4回目の、ファンタジー。

リョウ

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巻き戻りでやり直し

ドアインザフェイスさん

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中西家の協力を得ることが出来たボクは家に帰って気合いを入れて、天王山の戦いを迎える。
……両親の説得という難題だ。

(厄介なのはこの二人納得しないと動いてくれないんだよね。多分長く続けられないだろうという説得がくる。身から出た錆なんだけど…今世も飽き性だったからな。とりあえず剣道に本気で取組むことを、うまいこと伝えるしかあるまい。あとはあの方法を使うか)

ボクは襟を正して両親と向き合う。

「父さん、母さん、話があるんだけど」
「「なに?」」
「ボク、剣術を習いたいんだよ。母さん、剣客が商売するやつ好きでしょ。あんな感じの剣を習いたい」
「また夢みたいなこと言って。あのね、あれはテレビの中のお話なのよ」
「知ってる。調べたから。ちょっと遠いけど道場あるらしいよ」
「どこでやってるんだ?」
「東京」
「それ通うの?木刀とか色々必要でしょ?」
「なんかね、竹刀と木刀、服や防具なんかが必要だって」
「東京に通うのは無理だろ」
「通えても続ける事は無理じゃない?お金かかるのよ。それにあなたまた飽きそうじゃないの」
「うーん。通う距離とお金がなんとかなれば良いの?」
「そうだね」
「そうね」

(ビンゴー!言質いただきました)

「うーん。じゃあさ、剣道やって良い?」
「剣道?それくらいなら良いかなぁ」
「それどこで習うの?それも色々必要でしょ?」
「調べたけど隣の駅の近くに道場っていうか武道場があるんだって。月謝は3,000円で最初は竹刀だけで良いみたい」
「それなら良いかなぁ」
「そこね、同級生の中西くんと中西くんのお父さんが通ってるって。おじさんがお父さんとお母さんに話をしても良いって」
「じゃあとりあえず電話してみるわね」

両親との話は一旦そこで終わりとなった。
大丈夫かな、って思っていたんだけど次の日、仕事帰りのお父さんが竹刀を持って帰ってきた…成功だ!

ちなみに今回の説得にはあるテクニックを使った。おっさんだった頃のボクが、営業マン時代に習ったものである。
『ドアインザフェイス』という手法で、本命の要求を通すためにまず過大な要求を提示する(断られること前提で)そして相手に断られたら小さな要求し認めさせる、というなんとも小狡い手法なのだ。



それはさておき、竹刀が手に入った。
早速中庭に行き、準備して約30年ぶりに竹刀を握る。

親指と人差し指の間に柄のぬい目の上に来るようにし、小指、薬指、中指の3本で握るイメージをする。左手の小指で柄頭を握り、右手はつばより少し手前を握る。
左手は強く握り、右手は軽く握る。

右足を少し前に出してかかとを浮かし、左足はつま先立ちになる。そして中段の構えをとる。

身体が慣れていないのでグラグラする。
なんとか落ち着かせ、ゆったりした呼吸をしながら振りかぶり、面!


………………………………………

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