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愛し子と樹海の王
団長の座学
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「おーーい!!閣下とレン様が戻られたぞーー!!
「開もーーん!! 門を開けろーっ!!!」
門とは言っているが、元の楼門は俺が吹き飛ばしてしまった為、今設置されているのは、木で造った柵に車輪を付けただけの簡易的なものだ。
こんな適当で良いのかと言われたら、否と答えるしかないのだが、俺が破壊したのは帝国側の楼門だった事と、今は砦に入りきれなかった騎士達が、砦へ続く道沿いに天幕や幕舎を建て、寝泊まりしている為、陣を張っているのと変わりがない。
限界まで腹を減らした魔獣でもなければ、屈強な騎士達の群れへ突っ込んで来るような愚かな真似はしないだろうから、簡易的なままでも、暫くは問題ないだろう。
それに、獣人部隊に徴兵された者の中に居た、大工と木工職人が首輪を外してくれた礼だと言って、門の修繕を買って出てくれている。
彼らに任せておけば、そう遠くない内に、楼門の再建は叶うだろう。
ゴトフリーへの進軍に合わせ、第3騎士団のモーガンと、シルベスター侯爵も、騎士を率いて、近日中にガルスタへ到着する。
俺達がゴトフリーに入った後は、城下の住人と、侯爵の蓄財の護衛に回っていたオーベルシュタイン騎士団の部隊が、ガルスタに残留予定だ。
帝国内の治安維持や魔物の討伐には、其々の騎士団が半数近くを残してきている。
俺が率いる第二騎士団は。先の大厄災で大幅に人員が減ってしまった第一騎士団に代わり、皇都の守護もせねばならず、連れて来られたのは、たった3割だ。
タラントの国境、南オストロを守る、アーべライン侯爵と第五騎士団は、万が一の為に待機をアーノルドに命じられて居る。
第五騎士団に至っては ”海も船も無いのだから、出張った所で役に立てん” と団長のランバートから手紙が来ていた。
不要な戦闘を避けるべく、我々が砦を奪還した事は、ゴトフリー側にバレないよう、最新の注意を払った。
占領したガルスタ砦、オーベルシュタイン城は、なんの問題なく、後続の受け入れも可能と言う内容の報告書へ、捕縛した師団長にサインをさせ、伝書鳥を王宮へ飛ばしもした。
そんな中、ゴトフリー軍進軍開始、の報を受け、敵兵の亡骸の始末も終えた俺は、愛しい番を、オーベルシュタインの城へ迎えに行った帰り、と言う訳だ。
ブルーベルから降りたレンは、砦の中をキョロキョロと見まわしている。
「みんな忙しそうですね?」
「あぁ。明日セルゲイが出陣するからな」
「ゲオルグさんが? そっか・・・ゲオルグさんから、あの話聞いた?」
「あれか? 驚いたよ。まさかセルゲイに番が見つかるとはな」
「あの夜会の時、ゲオルグさんが、魅了に反応しなかったのって、番が見つかってたからなんですねぇ」
「しかし、相手が相手だからなぁ」
セルゲイの番を思い浮かべ、二人そろって溜息を吐いた。
「だから、アレクにも相談するように言ったのよ?」
「だな。一人でどうにかできる相手じゃないし、せめて獣人だったら良かったんだが・・・」
「まあね。こればっかりは仕方ないですよね」
溜息を吐きながら、周囲を見渡したレンは、ふと眉を顰めた。
「・・・・すみません。ちょっとマークさん借りていいですか?」
「ん? あぁ、かまわないが・・・何かあったか?」
「ん~~。クレイオス様が辛そうだし。私も気になる事があるので、ちょっと見て回ってから、アレクのとこに行くね?」
「見て回るなら、俺が案内するが?」
「明日出陣なら、ゲオルグさんと少し話した方が良くない?エーグル卿の話しも、聴かせてあげた方が良いと思うの」
討伐との違い、この戦争の意味を、もう一度セルゲイに話せ、とレンは言いたいらしい。
確かに今のセルゲイは、番で頭の中を占められ、理解していない可能性がもある。
マークに先導され、砦を見回り始めたレンを見送り、俺は近くに居た騎士に、セルゲイとエーグルを呼んでくるよう頼んだ。
久しぶりの番を前に、待てをされた俺は、ガッカリしながら、後輩の座学の為に会議室へ向かったのだった。
◇◇
ロロシュの報告と、エーグルの情報から、今回進軍してくるのは、ゴトフリー内でも有力な伯爵三家の連合部隊、と云う事が分かっている。
この伯爵3家が要しているのは、エーグルが所属していた王国軍ではなく、完全な私兵なのだそうだ。
その為エーグルも、軍としての情報は持っていなかったが、貴族の中でも有名な家と言う事で、伯爵三家の内情を知っていた。
「あの3家は、王国の侯爵二家よりも王宮内での影響力が強いのです。三家とも神殿との繋がりが強く、年に二回の寄進を欠かしたことが有りません。その中のワース家は、今の王配の実家になり、他の二家は側室を輩出しています」
「普通王配と側室の家は、権力争いで仲が悪いだろう?」
「そうみたいですね。ですが、あの三家は姻戚関係にあるので、裏ではどうか知りませんが、表向きは協力関係にあります」
「ふむ。今回の出征は伯爵本人が出てきているのか?」
「ワース家は、伯爵が高齢だと云う事で、嫡男が出征したと聞いています。あとは当主が出征しているらしいです」
「セルゲイ聞いていたか? 今ままでの話しの要点を纏めてみろ」
「聞いてたよ・・・有力貴族の首を三つ持って帰れば、ゴトフリー王家は後ろ盾を失い、大混乱って話だろ?」
「お前・・・マナー講師から何を教わったんだ? 言い方が雑過ぎるだろ」
「グ・・・今更あんたの前で気取ってどうすんだよ。木に吊るされる様な事はしてねぇから良いだろ?」
「同じことを侯爵の前でも言うのか?」
「それを言われると、何も言い返せねえ」
「相手は嫡男ではないが、家族仲は良好だと聞いている。人族相手に家族から嫌われると後が大変だぞ?」
「分かった・・・分かりました」
それでいい、と頷いてやると、セルゲイは恥ずかしそうに、そっぽを向いてしまった。
「エーグル、この三家の獣人の扱いはどうなのだ? 王国軍の様に獣人の部隊を連れているか?」
「このクソ共は・・・っ」
思わず口を突いて出た言葉に、エーゲルはハッとして、右手で首を掴んだ。
そして、首輪が無い事を確認すると、心底ホッとしたらしく、肩から力が抜けていった。
こんな誰もが言いそうな陰口でさえ、命の危険を感じて生きて来たのか、と改めて思い知らされた。
「失礼しました。・・・・この伯爵達が、王宮で力を持っていると言う事は、それだけ獣人への弾圧が激しいと言う事です。自分の領地内で、獣人に武器を持たせ、訓練を受けさせるような、危険を冒したりしません。私は物心ついた時から、国同士の争いに獣人が駆り出されるのは初めてなので、伯爵達がどう戦うのかは分かりません」
「エーグルは24だったか?」
「はい。ただ戦の仕方は判りませんが、魔物の討伐時に、この伯爵達は、獣人を肉壁と囮として使うと聞いています」
「はあ? 肉壁だぁ?! どういう事だよ!!」
完全にセルゲイが素に戻っているが、これは仕方がない。
俺も開いた口がふさがらん。
「言葉の通りです。まともな武器も持たされず、囮として逃げ回らせ、人族の兵が傷つかない様に、周りに立たせて盾の代わりにしたそうです」
「なんだよそれ・・・・まっ魔法は? 獣人なら魔法が使える奴も多いだろ? 魔法で身を守ったんだよな?」
「一般の獣人は、魔法の使用は違法になります。魔法を使おうとすると、首輪が反応するようになっているのです。私達は軍人になるべく育てられましたので、ある程度の魔法を使う事は許されていましたが、一定以上の魔力を感知すると、首輪が締まる様になっていました」
「嘘だろ?・・・・スラムの方がましだなんて・・・」
セルゲイは、平民からの叩き上げで、幼い頃の話は聞いたことが無いが、スラムで生活していた事もあるのかもしれない。
類稀な剣術と魔法のセンス。優れた身体能力で団長まで駆け上った雄にとっても、ゴトフリーの異常性は衝撃だったようだ。
