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第7章 私はただ自由に空が飛びたいだけなのに
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ジュリアーナとの話し合いから10日が経った。
私はまだ図書館で本を読んでいる。
ただし、この10日間ただずっと図書館に引き込もって本を読んでいたわけではない。
この10日間の間に一度リース男爵夫妻が再び訪ねてきた。
私は時間を稼ぐために、二人に愛嬌を振り撒き、愛想良く接して、情報収集に努めた。
最初に会った時は緊張していたため、失礼な態度を取ったことを謝り、二人が「マルグリット」と私を呼ぶことを黙殺していると、リース男爵夫妻は私が二人の娘のマルグリット・リースであることを受け入れてくれたのだと勝手に勘違いしてくれた。
リース男爵夫妻は用事があるからこの学園都市を離れなければならないが、すぐにまた会いに来ると言って去っていった。
二人は涙ぐみながら、涙の別れを演出していたが、私は「また会える日を楽しみにしております」と心にも無いことを笑顔で告げるだけで精一杯だった。
この日は精神的な疲労困憊により、図書館には行けなかった。
ただし、それなりに収穫は得られた。
リース男爵夫妻は今のところは今すぐ私を誘拐されていた実の娘として引き取る予定は無いようだった。
「急いで来たからまだマルグリットを迎える準備が整っていないんだ。こちらの準備ができたら一緒に暮らそう。もう少しの辛抱だ。待っていてくれ」
「マルグリットがここにいると聞いて慌ててきたものだから、本当に何の準備もできていないの。まずは本当にマルグリットなのかを確認しなくちゃいけなかったからね。でも、あなたがあたしたちのマルグリットだと分かったからもう大丈夫よ。早く家族一緒に暮らしましょうね」
そんなことを嬉しそうに話していた。
こちらの話や意思や都合などは一切聞かずに。
二人の中では自分の娘のマルグリットである私が二人の言うことを素直に聞いて、言う通りにすることは決定事項のようだ。
私が二人の話を笑顔で聞いている分には機嫌良くしているが、私から二人に誘拐当時の話や犯人の目星などについて質問すると機嫌が悪くなる。
「そんなことは今は関係無いだろう。もう過去のことだ。そんな話はしたくない」
「辛いことを思い出させないでちょうだい!あたしたちは被害者なのよ!!」
誘拐について質問するとそのように不機嫌になったりヒステリックに叫んだりするので残念ながら何も聞き出せなかった。
ここから立ち去った二人は黒幕への報告か黒幕に指示を仰ぐために黒幕の元へ行ったのだろう。
勿論、リース男爵夫妻への尾行依頼は完了済みだ。
黒幕の尻尾が掴めるといいが、かなり用心深いようなので期待はできない。
そんなことがあった後でも、私はずっと学園の図書館で調べ物をしている。
私は今、最低限の知識の習得を目標にして図書館の書物を読み込んでいる。
他人と会話を成立させるためにはその話題に対して相手との共通認識が必要になる。
そのためには土台となる基礎知識や一般常識が必要不可欠となる。
専門家と専門的な話をするためにはその専門知識がなければ会話が成立しない。相手の話を理解することはできない。
互いに共通の知識と常識が事前に備わっていることが相手と会話する前提としての必要条件になる。
今回は貴族の婚約破棄と爵位継承に関する一般知識と貴族社会における社会常識が必要だが、私はそのどちらも持ち合わせていない。
庶民でしかない私には婚約も爵位も雲の上の話。
まったく別世界の出来事でしかない。
これまで完全に無関係で無関心なことだった。
だから、興味も無ければ、知識も無い。
当然、貴族社会の常識も知らない。
そのため、これに関してはジュリアーナと会話が成立しない。
彼女とこの内容について真剣に対等に話し合うなら、事前準備が必要になる。
