318 / 491
幸福の定義は人それぞれ
休暇は続く
しおりを挟む
その、エスカルの護送は今の所順調なようだ。
公表こそされていないが、エスカルは愛し子へ不敬を働いた罪人として、母国へ送還される。
他国の王族であろうが、エスカルは罪人だ。
罪人の護送にポータルが禁止されている以上、ゴトフリーとの国境へ奴が到着するまで、このまま順調に進んでも、あと二月近くは掛かる。
その間ゴトフリー側がどう出るのか。
俺なら、自分の息子が害されたと知った瞬間に、騎士を集め、敵国の王の首を取りに行くが・・・・まぁ誰にでも出来る事ではないからな。
王子の引き渡しギリギリまで準備をし、突然親子愛に目覚めた体を装いつつ、戦争の為にかき集めていた兵を、国境の警備軍と合流させ配備。
送還された王子の様子に憤った武官が、帝国側と小競り合いを起こし、なし崩し的に帝国へ攻め入る。と言った処だろうか?
東の辺境を守護するオーベルシュタイン侯爵は、南のアーべライン侯爵程の勇猛さは無いが、その分知略に優れている。
それに侯爵自身の性質に関係なく、辺境を守護し続ける騎士達は、強者ぞろいだ。
知と武を併せ持つオーベルシュタインと、邪な信仰に踊らされ、まともな判断を下せなくなったゴトフリー。
万が一にも遅れを取る事は無いだろうが、さて、オーベルシュタイン騎士団のお手並み拝見だな。
戦には金も掛かるが、それ以上に兵糧の確保が重要だ。
国民が食うのもやっとの国が、どうやって兵糧を確保するのか・・・・。
当てにしている兵糧が、手に入らなかった時、彼の国の王はどんな顔をするのだろうな。
「・・・ク?・・・・アレク?」
「ん?」
「大丈夫? ものすごく悪い顔で笑ってたけど、何かあったの?」
番が二匹のドラゴンの頭を撫でながら、心配そうにこちらを見ていた。
戦の話をしているだけに、不安にさせてしまったようだ。
「あ・・・あぁ、すまん。報告に問題はなかったぞ」
「なら良かった。それで、明日からどうするの?直ぐに皇都へ帰るの?」
「何故だ?休暇はあと8日も残っているぞ?」
「えっ? そのまま休んでて良いの?」
そう言ってレンは嬉しそうに破顔した。
守るべき番を、戦場に連れ出そうとしている俺に、変わることなく明るく接してくれるのだ、この程度の喜びも与えられなくてどうする?
「君が疲れて居なければ、この後、街の散策にでも行ってみるか?」
「わぁ。行く行く!! マークさんの予定がなかったら、一緒にミメットパールに行ってみませんか?」
「あぁ、良いのじゃないか? セルジュ、マークの予定を聞いてきてくれ」
セルジュは微妙な顔で出て行ったが、それはそうだろう。ロロシュとローガンが耐えられなかったマーキングに、わざわざマークが挑むとは思えないからな。
予想通り ”事後処理で多忙につき、今回のお誘いは見送らせて頂きたい” ”明日以降なら、是非お供させていただきたい” とマークはセルジュに伝言を頼んでいた。
まぁ、俺はレンとの時間を邪魔されたくはなかったし、マークはそれを正しく理解した。
そう云う事だ。
レンも特に気にした様子も無く、俺達は二人で街に散策に出かけ、楽しい時間を過ごすことが出来た。
その後も、マリカム滞在中は、買い物や食事に出掛けたり、伯爵に案内され、真珠の養殖場や加工工場を見学させてもらい、有意義な時間を持つ事も出来た。
そんなある日、レンがローガンとセルジュだけではなく、護衛騎士も全員連れて、アメリア伯爵の私有地にある浜へ、遊びに行こうと提案してきた。
「まさか、泳ぐつもりか?」
「泳ぎたいのは山々ですが、水着も無いし、皆さんの前で泳いだりしませんよ?」
みずぎ?
それがあったら、他人の目があっても泳ぐのか?
「着衣泳は、慣れないと溺れたりしますから、向こうでは泳ぐときは、基本水着着用ですよ? 海水浴場もプールも沢山人が来ますけど、みんな水着を着てます」
水着とはどんなものかが気になって聞いてみると、レンは絵をかいて説明してくれたのだが、こんなものは裸と同じではないか?!
こんな破廉恥な格好で、屋外を歩き回るなど、彼方の倫理観はどうなっているのだ?!
