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エンドロールの後も人生は続きます
カミングアウト
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「デザイン・・・ですか」
おや?
レンがシュンとしてしまった。
レンが塞いでしまったことに、ロイド様も気付いたようだ。
「あらあら。晴れの日の衣装は、内緒にしておきたいものなのに、私が不躾すぎましたね」
「いえ!そんな事は・・無いのですけれど・・・」
「どうしたのだ? 無理を言っているのはロイド様だ、皇太后陛下が相手でも、無理に見せる必要はないのだぞ?」
「なんでしょう。不躾だったのは事実ですし、それを自分で言うのは構いませんが、貴方が言うと、腹が立ちますね」
人は、笑顔で嫌味と脅しを掛けかられるものなのだな。
この器用さには、本当に頭が下がる。
「そう言うことではなくて・・・・・」
俯いて考え込んでしまったレンに、俺とロイド様は、何か気に触ることを言ったのだろうかと、顔を見交わし、首を傾げた。
「すみません。少しお待ちいただけますか?」
顔を上げたレンは、瞳に決意を滲ませていた。
レンはテーブルのベルを鳴らし、それに応えたセルジュに、作業部屋からスケッチブックを取って来る事と、ローガンも連れてくるよう頼んだ。
「レン様? 私は貴方がご自分でデザインをなさると聞いて、興味を持っただけなのです。レン様が秘密にしておきたいと仰るなら、無理矢理に見せろとは言いませんよ?」
「ロイド様に、聞いて頂きたいことがあるのです。少し長くなりますが、宜しいでしょうか?」
「えっ、ええ。レン様のお話なら、いくらでも」
レンの真剣な面持ちにロイド様も、気遣わしげな態度になった。
そしてレンは、俺とロイド様の視線を受け止めながら、アウラの加護の魅了について語り始めた。
俺は既に聞いた話だが、初めて聞くロイド様は、話が進むにつれ、眉間に皺が刻まれ、手にした扇がギリギリと金属が掠れる音を立てた。
「それが、アレクサンドルの醜態の原因ですか・・・・アウラ神も、なんて迷惑な加護を。しかも、必要な理由を明かしてくれ無いとはね」
「アウラ様は、理由を明かす事で、未来が変わってしまう事を、懸念されて居ます。それだけこの世界に取って、大切な事なのだと思います」
「そうは言ってもねぇ」
「今の所、マークと専属侍従の二人は魅了に掛かっておりません。ですが今後の護衛や使用人を選ぶ際の、基準や条件をどうしたものかと」
「そう言う貴方は大丈夫なの?」
「レンが、愛しい番であることに変わりはありません。其れに正式に伴侶となれましたので、大手を振って、番を甘やかせると考えたら、満足したというか、兎に角、今は冷静です」
「あらまぁ、貴方の執着の強さは以前からですからね。ですが程々にね?」
程々が、どの程度かにもよるな。
「それで、ロイド様はなんとも無い様ですが」
「そうですねぇ。レン様が香水を変えたのかと思いましたが、なんとも有りません。でも羨ましい、こんに良い香りが、体臭だなんてね。夜会の鼻が曲がりそうな香水とは、雲泥の差ね」
其れには心から、同意する。
「違いは何だと思われますか?」
「私がレン様に抱く思いが、母性だから?」
ふむ。
やはりレンに対する基本認識の差か?
「あの!この加護の所為で、皆さんにご迷惑をお掛けする事が、多々有ると思うのです。其れによく考えたら、王配候補の方達にも影響があるかもしれませんし、候補者の方達との交流は避けた方が、良いの・・・では・・・ないでしょうか」
だんだん尻窄みになるレンに、ロイド様はフン と鼻を鳴らし、続けてツンと顎を上げて見せた。
「魅了に掛かったことも隠すこともできない様では、王配に相応しいとは言えません。良い判断材料が増えただけの事、レン様は気になさらなくて宜しい」
「あっはい。そうなんですね?」
「レン様。国母とは、生半可な覚悟でなれるものでは無いのですよ?」
「・・・・はい」
悲壮感。とまでは言わないが、ロイド様の瞳には、これ迄、彼が背負って来たであろう、苦悩の数々が垣間見えた。
それを感じ取ったレンは、決意を新たにしたように見える。
部屋の隅で、スケッチブックを何冊も抱え、控えて居たセルジュとローガンを手招いたレンは、二人にも聞いて貰いたい話があるから、席に着く様にと促した。
「皇太后陛下の御前で、そのような無作法は出来かねます」
とローガンとセルジュは固辞したが、ロイド様から許しが出ると、居心地悪そうに席についた。
レンは、異界の日常を描いたものだと、前置きしてから、俺たちの前で一冊のスケッチブックを開いた。
レンの絵の才能は、本物だった。
写実的に描かれた物、デフォルメされた物など、其々描くタッチは違っていても、同一人物が描いたことは一目瞭然だ。
レンが開いたスケッチブックには、見慣れない衣装を身に着けた人々や、見たこともない、巨大な建物や乗り物。
俺たちの世界より、明らかに発展している街の様子が描かれて居た。
「・・・・これが異界」
「首都の東京は、もっと発展していて、建物や車、人も、もっと、もっと多くて、数えきれないほどでした」
それからレンが開いた二冊目は、人物画で埋め尽くされていた。
学生時代の友人、職場の同僚等。
一人一人を紹介しながら捲る頁には、日常の一瞬を切り取った様な、躍動感のある絵が何枚も続いていた。
そして、レンの祖父母とヤベという友人の肖像画は、ページの端が擦り切れて居た。
おそらく、何度もこの肖像を見返して居たのだろう、所々に紙がふやけた跡が見えるのは、涙の跡だろうか。
故郷からただ一人切り離され、戻ることも出来ないレンの孤独を、突きつけられたようで、胸の奥がシクシクと痛んだ。
「絵を見て、何か気付いた事は有りますか?」
「気付いた事?」
レンの問い掛けに、皆が首を傾げている。
ここに居る者達の中に、レンの秘密を知るものは居ない。ヒントも無く、気付くのは難しいかもしれない。
「あの、間違っているかもしれませんが、体格が違う人が多いように思います」
やはりセルジュのように、清い心根の持ち主は、見たままを受け入れる事が出来るのか。
レンは、よく出来ました。と言うようにセルジュに微笑み掛けた。
「私の故郷では、この世界ヴィースとは異なり、性別の違いが有ります。異界では、皆さんの様な体を持った人々を男と呼び、私のような体の人間を女と呼びます」
「性別?・・・おんな?」
レンは描いた二人の人物を指さした。
「この人が男性で、こちらが女性です。私は、皆さんと違い・・・その・・・」
体の違いを説明するのが恥ずかしいのだろう、羞恥に頬を染めるレンに代わり、俺が説明することにした。
異界では、男女の性の違いがあり、子を産めるのは女だけである事。
魔力や魔素が存在しない異界では、女の腹の中で子が育ち、赤子の姿で子を産む事。
女の身体は、俺達よりも線が細く、豊かな胸があり、俺たちが股間にぶら下げているものを持って居ないことを説明した。
「レンは、愛し子であるだけでなく、この世界でたった一人の女だ。レンの安全を考慮し、この事は、俺とウィリアム、マークの3人しか知らなかった」
「本当の事なのですか?」
驚愕に声を震わせるロイド様に、信じられなければ、禁書庫のヨシタカの記録を読め、と言うと、漸く事実だと確信した様子だった。
「レン。話してしまって良かったのか?」
「はい。私の後に来る愛し子が、私と同じ女性かもしれません。男性のふりと言うか、女性である事を隠しているのは、やっぱり不便なことも多いし、みんなを騙しているみたいで心苦しかったりもします」
「だがな、レンの安全の為でもあるのだぞ?」
「後世の愛し子が、不便な思いをしないようにしてあげられたらなって。だから、これを期に、私の性別を世間に公表しようかと」
それは、時期尚早、と言うより、身内だけが知っていれば良い事では無いのか?
おや?
レンがシュンとしてしまった。
レンが塞いでしまったことに、ロイド様も気付いたようだ。
「あらあら。晴れの日の衣装は、内緒にしておきたいものなのに、私が不躾すぎましたね」
「いえ!そんな事は・・無いのですけれど・・・」
「どうしたのだ? 無理を言っているのはロイド様だ、皇太后陛下が相手でも、無理に見せる必要はないのだぞ?」
「なんでしょう。不躾だったのは事実ですし、それを自分で言うのは構いませんが、貴方が言うと、腹が立ちますね」
人は、笑顔で嫌味と脅しを掛けかられるものなのだな。
この器用さには、本当に頭が下がる。
「そう言うことではなくて・・・・・」
俯いて考え込んでしまったレンに、俺とロイド様は、何か気に触ることを言ったのだろうかと、顔を見交わし、首を傾げた。
「すみません。少しお待ちいただけますか?」
顔を上げたレンは、瞳に決意を滲ませていた。
レンはテーブルのベルを鳴らし、それに応えたセルジュに、作業部屋からスケッチブックを取って来る事と、ローガンも連れてくるよう頼んだ。
「レン様? 私は貴方がご自分でデザインをなさると聞いて、興味を持っただけなのです。レン様が秘密にしておきたいと仰るなら、無理矢理に見せろとは言いませんよ?」
「ロイド様に、聞いて頂きたいことがあるのです。少し長くなりますが、宜しいでしょうか?」
「えっ、ええ。レン様のお話なら、いくらでも」
レンの真剣な面持ちにロイド様も、気遣わしげな態度になった。
そしてレンは、俺とロイド様の視線を受け止めながら、アウラの加護の魅了について語り始めた。
俺は既に聞いた話だが、初めて聞くロイド様は、話が進むにつれ、眉間に皺が刻まれ、手にした扇がギリギリと金属が掠れる音を立てた。
「それが、アレクサンドルの醜態の原因ですか・・・・アウラ神も、なんて迷惑な加護を。しかも、必要な理由を明かしてくれ無いとはね」
「アウラ様は、理由を明かす事で、未来が変わってしまう事を、懸念されて居ます。それだけこの世界に取って、大切な事なのだと思います」
「そうは言ってもねぇ」
「今の所、マークと専属侍従の二人は魅了に掛かっておりません。ですが今後の護衛や使用人を選ぶ際の、基準や条件をどうしたものかと」
「そう言う貴方は大丈夫なの?」
「レンが、愛しい番であることに変わりはありません。其れに正式に伴侶となれましたので、大手を振って、番を甘やかせると考えたら、満足したというか、兎に角、今は冷静です」
「あらまぁ、貴方の執着の強さは以前からですからね。ですが程々にね?」
程々が、どの程度かにもよるな。
「それで、ロイド様はなんとも無い様ですが」
「そうですねぇ。レン様が香水を変えたのかと思いましたが、なんとも有りません。でも羨ましい、こんに良い香りが、体臭だなんてね。夜会の鼻が曲がりそうな香水とは、雲泥の差ね」
其れには心から、同意する。
「違いは何だと思われますか?」
「私がレン様に抱く思いが、母性だから?」
ふむ。
やはりレンに対する基本認識の差か?
「あの!この加護の所為で、皆さんにご迷惑をお掛けする事が、多々有ると思うのです。其れによく考えたら、王配候補の方達にも影響があるかもしれませんし、候補者の方達との交流は避けた方が、良いの・・・では・・・ないでしょうか」
だんだん尻窄みになるレンに、ロイド様はフン と鼻を鳴らし、続けてツンと顎を上げて見せた。
「魅了に掛かったことも隠すこともできない様では、王配に相応しいとは言えません。良い判断材料が増えただけの事、レン様は気になさらなくて宜しい」
「あっはい。そうなんですね?」
「レン様。国母とは、生半可な覚悟でなれるものでは無いのですよ?」
「・・・・はい」
悲壮感。とまでは言わないが、ロイド様の瞳には、これ迄、彼が背負って来たであろう、苦悩の数々が垣間見えた。
それを感じ取ったレンは、決意を新たにしたように見える。
部屋の隅で、スケッチブックを何冊も抱え、控えて居たセルジュとローガンを手招いたレンは、二人にも聞いて貰いたい話があるから、席に着く様にと促した。
「皇太后陛下の御前で、そのような無作法は出来かねます」
とローガンとセルジュは固辞したが、ロイド様から許しが出ると、居心地悪そうに席についた。
レンは、異界の日常を描いたものだと、前置きしてから、俺たちの前で一冊のスケッチブックを開いた。
レンの絵の才能は、本物だった。
写実的に描かれた物、デフォルメされた物など、其々描くタッチは違っていても、同一人物が描いたことは一目瞭然だ。
レンが開いたスケッチブックには、見慣れない衣装を身に着けた人々や、見たこともない、巨大な建物や乗り物。
俺たちの世界より、明らかに発展している街の様子が描かれて居た。
「・・・・これが異界」
「首都の東京は、もっと発展していて、建物や車、人も、もっと、もっと多くて、数えきれないほどでした」
それからレンが開いた二冊目は、人物画で埋め尽くされていた。
学生時代の友人、職場の同僚等。
一人一人を紹介しながら捲る頁には、日常の一瞬を切り取った様な、躍動感のある絵が何枚も続いていた。
そして、レンの祖父母とヤベという友人の肖像画は、ページの端が擦り切れて居た。
おそらく、何度もこの肖像を見返して居たのだろう、所々に紙がふやけた跡が見えるのは、涙の跡だろうか。
故郷からただ一人切り離され、戻ることも出来ないレンの孤独を、突きつけられたようで、胸の奥がシクシクと痛んだ。
「絵を見て、何か気付いた事は有りますか?」
「気付いた事?」
レンの問い掛けに、皆が首を傾げている。
ここに居る者達の中に、レンの秘密を知るものは居ない。ヒントも無く、気付くのは難しいかもしれない。
「あの、間違っているかもしれませんが、体格が違う人が多いように思います」
やはりセルジュのように、清い心根の持ち主は、見たままを受け入れる事が出来るのか。
レンは、よく出来ました。と言うようにセルジュに微笑み掛けた。
「私の故郷では、この世界ヴィースとは異なり、性別の違いが有ります。異界では、皆さんの様な体を持った人々を男と呼び、私のような体の人間を女と呼びます」
「性別?・・・おんな?」
レンは描いた二人の人物を指さした。
「この人が男性で、こちらが女性です。私は、皆さんと違い・・・その・・・」
体の違いを説明するのが恥ずかしいのだろう、羞恥に頬を染めるレンに代わり、俺が説明することにした。
異界では、男女の性の違いがあり、子を産めるのは女だけである事。
魔力や魔素が存在しない異界では、女の腹の中で子が育ち、赤子の姿で子を産む事。
女の身体は、俺達よりも線が細く、豊かな胸があり、俺たちが股間にぶら下げているものを持って居ないことを説明した。
「レンは、愛し子であるだけでなく、この世界でたった一人の女だ。レンの安全を考慮し、この事は、俺とウィリアム、マークの3人しか知らなかった」
「本当の事なのですか?」
驚愕に声を震わせるロイド様に、信じられなければ、禁書庫のヨシタカの記録を読め、と言うと、漸く事実だと確信した様子だった。
「レン。話してしまって良かったのか?」
「はい。私の後に来る愛し子が、私と同じ女性かもしれません。男性のふりと言うか、女性である事を隠しているのは、やっぱり不便なことも多いし、みんなを騙しているみたいで心苦しかったりもします」
「だがな、レンの安全の為でもあるのだぞ?」
「後世の愛し子が、不便な思いをしないようにしてあげられたらなって。だから、これを期に、私の性別を世間に公表しようかと」
それは、時期尚早、と言うより、身内だけが知っていれば良い事では無いのか?
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