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第7章 私はただ自由に空が飛びたいだけなのに
78 餞別③ 詐欺師
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リース男爵夫妻との質疑応答の時間は終了した。
予想していた通り、いや、それ以上に酷い回答ばかりで内心で驚いていた。
私にとっては都合がよいので何の問題も無いが、こんな人達と親子として過ごしてきたジルコニアスとマルグリットへの同情心が増してしまった。
「リース男爵夫妻が私の質問に答えていただいたおかげで私の中にずっとあった疑問が解消できました。ありがとうございます」
私は笑顔を浮かべてリース男爵夫妻へ丁寧にお礼を述べる。
リース男爵夫妻は自分たちが私を満足させられたことで罪が軽くなることが確定したと思って嬉しそうに安堵している。
「……私が知っている『親』とリース男爵夫妻という『親』の姿があまりにも異なっていて私の中で『親』というものが何か分からなくなっていました。でも、やっと分かりました!リース男爵夫妻、あなた方は『親』ではない。子どもの『親』を名乗る資格が無い。ただ『親』を騙っているだけの詐欺師だ──」
突然の私の言葉にリース男爵夫妻は目を丸くして驚いて必死に反論し始める。
「な、何を言っているの!?あたし達が詐欺師?!あたし達は正真正銘あの子達の親よ!あたしがジルコニアスを産んであげたのよ!あたしがマルグリットを育ててあげたのよ!誰も騙してなんかいないわ!!」
「僕達が詐欺師だとは酷い侮辱だ!何の根拠があってそんなことを言うのかな?ジルコニアスとマルグリットは戸籍にリース男爵家の子として登録されている。僕達の親子関係は正式に国に保証されているんだよ。いい加減なことは言わないでもらおうか」
「……詐欺師は言い過ぎでしたね。失礼いたしました。でも、その資格も無いのにその資格がある人物だと自分で名乗って相手からモノを受け取ろうとしたり、渡すように強要する人間のことを詐欺師以外に言い表す言葉が見つかりません」
私は謝罪を口にしながらも一切悪びれることなくリース男爵夫妻へ「困りました」とでも言うふうにおもむろに首を傾げてみせる。
リース男爵夫妻はそんな私の態度に瞬時に頭に血を上らせて食って掛かってきた。
「資格って何を言っているのよ!?親の資格なんてそんなもの他人に認めてもらう必要なんて無いわ!あたし達が親なのは事実なのだから!!」
「そうだ!資格なんて訳の分からないことを言って僕達を詐欺師呼ばわりなど我慢ならない!!これ以上僕達を侮辱するなら名誉毀損で訴えるぞ!」
私はまともに相手をする気が無いのでリース男爵夫妻の怒りを笑顔で受け流す。
「訴えるのならどうぞご自由に。でも、今は質疑応答の時間ではありません。ただ私の感想を述べているだけで、単なる私の独り言にすぎません。これはあなた方への質問ではありませんし、あなた方の意見も求めていません。詐欺師と称したのは言葉のあやであって、あなた方を詐欺師として訴える気もありません。しかし、これ以上勝手なことをされるのならこちらにも考えがあります」
私は言外に「邪魔をするな。黙っていろ」とリース男爵夫妻へ告げる。
お前たちに許されているのは私の質問に答えることだけ。
最初から好き勝手に喋っていいなんて約束は交わしていない。
私はお前たちに自由に話す許可は出していない。
これ以上勝手なことをしたら、先程の約束は破られたと見なす。
取引は無かったことにして、お前たちから受けた暴行を訴える。
そうなれば私が言った通りに罪が軽くなることはなく、逆に重くなる可能性が高くなるだろう。
察しの悪いリース男爵夫妻だが、自分たちの損得には敏感に反応できるようだ。私の笑顔の裏に隠された言葉を正確に読み取り渋々と大人しく引き下がった。
私がわざわざ感想を大きな声で語っているのはリース男爵夫妻へ聞かせるためではない。
リース男爵夫妻の後ろに突っ立っているジルコニアスとマルグリットへ伝えるためだ。
私は表向きはリース男爵夫妻へ聞かせているように見せかけながらも、ジルコニアスとマルグリットの心へ届くように慎重に言葉を選んで真剣な一人語りを開始する。
「私が考える親子関係とは単なる事実関係によってだけ構築され維持できる関係ではありません。血縁関係、戸籍関係、法的関係、養育関係などの事実関係は親子関係を補強し補助してくれるでしょうが、それだけでは親子関係は成り立ちません」
私にとって血縁上の親とは、正確に言えば精子提供者と卵子提供者兼母体提供者でしかない。単なる提供者は父親でも母親でも家族でもない。
