死神さんのお仕事

ミミココ

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ベクター「いや、まぁ元は天使だしね」

美穂「そうなんですか!?」

ベクター「俺たち死神ってのは、天使派か、悪魔派か、っつったら天使派なんだよ」

ベクター「まず、前世の行いや、人格が特に良い者が天使になれるのな」

ベクター「そんでそこから、色んな職業を選べるわけよ。恋のキューピッドだったり、死神だったりな」

美穂「へぇ~、じゃあ死神の中にはそもそも人格破綻者は居ないんですね」

ベクター「その通りだ。だから、死神だからって悪者扱いされるから、この仕事は結構、辛いんだよな」

美穂「死神さんもいろいろ苦労なさってるんですね」

ベクター「まぁ俺は今回が初めての仕事だからな、俺が苦労するのはこれからだ」

ベクター「ま、今回はなんにもしなくても良さそうだけどな」

美穂「そんなぁ、ちゃんと仕事してくださいよぉ」

ベクター「つっても、未練ないんだろ?」

美穂「そうなんですよね、けど...とりあえずお腹空きました」

ベクター「それも立派な未練だ。今日の昼飯は特盛チャーハンだ」 













~昼食後~

ベクター「ふぃ~食った、食った」

美穂「ベクターさん、めちゃくちゃ美味しかったです!」

ベクター「だろ?最終日はもっと美味いもん食わせてやるよ」

美穂「やったー!」

ベクター「未練がまた一つ増えたな」

美穂「あ、そういえば、ベクターさんって...」

ベクター「ん?」

美穂「食べた物ってどこに行くんですか?」 

ベクター「どこにって、そりゃお前。胃だろ」

美穂「骨だけなのに?胃ってあるんですか?」

ベクター「いや、そんなのあるに決...そういえばないな...」

美穂「え、じゃあ、食べた物ってどこに行くんですか?」

ベクター「どこ...なんだろうな...」

美穂「………」

ベクター「………」

美穂「怖っ!なんかそれ怖いですよ、ベクターさん!」

ベクター「ちょっ、止めろよ!俺まで怖くなってきたじゃねぇか!」 














美穂「私、そろそろ眠たくなってきました」

ベクター「そうか、お前が眠ったら俺も帰るから」

美穂「そうですか、ベクターさんも私みたいな女と、これから後、5日も一緒に居なきゃダメなんだから、大変ですよねぇ」

ベクター「なんで?」

美穂「だって、退屈でしょ?私みたいなの」

ベクター「そうでもないさ」

美穂「?」

ベクター「実はな、最初は美穂のこと、すっごい暗い娘かと思ってたんだよ、両親も既に亡くなってるっていうしな」

美穂「...知ってたん…ですね」

ベクター「あぁ、ある程度。担当する人間のデータには目を通さないといけないからな。悪いとは思ってるんだけど...」

美穂「いいですよ。仕事ですもん」

ベクター「...ならよかった。でも、俺たちってやっぱり損な役回りなんだよ。凄く人間に嫌われるからさ」

ベクター「でも、美穂みたいな人間もいると思ったら、こらから先、頑張れる気がするわ」

ベクター「だから、初めて担当する人間がお前で...」

美穂「」zzz

ベクター「って寝てるか」

ベクター「それじゃ…帰るか...」 

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