何も知らない私がこの話題をジュリアーナと話し合えば、ジュリアーナは私に理解させるために一から十まで話さなければならない。
それだけ話してもらっても私は完全にはジュリアーナの話す内容を理解できないかもしれない。
何も分からないままにジュリアーナに尋ねれば、ジュリアーナに余計な負担を掛けて、辛い過去を無駄に思い出させ、心の傷を深く抉ることになる。
ジュリアーナと会話を成立させるためだけではなく、ジュリアーナを必要以上に傷付けないために知識と常識を獲得しなければならない。
ジュリアーナの負担を増やさないため。
ジュリアーナが必要最小限の言葉を発するだけで内容を理解するため。
私が明後日の方向の頓珍漢で変な慰めの言葉を口にしてジュリアーナに新たな傷をつけないため。
ジュリアーナに私に話しても理解してもらえないと失望させないため。
そして、少しでも事の重大性や影響力などを知って自分の覚悟を決めるため。
貴族社会の一般常識や評価や醜聞や噂に関しては本には載っていないので、そこはライラに情報収集を頼んだ。
一般的に婚約破棄というものが貴族社会では他人からどのように見られ、どのように評価されるものなのか。
ゴシップは社交界だけではなく、使用人の間でも飛び回る。
貴族に仕える使用人同士の間でも噂が流される。
学園には貴族もいて、その貴族の使用人もいるから学園の使用人の間に流れている貴族の婚約破棄に関する話についてライラに調査してもらった。
調査の結果、「貴族社会は政略結婚が一般的だから婚約も一般的。婚約がたくさんあれば破棄されることも当然ある。だから、婚約破棄は悪いことだから即醜聞というほど大袈裟な扱いではない」ということが分かった。
ただし、上位貴族の婚約破棄は話題や噂になりやすいそうだ。
王族や上位貴族は良くも悪くも注目されているから。
流石に十年以上前の南部辺境伯の長女と侯爵家の三男との婚約破棄の噂はもうどこにも無かった。
思ったよりも貴族社会的には婚約破棄が大事ではないことに安堵した。
しかし、こういう時に自分が世間知らずであることを実感する。
本当に私は井の中の蛙だ。
育った村とこの学園という小さな世界だけしか知らない世間知らずでしかない。
しかし、世間知らずでも爵位継承について他人に訊くなんて愚かな真似はしない。
爵位継承についても専門家に直接質問して教えてもらえたら早いのだが、爵位継承法について知りたいなんて他人には知られるわけにはいかない。
他人に孤児の私が爵位継承について調べているなんて知られたらどんな噂が流れるか分かったものではない。
だから、私は一人で貸出履歴を残さないために図書館で人目を忍びながら独学で爵位継承法の資料を読み進めた。
時間はかかったが本のおかげで爵位継承についてもそれなりに知識が身に付いてきた。
爵位継承法は建国当初から変わってはいない。しかし、その条文を掻い潜るように条文に反していないということでいくつもの例外が認められていった。一度認められればその後も合法扱いされるので過去の判例の分だけ法律が増えていったのと同じことになりとても複雑になっている。
なんとか婚約破棄=爵位継承権の剥奪にはならないことだけは分かった。
この国では男にも女にも爵位継承の権利がある。
長男が絶対に爵位を継ぐという法は無い。
いろいろ細かい決まりはあるが、基本的にはその家門の当主の意向が最大限優先される。
当主が正妻との間の長男や長女を無視して愛人に産ませた末娘に爵位を継がせることも不可能ではない。
それくらいその家門の爵位継承はその時に爵位を持っている人間の意向が最も反映される。
だから、ジュリアーナが爵位継承できなかった原因は当主である父親の不評を買ったせいかもしれない。それが婚約破棄と関係があるかどうかは聞かなければ分からない。
これでようやくジュリアーナと対等に話ができるだけの準備が整った。
自分の心の準備もできた。
さあ、ジュリアーナに手紙を出して話をしよう!
そう覚悟を決めて自分の部屋へと帰るとライラが手紙を持ってきた。
「ライラ、この手紙は?」
「……先ほど学園に届いたそうです」
ライラの困惑しているような表情を見て私は不安になりながら手紙を受け取る。
宛名は「ルリエラ理術師」なので私宛なのは間違い無い。
裏返して差出人と封蝋の紋章を確認して、私は自分の目を疑った。
見間違いや勘違いはあり得ない。
同姓同名の別人もあり得ない。
その家門の紋章が印璽されている手紙は本人以外あり得ない。
私はこの紋章は知っている。
貴族名鑑には家門の名前とその家門の紋章が載っている。
私は先日貴族名鑑を読み漁った時にこの紋章は何度も目にした。
この手紙は南部辺境伯、ジュリアーナの父親からだった。
私はまだ図書館で本を読んでいる。
ただし、この10日間ただずっと図書館に引き込もって本を読んでいたわけではない。
この10日間の間に一度リース男爵夫妻が再び訪ねてきた。
私は時間を稼ぐために、二人に愛嬌を振り撒き、愛想良く接して、情報収集に努めた。
最初に会った時は緊張していたため、失礼な態度を取ったことを謝り、二人が「マルグリット」と私を呼ぶことを黙殺していると、リース男爵夫妻は私が二人の娘のマルグリット・リースであることを受け入れてくれたのだと勝手に勘違いしてくれた。
リース男爵夫妻は用事があるからこの学園都市を離れなければならないが、すぐにまた会いに来ると言って去っていった。
二人は涙ぐみながら、涙の別れを演出していたが、私は「また会える日を楽しみにしております」と心にも無いことを笑顔で告げるだけで精一杯だった。
この日は精神的な疲労困憊により、図書館には行けなかった。
ただし、それなりに収穫は得られた。
リース男爵夫妻は今のところは今すぐ私を誘拐されていた実の娘として引き取る予定は無いようだった。
「急いで来たからまだマルグリットを迎える準備が整っていないんだ。こちらの準備ができたら一緒に暮らそう。もう少しの辛抱だ。待っていてくれ」
「マルグリットがここにいると聞いて慌ててきたものだから、本当に何の準備もできていないの。まずは本当にマルグリットなのかを確認しなくちゃいけなかったからね。でも、あなたがあたしたちのマルグリットだと分かったからもう大丈夫よ。早く家族一緒に暮らしましょうね」
そんなことを嬉しそうに話していた。
こちらの話や意思や都合などは一切聞かずに。
二人の中では自分の娘のマルグリットである私が二人の言うことを素直に聞いて、言う通りにすることは決定事項のようだ。
私が二人の話を笑顔で聞いている分には機嫌良くしているが、私から二人に誘拐当時の話や犯人の目星などについて質問すると機嫌が悪くなる。
「そんなことは今は関係無いだろう。もう過去のことだ。そんな話はしたくない」
「辛いことを思い出させないでちょうだい!あたしたちは被害者なのよ!!」
誘拐について質問するとそのように不機嫌になったりヒステリックに叫んだりするので残念ながら何も聞き出せなかった。
ここから立ち去った二人は黒幕への報告か黒幕に指示を仰ぐために黒幕の元へ行ったのだろう。
勿論、リース男爵夫妻への尾行依頼は完了済みだ。
黒幕の尻尾が掴めるといいが、かなり用心深いようなので期待はできない。
そんなことがあった後でも、私はずっと学園の図書館で調べ物をしている。
私は今、最低限の知識の習得を目標にして図書館の書物を読み込んでいる。
他人と会話を成立させるためにはその話題に対して相手との共通認識が必要になる。
そのためには土台となる基礎知識や一般常識が必要不可欠となる。
専門家と専門的な話をするためにはその専門知識がなければ会話が成立しない。相手の話を理解することはできない。
互いに共通の知識と常識が事前に備わっていることが相手と会話する前提としての必要条件になる。
今回は貴族の婚約破棄と爵位継承に関する一般知識と貴族社会における社会常識が必要だが、私はそのどちらも持ち合わせていない。
庶民でしかない私には婚約も爵位も雲の上の話。
まったく別世界の出来事でしかない。
これまで完全に無関係で無関心なことだった。
だから、興味も無ければ、知識も無い。
当然、貴族社会の常識も知らない。
そのため、これに関してはジュリアーナと会話が成立しない。
彼女とこの内容について真剣に対等に話し合うなら、事前準備が必要になる。
何も知らない私がこの話題をジュリアーナと話し合えば、ジュリアーナは私に理解させるために一から十まで話さなければならない。
それだけ話してもらっても私は完全にはジュリアーナの話す内容を理解できないかもしれない。