互いに肉親の情も親子の情も持っていない。愛情の欠片も彼らの中には存在していない。
精子提供者も卵子提供者兼母体提供者も子の利用価値しか見ていない。自分たちのために利用することしか考えていない。自分たちのことしか考えていない。
そして、血が繋がっていなくても子を引き取って育てた事実さえあればその子の親になれるものでもない。
自分たちが利益を得るために生き物を育てる行為は牧場主が生業として家畜を育てる行為と同じことだ。
リース男爵夫妻は道具をどのように利用して自分たちがどれだけの利益を得られるかを考えているだけ。
道具の気持ちや道具の幸せなどは考えていない。
道具に感情があるとすら考えていない。
鶏や魚を絞めるときに一々同情しないように、彼らは子の気持ちを考えない。
搾取することだけ、どれだけ利益を搾り取れるかだけしか頭にはない。
そんな人間を親とは認められない。そんなものは親ではない。
親としての最低ライン、最低条件は「子を自分と同じ人間と認識していること」だ。
道具や家畜や愛玩動物ではなく、人間として見ていること。
そして、子を家族の一員とみなして、家族として扱い、接していること。
親子関係は家族関係の一つ。
家族として、助け合う仲間として、守るべき存在として、親しくする間柄として、受け入れていること。
これらが親の最低ラインで最低条件で、親を自称する上での前提条件となる。
これすら満たしていないならそれは親ではない。
親子関係とは客観的事実に基づく絶対的で不変的な関係ではない。
人間関係は変わる。
親子関係も主観的事実に基づく関係でしかない。
親が子と認めない、子が親と認識しない、それだけで親子関係は成立しない。破綻してしまう。
リース男爵家の親子関係はすでに破綻している。
そのことに当事者たちだけが気付いていない。
もしかしたら最初から成立していなかったのかもしれない。
リース男爵夫妻はありもしないものをあるかのように装い親としての権利を濫用して子から搾取していた。
親としての条件を満たしていない、親としての資格を持っていないのに自分たちを親と偽り親として振る舞って親としての利益を得ていた。
このような人間を詐欺師と言わずに誰を詐欺師と言うのだろうか?
本人が自分に資格が無いことに無自覚で騙す意識が無かったとしても自分の利益を求めて親としての立場を利用していたことに変わりはない。
私はリース男爵夫妻を詐欺師と言い表すことは言い得て妙であり、的を射ていると心の中で自画自賛した。
予想していた通り、いや、それ以上に酷い回答ばかりで内心で驚いていた。
私にとっては都合がよいので何の問題も無いが、こんな人達と親子として過ごしてきたジルコニアスとマルグリットへの同情心が増してしまった。
「リース男爵夫妻が私の質問に答えていただいたおかげで私の中にずっとあった疑問が解消できました。ありがとうございます」
私は笑顔を浮かべてリース男爵夫妻へ丁寧にお礼を述べる。
リース男爵夫妻は自分たちが私を満足させられたことで罪が軽くなることが確定したと思って嬉しそうに安堵している。
「……私が知っている『親』とリース男爵夫妻という『親』の姿があまりにも異なっていて私の中で『親』というものが何か分からなくなっていました。でも、やっと分かりました!リース男爵夫妻、あなた方は『親』ではない。子どもの『親』を名乗る資格が無い。ただ『親』を騙っているだけの詐欺師だ──」
突然の私の言葉にリース男爵夫妻は目を丸くして驚いて必死に反論し始める。
「な、何を言っているの!?あたし達が詐欺師?!あたし達は正真正銘あの子達の親よ!あたしがジルコニアスを産んであげたのよ!あたしがマルグリットを育ててあげたのよ!誰も騙してなんかいないわ!!」
「僕達が詐欺師だとは酷い侮辱だ!何の根拠があってそんなことを言うのかな?ジルコニアスとマルグリットは戸籍にリース男爵家の子として登録されている。僕達の親子関係は正式に国に保証されているんだよ。いい加減なことは言わないでもらおうか」
「……詐欺師は言い過ぎでしたね。失礼いたしました。でも、その資格も無いのにその資格がある人物だと自分で名乗って相手からモノを受け取ろうとしたり、渡すように強要する人間のことを詐欺師以外に言い表す言葉が見つかりません」
私は謝罪を口にしながらも一切悪びれることなくリース男爵夫妻へ「困りました」とでも言うふうにおもむろに首を傾げてみせる。
リース男爵夫妻はそんな私の態度に瞬時に頭に血を上らせて食って掛かってきた。
「資格って何を言っているのよ!?親の資格なんてそんなもの他人に認めてもらう必要なんて無いわ!あたし達が親なのは事実なのだから!!」
