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紫藤 蓮(シトウ レン)
ドラゴンと私
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神殿を破壊し、南に飛び去ったヴァラクとドラゴンは、不気味なほど沈黙を守っています。
その分不測の事態に対応できるように準備が出来ると思えば、ヴァラクの沈黙は私達に有利にも思えます。
ですが、その分ヴァラクも力を蓄えているのだと考えると、もっと何か出来る事、やるべき事が有るのではないかと落ち着かない気分になってしまいます。
アレクさんは ”今はゆっくりしていれば良い“ と言ってくれますが、アレクさんと騎士団に皆さんは、ヴァラクの行方を追い、マイオールのシルベスター侯爵と連絡を取り、出兵の準備を整えてと、とても忙しくしているのです。
それなのに私は毎日寝てばかりで、居た堪れません。
まわらない頭で、ぼんやりと天井を見つめながらそんなことを考えていると、人の気配を感じて目を向けたら、マークさんが部屋に入ってくる所でした。
「・・・御目覚めですか?」
「マークさん・・・ごめんなさい、私また寝て・・」
さっきまで携帯食の相談を、料理長さんとしていたはずなのに、気付いたら私室のカウチの上です。
「どうか、お気になさらず」
綺麗な笑顔でマークさんは言ってくれますが、申し訳ないのに変わりはありません。
「今度は、どの辺りで倒れたのかしら?」
「厨房で料理長と話を終えて、作業部屋に向かう途中です」
「そっか」
記憶は曖昧ですが、ちゃんと話しはできてたんだ・・・。
「クーちゃんは?」
「満足して、お部屋で眠っています」
クーちゃんは、クレイオス様の魂が入ったドラゴンのことです。
人目がある所で、創世のドラゴンの名前で呼んだり出来ないので、安直ですがクーちゃんと呼ぶことにしたのです。
私のネーミングセンスの無さに、マークさんは微妙な顔をしていましたが、クレイオス様に他の名前を付けるのはどうかと思うので、仕方ないと思いませんか?
一週間も眠ったままだったのに、目覚めてからの私は、日に1、2回糸が切れたように倒れ込んで、眠ってしまうようになりました。
最初に倒れた時は、アレクさんが真っ青になって,駆けつけた治癒師のパフォスさんが眠っているだけだと言っても、信じてくれなくて、大騒ぎになったと聞いています。
それを聞いた私は・・・。
“パフォスさん。
忙しい中診察してくれたのに、うちのトラ吉がご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありませんでした。”
と思わず、パフォスさんが居る後宮に向かって謝ってしまいました。
パフォスさんの診断通り、これは体のどこかが悪いのでは無く、クレイオス様の所為です。
石化と封印で失った力を取り戻す為、覚醒に向けてクレイオス様が魔力と神聖力を欲しているのです。
クレイオス様は私から魔力と神聖力をを吸い取り、それを自分の力として馴染ませ終わると、また私から力を吸い取ることを繰り返しています。
それが完全にクレイオス様のタイミングで前触れも無く突然行われるので、魔力切れを起こした私が、いきなり倒れて眠り込む。と
はっきり言って、かなり迷惑です。
魔力と神聖力の供給事態は仕方がない事なので、好きなだけ持っていっても構わないのですが、 "何時何処で" が分からないと言うのが、本当に困ってしまいます。
何処で倒れるか分からないのだから、倒れた時に怪我をするかもしれないと、アレクさんも心配してくれて、アレクさんが居ない時は、マークさん、ローガンさん、セルジュさんの3人のうちの誰かが、必ず私に付いている様にしてくれました。
更に、私が倒れそうになった時は体を支えても良い。もし倒れてしまった時には、私を抱き抱えて運んでも良い、と許可も出したそうです。
あれ程、他人に私が触れることを嫌がっていたのにです。
私もテーブルの角に頭をぶつけて怪我をする、なんて間抜けな目にはあいたく無いので、この許可を出してくれた事にはホッとしました。
そもそも目の前で人が倒れても、触っちゃいけないって事の方が、どうかと思ったりもするのですけどね?