何も分からないままにジュリアーナに尋ねれば、ジュリアーナに余計な負担を掛けて、辛い過去を無駄に思い出させ、心の傷を深く抉ることになる。
ジュリアーナと会話を成立させるためだけではなく、ジュリアーナを必要以上に傷付けないために知識と常識を獲得しなければならない。
ジュリアーナの負担を増やさないため。
ジュリアーナが必要最小限の言葉を発するだけで内容を理解するため。
私が明後日の方向の頓珍漢で変な慰めの言葉を口にしてジュリアーナに新たな傷をつけないため。
ジュリアーナに私に話しても理解してもらえないと失望させないため。
そして、少しでも事の重大性や影響力などを知って自分の覚悟を決めるため。
貴族社会の一般常識や評価や醜聞や噂に関しては本には載っていないので、そこはライラに情報収集を頼んだ。
一般的に婚約破棄というものが貴族社会では他人からどのように見られ、どのように評価されるものなのか。
ゴシップは社交界だけではなく、使用人の間でも飛び回る。
貴族に仕える使用人同士の間でも噂が流される。
学園には貴族もいて、その貴族の使用人もいるから学園の使用人の間に流れている貴族の婚約破棄に関する話についてライラに調査してもらった。
調査の結果、「貴族社会は政略結婚が一般的だから婚約も一般的。婚約がたくさんあれば破棄されることも当然ある。だから、婚約破棄は悪いことだから即醜聞というほど大袈裟な扱いではない」ということが分かった。
ただし、上位貴族の婚約破棄は話題や噂になりやすいそうだ。
王族や上位貴族は良くも悪くも注目されているから。
流石に十年以上前の南部辺境伯の長女と侯爵家の三男との婚約破棄の噂はもうどこにも無かった。
思ったよりも貴族社会的には婚約破棄が大事ではないことに安堵した。
しかし、こういう時に自分が世間知らずであることを実感する。
本当に私は井の中の蛙だ。
育った村とこの学園という小さな世界だけしか知らない世間知らずでしかない。
しかし、世間知らずでも爵位継承について他人に訊くなんて愚かな真似はしない。
爵位継承についても専門家に直接質問して教えてもらえたら早いのだが、爵位継承法について知りたいなんて他人には知られるわけにはいかない。
他人に孤児の私が爵位継承について調べているなんて知られたらどんな噂が流れるか分かったものではない。
だから、私は一人で貸出履歴を残さないために図書館で人目を忍びながら独学で爵位継承法の資料を読み進めた。
時間はかかったが本のおかげで爵位継承についてもそれなりに知識が身に付いてきた。
爵位継承法は建国当初から変わってはいない。しかし、その条文を掻い潜るように条文に反していないということでいくつもの例外が認められていった。一度認められればその後も合法扱いされるので過去の判例の分だけ法律が増えていったのと同じことになりとても複雑になっている。
なんとか婚約破棄=爵位継承権の剥奪にはならないことだけは分かった。
この国では男にも女にも爵位継承の権利がある。
長男が絶対に爵位を継ぐという法は無い。
いろいろ細かい決まりはあるが、基本的にはその家門の当主の意向が最大限優先される。
当主が正妻との間の長男や長女を無視して愛人に産ませた末娘に爵位を継がせることも不可能ではない。
それくらいその家門の爵位継承はその時に爵位を持っている人間の意向が最も反映される。
だから、ジュリアーナが爵位継承できなかった原因は当主である父親の不評を買ったせいかもしれない。それが婚約破棄と関係があるかどうかは聞かなければ分からない。
これでようやくジュリアーナと対等に話ができるだけの準備が整った。
自分の心の準備もできた。
さあ、ジュリアーナに手紙を出して話をしよう!
そう覚悟を決めて自分の部屋へと帰るとライラが手紙を持ってきた。
「ライラ、この手紙は?」
「……先ほど学園に届いたそうです」
ライラの困惑しているような表情を見て私は不安になりながら手紙を受け取る。
宛名は「ルリエラ理術師」なので私宛なのは間違い無い。
裏返して差出人と封蝋の紋章を確認して、私は自分の目を疑った。
見間違いや勘違いはあり得ない。
同姓同名の別人もあり得ない。
その家門の紋章が印璽されている手紙は本人以外あり得ない。
私はこの紋章は知っている。
貴族名鑑には家門の名前とその家門の紋章が載っている。
私は先日貴族名鑑を読み漁った時にこの紋章は何度も目にした。
この手紙は南部辺境伯、ジュリアーナの父親からだった。
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