大好きな貴方への手紙

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手紙

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1通の手紙が届けられた。

見馴れた綺麗な文字で綴られている手紙を震える手で何回も何回も読む

頬に暖かな涙が流れ続けるが手紙から手を離す事が出来ずに繰り返し読み続けた。



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

親愛なるエルヴィス様

突然この様な手紙を送る事をお許し下さい。

今回、私は貴方様の前から居なくなる事をお約束致します。

なので、こちらの手紙は何卒最後までお読み頂けると幸いです。

貴方様に好かれていないのは気が付いておりました、ただ私は貴方様を諦める勇気も度胸もなく付きまとい今まで申し訳ございませんでした。

幼馴染の関係に甘えを抱き嫌がる貴方様に付きまといご迷惑をお掛け致しました。

貴方様の優しさに付け入って長い年月を苦痛の物にしていた私をお許し下さい。

嫌われていて尚、甘えで私利私欲に行動しておりました私は居なくなろうと決めました。

もうご迷惑をおかけする事も姿を見せる事もありませんのでご安心下さい。

この手紙が届く頃には私は居なくなっている事をお約束致します。

貴方様をお慕いしております。

この先貴方様の幸せと穏やかな毎日が訪れますように

本当にありがとうございました。

さようなら

            エルヴィス様を大好きなイブレクトより



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



ハッと気付く

どれぐらい時間かたっただろう

この短い手紙を何度も何度も眼を通していた

そして慌てる

イブが居なくなる!

焦る気持ちが溢れだした

「「「セバス!セバス!」」」

私の大声を聞きつけ穏やかに執事のセバスが現れた

「どうされました坊っちゃん、そんなに大声をだして?」

「「急ぎ馬車を準備しろ、イブのベルベッツ伯爵邸に向かう!」」

執事が眼を見開き

「坊っちゃん、手紙には手紙で御返しいたしませんとマナー違反ですよ」

頭に血が登る

「「悠長な事言ってられるか!」」

「配達人を待たせております上返事をしたためられては?」

「ベルベッツ家の者を待たせて居るのか?」

「はい、ロビー横の応接間にてお待ち頂いております、ですので」

「よい、その者へ会わせろ!」

執事の言葉を遮り急ぎ応接間へと足をむけた


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