大好きな貴方への手紙

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二人で

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・・・・・気まずい

公爵様が帰路につかれ、両親は先に伯爵邸へ帰って行かれた

エルヴィス様が送るからまだ帰らないで欲しいと言ってきたので部屋でお茶をしているのだが・・・・。

「エルヴィス様、その近いです」

「違うよイブ、僕の事はエルって呼んでと言ってるだろ?」

私の横に陣取りあばよくば腰に手をまわしってきます
そして愛称で呼ぶように先ほどから言われているのですが

「ですが・・・・。なれません」

「ほら、呼んでみて、ではないと返事しないよ?」

「そんなの嫌です!」

「じゃ、イブ僕を見て呼んでくれるかい?」

本当に甘いのですが、ずっと私を見つめ微笑まれています

「・・・エル様、近すぎます」

「ありがとう、だけど離れないよ」

カァっと顔が赤くなるのを認識しながら困った顔をしても嬉しそうに私を見つめられ

「それにね、様つけは嬉しくないからエルって呼んで、お願いだよ」

甘い甘い声色で私に囁いてきます
今までは「そうか」とか言い放ってきたのに戻ったら人が変わったみたいで嬉しいやら困ったやら

「今までと態度が違いすぎて困惑しているのですよ」

「うん、ごめんね。此れからは大事にするよ、愛してるよイブ」

もう何も言えないぐらい恥ずかしく顔を俯かせてしまうけれども

「イブ、可愛い顔が見えないよ、離れている間凄く凄く悲しかったし寂しかった。顔を上げて」

ひゃああああああ耳元で囁かないでぇぇぇ

「坊ちゃん・・・その様に引っ付いて離れないと迷惑がられてしまわれますよ」

ガバリと顔を執事に向け

「「本当か?!」」

「ええ、嫌がられて又逃げられる恐れがありますので程ほどがよろしいかと」

「・・・わかった」

私が居ない間に色々後悔してくれているみたいで執事の話をしっかり聞き入れるようになったみたい
エルが少し離れただけで寂しいと思ってしまうのは案外私は喜んでいたのだろう
ふと顔を上げると執事がほほえまし気に見ている・・・・私の心内ばれてます?

「エル、待っててくれてありがとうございます」

パァーッと音が聞こえるぐらい明るい表情になり

「エルって呼んでくれたね!嬉しいよ、それに僕は他の女性なんて目に入らないぐらいイブしか見えてないからね」

嬉しい言葉ばかりくれる彼にクスクス笑えてきます

公爵様には本当に感謝しなくては、帰り掛けに聞いた公爵様の話・・・・絶対幼馴染様は公爵様の言葉を待っていると思うのです。だから勇気を出して欲しいと願うばかり

「・・・・・・今違う男の事考えてた?」

少し低く声を出し私に詰め寄るエル

「え?なんで?」

「顔見たら大体は想像つくよ!僕がどれだけイブを愛しているか語らないと判らない?」

「いえ・・・。あの、エルが公爵様に送った手紙が私の手元にありますので・・・・大体はわかりますよ」

あの分厚い手紙読み応えありそうです

「あの人何してくれてるの?!読んだの?」

焦ってる顔も可愛いなんて絶対口にしちゃダメだろうな

「今可愛いって思ってたでしょ!僕は男だよ!可愛いとかじゃなくて素敵とかが嬉しい」

「本当に顔見てわかるのですね・・・。手紙はまだ読んでいませんけど読んではいけませんか?あとどの様なお姿ですエルは格好良いし素敵です。その、大好きですから」

恥ずかしかったが言葉にして伝える、チラリとエルを見ると真っ赤になりフルフル震えちゃってて子犬みたい

「あーもう!あのね僕はこれでも我慢してるんだからね、あと・・・手紙は読んでほしくない、恥ずかしいから」

「ではお手紙はエルにお返ししますね、あと何を我慢されてるのですか?不満があれば仰ってくださいね!もう誤解したくありません」

「・・・・わかった」

わかったと言ってから顔を手で隠し空を仰いでいらっしゃるけど本当に伝わったからしら?





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