そんなに魔力が必要なら、自分の魔力を与えればいいと言って、アレクさんがクーちゃんに魔力を与えようとしたのですが、嫌がったクーちゃんが全力で逃げてしまっ時には、二人で唖然としてしまいました。
アレクさんは、あまりの嫌われようにショックを受けていましたが、これは好き嫌いでは無くて、私にはアウラ様の加護があるからだと思うのです。
クレイオス様はきっと、アウラ様のお力を求めているのではないでしょうか。
「それにしても、成長が早すぎないか?」
とアレクさんが呆れています。
それもその筈。
子猫くらいの大きさだったクーちゃんは、ここ数日で、ピレネー犬くらいの大きさまで成長しています。
驚異的な成長速度です。
今では翼を広げたら、廊下の壁に翼がぶつかってしまうので、飛ぶことが出来なくなってしまいました。
ふよふよと飛ぶ姿も可愛かったけれど、ヨチヨチと歩いて後を付いてくる姿も、また可愛らしいです。
でも、この調子で成長を続けて行くと、宮の中で暮らすのが難しくなってしまいます。
なので、急遽柘榴宮で使っていない厩舎をクーちゃん用に改造中です。
この厩舎は天井も高く、エンラを30頭収容する事が出来る広さが有るので、今後クーちゃんが、ニョキニョキ大きなっても問題ないと思います。
アウラ様も、この調子なら覚醒も近いのではないか、と仰っています。
あれ以来アウラ様とはクーちゃんの成長報告も兼ねて、連絡を取り合っています。
こう言うと、神様相手に不敬が過ぎると言われてしまいそうですが、アウラ様もクレイオス様の覚醒が待ち遠しくて仕方がないのだと思います。
ただ、ヴァラクから受けた呪いの影響が残っているので、話が長くなるとお世話係の天使様に『そろそろお時間です』とボイチャを切るように怒られたりしていて、アウラ様が一人ぼっちでないのが分かって、嬉しくなってしまいます。
神様の威厳的には、ちょっとアレですけど。
アウラ様との会話の中で分かったことも沢山有ります。
まず、クーちゃんがクッキーを食べたことは
何も問題が無いそうです。
ドラゴンは生きて行くのに必要ないけれど、嗜好品として色々なものを食べるそうで、クレイオス様は、甘い物と果物、それとお酒が大好きらしいです。
大公領のワインはとっても美味しいので、全てが終わったら、大公領のワインを樽で献上しようと心の中でメモしておきました。
それとアガスの本当の名前はマリーだと教えられました。
アガスは孤児院でつけられた名前なのだそうです。
マリーは、ミーネのクレイオス様の神殿に仕えていた一族の、最後の生き残りだったそうです。
クレイオス様の封印で力を使い切ったヴァラクは、当時幼い子供だったマリーに取り憑いて力を蓄え、力を取り戻すとマリーの体を乗っ取ったのだそうです。
優しい性格だったアガスが、急に人が変わっように権力に執着し出したと聞いています。
きっとその頃に、ヴァラクに体を奪われたのでしょう。
家族を死に追いやった張本人に、体を乗っ取られたマリーの無念を思うと、胸が痛くなります。
『マリーの魂は輪廻の輪に戻って行ったから、安心して』とアウラ様は仰っていましたが、神様は個人の不幸を救ってくれる存在ではないのだ、と再確認して遣る瀬無い気分です。
“人は救われるべくして救われる。何故なら人を不幸から救うのは、自分自身だからだ。だから生きている間は、努力を続けなさい”
おじいちゃんが言っていたのは、こう言うことなのかな。
・・・おじいちゃん元気にしてるかな。
おばあちゃんと仲良くしてる?
お父さんと喧嘩してないかな・・・・。
・・・・・感傷はここ迄。
無くしたものを惜しむより、現在と未来に目を向けないと。
『ヴァラクはそう永くは地上に留まれないだろうと』アウラ様は仰いました。
人の魂は、輪廻の輪に戻らなければ、やがて消滅してしまうのだそうです。
例外は、神様に召し上げられた時だけだそうです。
ギリシャ神話にある、人から神様になったとか、星座になったお話しみたいな感じでしょうか?
ヴァラクは、自分の消滅が近い事を感じ取っているのかな。
だからクレイオス様の魂も、自分が残した記録も放置したのでしょうか?