「ん~。100年前とかは、もっと体を隠すデザインだったみたいだけど、それだと泳ぎにくいですからね?」
「利便性の問題か?」
「多分?競泳用の水着は、もっとぴっちり体にフィットした作りだし」
これ以上体の線がはっきり分かるのか?!
「こちらには無い文化なのは理解してますから。アレク意外とは、泳いだりいないから安心して?」
「それなら良いが・・・・」
だが、宮にぷーるとか言う池を造ってたよな?
「だ・か・ら、泳ぐのはアレクとだけ。周りに塀も立てて、外から見えない様にするから大丈夫ですって」
だからと言って、安心出来るものでも無いのだが・・・。
「それは取り敢えず置いといて、今日はビーチでBBQです!」
そう宣言したレンは、何日か前から用意していたという、食料と酒を大量に馬車に積み込み、騎士達を引き連れ、伯爵から使用許可を貰った浜へ向かった。
浜に到着すると、レンは土魔法で竈をいくつも作って火を起こし、騎士達を総動員して、食事の下準備が出来ると、今度はゲームをしようと言い出した。
優勝者にはレンから賞品が出ると聞き、騎士達も俄然やる気になって居る。
最初は ”すいか割り” というゲームだった。
目隠しをした騎士を、その場でぐるぐる回したあと、浜に置いた瓜を棒で割る。という、簡単なゲームなのだが、目隠しで回されたうえに、周りを囲んだ同僚から ”右だ!” ”いや、もっと左だ!” 等とやじられて、瓜の場所を特定するのも難しいようだ。
瓜とは、遠く離れた見当はずれな場所を叩く者、あと一歩で届かない者、その結果に皆が大笑いで喜んでいる。
意外にもこのゲームの優勝者はローガンだった。
侍従と言うものは、いつ何時でも冷静に周囲を観察し、主人に不便を掛けないよう、探知能力の高さも必要だ。
とは、優勝を攫ったローガンの弁だ。
レンが用意した優勝賞品は、レンのお抱えテーラー、ルナコルタが経営する、ボッカサローネでの仕立券と、皇都で有名なレストランの食事券だった。
しかも仕立券と食事券は、上限金額無し。
掛かった分だけ、幾らでもレンが支払うという、騎士や使用人からすれば、信じられない高額な賞品だ。
氷魔法で冷たく冷やしたエールを片手に、暢気にゲームを楽しんでいた部下達は、更にヒートアップ。
次のゲームは何かと、闘志を燃やす騎士の群れに、レンが出したお題は、砂の彫刻を作る事だった。
制限時間は約2時間。
昼食用の煮込み料理が完成するまでだ。
騎士全員にシャベルとヘラ、固めた砂が崩れないようにする為の、水に溶かした糊を配り終えると、レンの掛け声と共に、むくつけき雄共が、必死で砂の山を作り、なんだかよく分からない彫刻に取り組み始めた。
しかし芸術とは無縁な騎士達は、脱落者が続出。
最後まで、砂の彫刻を作り上げられたのはわずか5人。
しかし出来上がった作品は、城を模した物、動物や人を象った物など、其々見応えのある出来栄えだった。
完成した彫刻の品評は、芸術に造詣が深いマークが担当した。
マークが選んだ砂の彫刻の優勝者は、意外にも騎士団の中で俺の次に、体のでかい熊の獣人の騎士だった。
コイツは、見た目の厳つさからは想像できないが、木彫りの彫刻を趣味にしているのだそうだ。
それを聞いたレンは "木彫りのクマさん、北海道かっ!" と1人でクツクツと笑っている。
何を連想したのか知らんが、番が楽しそうで何よりだ。
楽しそうに笑うレンとは逆に、熊の騎士は、騎士仲間から、繊細な趣味を理解されない事も多かったらしく、優勝賞品を受け取る時には大泣きで喜んでいた。
因みに優勝賞品は、すいか割りと同じ、仕立券と食事券だった。
公表こそされていないが、エスカルは愛し子へ不敬を働いた罪人として、母国へ送還される。
他国の王族であろうが、エスカルは罪人だ。
罪人の護送にポータルが禁止されている以上、ゴトフリーとの国境へ奴が到着するまで、このまま順調に進んでも、あと二月近くは掛かる。
その間ゴトフリー側がどう出るのか。
俺なら、自分の息子が害されたと知った瞬間に、騎士を集め、敵国の王の首を取りに行くが・・・・まぁ誰にでも出来る事ではないからな。
王子の引き渡しギリギリまで準備をし、突然親子愛に目覚めた体を装いつつ、戦争の為にかき集めていた兵を、国境の警備軍と合流させ配備。
送還された王子の様子に憤った武官が、帝国側と小競り合いを起こし、なし崩し的に帝国へ攻め入る。と言った処だろうか?
