貴方と何故こうなった

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お迎え

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ジークと想いを通わせてから数日後、別荘に兄さまがやってきた。

「サナが嫌がる事を謝りたくて、あと、話をキチンと聞いてあげなくてごめん」

「兄さま、私は閉じ込められたから家を出たわけではありません。私の話に耳を傾けて貰えないなら居なくても同じたと思いました。私自身をみてもらえず寂しかった」

「話は聞いた・・・二人が知り合いで無かった事も、交際を始めたのが家出後と言うことも」

私が家を出てからの話を兄さまは語ってくれ、私も此方での話を伝えた。
今回話を遮る事もなくしっかり聞いていて下さる姿勢に許してあげますから次は無いですよと笑顔で和解

「もう別荘ではなく屋敷に戻って母上を安心させてあげて?」

「はい、じゃ帰る準備してきますね」

帰るとなるとジークから離れる事になってしまう、少し淋しいと感じジークを見つめた。

「大丈夫だよ、すでに婚約の申込みは送っているから、私達のサインを交わせば婚約者になれる
何時でも会えるよ」

「サインだけ?」

「既に話し合いは付いてるから安心して」

コホンとわざとらしく兄さまが咳をし

「ジーク、距離が近すぎないか?」

「ん?普通だろ恋人同士なのだから」

私の腰に手を回し兄さまへ見せつけるような姿勢をとるジークが可笑しくクスクス笑ってしまった

「何が可笑しいのサナ?」

「だって、ジークは兄さまに威嚇してるみたい。私の家族なのに」

「器量が小さい男でごめん」

「そんなこと無いわよ、さて私は帰る準備してきますね」

「サナちゃん、ジークとは後で俺と帰るから先に騎士団数名と帰ってもらって良いかな?」

「え、俺が嫌だ!一緒に帰還する」

「いやいや、こちらの状況話しておく必要あるし、数時間離れるだけだろ」

「うぅ、心配だから俺が送りたかったが了解した。」

「兄さま」

「なんだい?」

「ちゃん付けやめて下さい」

「あぁ、サナちゃんだぁ~」

兄さまが馬車を別で用意してくれていて騎士団数名は馬で帰還となった

「では、先に屋敷へ戻って両親にお話しておきますね」

「あぁ、直ぐに追い付くからね、二人でサインしよう」

「はい♪」

「お前達、サライエナ嬢を無事エルトン家まで護衛しろ」

「「「「はっ!」」」」

「では兄さま、お先に帰ります」

「あぁ、両親を笑顔にしてあげてくれ、使用人達も喜ぶ」

「では」

馬車に乗り込み二人がみえなくなるまて手を振り私は先に屋敷を目指した。
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