魔法で全てを灰燼に帰することが出来るから、どうでも良かったのか、放置した所で、私達には、何も出来ないと考えたのかしら?
その分不測の事態に対応できるように準備が出来ると思えば、ヴァラクの沈黙は私達に有利にも思えます。
ですが、その分ヴァラクも力を蓄えているのだと考えると、もっと何か出来る事、やるべき事が有るのではないかと落ち着かない気分になってしまいます。
アレクさんは ”今はゆっくりしていれば良い“ と言ってくれますが、アレクさんと騎士団に皆さんは、ヴァラクの行方を追い、マイオールのシルベスター侯爵と連絡を取り、出兵の準備を整えてと、とても忙しくしているのです。
それなのに私は毎日寝てばかりで、居た堪れません。
まわらない頭で、ぼんやりと天井を見つめながらそんなことを考えていると、人の気配を感じて目を向けたら、マークさんが部屋に入ってくる所でした。
「・・・御目覚めですか?」
「マークさん・・・ごめんなさい、私また寝て・・」
さっきまで携帯食の相談を、料理長さんとしていたはずなのに、気付いたら私室のカウチの上です。
「どうか、お気になさらず」
綺麗な笑顔でマークさんは言ってくれますが、申し訳ないのに変わりはありません。
「今度は、どの辺りで倒れたのかしら?」
「厨房で料理長と話を終えて、作業部屋に向かう途中です」
「そっか」
記憶は曖昧ですが、ちゃんと話しはできてたんだ・・・。
「クーちゃんは?」
「満足して、お部屋で眠っています」
クーちゃんは、クレイオス様の魂が入ったドラゴンのことです。
人目がある所で、創世のドラゴンの名前で呼んだり出来ないので、安直ですがクーちゃんと呼ぶことにしたのです。
私のネーミングセンスの無さに、マークさんは微妙な顔をしていましたが、クレイオス様に他の名前を付けるのはどうかと思うので、仕方ないと思いませんか?
一週間も眠ったままだったのに、目覚めてからの私は、日に1、2回糸が切れたように倒れ込んで、眠ってしまうようになりました。
最初に倒れた時は、アレクさんが真っ青になって,駆けつけた治癒師のパフォスさんが眠っているだけだと言っても、信じてくれなくて、大騒ぎになったと聞いています。
それを聞いた私は・・・。
“パフォスさん。
忙しい中診察してくれたのに、うちのトラ吉がご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありませんでした。”
と思わず、パフォスさんが居る後宮に向かって謝ってしまいました。
パフォスさんの診断通り、これは体のどこかが悪いのでは無く、クレイオス様の所為です。
石化と封印で失った力を取り戻す為、覚醒に向けてクレイオス様が魔力と神聖力を欲しているのです。
クレイオス様は私から魔力と神聖力をを吸い取り、それを自分の力として馴染ませ終わると、また私から力を吸い取ることを繰り返しています。
それが完全にクレイオス様のタイミングで前触れも無く突然行われるので、魔力切れを起こした私が、いきなり倒れて眠り込む。と
はっきり言って、かなり迷惑です。
魔力と神聖力の供給事態は仕方がない事なので、好きなだけ持っていっても構わないのですが、 "何時何処で" が分からないと言うのが、本当に困ってしまいます。
何処で倒れるか分からないのだから、倒れた時に怪我をするかもしれないと、アレクさんも心配してくれて、アレクさんが居ない時は、マークさん、ローガンさん、セルジュさんの3人のうちの誰かが、必ず私に付いている様にしてくれました。
更に、私が倒れそうになった時は体を支えても良い。もし倒れてしまった時には、私を抱き抱えて運んでも良い、と許可も出したそうです。
あれ程、他人に私が触れることを嫌がっていたのにです。
私もテーブルの角に頭をぶつけて怪我をする、なんて間抜けな目にはあいたく無いので、この許可を出してくれた事にはホッとしました。
そもそも目の前で人が倒れても、触っちゃいけないって事の方が、どうかと思ったりもするのですけどね?