東の辺境を守護するオーベルシュタイン侯爵は、南のアーべライン侯爵程の勇猛さは無いが、その分知略に優れている。
それに侯爵自身の性質に関係なく、辺境を守護し続ける騎士達は、強者ぞろいだ。
知と武を併せ持つオーベルシュタインと、邪な信仰に踊らされ、まともな判断を下せなくなったゴトフリー。
万が一にも遅れを取る事は無いだろうが、さて、オーベルシュタイン騎士団のお手並み拝見だな。
戦には金も掛かるが、それ以上に兵糧の確保が重要だ。
国民が食うのもやっとの国が、どうやって兵糧を確保するのか・・・・。
当てにしている兵糧が、手に入らなかった時、彼の国の王はどんな顔をするのだろうな。
「・・・ク?・・・・アレク?」
「ん?」
「大丈夫? ものすごく悪い顔で笑ってたけど、何かあったの?」
番が二匹のドラゴンの頭を撫でながら、心配そうにこちらを見ていた。
戦の話をしているだけに、不安にさせてしまったようだ。
「あ・・・あぁ、すまん。報告に問題はなかったぞ」
「なら良かった。それで、明日からどうするの?直ぐに皇都へ帰るの?」
「何故だ?休暇はあと8日も残っているぞ?」
「えっ? そのまま休んでて良いの?」
そう言ってレンは嬉しそうに破顔した。
守るべき番を、戦場に連れ出そうとしている俺に、変わることなく明るく接してくれるのだ、この程度の喜びも与えられなくてどうする?
「君が疲れて居なければ、この後、街の散策にでも行ってみるか?」
「わぁ。行く行く!! マークさんの予定がなかったら、一緒にミメットパールに行ってみませんか?」
「あぁ、良いのじゃないか? セルジュ、マークの予定を聞いてきてくれ」
セルジュは微妙な顔で出て行ったが、それはそうだろう。ロロシュとローガンが耐えられなかったマーキングに、わざわざマークが挑むとは思えないからな。
予想通り ”事後処理で多忙につき、今回のお誘いは見送らせて頂きたい” ”明日以降なら、是非お供させていただきたい” とマークはセルジュに伝言を頼んでいた。
まぁ、俺はレンとの時間を邪魔されたくはなかったし、マークはそれを正しく理解した。
そう云う事だ。
レンも特に気にした様子も無く、俺達は二人で街に散策に出かけ、楽しい時間を過ごすことが出来た。
その後も、マリカム滞在中は、買い物や食事に出掛けたり、伯爵に案内され、真珠の養殖場や加工工場を見学させてもらい、有意義な時間を持つ事も出来た。
そんなある日、レンがローガンとセルジュだけではなく、護衛騎士も全員連れて、アメリア伯爵の私有地にある浜へ、遊びに行こうと提案してきた。
「まさか、泳ぐつもりか?」
「泳ぎたいのは山々ですが、水着も無いし、皆さんの前で泳いだりしませんよ?」
みずぎ?
それがあったら、他人の目があっても泳ぐのか?
「着衣泳は、慣れないと溺れたりしますから、向こうでは泳ぐときは、基本水着着用ですよ? 海水浴場もプールも沢山人が来ますけど、みんな水着を着てます」
水着とはどんなものかが気になって聞いてみると、レンは絵をかいて説明してくれたのだが、こんなものは裸と同じではないか?!
こんな破廉恥な格好で、屋外を歩き回るなど、彼方の倫理観はどうなっているのだ?!
「ん~。100年前とかは、もっと体を隠すデザインだったみたいだけど、それだと泳ぎにくいですからね?」
「利便性の問題か?」
「多分?競泳用の水着は、もっとぴっちり体にフィットした作りだし」
これ以上体の線がはっきり分かるのか?!
「こちらには無い文化なのは理解してますから。アレク意外とは、泳いだりいないから安心して?」
「それなら良いが・・・・」
だが、宮にぷーるとか言う池を造ってたよな?
