大好きな貴方への手紙

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空虚

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いつも周りから言われていた。

イブをもっと大事にしないと取り返しが着かなくなるぞと

だが、男なるもの強く威厳ある姿勢をみせなければと己が抱く男性とは!を実行していた。

イブの笑顔がぎこちなくなってきているのにも気が付いていた。

イブをパートナーにして参加した最後のパーティーではイブが1人体調を崩して先に帰宅した

あれからより一層イブの笑顔は張り付いた仮面みたいになってきていた。

パーティーで体調が悪くなる前知人からイブが他の誰かに取られるぞと言われ

『誰が取ると?』鼻で笑った

侯爵の自分がイブの後ろに居るのに他の男性が寄って来ようものなら威嚇してきた

が、知人が顔色を変えて忠告してきた
『今の発言は勘違いされている、早くきちんと言葉で伝えて来ないと後悔するぞ!』

余りにも必死に言われた為イブに声をかけたが『体調が悪いから先に帰ります』とだけ言われ手を振り払われた。

少し焦り色々話かけたが馬車に1人乗り込み帰ってしまった。

知人は何故1人で帰してしまった!とか好きなら態度でしっかり表さなければ誤解しか与えないだとか言い方が悪いだとか言われたが結局次の日にはイブへ我が邸に来ていたので今まで通りを貫いていた。

だが、少しずつ変わってきていた

笑顔はぎこちなく

話題は減り

滞在時間は短く

そしてイブは毎日来ていた我が邸に来なくなった

セバスには手紙を書くように言われたが、男性からは書かないと頑なに断った。

気になるのなら伯爵邸に此方から行かれては?とも言われて居たがそれも断った。

心配だった・・・体調を崩したのか知りたかった
何故来ないのかも知りたかった
顔を見たかった

男性として男らしい姿を見せたかった

それがまさか嫌いだと思われている事に気が付いていなかった

手紙を受け取った時

嬉しくて足早に部屋へ向かった

何が書かれているのか逸る気持ちを抑えながら封を開けた

一枚の短い手紙

・・・・・最初の文字で意味を理解出来なくなっていた

そして後悔だ・・・・皆が口をそろえて言っていた後悔した

あ・・・・自分は思い上がっていた

己でさえ同じ事をされていたのなら嫌われていると思うだろう

今なら分かる

イブ・・・嫌ってなんか居ないんだ

伯爵邸の使者へイブは居るのかと問うた

『あれ程嫌っていた相手の何が知りたいと?』

まさかの答えだった

自分の知り合い以外はイブを嫌っていると思っているのか?

使者が颯爽と帰って行った後、セバスに聞いてみた

「皆様坊ちゃんはお嬢様を嫌っていると思われております。その様な態度でしたので」

そうか・・・・いつから間違ったのだろうか

幼馴染で一緒に遊んだ頃は笑いあっていた

女性として意識し始めてから自分が勝手に拗れてしまったのだろう

イブ・・・・愛している

伝えたいが彼女は自分の前から姿を消してしまっていた

伯爵邸には居ないのだろう・・・・伯爵には恨まれるな

会いたい・・・・イブ今どこにいるんだい?
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