死神さんのお仕事

ミミココ

文字の大きさ
上 下
11 / 22

11

しおりを挟む
~死神界~

死神大王「お前って童貞なの?」

ベクター「断じて違います!」

死神大王「いや、反応から童貞臭がプンプンするんだけど」

ベクター「断じて違いますから!不意打ち食らっただけです」

死神大王「ま、にしても子供ねぇ」

ベクター「(絶対信じてねぇな)」

死神大王「ん~いくらなんでも無理があるよねぇ...」

ベクター「そう、ですよね」

死神大王「まぁ、いくら私たちでも全ての未練を消化してやることは無理だからね。気負うことないよ」 
















【3日目】

~部屋~

美穂「あの、ベクターさんですよね?」

ベクター「さっきから何度もそう言ってるだろ?」

美穂「いや、だってね?昨日までガイコツだったベクターさんがね、一日でイケメンさんになってるんですよ?信じられませんよ」

ベクター「失礼だな、俺の元々の姿がこれなんだよ」

美穂「冗談ですよね?」

ベクター「冗談じゃねぇよ、俺は元々天使だっつったろ?死神になる前の姿がこれなんだよ」

美穂「そうだったんですか、てっきりどっかのイケメンさんを殺して、身体だけのっとったのかと...」

ベクター「俺は悪魔か!」

美穂「違うんですか?」

ベクター「違うわ!」 

美穂「」アハハ

ベクター「......お前は周りに人がいても普通に俺に話しかけてくるから、周りの人間にも見える身体で来てやったってのに、失礼なやつだな」

美穂「ごめんなさい、ってことは今日も何処か行くんですか?」

ベクター「ああ、今日はちょっと街に行こうと思ってな」 

















~街~

美穂「へぇ~ベクターさんってお金持ってるんですね」

ベクター「あのなぁ~、人を一文無しみたいに言うんじゃねぇ。死神は全世界共通通貨ってのを無制限に持ってて、経済に影響を及ぼさない範囲でなら使ってもいいんだよ」

美穂「そうなんですか、普段の格好がみすぼらしいから、つい」

ベクター「気づいたんだけど、お前ってけっこう毒吐くよな」

美穂「ベクターさんにだけですよ」

ベクター「別に嬉しくねぇよ」

美穂「ところで、今からなにするんですか?」

ベクター「そうだな、ま、とりあえずベタに映画でも行くか」 
















~映画館~

美穂「(うわぁ、ホラー映画かぁ)」

美穂「(この映画のポスターのガイコツを見てベクターさんが「あれっ、俺いつの間に映画デビューしてたんだ?行くぞwww」っていうから見にきたものの...)」

美穂「(私ホラー苦手なんだよなぁ...)」

美穂「きゃっ......!」

美穂「(ホラーシーンで思わず声が出てしまった...恥ずかしかったけどそれ以上に怖い...)」

美穂「(どうしよう.......)」

美穂「………」

美穂「!」

美穂「(..............え?)」

美穂「(ベクターさん......手を......)」ギュッ

美穂「(私が怖がってるの、気づいてくれたのかな?)」

美穂「(ありがと......)」

美穂「(..............ん?)」

美穂「(めっちゃ震えてる...)」ガクガクガク

美穂「ベクターさん?だいじょ......」

ベクター「」ヒグッエグッ

美穂「(泣いてる.....)」


















~映画館の外~

美穂「ベクターさん、大丈夫ですか?」

ベクター「俺たちの仲間にあんな恐ろしい奴いねぇよぉ!怖すぎるわ...あぁ、完っぺきにトラウマだわ...」

美穂「手を握ってくれたのは私のことを気遣ってくれたわけじゃなかったんですね」ジトー

ベクター「そんな余裕ねぇよ、誰かの手を握ってなきゃ、俺のメンタルが持たなかったんだよ」ガクブル

ベクター「人間はホント恐ろしいな。なにが楽しくてあんなもんを作るんだよぉ...」オソロシー

美穂「見たいって言ったのベクターさんじゃないですか。っていうか、ちょっとがっかりです...」

ベクター「ん?なんか言ったか?」

美穂「何も言ってません」 

ベクター「?」

ベクター「(美穂…怒ってる…?)」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

NPCが俺の嫁~リアルに連れ帰る為に攻略す~

ゆる弥
SF
親友に誘われたVRMMOゲーム現天獄《げんてんごく》というゲームの中で俺は運命の人を見つける。 それは現地人(NPC)だった。 その子にいい所を見せるべく活躍し、そして最終目標はゲームクリアの報酬による願い事をなんでも一つ叶えてくれるというもの。 「人が作ったVR空間のNPCと結婚なんて出来るわけねーだろ!?」 「誰が不可能だと決めたんだ!? 俺はネムさんと結婚すると決めた!」 こんなヤバいやつの話。

決戦の夜が明ける ~第3堡塁の側壁~

独立国家の作り方
SF
 ドグミス国連軍陣地に立て籠もり、全滅の危機にある島民と共に戦おうと、再上陸を果たした陸上自衛隊警備中隊は、条約軍との激戦を戦い抜き、遂には玉砕してしまいます。  今より少し先の未来、第3次世界大戦が終戦しても、世界は統一政府を樹立出来ていません。  南太平洋の小国をめぐり、新世界秩序は、新国連軍とS条約同盟軍との拮抗状態により、4度目の世界大戦を待逃れています。  そんな最中、ドグミス島で警備中隊を率いて戦った、旧陸上自衛隊1等陸尉 三枝啓一の弟、三枝龍二は、兄の志を継ぐべく「国防大学校」と名称が変更されたばかりの旧防衛大学校へと進みます。  しかし、その弟で三枝家三男、陸軍工科学校1学年の三枝昭三は、駆け落ち騒動の中で、共に協力してくれた同期生たちと、駐屯地の一部を占拠し、反乱を起こして徹底抗戦を宣言してしまいます。  龍二達防大学生たちは、そんな状況を打破すべく、駆け落ちの相手の父親、東京第1師団長 上条中将との交渉に挑みますが、関係者全員の軍籍剥奪を賭けた、訓練による決戦を申し出られるのです。  力を持たない学生や生徒達が、大人に対し、一歩に引くことなく戦いを挑んで行きますが、彼らの選択は、正しかったと世論が認めるでしょうか?  是非、ご一読ください。

宇宙人へのレポート

廣瀬純一
SF
宇宙人に体を入れ替えられた大学生の男女の話

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

宇宙戦艦三笠

武者走走九郎or大橋むつお
SF
ブンケン(横須賀文化研究部)は廃部と決定され、部室を軽音に明け渡すことになった。 黎明の横須賀港には静かに記念艦三笠が鎮座している。 奇跡の三毛猫が現れ、ブンケンと三笠の物語が始まろうとしている。

もうダメだ。俺の人生詰んでいる。

静馬⭐︎GTR
SF
 『私小説』と、『機動兵士』的小説がゴッチャになっている小説です。百話完結だけは、約束できます。     (アメブロ「なつかしゲームブック館」にて投稿されております)

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

トモコパラドクス

武者走走九郎or大橋むつお
SF
姉と言うのは年上ときまったものですが、友子の場合はちょっと……かなり違います。

処理中です...