「だ・か・ら、泳ぐのはアレクとだけ。周りに塀も立てて、外から見えない様にするから大丈夫ですって」
だからと言って、安心出来るものでも無いのだが・・・。
「それは取り敢えず置いといて、今日はビーチでBBQです!」
そう宣言したレンは、何日か前から用意していたという、食料と酒を大量に馬車に積み込み、騎士達を引き連れ、伯爵から使用許可を貰った浜へ向かった。
浜に到着すると、レンは土魔法で竈をいくつも作って火を起こし、騎士達を総動員して、食事の下準備が出来ると、今度はゲームをしようと言い出した。
優勝者にはレンから賞品が出ると聞き、騎士達も俄然やる気になって居る。
最初は ”すいか割り” というゲームだった。
目隠しをした騎士を、その場でぐるぐる回したあと、浜に置いた瓜を棒で割る。という、簡単なゲームなのだが、目隠しで回されたうえに、周りを囲んだ同僚から ”右だ!” ”いや、もっと左だ!” 等とやじられて、瓜の場所を特定するのも難しいようだ。
瓜とは、遠く離れた見当はずれな場所を叩く者、あと一歩で届かない者、その結果に皆が大笑いで喜んでいる。
意外にもこのゲームの優勝者はローガンだった。
侍従と言うものは、いつ何時でも冷静に周囲を観察し、主人に不便を掛けないよう、探知能力の高さも必要だ。
とは、優勝を攫ったローガンの弁だ。
レンが用意した優勝賞品は、レンのお抱えテーラー、ルナコルタが経営する、ボッカサローネでの仕立券と、皇都で有名なレストランの食事券だった。
しかも仕立券と食事券は、上限金額無し。
掛かった分だけ、幾らでもレンが支払うという、騎士や使用人からすれば、信じられない高額な賞品だ。
氷魔法で冷たく冷やしたエールを片手に、暢気にゲームを楽しんでいた部下達は、更にヒートアップ。
次のゲームは何かと、闘志を燃やす騎士の群れに、レンが出したお題は、砂の彫刻を作る事だった。
制限時間は約2時間。
昼食用の煮込み料理が完成するまでだ。
騎士全員にシャベルとヘラ、固めた砂が崩れないようにする為の、水に溶かした糊を配り終えると、レンの掛け声と共に、むくつけき雄共が、必死で砂の山を作り、なんだかよく分からない彫刻に取り組み始めた。
しかし芸術とは無縁な騎士達は、脱落者が続出。
最後まで、砂の彫刻を作り上げられたのはわずか5人。
しかし出来上がった作品は、城を模した物、動物や人を象った物など、其々見応えのある出来栄えだった。
完成した彫刻の品評は、芸術に造詣が深いマークが担当した。
マークが選んだ砂の彫刻の優勝者は、意外にも騎士団の中で俺の次に、体のでかい熊の獣人の騎士だった。
コイツは、見た目の厳つさからは想像できないが、木彫りの彫刻を趣味にしているのだそうだ。
それを聞いたレンは "木彫りのクマさん、北海道かっ!" と1人でクツクツと笑っている。
何を連想したのか知らんが、番が楽しそうで何よりだ。
楽しそうに笑うレンとは逆に、熊の騎士は、騎士仲間から、繊細な趣味を理解されない事も多かったらしく、優勝賞品を受け取る時には大泣きで喜んでいた。
因みに優勝賞品は、すいか割りと同じ、仕立券と食事券だった。
106
お気に入りに追加
1,297
あなたにおすすめの小説
迷い込んだ先で獣人公爵の愛玩動物になりました(R18)
るーろ
恋愛
気がついたら知らない場所にた早川なつほ。異世界人として捕えられ愛玩動物として売られるところを公爵家のエレナ・メルストに買われた。
エレナは兄であるノアへのプレゼンとして_
発情/甘々?/若干無理矢理/
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【R18】転生したら異酒屋でイキ放題されるなんて聞いてません!
梅乃なごみ
恋愛
限界社畜・ヒマリは焼き鳥を喉に詰まらせ窒息し、異世界へ転生した。
13代目の聖女? 運命の王太子?
そんなことより生ビールが飲めず死んでしまったことのほうが重要だ。
王宮へ召喚?
いいえ、飲み屋街へ直行し早速居酒屋で生ビールを……え?
即求婚&クンニってどういうことですか?
えっちメイン。ふんわり設定。さくっと読めます。
🍺全5話 完結投稿予約済🍺
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった
山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』
色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる