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士官学校編
イレーネの理想と神話の奇跡
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日が落ちた頃から始まった夕食は、日が落ちた後も続き
ファラスを離れている間の話が終わった日付もそろそろ変わろうか、という頃。
エリーは学生の恋愛話が好きなようで、私とイレーネが一緒になにかした、という話しをすると青春ですね、と遠い目をし、だれかと2人で遊んだというと、
「ひっそりと2人だけで育まれる恋が始まるのかしら」
などと、目を輝かせて口を挟んでくる。
「C班の男子なんて、あたしより魔力少ないんだからね、あたしは騎士姫レオノールになるんだから」
イレーネがそう言うと、まあ、たしかに、と納得しつつ
「その条件に当てはまる人、というとカオル様しかいませんね」
「そうなのよ、カオルをどうにかして男にできないかなって常々思っているのだけれど」
軽く酔ってふわふわと回転が鈍くなった頭で必死で考える。
なりたいというのも変な話だし、やれるものならやってみろというのも、なんでそんなに挑戦的なのか意味不明だし、どうしたらいいものやら、と思っていると
「やだ、冗談だよ」
と、笑われてしまったが、冗談で済ませられるなら、と
「まあ、イレーネが養ってくれるなら男になるのもやぶさかではないね」
と、冗談っぽく答えておいた。
「意外にいやがらないのね、神話の奇跡が起こせるようになったら選択肢としてありかしらね」
嬉しそうにイレーネが言うと、口ぶりと違って妙に嬉しそうな、楽しそうな表情でエリーが言った。
「カオル様、ちゃんと断らないと大変なことになりますよ」
「もう遅いもんね、カオルはあたしがもらったよ!」
そう言って勢いよく立ち上がると、くるくる踊りながらベッドの上に倒れ込んで寝始めてしまった。
「この調子なら明日覚えてないんで大丈夫ですよ」
と言って思わず苦笑いすると、エリーも苦笑いで返してくれた。
「安心しました」
酔いが回った目をしたエリーがぽつり、と零した。
「この世界に1人で召喚されて、心細かったと思います。
世話係と言っても、わたしは呼び出した側ですから嫌われていても仕方ないと思ってました。
だれかが一緒にいて心の支えになってくれたら、と思っていたのです」
「召喚されたのはエリーのせいじゃないですからね、優しくしてくれたことはちゃんと知ってますよ」
「年下のあなたにそんなこと言わせちゃって、本当にごめんなさい」
と言ってうつむいて泣き始めてしまった。
中身は年上なので気にしないでね、とは思っても口に出せないまま、エリーを慰めているうちにエリーはテーブルに突っ伏して寝てしまった。
泣き上戸なのかな、とエリーを抱き上げイレーネの隣に転がした。
暖炉にある消えかけた火を消し、
火力を上げて燃焼時間を長くなるよう魔力を込めた火を放り込み
二日酔い飲み薬を飲んでからイレーネの隣に転がった。
朝、起きてみると、昨夜に放り込んだ火の火力はよっぱらったおかげで間違えたらしく、
まるで夏のような室内で、汗だくで目を覚めた。
「あっつー」
独り言を言いつつ起き上がってみると、エリーがイレーネの腕枕でイレーネに寄り掛かるようにして寝ていた。
美人と美少女なので絵になりますね、と思いながらシャワーに向かった。
暖炉の火力を弱めてからシャワーを浴びて、まだ寝ている彼女らのために朝食を食堂に貰いに行った。
食堂のおばちゃんにしばらく見なかったね、と言われ色々あって大変だったんですよ、と答えて朝食のパンとスープにハムエッグと腸詰めのプレートを人数分貰って部屋に帰った。
2人のために二日酔い飲み薬を作ろう、と思いついて食堂から牛乳とオリーブオイルを貰って来た。
鞄に残った最後の乾燥シーガを使って二日酔い飲み薬を作って作り終えると、凍える風で飲みやすい温度に冷まして置いておいた。
貸出期間を2ヶ月以上も過ぎた読みかけの本を読みながら2人が起きるのを待っていると、きゃあ!という叫び声がした。
起きたか、と思って見てみると2人同時に目を覚ましたようだ。
「中々絵になってたよ」
そうからかって2人に二日酔い飲み薬を勧めた。
「こんな恥ずかしい状態になってるんだったらさっさと起こしてよね!」
「まあまあ、裸になってるよりいいじゃない」
というとうぐっと言葉に詰まって二日酔い飲み薬を飲み干した。
「この飲み薬はすごいですね、お酒が抜けていくのがわかります」
「最初に作るポーションはこれなんですよ、私とイレーネもよく飲むので得意な飲み薬作成の1つです。」
「エリーがお酒を飲むとは知りませんでした」
「たまには飲みますよ」
食事を取った2人と今日は何をしようか、と予定の話しをしようとすると
「そういえば、2人の話に出てきた暖かい中敷きってどういうものなのでしょう?」
とエリーが遠慮がちに言った。
「エリーって冷え性?」
「人並みに冷え性です」
人並みがわからないが、面白かったのでちょっと笑ってしまった。
エリーなら魔力もあるし、大丈夫だろう、と思い
「私のでよかったらためしに使ってみますか」
と、靴から金属板を抜いて、綺麗に拭いてからエリーに渡した。
エリーはおずおずと私の手から綺麗に拭いた金属板を受け取ると、自分の靴に入れて足を通してみた。
「これは大変に暖かいですが、室内で使うには少し熱いのと…、魔力が」
と言って慌てて靴を脱いだ。
「これを使ってなんともないというのはさすがお貴族様と召喚者ですね」
エリーには消費量が重いか、と心にメモをする、空いた時間で作りたいがどう弱く作ってもバカ出力になってしまいそうだった。
「今日の予定はエリーの中敷きをつくりましょう!
私が左でイレーネには右を作ってもらって、どっちが使いたいかエリーに決めてもらうというのはどうかな!」
そう提案するとイレーネは乗ってくるがやっぱりエリーは恐れ多いと辞退しようとした。
「戯れに付き合うと思って作らせてください」
思わず拝みながらエリーにお願いすると、エリーは眉を八の字にして笑顔で受け入れてくれた。
鋭刃を掛けたナイフでイレーネが提供してくれた端材をエリーの足のサイズに合わせて切断、加工を始めた。
板の上に立ってもらうと、エリーは足の指が浮くタイプだったので、指の付け根で熱風が出るようにして、
熱くなったら指を踏み込むようにして、指と板に接触させると風がでて冷やせるようにした。
中々機能的でいいんじゃなかろうか、と心のなかで自画自賛しつつイレーネの方を見てみる。
シンプルに熱風が弱く出るだけのものにしていた。
私が考えるよりも熱量多めで風少なめ。
たぶん、私とイレーネが使うとつま先が大やけどしてしまいそうな、シンプルなものだった。
これは実際に使ってもらうと目からウロコが落ちるとはこのことか、と思わされた。
エリーはいつもスカートなので、私が作った物を使うと、裾がひらひらして淑女らしくない物になってしまった。
「これはちょっと…」
と、恐縮するエリーにそんな物を履かせようとしてごめんね、と謝り、両足をイレーネの紋様を真似して修正した。
「これで足が冷えることなく過ごせますね」
「もう少し冷えるようなら魔力を多めに出すといいですし、やっていると魔力量も増えるかもしれませんね」
そう付け加えると、足に魔力を込める練習をしていたので、貴族かどうか関係なく魔力の量というのは、この世界の人にとって私が思うより大きな問題なんだなぁと思わされた。
学生達のバタバタのおかげでクリスマス休暇がなくなったエリーは1日だけ休むと神殿の雑務に奔走することが多くなり、
朝夕以外は顔を合わせることができなくなった。
「みなさんが帰ってくるまでは結構暇でしたし、なにより心配でたまりませんでした」
と、言っていたので仕事の量としては辻褄があうのだろう。
そして年が明け、新学期になった。
最初の週末、イレーネには実家から無事に帰ったなら手紙くらい出しなさい、相手方へのお返事もあるでしょう、という手紙が届き、
「いい加減諦めたらいいのに」
と暗い顔でつぶやいていたのが印象的だった。
適当な返事を書くというので
中級騎士並に魔力のある大変将来性のある同級生とお友達になりました、と本当のことを書いて送った。
まさか同級生に女子がもう1人いるとは予想してないだろうね、と言ってなんだか苦しそうな泣き出しそうな顔で笑っていた。
思わず抱きしめたくなる弱々しい笑顔だったが、なんとか踏みとどまって
「魔石売って外で飯にしよう」
こういう時はパーッと飲むに限る、二日酔い飲み薬はもう無いから明日は一緒に二日酔いだ。
まだ早い時間だというのにイレーネの手を取って街へ出た。
ファラスを離れている間の話が終わった日付もそろそろ変わろうか、という頃。
エリーは学生の恋愛話が好きなようで、私とイレーネが一緒になにかした、という話しをすると青春ですね、と遠い目をし、だれかと2人で遊んだというと、
「ひっそりと2人だけで育まれる恋が始まるのかしら」
などと、目を輝かせて口を挟んでくる。
「C班の男子なんて、あたしより魔力少ないんだからね、あたしは騎士姫レオノールになるんだから」
イレーネがそう言うと、まあ、たしかに、と納得しつつ
「その条件に当てはまる人、というとカオル様しかいませんね」
「そうなのよ、カオルをどうにかして男にできないかなって常々思っているのだけれど」
軽く酔ってふわふわと回転が鈍くなった頭で必死で考える。
なりたいというのも変な話だし、やれるものならやってみろというのも、なんでそんなに挑戦的なのか意味不明だし、どうしたらいいものやら、と思っていると
「やだ、冗談だよ」
と、笑われてしまったが、冗談で済ませられるなら、と
「まあ、イレーネが養ってくれるなら男になるのもやぶさかではないね」
と、冗談っぽく答えておいた。
「意外にいやがらないのね、神話の奇跡が起こせるようになったら選択肢としてありかしらね」
嬉しそうにイレーネが言うと、口ぶりと違って妙に嬉しそうな、楽しそうな表情でエリーが言った。
「カオル様、ちゃんと断らないと大変なことになりますよ」
「もう遅いもんね、カオルはあたしがもらったよ!」
そう言って勢いよく立ち上がると、くるくる踊りながらベッドの上に倒れ込んで寝始めてしまった。
「この調子なら明日覚えてないんで大丈夫ですよ」
と言って思わず苦笑いすると、エリーも苦笑いで返してくれた。
「安心しました」
酔いが回った目をしたエリーがぽつり、と零した。
「この世界に1人で召喚されて、心細かったと思います。
世話係と言っても、わたしは呼び出した側ですから嫌われていても仕方ないと思ってました。
だれかが一緒にいて心の支えになってくれたら、と思っていたのです」
「召喚されたのはエリーのせいじゃないですからね、優しくしてくれたことはちゃんと知ってますよ」
「年下のあなたにそんなこと言わせちゃって、本当にごめんなさい」
と言ってうつむいて泣き始めてしまった。
中身は年上なので気にしないでね、とは思っても口に出せないまま、エリーを慰めているうちにエリーはテーブルに突っ伏して寝てしまった。
泣き上戸なのかな、とエリーを抱き上げイレーネの隣に転がした。
暖炉にある消えかけた火を消し、
火力を上げて燃焼時間を長くなるよう魔力を込めた火を放り込み
二日酔い飲み薬を飲んでからイレーネの隣に転がった。
朝、起きてみると、昨夜に放り込んだ火の火力はよっぱらったおかげで間違えたらしく、
まるで夏のような室内で、汗だくで目を覚めた。
「あっつー」
独り言を言いつつ起き上がってみると、エリーがイレーネの腕枕でイレーネに寄り掛かるようにして寝ていた。
美人と美少女なので絵になりますね、と思いながらシャワーに向かった。
暖炉の火力を弱めてからシャワーを浴びて、まだ寝ている彼女らのために朝食を食堂に貰いに行った。
食堂のおばちゃんにしばらく見なかったね、と言われ色々あって大変だったんですよ、と答えて朝食のパンとスープにハムエッグと腸詰めのプレートを人数分貰って部屋に帰った。
2人のために二日酔い飲み薬を作ろう、と思いついて食堂から牛乳とオリーブオイルを貰って来た。
鞄に残った最後の乾燥シーガを使って二日酔い飲み薬を作って作り終えると、凍える風で飲みやすい温度に冷まして置いておいた。
貸出期間を2ヶ月以上も過ぎた読みかけの本を読みながら2人が起きるのを待っていると、きゃあ!という叫び声がした。
起きたか、と思って見てみると2人同時に目を覚ましたようだ。
「中々絵になってたよ」
そうからかって2人に二日酔い飲み薬を勧めた。
「こんな恥ずかしい状態になってるんだったらさっさと起こしてよね!」
「まあまあ、裸になってるよりいいじゃない」
というとうぐっと言葉に詰まって二日酔い飲み薬を飲み干した。
「この飲み薬はすごいですね、お酒が抜けていくのがわかります」
「最初に作るポーションはこれなんですよ、私とイレーネもよく飲むので得意な飲み薬作成の1つです。」
「エリーがお酒を飲むとは知りませんでした」
「たまには飲みますよ」
食事を取った2人と今日は何をしようか、と予定の話しをしようとすると
「そういえば、2人の話に出てきた暖かい中敷きってどういうものなのでしょう?」
とエリーが遠慮がちに言った。
「エリーって冷え性?」
「人並みに冷え性です」
人並みがわからないが、面白かったのでちょっと笑ってしまった。
エリーなら魔力もあるし、大丈夫だろう、と思い
「私のでよかったらためしに使ってみますか」
と、靴から金属板を抜いて、綺麗に拭いてからエリーに渡した。
エリーはおずおずと私の手から綺麗に拭いた金属板を受け取ると、自分の靴に入れて足を通してみた。
「これは大変に暖かいですが、室内で使うには少し熱いのと…、魔力が」
と言って慌てて靴を脱いだ。
「これを使ってなんともないというのはさすがお貴族様と召喚者ですね」
エリーには消費量が重いか、と心にメモをする、空いた時間で作りたいがどう弱く作ってもバカ出力になってしまいそうだった。
「今日の予定はエリーの中敷きをつくりましょう!
私が左でイレーネには右を作ってもらって、どっちが使いたいかエリーに決めてもらうというのはどうかな!」
そう提案するとイレーネは乗ってくるがやっぱりエリーは恐れ多いと辞退しようとした。
「戯れに付き合うと思って作らせてください」
思わず拝みながらエリーにお願いすると、エリーは眉を八の字にして笑顔で受け入れてくれた。
鋭刃を掛けたナイフでイレーネが提供してくれた端材をエリーの足のサイズに合わせて切断、加工を始めた。
板の上に立ってもらうと、エリーは足の指が浮くタイプだったので、指の付け根で熱風が出るようにして、
熱くなったら指を踏み込むようにして、指と板に接触させると風がでて冷やせるようにした。
中々機能的でいいんじゃなかろうか、と心のなかで自画自賛しつつイレーネの方を見てみる。
シンプルに熱風が弱く出るだけのものにしていた。
私が考えるよりも熱量多めで風少なめ。
たぶん、私とイレーネが使うとつま先が大やけどしてしまいそうな、シンプルなものだった。
これは実際に使ってもらうと目からウロコが落ちるとはこのことか、と思わされた。
エリーはいつもスカートなので、私が作った物を使うと、裾がひらひらして淑女らしくない物になってしまった。
「これはちょっと…」
と、恐縮するエリーにそんな物を履かせようとしてごめんね、と謝り、両足をイレーネの紋様を真似して修正した。
「これで足が冷えることなく過ごせますね」
「もう少し冷えるようなら魔力を多めに出すといいですし、やっていると魔力量も増えるかもしれませんね」
そう付け加えると、足に魔力を込める練習をしていたので、貴族かどうか関係なく魔力の量というのは、この世界の人にとって私が思うより大きな問題なんだなぁと思わされた。
学生達のバタバタのおかげでクリスマス休暇がなくなったエリーは1日だけ休むと神殿の雑務に奔走することが多くなり、
朝夕以外は顔を合わせることができなくなった。
「みなさんが帰ってくるまでは結構暇でしたし、なにより心配でたまりませんでした」
と、言っていたので仕事の量としては辻褄があうのだろう。
そして年が明け、新学期になった。
最初の週末、イレーネには実家から無事に帰ったなら手紙くらい出しなさい、相手方へのお返事もあるでしょう、という手紙が届き、
「いい加減諦めたらいいのに」
と暗い顔でつぶやいていたのが印象的だった。
適当な返事を書くというので
中級騎士並に魔力のある大変将来性のある同級生とお友達になりました、と本当のことを書いて送った。
まさか同級生に女子がもう1人いるとは予想してないだろうね、と言ってなんだか苦しそうな泣き出しそうな顔で笑っていた。
思わず抱きしめたくなる弱々しい笑顔だったが、なんとか踏みとどまって
「魔石売って外で飯にしよう」
こういう時はパーッと飲むに限る、二日酔い飲み薬はもう無いから明日は一緒に二日酔いだ。
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