そんなに魔力が必要なら、自分の魔力を与えればいいと言って、アレクさんがクーちゃんに魔力を与えようとしたのですが、嫌がったクーちゃんが全力で逃げてしまっ時には、二人で唖然としてしまいました。
アレクさんは、あまりの嫌われようにショックを受けていましたが、これは好き嫌いでは無くて、私にはアウラ様の加護があるからだと思うのです。
クレイオス様はきっと、アウラ様のお力を求めているのではないでしょうか。
「それにしても、成長が早すぎないか?」
とアレクさんが呆れています。
それもその筈。
子猫くらいの大きさだったクーちゃんは、ここ数日で、ピレネー犬くらいの大きさまで成長しています。
驚異的な成長速度です。
今では翼を広げたら、廊下の壁に翼がぶつかってしまうので、飛ぶことが出来なくなってしまいました。
ふよふよと飛ぶ姿も可愛かったけれど、ヨチヨチと歩いて後を付いてくる姿も、また可愛らしいです。
でも、この調子で成長を続けて行くと、宮の中で暮らすのが難しくなってしまいます。
なので、急遽柘榴宮で使っていない厩舎をクーちゃん用に改造中です。
この厩舎は天井も高く、エンラを30頭収容する事が出来る広さが有るので、今後クーちゃんが、ニョキニョキ大きなっても問題ないと思います。
アウラ様も、この調子なら覚醒も近いのではないか、と仰っています。
あれ以来アウラ様とはクーちゃんの成長報告も兼ねて、連絡を取り合っています。
こう言うと、神様相手に不敬が過ぎると言われてしまいそうですが、アウラ様もクレイオス様の覚醒が待ち遠しくて仕方がないのだと思います。
ただ、ヴァラクから受けた呪いの影響が残っているので、話が長くなるとお世話係の天使様に『そろそろお時間です』とボイチャを切るように怒られたりしていて、アウラ様が一人ぼっちでないのが分かって、嬉しくなってしまいます。
神様の威厳的には、ちょっとアレですけど。
アウラ様との会話の中で分かったことも沢山有ります。
まず、クーちゃんがクッキーを食べたことは
何も問題が無いそうです。
ドラゴンは生きて行くのに必要ないけれど、嗜好品として色々なものを食べるそうで、クレイオス様は、甘い物と果物、それとお酒が大好きらしいです。
大公領のワインはとっても美味しいので、全てが終わったら、大公領のワインを樽で献上しようと心の中でメモしておきました。
それとアガスの本当の名前はマリーだと教えられました。
アガスは孤児院でつけられた名前なのだそうです。
マリーは、ミーネのクレイオス様の神殿に仕えていた一族の、最後の生き残りだったそうです。
クレイオス様の封印で力を使い切ったヴァラクは、当時幼い子供だったマリーに取り憑いて力を蓄え、力を取り戻すとマリーの体を乗っ取ったのだそうです。
優しい性格だったアガスが、急に人が変わっように権力に執着し出したと聞いています。
きっとその頃に、ヴァラクに体を奪われたのでしょう。
家族を死に追いやった張本人に、体を乗っ取られたマリーの無念を思うと、胸が痛くなります。
『マリーの魂は輪廻の輪に戻って行ったから、安心して』とアウラ様は仰っていましたが、神様は個人の不幸を救ってくれる存在ではないのだ、と再確認して遣る瀬無い気分です。
“人は救われるべくして救われる。何故なら人を不幸から救うのは、自分自身だからだ。だから生きている間は、努力を続けなさい”
おじいちゃんが言っていたのは、こう言うことなのかな。
・・・おじいちゃん元気にしてるかな。
おばあちゃんと仲良くしてる?
お父さんと喧嘩してないかな・・・・。
・・・・・感傷はここ迄。
無くしたものを惜しむより、現在と未来に目を向けないと。
『ヴァラクはそう永くは地上に留まれないだろうと』アウラ様は仰いました。
人の魂は、輪廻の輪に戻らなければ、やがて消滅してしまうのだそうです。
例外は、神様に召し上げられた時だけだそうです。
ギリシャ神話にある、人から神様になったとか、星座になったお話しみたいな感じでしょうか?
ヴァラクは、自分の消滅が近い事を感じ取っているのかな。
だからクレイオス様の魂も、自分が残した記録も放置したのでしょうか?
魔法で全てを灰燼に帰することが出来るから、どうでも良かったのか、放置した所で、私達には、何も出来ないと考えたのかしら?
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