そしてセルゲイは、自分より一つ年下のエーグルの人生の過酷さに、言葉を失っていた。
「開もーーん!! 門を開けろーっ!!!」
門とは言っているが、元の楼門は俺が吹き飛ばしてしまった為、今設置されているのは、木で造った柵に車輪を付けただけの簡易的なものだ。
こんな適当で良いのかと言われたら、否と答えるしかないのだが、俺が破壊したのは帝国側の楼門だった事と、今は砦に入りきれなかった騎士達が、砦へ続く道沿いに天幕や幕舎を建て、寝泊まりしている為、陣を張っているのと変わりがない。
限界まで腹を減らした魔獣でもなければ、屈強な騎士達の群れへ突っ込んで来るような愚かな真似はしないだろうから、簡易的なままでも、暫くは問題ないだろう。
それに、獣人部隊に徴兵された者の中に居た、大工と木工職人が首輪を外してくれた礼だと言って、門の修繕を買って出てくれている。
彼らに任せておけば、そう遠くない内に、楼門の再建は叶うだろう。
ゴトフリーへの進軍に合わせ、第3騎士団のモーガンと、シルベスター侯爵も、騎士を率いて、近日中にガルスタへ到着する。
俺達がゴトフリーに入った後は、城下の住人と、侯爵の蓄財の護衛に回っていたオーベルシュタイン騎士団の部隊が、ガルスタに残留予定だ。
帝国内の治安維持や魔物の討伐には、其々の騎士団が半数近くを残してきている。
俺が率いる第二騎士団は。先の大厄災で大幅に人員が減ってしまった第一騎士団に代わり、皇都の守護もせねばならず、連れて来られたのは、たった3割だ。
タラントの国境、南オストロを守る、アーべライン侯爵と第五騎士団は、万が一の為に待機をアーノルドに命じられて居る。
第五騎士団に至っては ”海も船も無いのだから、出張った所で役に立てん” と団長のランバートから手紙が来ていた。
不要な戦闘を避けるべく、我々が砦を奪還した事は、ゴトフリー側にバレないよう、最新の注意を払った。
占領したガルスタ砦、オーベルシュタイン城は、なんの問題なく、後続の受け入れも可能と言う内容の報告書へ、捕縛した師団長にサインをさせ、伝書鳥を王宮へ飛ばしもした。
そんな中、ゴトフリー軍進軍開始、の報を受け、敵兵の亡骸の始末も終えた俺は、愛しい番を、オーベルシュタインの城へ迎えに行った帰り、と言う訳だ。
ブルーベルから降りたレンは、砦の中をキョロキョロと見まわしている。
「みんな忙しそうですね?」
「あぁ。明日セルゲイが出陣するからな」
「ゲオルグさんが? そっか・・・ゲオルグさんから、あの話聞いた?」
「あれか? 驚いたよ。まさかセルゲイに番が見つかるとはな」
「あの夜会の時、ゲオルグさんが、魅了に反応しなかったのって、番が見つかってたからなんですねぇ」
「しかし、相手が相手だからなぁ」
セルゲイの番を思い浮かべ、二人そろって溜息を吐いた。
「だから、アレクにも相談するように言ったのよ?」
「だな。一人でどうにかできる相手じゃないし、せめて獣人だったら良かったんだが・・・」
「まあね。こればっかりは仕方ないですよね」
溜息を吐きながら、周囲を見渡したレンは、ふと眉を顰めた。
「・・・・すみません。ちょっとマークさん借りていいですか?」
「ん? あぁ、かまわないが・・・何かあったか?」
「ん~~。クレイオス様が辛そうだし。私も気になる事があるので、ちょっと見て回ってから、アレクのとこに行くね?」
「見て回るなら、俺が案内するが?」
「明日出陣なら、ゲオルグさんと少し話した方が良くない?エーグル卿の話しも、聴かせてあげた方が良いと思うの」
討伐との違い、この戦争の意味を、もう一度セルゲイに話せ、とレンは言いたいらしい。
確かに今のセルゲイは、番で頭の中を占められ、理解していない可能性がもある。
マークに先導され、砦を見回り始めたレンを見送り、俺は近くに居た騎士に、セルゲイとエーグルを呼んでくるよう頼んだ。
久しぶりの番を前に、待てをされた俺は、ガッカリしながら、後輩の座学の為に会議室へ向かったのだった。
◇◇
