞こえるし見えてくるのに、あなたの心は薄もやにかかったようにしか見えないし、声も遠くて聞き取れない。
 あなたが喜んでいるか、嫌がっているか、その程度しかわからない。
 それは、太陽のエレスチャルのせいだったんだな」
「エレスチャルを持つ者同士は、その力が相殺されるということでしょうか?」
「恐らくはそういうことだね。
 太陽のエレスチャルといえば、万人の心を引き付ける強力な魔力を持つ石だ。
 僕も初めて会うあなたになぜか心を惹かれた。
 でもそれがなぜだか全然わからなかった。
 この国の独身男性は今や、みんなあなたに心奪われている。
 太陽のエレスチャルのせいだったんだ」
「そ、そうなのです……!」

 シュトラスの瞳から疑いが晴れたのがわかった。
 奈々江はシュトラスの前へ進み出て、そっと膝を折った。

「信じていただけてうれしいです。
 太陽のエレスチャルをわたしの体から取り出すことはできるでしょうか?
 アキュラス王弟殿下のご乱心のようなことは二度と起こしたくありません。
 グレナンデス殿下の皇太子妃選びも、このような魔法の力に左右されず、しかるべき方が正しく選ばれるべきです。
 そのためにもどうか、わたしに力を貸して下さませんか……?」

 合点がいったというように、警戒の溶けたシュトラスは打って変わって、年相応の朗らかさをその顔に浮かべた。

「そういうことなら力を貸すよ。
 あなたの心が読めないから、余計に警戒しすぎていたみたいだ。
 今ならわかるよ。
 あなたは誠実な人だ。
 太陽のエレスチャルのせいで、兄に熱烈にアタックされて戸惑っていたんだね」
「は、はい……。
 お恥ずかしながら、わたしは恋愛ごとが不得手で……。
 でも、太陽のエレスチャルが外れれば、きっとその人本来の姿や魅力を、お互いに知ることができるようになります。
 その結果として、良い方と巡り合えればそれが一番だと思います」
「そうだね。
 でも、僕はあなたが兄の妃でもいいよ。
 呪いを受けたことのあるあなたなら、僕らの気持ちがわかるから」
「呪い?」

 突如現れた暗い言葉に奈々江は目を見開いた。
 シュトラスは、ふっと藍色の犬を見つめた。
 犬のほうも飼い主をじっと見つめ返している。

「ナナエ姫、あ、ナナエ姫って呼んでもいいかな」
「はい」
「ナナエ姫は太陽のエレスチャルの力を、呪いだと思ったことはない?」
「え……」
「僕はずっとそう思ってきた。
 聖水のエレスチャルの力は呪いだよ。
 始終、人の心が自分の頭の中に入ってくるんだよ。
 初めは、自分と他人の区別すらつかなかくて、混乱したり怖い思いもした」
「そうだったんですか……。
 それは、防御などはできないものなのですか?」
「今はできるけど、できなかったころは、本当に頭がおかしくなりそうだったよ。
 誰もがいつも正直者ではいられないし、口に出さないからといってなにも思っていないわけじゃない。
 人の心なんて、読むものじゃないよ」
「それで、呪い……」
「うん、あなたも太陽のエレスチャルのせいで大変だったでしょ?」
「はい……、確かに呪いといわれればそれに近いかもしれません」

 シュトラスの苦労と比べようがないが、強力な魔法アイテムから逃れられないという境遇には近しいものがある。
 その苦労を少しでもくみ取ろうと見つめていると、シュトラスがふっと笑った。

「だから、あなたも仲間だ」
「あ、はい、そうですね。
 呪われ仲間、ですね」
「仲間なら仲間を助けるものだ」
「あ、ありがとうございます!
 わたしも、できるだけ正直にいることと、思ったことは口に出すように心がけます」
「……あははっ、そうだね、ぜひそうして」
「はい」

 少年らしい笑い声が響く。
 その打ち解けた雰囲気を察して、ブランシュがやってきた。

「ナ、ナナエ……、どうなった?」
「あっ、お兄様!
 喜んでください、シュトラス殿下が力を貸してくれるそうです!」
「おおっ!」

 改めて、ブランシュとシュトラスが挨拶をとり交わした。
 今度はぬくもりの通った笑顔と隠し事のない言葉が交わされた。

「ブランシュ殿下、僕ほうが年下ですから、どうかお気を遣わずに」
「うむ、そうか、シュトラス殿。
 ではそうさせてもらおう。
 それで、ナナエの体から太陽のエレスチャルを取り出す方法はあるのか?」
「僕自身、取り出そうと思ったことがないので、研究してみないことにはなんともいえませんが、王室医師のオズベルトや魔導士のカロンディアスに意見を聞いてみたいと思うのですが、いかがですか?」
「カロンディアス殿はともかく、オズベルト殿は遠慮願いたい。
 うちのナナエにセクハラしたらしいからな」
「えっ!? セクハラ!?」

 シュトラスが慌てたように、王国を代表してと前置きして頭を下げた。

「シュトラス殿下、それも太陽のエレスチャルのせいだと思います。
 どうかもう顔を上げてください」
「いや、そもそもオズベルト殿にはそういうところが多分にあると聞いています。
 本当にすみません、ナナエ姫……」
「それよりも、カロンディアス殿に相談するにせよ、このことは我々だけの内密事項にしてもらえるのだろうな?
 ナナエの体から取り出したはいいが、アイテムだけグランディア王国に取られてしまったのでは困るぞ」
「取り出してさえもらえるなら、わたしは太陽のエレスチャルを誰にもらっていただいても構いませんが……」

 鋭くブランシュが目を剥いた。

「ばかをいうな。
 金を積めば手に入るという代物ではないのだぞ。
 これを使えば、あらゆる物事が思い通りになる。
 グランディア王国にアイテムだけ取られてお払い箱というわけにはいかん」

 確かに、正規ルートで行けば、全ルートを全てクリアするという条件を満たさなければ、太陽のエレスチャルは手に入らない。
 乙女ゲームの主人公が乙女ゲームのためだけに使うのならなんの問題もないだろう。
 だが、悪用しようとすれば、国家の存亡、勢力地図の書き換えさえ左右しかねない。
 しかも、今ここにある太陽のエレスチャルは攻略キャラのみならず、出会った相手全ての好感度をマックスにしてしまうのだ。
 他国の中枢の重要人物を手の内に収めることも、誰かに法外な要求やあくどい要求を飲ませるませることなど簡単にできてしまうのだろう。
 体の中にあるものがいかにやっかいな代物なのか、奈々江はあらためて思った。

「ブランシュ殿下のいうとおりだよ、ナナエ姫。
 このことは僕の呪いの仲間の他、誰にも話すつもりはないから、安心して。
 幸い、カロンディアスも呪いの仲間なんだ」
「えっ!?
 カロンディアス様も呪われているのですか?」
「いや、カロンディアスは呪われたというより、呪ってしまった方なんだけど」
「魔導士であれば、呪い呪われは職務上当然のことだ。
 むしろ、強い呪いであればあるほど、魔導士の実力が示される」

 そういうものか、と思って聞いていると、シュトラスの飼い犬がぷいっと向こうへ行ってしまった。

「シュトラス殿下、殿下のわんちゃんが」
「……わんちゃん!?」

 シュトラスがぷっと噴き出した。
 ブランシュも呆れたように奈々江を見た。

「ナナエ、あれは魔獣だ。
 猫や犬のような愛玩動物の類ではない。
 見てわかるだろう?」
「えっ、そうだったんですか?
 すみません……。
 でもいいんですか、行ってしまいますよ?」
「魔獣兵部からときどき抜け出してくるんだ。
 大丈夫、放っておいても、またすぐ戻って来るよ」
「でしたら、あの……」

 奈々江はそろっと手を挙げた。

「ちょっとだけ……、その、遊んできてもいいですか?」
「ナナエ、犬のように見えたとしても、魔獣は誇り高い生き物なのだぞ。
 むやみに近寄れば、お前の腕や足など簡単に食いちぎられる」
「いえ、彼なら大丈夫ですよ。
 構ってあげてください、彼も喜ぶと思いますよ」

 シュトラスがそういってくれたので、奈々江は藍色の犬型の魔獣の後を追っていった。

 パズルといい犬といい”恋プレ”とは関係のないことが登場してくるとなると、いよいよ奈々江の願望が色濃く反映され始めているのかもしれない。
 なにを隠そう、奈々江は昔から筋金入りの犬好きなのだ。
 小学四年生のとき、その年の誕生日を迎えたら、犬を飼ってもいいと両親と約束をしていた。
 何年も前から、犬のことを図鑑で調べたり、名前を考えたり、ペット用品を見て回ったり、散歩コースの下見までして心待ちにしていたのだ。
 ちょうど学校の友達の家で仔犬が生まれ、その一匹をもらう約束もとりつけた。
 だが、誕生日を迎える前に、奈々江の家はふたりの従兄弟を迎えることになったのだった。
 無料で引き取ったとしても、犬を飼い続けていくにはそれなりのお金がかかる。
 須山家の家計的な予算から、幼い日の奈々江の長年の夢が押し出されてしまったのは仕方なかった。

 追っていくと、魔獣がぴたっと立ち止まり、こちらを向いた。
 奈々江は、さっと目をそらした。
 初対面の犬と仲良くなるためには、目を合わせてはいけない。
 腰を低くしてゆっくりと、真正面を避けて横から魔獣のそばに近づいていった。
 横目に魔獣が嫌がっていないのを確認すると、今度は下からそっと手を近づけてみた。
 こうして匂いをかがせるのだ。
 魔獣相手に犬の接し方がどこまで通用するかわからなかったが、魔獣はさほど警戒心を見せずに奈々江の手に鼻を寄せた。

「わあっ、かわいい……」

 魔獣は犬でいえば大型犬のサイズで、貰うはずだった犬はまさに大型種のコリーだった。
 小さい犬や中型も可愛いが、奈々江が憧れていたのは大型の犬だった。
 立ち上がれば人と同じぐらいの高さにもなるであろう魔獣。
 藍色の艶々した毛並はよく見ると銀がかっていて、瞳は月夜のように薄い青が輝いている。
 色こそ現実離れしているが、まさに奈々江が理想とする大きさとも毛並みだった。

「触らせてもらってもいい?」

 静かに話しかけながら、そっと触れると、魔獣は大人しく受け入れた。
 犬の気持ちいい場所を撫でてやると、スピスピと鼻を鳴らす。

「あなた人懐こいのね、よしよし」

 嬉しくなって、奈々江は思いっきりかわいがった。
 しばらくもふもふを楽しみながら撫でまわしていると、今度は魔獣のほうからすり寄ってきた。
 顔に鼻を寄せてきて、奈々江の頬に摺り寄せた。
 奈々江は歓喜した。
 夢にまで見た飼い犬とのほっぺたすりすりが、まさかここで実現しようとは。

「なんていい子なの……!
 あなた名前はなんていうの?
 うちの子にならない?」

 魔獣使いがいるくらいなのだから、きっと魔獣を飼うことだってできるだろう。
 奈々江はここが庭であることを忘れ、もはや自宅のソファにいるときのようなくつろいだ気分になった。
 犬のいる生活。
 今まではあこがれだけだったけれど、夢の中ならこれが叶ってしまう。
 大きな魔獣を転がして、お腹をくすぐったり、抱き合ったり、お互いを枕にしあったりして楽しんだ。
 不思議と魔獣だというのに獣臭はなく、むしろブドウのような甘い匂いがする。
 魔獣の前足を取って匂いを嗅いでみると、やっぱりなんだかおいしそうな匂いがする。

「よく飼い犬や飼い猫の肉球の匂いが好きっていう人がいるけど、きっとこういうことなのね……。
 ああ、可愛すぎて、この子のこと食べちゃいたい」

 魔獣の頭を膝にのせて、奈々江はそのまま前傾して魔獣の額に口づけした。
 次の瞬間だった。
 ボフンと爆発のように煙が立ち上って、目の前が真っ白になった。

「きゃあっ!」

 奈々江には魔獣が爆発したのように見えた。
 突如として辺りが真っ白になり、なにも見えない。

「どうした、ナナエ!」
「大丈夫ですか!?」

 向こうからブランシュとシュトラスが駆け付けてくるのが聞こえる。
 でも、白く靄に覆われて、その姿が見えない。

「お兄様、シュトラス殿下、ここです!」
「なんだこの煙は……!
 なにがあったんだ?」
「それより、お兄様、魔獣は無事ですか?
 あの子が爆発したように見えたのです……!」

 ブランシュが手で煙を払いながら、駆け寄ってきてくれた。
 続いてシュトラスの姿も見えた。

「爆発!? まさか、誰かから攻撃を受けたのですか?」
「い、いいえ、シュトラス殿下……。
 あの子とここに座っていたら、突然あの子から白い煙がもくもくと……。
 魔獣は、どこにいますか?」
「この煙が魔獣から!?」

 ようやく煙が晴れてきた。
 互いの顔がはっきり見えるようになったが、どういうわけか魔獣の姿がなかった。



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