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#10、 攻略キャラ、大渋滞! もはや処理しきれません!
しおりを挟む早速、ラリッサとメローナがてきぱきと荷造りをしている。
「そういえば、お帰りの警備はどなたが付くのでしょう?」
「キュリオット師団長じゃないですか?
ナナエ姫様を助けてくださったご縁もありますし」
「そのまま、ナナエ姫様を連れ去って、愛の逃避行……、なんて。うふふっ……!」
「ラリッサ、怖いこといわないでよ……。
正直、わたしも心配なんだから……」
「ご心配には及びませんわ。
わたくしと、メローナがエレンデュラ王国までお供いたしますから」
「本当!? ありがとう、それは心強いよ!」
荷物がまとまったところで、部屋に来訪者があった。
ロージアスだ。
出立を前に、グランディア国王への挨拶をするために、迎えに来てくれたのだった。
「この度は、エレンデュラ王国にお帰りになられるとのこと……。まことに残念です。
重ねて、私の力不足をどうかお許しください……」
胸に手を当て、ロージアスが頭を垂れた。
上げた顔には、切ない感情が溢れていて、直視するのをはばかられるほどだった。
(考えたら、わたし、好きだといってくれているこの人の前で飛び降り自殺しているんだよね……。
死ななかったとはいえ、普通そんなことされたらトラウマものだよね……)
「ううん、ロージアスには悪いことをしたよね。
その、本当に、ごめんね……」
「いえ……。では、ご準備はよろしいでしょうか」
ロージアスにしたがって、国王の謁見の間に向かう。
ラリッサとメローナも、メイド服から着替えて、今は旅支度になっている。
挨拶が終われば、このまま馬車に乗って、グランディア王国を離れるのだ。
謁見の間の前に着くと、到着を知らせるベルが鳴った。
大きな扉が音を立てて開く。
その扉の向こうには、数段上にしつらえられた王の椅子に堂々たるグランディア王国エドモンドが鎮座している。
その隣には、皇太子グレナンデスが座っていた。
(あ、あれっ?
そういえば、わたし王様の前なのに、マナーもなにも知らないけど……!)
今更ながらに、気がついた。
しかし、そこは夢の世界だからか誰に咎められることもなく、前を進むロージアスのまねをすることで体を保てたようだ。
御前に進み出る途中で、右にオズベルト、左にキュリオットが控えているのが見えた。
思わず目をそむけてしまったが、それぞれと目が合ったのは確実だった。
(うう、そんな目で見つめないで……。応えられないから)
王と皇太子の前で一端止まり、ロージアスが奈々江に前を譲った。
奈々江はぼんやりとイメージの中にあるプリンセスをまねて、スカートをつまんで腰をかがめた。
「ナナエ・ルゥバニュアス皇女よ。
この度、貴殿には辛い思いをさせてしまったな」
(なんて答えるべき……?
……まあいいや、どうせ心身虚弱だし、太陽のエレスチャルで国王のラブゲージもマックスなんだし、なにか間違えても多分多めに見てもらえるよね……。どうせ、わたしの夢なんだし。
えと……シナリオではどんな感じにしゃべっていたっけ……確か……)
「国王陛下、皇太子殿下、拝謁給われたこと心よりうれしく存じます。
わたしの至らないばかりに、ご心労をおかけいたしましたこと、申し訳なく思っております。
エレンデュラ王国に帰りましたら、今後は両国の発展を祈りながら、静かに暮らしたいと存じます」
顔を伏せたまま、できるだけ気弱そうに答えた。
エドモンド王はひげを蓄えた優し気な口元から、温かい声色で続ける。
「そうか……。貴殿は私にとって娘のような存在であった。
誠に残念だが、帰っても心安らかに達者で過ごされよ」
「はい、国王陛下に置かれましても、どうかお元気でお過ごしください」
「うむ。グレナンデス、お前からも言葉をかけてあげなさい」
奈々江はわずかに身を固くした。
(グレナンデス……。
”恋プレ”攻略キャラの大本命……。
間違いなく太陽のエレスチャルでラブゲージマックスになっているはず。
なにごともなく、エレンデュラ王国に向かえるといいけど……)
「ナナエ・ルゥバニュアス皇女。
どうか、お顔をお上げになってください」
皇太子の声に、そろっと視線を上げた。
グレナンデス・シュリングラン・グランディア。
大陸中の注目を集めるプリンスの中のプリンス。
柔らかな飴色の髪、明るい若葉のような緑の目。
バラ色の頬、形のいい薄紅の唇。
グレナンデスがにこりとほほ笑むと、あたりに大輪のヒマワリが咲き乱れ、ローズマリーのようなすがすがしい香りが辺りに広がった。
まばゆいくらいの光とともに、天使の羽が舞い落ちてくる幻想が見える。
これぞ、乙女ゲームの正道を行く王子様に間違いない。
グレナンデスが椅子から立ち上がると、威風堂々と檀を下りてきた。
奈々江の前に立つと、スマートに膝を折り、きらっと笑った。
(う、わ……っ。なにこれ、まぶしすぎる……!)
「たった今、私はわかりました……!」
(あ……。これやばいやつ……)
グレナンデスがバラ色の頬をさらに高揚させて、奈々江の手を取りひっしと握る。
とたんに、奈々江の視界に白いバラ吹雪の幻視が見え、リ~ン、ゴ~ンと荘厳なウェディングベルの幻聴まで聞こえる。
「ナナエ・ルゥバニュアス皇女、あなたこそ赤い糸で結ばれし、私の伴侶となるお方……!」
(ああぁ~……)
オズベルト、キュリオット、ロージアスがそろってにわかに身じろぎした。
謁見の間に居合わせた宰相たちにもどよめきが走る。
驚いたエドモンド王がすぐさま皇太子をたしなめた。
「グレナンデス、なにをいっておるのだ。
そなたもナナエ皇女を皇太子妃候補から外すことを了承したはずではないか」
「しかし、父上!
私にはわかってしまったのです!
ナナエ・ルゥバニュアス皇女の……、いえナナエ姫と呼ばせてください。
ナナエ姫のお顔を拝見した瞬間、私の体を雷が走りました。
ナナエ姫こそ、我がグランディア王国の未来の王妃に相応しいお方です!
あなた以外、考えられない!」
「し、しかしだな……。
ナナエ皇女はエレンデュラ王国に戻り療養せねばならぬ身だ。
無理をさせるわけにはいかぬ」
「わかっております。
ですから、ナナエ姫、一度国にお戻りになって回復された暁には、どうかきっと私の求婚を受けてください」
「我が息子ながら、性急なことよ……。
しかし、わしとてナナエ皇女が皇太子妃であればと心より望んでおったことも事実。
さらば、ナナエ皇女、どうであろうか。
我が息子の思いをどのようにお思いか?」
情熱に目を輝かせるグレナンデス。
気を配りながらも、色よい返事を期待しているエドモンド王。
オズベルト、キュリオット、ロージアスからビシバシと感じる熱いまなざし。
まるで太陽にじりじりと焼かれるように、人の視線だけで焦げ付きそうだ。
現実ではこんなに注目されることなどない。
こんなふうに期待されることもない。
求められることにも慣れていない。
その場にいる全員の注目を一身に集め、もはや身動きすることさえためらわれる。
奇妙な高揚感に包まれ、にわかなりとも優越感をくすぐられ、これでは頭に血が上った勢いついでに、はいと口を滑らせてしまいそうだ。
グレナンデスの熱い視線にのぼせてしまいそうだ。
(……こ、これが乙女ゲームかあぁ~……っ!)
奈々江は懸命に冷静さを手繰った。
(い、いやいやいや!
これは夢、これは夢だから!
ゲームの夢で、現実じゃないから!)
グレナンデスのきらきらした顔を見つめていると気持ちが揺らぐ。
ぎゅっと目をつぶり、首を左右に振ってはっきりと顔をそらした。
「い、今は、なにも考えられません……。
どうか、お許しください……」
「そ、そう……ですよね……」
しおれたように肩を落とすグレナンデスに、なぜか強い罪悪感を受けてしまう。
グレナンデスはイケメンキャラよろしく鉄のハートですぐさま気を取り直し、さわやかに奈々江を立ち上がらせた。
「無理をいって申し訳ありませんでした。
今はとにかく、静養されることが第一ですね。
エレンデュラ王国で、ゆっくりとなさってください」
「はい……」
(よ、よかった~……。グレナンデスが話せる相手で……)
胸をなでおろしたのもつかの間、上空で、ガシャーンとガラスの割れる音がした。
その場にいた者たちが一斉に上を見上げ、割れたステンドグラスに目を奪われていると、ものすごい速さで奈々江の前に黒い影が飛んできた。
「きゃあっ!」
叫んだときには、すでには時遅し。
胴体を掴まれたかと気づくと同時に、奈々江の視界ははるか宙を舞っていた。
「待ったか、ナナエ!」
(ト、トラバット!?)
「なにやつ!」
「皆の者、出合え!」
謁見の間が直ちに騒然となる。
トラバットは巧みにロープさばきで、あっという間に割れたステンドグラスの桟へ戻っていた。
奈々江の足元のはるか下に、グレナンデスや兵士たちが届かぬ剣を突き上げていた。
グレナンデスが凛々しい顔をキッとゆがめて叫ぶ。
「貴様なにやつ! ナナエ姫を返せ!」
「名を聞いて後悔するなよ。
俺の名は、トラバット。
この世のいかなる秘宝であろうと、このトラバットに盗み出せないものはない!」
「ト、トラバット……!
き、貴様があの、悪名高き盗賊トラバットなのか!」
訓練された兵士たちがあっという間に隊列を整えた。
キュリオットら師団とロージアスら近衛らが、皇太子を取り囲んで、戦闘隊形をつくっている。
だが、トラバットは謁見の間のはるか上。
弓でもない限り攻撃は届かない。
しかも、トラバットは進入したガラス窓から今すぐにも逃げ出せるのだ。
この現状で、トラバットを止めることはどう見ても絶望的だった。
混乱と同時に奈々江に焦りが募る。
「会いたかったぞ、ナナエ!
アジトに戻ったら、お前のために盛大な結婚式を上げよう」
「なっ、なにいってるの……!?」
「うわさを聞いたぞ。
皇太子の妃候補としてこの国に来たのに、ナナエはそれが嫌で自殺しようとしたんだろ?
いろいろあったんだろうけど、くよくよするな。
俺のところに来れば必ず幸せになれる。俺が保証する」
「あ、あなたと行くわけないでしょ!」
「素直になれ、ナナエ!」
(ちょっと、なんでこのタイミングでトラバットが出てくるの!
エレンデュラ王国に帰れるところだったのに!)
足元がおぼつかないのをいいことに、トラバットは奈々江の腰を強く引き寄せ、頬に口づけしようとする。
慌てて両手でトラバットの顔を押しのけた。
「降ろしてよ! 降ろしてってば!」
「そんなに照れなくてもいいだろ。
俺たちはもうすぐ夫婦になるんだぞ」
「誰がぁ~!」
必死の抵抗を繰り広げていると、下からグレナンデスの呼び声がした。
「ナナエ姫! 伏せてください!」
同時に下から強い白光が走り抜けた。
(なっ、なに……?)
「シルバーサンダー!」
「ホワイトウィング!」
別々の何者かが、そう叫んだのが聞こえた。
次の瞬間、トラバットが悲鳴を上げた。
「ぐああっ!」
トラバットの体の周りを銀色の稲妻のようなものが縦横無尽に走っていた。
その電流に痺れたのか、トラバットは奈々江の体を離してしまう。
「えっ……」
足をばたつかせたが、遅かった。
奈々江の体は桟から真っ逆さまに急降下した。
(う、そ……)
――ドスン!
落ちたと思ったら、奈々江の体はなぜか温かい白い毛の中に埋もれていた。
「キィィィ――!」
(ひえっ、なに!?)
そっと身を起こすと、奈々江が落ちたのは巨大な白い鷹の背中だった。
今のいななきはこの鷹の鳴き声だったらしい。
謁見の間の中のひとりの男性が手を高々と挙げていた。
「ホワイトウィング、ゆっくり降りて来い!」
その男性はこげ茶色の髪に、深い緑色の目。
金の糸が織り込まれた黒いローブを被っている。
九死に一生を得た心臓が鎮まる前にゲームのキャラクターを思い出した。
(あれは魔獣使いセレンディアス……!)
セレンディアスの横には、同じローブを被ったそっくりの男性がいる。
ふたりは兄弟で、違いは眼鏡をかけているかいないだった。
雷撃を飛ばしたらしいその手をローブの中にしまいながら笑っている。
「ナナエ皇女殿下に雷撃が当たらないぎりぎりの線を見極めるあたり、さすが僕ですね」
(隣は魔導士カロンディアス……!
ここにも攻略キャラ……! もう、面倒はよしてよ~……)
白い鷹がゆっくりと床に降り立った。
迎えたグレナンデスの手で巨大な鷹から降ろされると、奈々江は恐る恐る白い生物を見上げた。
夢の中とはいえ、よくできた作りに思えた。
細かい羽根の毛先に、ガラス玉のように透き通った目。
奈々江の頭蓋骨など、楽にかみ砕けそうないかにも強固そうな、つやつやのくちばし。
夢の中だというのにはっきりと獣の臭いまでする。
「すごい、本物みたい……」
思わずため息が出た。
隣で、グレナンデスがくすっと笑ったのが聞こえた。
「ナナエ姫は、魔獣を見るのは初めてですか?」
「は、はあ……」
「紹介しましょう。
我が国で最も魔術に秀でた家系、オーギュスト家の若き魔導士のカロンディアス。そして、魔獣使いセレンディアスです」
ローブの二人が前に進み出た。
カロンディアスは人当たりのいい笑顔を浮かべているが、セレンディアスはつんと向こうを向いている。
「助けて下さって、ありがとうございました……」
「なんの、ナナエ皇女殿下が御無事でなによりです」
「ふん……」
(そうだ……。確か、初期設定ではセレンディアスは兄のカロンディアスのように魔術の才能がなくて、それで魔獣使いになったんだっけ。
それでひねくれた性格をしているんだよね……)
奈々江の無事を喜んでいると、離れたところからキュリオットとロージアスが駆けてきた。
キュリオットが膝を折る。
「陛下、殿下、申し訳ありません!
トラバットを取り逃がしました!」
「まだ遠くには逃れていないはず。
我々もキュリオット師団長と共に、トラバットを追いたく存じます!」
ロージアスも同様に膝を折って近況を伝えた。
エドモンド王はすばやく下知を下す。
「カロンディアスの雷撃を食らってもなお逃げおおせるとは。
盗賊といえど、トラバットは油断ならぬ相手。
追討はキュリオットに命ずる。
ロージアス、近衛は城の警備を固めるのだ。
トラバットはまだナナエ皇女を狙っているに違いない」
「はっ!」
「はっ!」
勢いよくふたりの兵士が立ち上がった。
キュリオット、ロージアスがともに、奈々江にちらと熱い視線を投げると、ふたりとも頼りにしてくれ、見ていてくれといわんばかりに力のこもった表情を見せると、胸を張って駆け戻っていった。
ふと立ち返り、奈々江は気づいた。
(あれ……、これってまずい状況じゃない……?)
見ると、グレナンデスがにこにこと奈々江を見つめていた。
「ナナエ姫、安全が確認できるまで、もうしばらく城にお留まり下さい」
(や、やっぱりぃ~!)
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