ロロシュの報告と、エーグルの情報から、今回進軍してくるのは、ゴトフリー内でも有力な伯爵三家の連合部隊、と云う事が分かっている。
この伯爵3家が要しているのは、エーグルが所属していた王国軍ではなく、完全な私兵なのだそうだ。
その為エーグルも、軍としての情報は持っていなかったが、貴族の中でも有名な家と言う事で、伯爵三家の内情を知っていた。
「あの3家は、王国の侯爵二家よりも王宮内での影響力が強いのです。三家とも神殿との繋がりが強く、年に二回の寄進を欠かしたことが有りません。その中のワース家は、今の王配の実家になり、他の二家は側室を輩出しています」
「普通王配と側室の家は、権力争いで仲が悪いだろう?」
「そうみたいですね。ですが、あの三家は姻戚関係にあるので、裏ではどうか知りませんが、表向きは協力関係にあります」
「ふむ。今回の出征は伯爵本人が出てきているのか?」
「ワース家は、伯爵が高齢だと云う事で、嫡男が出征したと聞いています。あとは当主が出征しているらしいです」
「セルゲイ聞いていたか? 今ままでの話しの要点を纏めてみろ」
「聞いてたよ・・・有力貴族の首を三つ持って帰れば、ゴトフリー王家は後ろ盾を失い、大混乱って話だろ?」
「お前・・・マナー講師から何を教わったんだ? 言い方が雑過ぎるだろ」
「グ・・・今更あんたの前で気取ってどうすんだよ。木に吊るされる様な事はしてねぇから良いだろ?」
「同じことを侯爵の前でも言うのか?」
「それを言われると、何も言い返せねえ」
「相手は嫡男ではないが、家族仲は良好だと聞いている。人族相手に家族から嫌われると後が大変だぞ?」
「分かった・・・分かりました」
それでいい、と頷いてやると、セルゲイは恥ずかしそうに、そっぽを向いてしまった。
「エーグル、この三家の獣人の扱いはどうなのだ? 王国軍の様に獣人の部隊を連れているか?」
「このクソ共は・・・っ」
思わず口を突いて出た言葉に、エーゲルはハッとして、右手で首を掴んだ。
そして、首輪が無い事を確認すると、心底ホッとしたらしく、肩から力が抜けていった。
こんな誰もが言いそうな陰口でさえ、命の危険を感じて生きて来たのか、と改めて思い知らされた。
「失礼しました。・・・・この伯爵達が、王宮で力を持っていると言う事は、それだけ獣人への弾圧が激しいと言う事です。自分の領地内で、獣人に武器を持たせ、訓練を受けさせるような、危険を冒したりしません。私は物心ついた時から、国同士の争いに獣人が駆り出されるのは初めてなので、伯爵達がどう戦うのかは分かりません」
「エーグルは24だったか?」
「はい。ただ戦の仕方は判りませんが、魔物の討伐時に、この伯爵達は、獣人を肉壁と囮として使うと聞いています」
「はあ? 肉壁だぁ?! どういう事だよ!!」
完全にセルゲイが素に戻っているが、これは仕方がない。
俺も開いた口がふさがらん。
「言葉の通りです。まともな武器も持たされず、囮として逃げ回らせ、人族の兵が傷つかない様に、周りに立たせて盾の代わりにしたそうです」
「なんだよそれ・・・・まっ魔法は? 獣人なら魔法が使える奴も多いだろ? 魔法で身を守ったんだよな?」
「一般の獣人は、魔法の使用は違法になります。魔法を使おうとすると、首輪が反応するようになっているのです。私達は軍人になるべく育てられましたので、ある程度の魔法を使う事は許されていましたが、一定以上の魔力を感知すると、首輪が締まる様になっていました」
「嘘だろ?・・・・スラムの方がましだなんて・・・」
セルゲイは、平民からの叩き上げで、幼い頃の話は聞いたことが無いが、スラムで生活していた事もあるのかもしれない。
類稀な剣術と魔法のセンス。優れた身体能力で団長まで駆け上った雄にとっても、ゴトフリーの異常性は衝撃だったようだ。
そしてセルゲイは、自分より一つ年下のエーグルの人生の過酷さに、言葉を失っていた。
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