「そうだ!資格なんて訳の分からないことを言って僕達を詐欺師呼ばわりなど我慢ならない!!これ以上僕達を侮辱するなら名誉毀損で訴えるぞ!」
私はまともに相手をする気が無いのでリース男爵夫妻の怒りを笑顔で受け流す。
「訴えるのならどうぞご自由に。でも、今は質疑応答の時間ではありません。ただ私の感想を述べているだけで、単なる私の独り言にすぎません。これはあなた方への質問ではありませんし、あなた方の意見も求めていません。詐欺師と称したのは言葉のあやであって、あなた方を詐欺師として訴える気もありません。しかし、これ以上勝手なことをされるのならこちらにも考えがあります」
私は言外に「邪魔をするな。黙っていろ」とリース男爵夫妻へ告げる。
お前たちに許されているのは私の質問に答えることだけ。
最初から好き勝手に喋っていいなんて約束は交わしていない。
私はお前たちに自由に話す許可は出していない。
これ以上勝手なことをしたら、先程の約束は破られたと見なす。
取引は無かったことにして、お前たちから受けた暴行を訴える。
そうなれば私が言った通りに罪が軽くなることはなく、逆に重くなる可能性が高くなるだろう。
察しの悪いリース男爵夫妻だが、自分たちの損得には敏感に反応できるようだ。私の笑顔の裏に隠された言葉を正確に読み取り渋々と大人しく引き下がった。
私がわざわざ感想を大きな声で語っているのはリース男爵夫妻へ聞かせるためではない。
リース男爵夫妻の後ろに突っ立っているジルコニアスとマルグリットへ伝えるためだ。
私は表向きはリース男爵夫妻へ聞かせているように見せかけながらも、ジルコニアスとマルグリットの心へ届くように慎重に言葉を選んで真剣な一人語りを開始する。
「私が考える親子関係とは単なる事実関係によってだけ構築され維持できる関係ではありません。血縁関係、戸籍関係、法的関係、養育関係などの事実関係は親子関係を補強し補助してくれるでしょうが、それだけでは親子関係は成り立ちません」
私にとって血縁上の親とは、正確に言えば精子提供者と卵子提供者兼母体提供者でしかない。単なる提供者は父親でも母親でも家族でもない。
互いに肉親の情も親子の情も持っていない。愛情の欠片も彼らの中には存在していない。
精子提供者も卵子提供者兼母体提供者も子の利用価値しか見ていない。自分たちのために利用することしか考えていない。自分たちのことしか考えていない。
そして、血が繋がっていなくても子を引き取って育てた事実さえあればその子の親になれるものでもない。
自分たちが利益を得るために生き物を育てる行為は牧場主が生業として家畜を育てる行為と同じことだ。
リース男爵夫妻は道具をどのように利用して自分たちがどれだけの利益を得られるかを考えているだけ。
道具の気持ちや道具の幸せなどは考えていない。
道具に感情があるとすら考えていない。
鶏や魚を絞めるときに一々同情しないように、彼らは子の気持ちを考えない。
搾取することだけ、どれだけ利益を搾り取れるかだけしか頭にはない。
そんな人間を親とは認められない。そんなものは親ではない。
親としての最低ライン、最低条件は「子を自分と同じ人間と認識していること」だ。
道具や家畜や愛玩動物ではなく、人間として見ていること。
そして、子を家族の一員とみなして、家族として扱い、接していること。
親子関係は家族関係の一つ。
家族として、助け合う仲間として、守るべき存在として、親しくする間柄として、受け入れていること。
これらが親の最低ラインで最低条件で、親を自称する上での前提条件となる。
これすら満たしていないならそれは親ではない。
親子関係とは客観的事実に基づく絶対的で不変的な関係ではない。
人間関係は変わる。
親子関係も主観的事実に基づく関係でしかない。
親が子と認めない、子が親と認識しない、それだけで親子関係は成立しない。破綻してしまう。
リース男爵家の親子関係はすでに破綻している。
そのことに当事者たちだけが気付いていない。
もしかしたら最初から成立していなかったのかもしれない。
リース男爵夫妻はありもしないものをあるかのように装い親としての権利を濫用して子から搾取していた。
親としての条件を満たしていない、親としての資格を持っていないのに自分たちを親と偽り親として振る舞って親としての利益を得ていた。
このような人間を詐欺師と言わずに誰を詐欺師と言うのだろうか?
本人が自分に資格が無いことに無自覚で騙す意識が無かったとしても自分の利益を求めて親としての立場を利用していたことに変わりはない。
私はリース男爵夫妻を詐欺師と言い表すことは言い得て妙であり、的を射ていると心の中で自画自賛した。
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