285 / 491
幸福の定義は人それぞれ
夜会本番
しおりを挟む
ホールに戻ると、俺達が中座した為に、夜会の進行が止まってしまっていた。
アーノルドのファーストダンス、次いで俺とレン、そして上皇夫夫が踊らなければ、他の者達は踊ることも、歓談を始める事も出来ない。
準備と進行を総括しているロイド様から、冷たい視線が飛んできたが、事情を伝言で残してあった為か、公衆の面前で叱責されることはなかった。
俺とレンは席に着いたが、アーノルドは席に着くことなく、渋い顔のロイド様にファーストダンスのパートナーを交代することを耳打ちしていた。
ファーストダンスの相手が男爵家の令息だと聞いて、ロイド様は驚きで一瞬目を見開いていたが、扇の陰で不敵な笑みを浮かべると ”好きになさい” と一言だけ返し、貴族達の反応を楽しむかのように、ホールへ視線を戻した。
アーノルドは上皇夫夫へ一礼し、静かな音楽が流れる中、ゆっくりと階を降りた。
降りた先に微笑みを浮かべたリアンと、緊張でカチコチに固まったジェイドが立っている。
皇太子が家族以外とファーストダンスを踊る相手は、伴侶か婚約者が通例だ。
アーノルドがリアンのもとへ向かったことで、婚約者はリアンで決定かと、貴族達は色目きたった。
しかし、アーノルドが手を取ったのは、デビュタントを迎えた男爵家の令息だ。
肩透かしをくらい、予想外の出来事に事情を知らない貴族隊は、どういう事かと口々に囁き合い、新しいゴシップネタに舌なめずりしているように見えた。
この事態にオーベルシュタイン侯爵がリアンのもとへ駆けつけ、事情を問いただしている。
傍に居た貴族たちは、素知らぬ顔で親子の会話に耳を欹て、情報収集に必死だ。
ホールの中央に立ったアーノルドとジェイドだが、曲が始まり踊り出してもジェイドは緊張したままだった。
良かれと思ってのレンの提案だったが、ジェイドの緊張した様子を見ると、かえって可哀想なことをしたのでは? と心配になった。
しかし、ここでアーノルドが気を利かせ、何かを話しかけると、ジェイドは破顔し、緊張も解けたのか、そこからは楽しそうに踊りだして、此方としても一安心だ。
二人が踊っている間に、リアンが父であるオーベルシュタイン侯爵に語った中庭での顛末が、瞬く間に広がったようで、初めは非難の眼差しを向けていた者たちの視線も、同乗の籠った友好的なものに変化していた。
話しの広がり方は野火よりも早く、貴族の噂話の恐ろしさを目の当たりにした俺は、背筋に冷たいものが流れた。
レンに怖気付いたと思われたくない一心で、顔には一切出さなかったが・・・バレてないよな?
二人のダンスの間、俺は犯人の人相と合致する人物を探し、ホールを見回していた。
そしてジェイドが語った人相や服装に合う人物は一人だけ。
そいつはオレステス・オズボーンの傍に立っていた。
あの立ち位置だと、オズボーン家と関係があるのか無いのか、パッと見では判断し辛い微妙な位置だ。
心当たりがあると言っていたロロシュは、俺が相手を見つけるより先に、犯人を見つけていたらしく、何気ない風を装い、マークを伴い犯人の傍に立っている。
オレステスが事情を知っているかどうかは分からんが、視線で人を射殺せるのなら、迷わずそうしただろうと思わせる程、ジェイドに向けた、オレステスの嫉妬の形相は凄まじかった。
「これは厄介だな」
思わずそう呟くと、レンも全くだと同意した。
「あの人何か知っているのじゃないでしょうか。アーノルドさんがジェイドさんの手を取ったら、隣の男の人をもの凄い目で睨んだんです」
「何か裏があると思うのか?」
「多分?ジェイドさんは男爵家の方だし、候補者じゃないので、家とか事業とかの方面でしょうか」
「ふむ・・・犯人の事はロロシュが詳しいらしい。歓談が始まったら捕縛するようだから、後で話を聞いてみよう」
「分かりました・・・・」
「どうした?」
犯人を捕縛すると聞いて、レンはホッとしたようだったのだが、すぐに表情が暗くなってしまった。
「なんでしょう。こんなキラキラした空間なのに、裏はドロッドロッなんて、社交って怖いんだなぁ、と改めて思ってしまいました」
「ハハッ!確かに俺達には不向きだな。だが、この程度なら可愛いもんだ」
「えぇぇ~? もうおうちに帰っちゃダメですか?」
「駄目です」
話に割り込んだのはロイド様だった。
「頼まれたことは、最後までやり通してもらわなければ困りますよ?それに次のダンスは貴方たちの番でしょ?ほら準備して!」
ロイド様に急かされ、椅子から立ち上がった俺達は、ダンスを終えたアーノルドとジェイドに拍手を送った。
「では、愛し子様。俺と踊っていただけますか?」
「喜んで。・・・でもこういう時は ”姫” と呼んでもらえると、ちょっと気分が上がります」
「ひめ?」
「姫」
異界の敬称だろうな。
敬称一つでレンの気分が上がるなら、いくらでも ”ひめ” と呼ぼうじゃないか。
「ひめ。俺とファーストダンスを」
差し伸べた手を取るレンは嬉しそうで、これ以降レンが ”もう姫って歳じゃないから” と言うまでの永い間、レンを ”ひめ” と呼び続ける事になるのだが、それはまた別の話しだ。
やはりレンとのダンスは楽しい。
身長差はあっても、身体能力の高いレンは、俺のリードに難なく付いて来られるし、逆にリードされることもある。
ターンの度に、髪に刺した簪がシャラシャラと鳴り、レンの長い袖がふわりと舞うと、描かれた花が、レンの周りに舞い散るようだ。
それがレンの甘い花の香りと相まって、レンと俺だけが花畑で踊っている気分だ。
そして俺の “はおり” の裏地に描かれた白虎が顔をのぞかせると、その精巧さに貴族どもが息を呑み、騒めくのが分かった。
「衣装で注目されるのは初めてだな」
「ふふふ。大成功ですね。でもアレクが格好いいから似合うんですよ?そうじゃないとただの痛い人です」
「痛い人・・・ね」
「あの、ポッチャリした小父様達に、似合うと思います?」
「それは・・・・・似合わんだろうな」
「ふふ。ねぇ・・・アレクは知らないみたいだから、内緒で教えてあげる」
「ん?何をだ?」
レンについて知らない事など・・・・山ほど有るな。
「あのね? 私の大事な騎士様は、誰よりも強くて優しくて、格好いいの」
「はぁ?」
俺の様な駄目な雄を、そうやって褒めてくれるのはレンだけだ。
「ハッ・・・ハハハ!」
「キャッ!!」
嬉しくなった俺は、またもレンを持ち上げて、グルグル回ってしまった。
後でロイド様に、マナー違反だと怒られるだろうが、考えただけでウンザリする社交を前に、英気を養っても罰は当たらんだろう。
マナー違反は犯してしまったが、曲の最後の方はしっかり踊れたし、曲終わりのお辞儀も完璧だった、と思う。
ホールに降りてきたロイド様の目が、怖かったが、レンと踊れて楽しかったから、それだけで充分だ。
ダンスホールの主役を上皇夫夫と交代すると、皇家席の階の前に、アーノルドと談笑するオーべルシュタイン親子と、ジェイドの姿が見えた。
そこに合流した俺とレンは、侯爵から雨の様に感謝の言葉を浴びせられた。
大した事はしていないと、レンと二人で言ったのだが、謙遜するところが益々好ましいと、感激されてしまった。
今の当主は頭が切れるとロロシュから聞いてはいたが、面識のあった先代の当主と同じで、義理人情に厚い御仁のようだ。
「先代は閣下の事を ”若いが勇猛さでは誰にも負けなかった。部下の面倒をよく見る良い上官だ” と話をしていました。閣下のお陰で魔物に食われずに済んだ、とも話していっておりました」
「俺の方こそ、礼を言わねばなるまい。あの時は右も左も分からぬ小僧だったからな。先代の侯爵には本当に助けてもらった。俺が生きているのは彼のお陰だ」
侯爵は破顔し、先代に良い土産話が出来たと喜んでいた。
アーノルドのファーストダンス、次いで俺とレン、そして上皇夫夫が踊らなければ、他の者達は踊ることも、歓談を始める事も出来ない。
準備と進行を総括しているロイド様から、冷たい視線が飛んできたが、事情を伝言で残してあった為か、公衆の面前で叱責されることはなかった。
俺とレンは席に着いたが、アーノルドは席に着くことなく、渋い顔のロイド様にファーストダンスのパートナーを交代することを耳打ちしていた。
ファーストダンスの相手が男爵家の令息だと聞いて、ロイド様は驚きで一瞬目を見開いていたが、扇の陰で不敵な笑みを浮かべると ”好きになさい” と一言だけ返し、貴族達の反応を楽しむかのように、ホールへ視線を戻した。
アーノルドは上皇夫夫へ一礼し、静かな音楽が流れる中、ゆっくりと階を降りた。
降りた先に微笑みを浮かべたリアンと、緊張でカチコチに固まったジェイドが立っている。
皇太子が家族以外とファーストダンスを踊る相手は、伴侶か婚約者が通例だ。
アーノルドがリアンのもとへ向かったことで、婚約者はリアンで決定かと、貴族達は色目きたった。
しかし、アーノルドが手を取ったのは、デビュタントを迎えた男爵家の令息だ。
肩透かしをくらい、予想外の出来事に事情を知らない貴族隊は、どういう事かと口々に囁き合い、新しいゴシップネタに舌なめずりしているように見えた。
この事態にオーベルシュタイン侯爵がリアンのもとへ駆けつけ、事情を問いただしている。
傍に居た貴族たちは、素知らぬ顔で親子の会話に耳を欹て、情報収集に必死だ。
ホールの中央に立ったアーノルドとジェイドだが、曲が始まり踊り出してもジェイドは緊張したままだった。
良かれと思ってのレンの提案だったが、ジェイドの緊張した様子を見ると、かえって可哀想なことをしたのでは? と心配になった。
しかし、ここでアーノルドが気を利かせ、何かを話しかけると、ジェイドは破顔し、緊張も解けたのか、そこからは楽しそうに踊りだして、此方としても一安心だ。
二人が踊っている間に、リアンが父であるオーベルシュタイン侯爵に語った中庭での顛末が、瞬く間に広がったようで、初めは非難の眼差しを向けていた者たちの視線も、同乗の籠った友好的なものに変化していた。
話しの広がり方は野火よりも早く、貴族の噂話の恐ろしさを目の当たりにした俺は、背筋に冷たいものが流れた。
レンに怖気付いたと思われたくない一心で、顔には一切出さなかったが・・・バレてないよな?
二人のダンスの間、俺は犯人の人相と合致する人物を探し、ホールを見回していた。
そしてジェイドが語った人相や服装に合う人物は一人だけ。
そいつはオレステス・オズボーンの傍に立っていた。
あの立ち位置だと、オズボーン家と関係があるのか無いのか、パッと見では判断し辛い微妙な位置だ。
心当たりがあると言っていたロロシュは、俺が相手を見つけるより先に、犯人を見つけていたらしく、何気ない風を装い、マークを伴い犯人の傍に立っている。
オレステスが事情を知っているかどうかは分からんが、視線で人を射殺せるのなら、迷わずそうしただろうと思わせる程、ジェイドに向けた、オレステスの嫉妬の形相は凄まじかった。
「これは厄介だな」
思わずそう呟くと、レンも全くだと同意した。
「あの人何か知っているのじゃないでしょうか。アーノルドさんがジェイドさんの手を取ったら、隣の男の人をもの凄い目で睨んだんです」
「何か裏があると思うのか?」
「多分?ジェイドさんは男爵家の方だし、候補者じゃないので、家とか事業とかの方面でしょうか」
「ふむ・・・犯人の事はロロシュが詳しいらしい。歓談が始まったら捕縛するようだから、後で話を聞いてみよう」
「分かりました・・・・」
「どうした?」
犯人を捕縛すると聞いて、レンはホッとしたようだったのだが、すぐに表情が暗くなってしまった。
「なんでしょう。こんなキラキラした空間なのに、裏はドロッドロッなんて、社交って怖いんだなぁ、と改めて思ってしまいました」
「ハハッ!確かに俺達には不向きだな。だが、この程度なら可愛いもんだ」
「えぇぇ~? もうおうちに帰っちゃダメですか?」
「駄目です」
話に割り込んだのはロイド様だった。
「頼まれたことは、最後までやり通してもらわなければ困りますよ?それに次のダンスは貴方たちの番でしょ?ほら準備して!」
ロイド様に急かされ、椅子から立ち上がった俺達は、ダンスを終えたアーノルドとジェイドに拍手を送った。
「では、愛し子様。俺と踊っていただけますか?」
「喜んで。・・・でもこういう時は ”姫” と呼んでもらえると、ちょっと気分が上がります」
「ひめ?」
「姫」
異界の敬称だろうな。
敬称一つでレンの気分が上がるなら、いくらでも ”ひめ” と呼ぼうじゃないか。
「ひめ。俺とファーストダンスを」
差し伸べた手を取るレンは嬉しそうで、これ以降レンが ”もう姫って歳じゃないから” と言うまでの永い間、レンを ”ひめ” と呼び続ける事になるのだが、それはまた別の話しだ。
やはりレンとのダンスは楽しい。
身長差はあっても、身体能力の高いレンは、俺のリードに難なく付いて来られるし、逆にリードされることもある。
ターンの度に、髪に刺した簪がシャラシャラと鳴り、レンの長い袖がふわりと舞うと、描かれた花が、レンの周りに舞い散るようだ。
それがレンの甘い花の香りと相まって、レンと俺だけが花畑で踊っている気分だ。
そして俺の “はおり” の裏地に描かれた白虎が顔をのぞかせると、その精巧さに貴族どもが息を呑み、騒めくのが分かった。
「衣装で注目されるのは初めてだな」
「ふふふ。大成功ですね。でもアレクが格好いいから似合うんですよ?そうじゃないとただの痛い人です」
「痛い人・・・ね」
「あの、ポッチャリした小父様達に、似合うと思います?」
「それは・・・・・似合わんだろうな」
「ふふ。ねぇ・・・アレクは知らないみたいだから、内緒で教えてあげる」
「ん?何をだ?」
レンについて知らない事など・・・・山ほど有るな。
「あのね? 私の大事な騎士様は、誰よりも強くて優しくて、格好いいの」
「はぁ?」
俺の様な駄目な雄を、そうやって褒めてくれるのはレンだけだ。
「ハッ・・・ハハハ!」
「キャッ!!」
嬉しくなった俺は、またもレンを持ち上げて、グルグル回ってしまった。
後でロイド様に、マナー違反だと怒られるだろうが、考えただけでウンザリする社交を前に、英気を養っても罰は当たらんだろう。
マナー違反は犯してしまったが、曲の最後の方はしっかり踊れたし、曲終わりのお辞儀も完璧だった、と思う。
ホールに降りてきたロイド様の目が、怖かったが、レンと踊れて楽しかったから、それだけで充分だ。
ダンスホールの主役を上皇夫夫と交代すると、皇家席の階の前に、アーノルドと談笑するオーべルシュタイン親子と、ジェイドの姿が見えた。
そこに合流した俺とレンは、侯爵から雨の様に感謝の言葉を浴びせられた。
大した事はしていないと、レンと二人で言ったのだが、謙遜するところが益々好ましいと、感激されてしまった。
今の当主は頭が切れるとロロシュから聞いてはいたが、面識のあった先代の当主と同じで、義理人情に厚い御仁のようだ。
「先代は閣下の事を ”若いが勇猛さでは誰にも負けなかった。部下の面倒をよく見る良い上官だ” と話をしていました。閣下のお陰で魔物に食われずに済んだ、とも話していっておりました」
「俺の方こそ、礼を言わねばなるまい。あの時は右も左も分からぬ小僧だったからな。先代の侯爵には本当に助けてもらった。俺が生きているのは彼のお陰だ」
侯爵は破顔し、先代に良い土産話が出来たと喜んでいた。
146
お気に入りに追加
1,297
あなたにおすすめの小説
迷い込んだ先で獣人公爵の愛玩動物になりました(R18)
るーろ
恋愛
気がついたら知らない場所にた早川なつほ。異世界人として捕えられ愛玩動物として売られるところを公爵家のエレナ・メルストに買われた。
エレナは兄であるノアへのプレゼンとして_
発情/甘々?/若干無理矢理/
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【R18】転生したら異酒屋でイキ放題されるなんて聞いてません!
梅乃なごみ
恋愛
限界社畜・ヒマリは焼き鳥を喉に詰まらせ窒息し、異世界へ転生した。
13代目の聖女? 運命の王太子?
そんなことより生ビールが飲めず死んでしまったことのほうが重要だ。
王宮へ召喚?
いいえ、飲み屋街へ直行し早速居酒屋で生ビールを……え?
即求婚&クンニってどういうことですか?
えっちメイン。ふんわり設定。さくっと読めます。
🍺全5話 完結投稿予約済🍺
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった
山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』
色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる