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六章

「漆黒の魔剣使いとボス戦と裏ボス戦」その③

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「スカーレットも経験値入ってるだろ。レベルは上がったか?」
「いえ、残念ながらそのままです」
「そっか、レベル20だし、その辺りからは簡単には上がらないよな」

 商人レベルが一気に上がるのもそろそろ終わりかも。

「よし、更に強いモンスターを探しにもっと奥まで行くぞ」
「はいにゃー‼ 魔王と戦うのにゃ」
「魔王が相手でもご主人なら勝てるかと」
「はははっ……」

 やだもうこの子たち、おバカすぎる。本当に分かって言ってんのかな。てかツッコミ入れませんからね。

「あの、ご主人、少し前から後ろに気配を感じるのですが、どうしましょう」
「なにっ⁉ まさかアンジェリカか⁉」

 後方を確認すると何者かが岩陰に隠れているのが分かった。

「あれは……」
「匂いからしてあのエルフではありません」
「そだね。っていうか色々見えてるね」

 もう一目で誰か分かるよ。物凄くデカい盾が丸見えなんすけど。関わり合いになりたくないのに、何故お前がそこにいるんだよ。ただ最悪暴君の方じゃないから良しとするけど。

「なに隠れてんの、出てきたら。漆黒の魔剣使いさん」

 声をかけると岩陰から例の二つ名の男が現れる。
 近くで見るとこの人ほんと主人公級の金髪イケメンだな。しかも身長190はあるし黒い全身鎧や盾もカッコいい。有名な二つ名だしチートな主人公補正あるんじゃないの。

「そ、その……」

 二つ名は何やらモジモジしている。よく分からないけど面倒臭そう。

「ご主人、この御方はご主人とお友達になりたいのでは」
「ははっ、真顔で何言ってんだよ。面白過ぎるだろそれ」

 思わず笑ってしまったが、二つ名を見るとまんざらでもない顔をしている。やっぱ俺には何か変な奴を引き付ける特殊能力があるのかも。怖いからそんな能力いらないんですけど。

「あの、君って凄く強いんだね、驚いたよ。あんな風に素手でハイトロールを倒す人なんて初めて見た。しかも一撃だし」
「たまたま運が良かっただけですよ」
「あれが運……おもしろい言い方をするね。職業はモンクか武闘家アルティメットファイターかな。それとも新しい職業のデストロイヤーとか」
「え~っと、それは秘密です」

 何そのデストロイヤーって、そんな職業あったんだ。超強そう。

「じゃあ名前は?」
「アキト様なのにゃ」
「こらこら、勝手に言うんじゃないよ。仮面つけてる意味ないだろ」
「バカ猫、ご主人に迷惑をかけるな」
「うううっ、ごめんなさいなのにゃ。クリスチーナはダメな子なので、お仕置き受けますのにゃ」

 クリスは半泣き状態で透かさず四つん這いになりお尻を突き出す。

「知らない人の前でお尻を出すんじゃないよ。俺が変だと思われるだろ」

 我が家の天然猫娘は自分の名前も簡単に言っちゃったよ。
 まあクリスの場合は問題ないか。この世界の人間は半獣人奴隷の事なんか気にもしないし名前も憶えないだろうから。

「そうか、秘密か。なら聞かなかったことにする。で、どう呼べばいいかな。因みに私の名はレオンだ」

 名前までカッコいい。それよりこの流れ、仲良くなる感じなんですけど。ダッシュで逃げようかな。

「呼び方……」

 考えてなかったけど、あだ名とかでいいのかな。って引きこもりでリアル友達いなかった俺にあだ名なんてないじゃん。なんという悲劇。悲しすぎる。

「名前も職業も秘密とは、訳ありのようだね」
「訳ありなのにゃ。ご主人様はお忍びの勇者なのにゃ」

 こらこらこらこら、口が軽いんだよこの天然星人は。

「だから個人情報を漏らすんじゃないよ」

 しかも誤報だし‼

「にゃっ⁉ またやっちゃったのにゃ」
「いい加減にしろバカ猫‼」

 スカーレットはクリスのお尻に蹴りを入れお仕置きした。もうこの流れ何回目だろう、既にテンプレだ。

「勇者……どうりで強いわけだ。ならば勇者殿と呼ばせてもらおう」

 どうすんだよこれ、もう完全に信じちゃったよ。冗談なんですけど。
 天然おバカキャラに不用意に勇者とか言ったのがイージーミスだ。

「いや、その呼び方はちょっと。というより絶対にやめてほしいかな。あっ、そうだ、アッキーって呼んでくれればいいです」
「アッキーか、分かった。これから勇者殿のことはそう呼ぶとしよう」

 思わず出たけど、ゲームやる時の名前なんだよな。まあ、あだ名っぽいしいいか。

「それよりアッキー、このダンジョンおかしくないかな。確か初心者専用と聞いてたんだが」
「最近変わったみたいですよ」

 二つ名の冒険者が初心者ダンジョンに何しに来たんだろ、謎すぎる。

「そうなんだ、知らなかったよ。トロールでも驚いたのに、まさかハイトロールが出るなんて」
「驚く? 何か問題ありましたっけ。二つ名の魔剣使いなら簡単に倒せるでしょ」
「えっ、あぁ、まあね」

 なんだろうレオンのこの態度は。オドオドというかソワソワというか、よく分からないな。でもレオンの表情とか態度って漫画とかアニメで見たことある。隠し事とか嘘をついている奴がバレそうになって緊張している感じだ。

「あのさぁ、私も君たちについて行っていいかな。じゃ、邪魔はしないから。本当に後ろで見てるだけだから」
「さっき入口辺りで偶然聞いたんだけど、誰とも組まないって言ってたよね」
「そ、そうだったかなぁ、聞き間違いじゃないかな」

 なにこれ面白い。スゲー焦ってるよ、汗かきすぎだろ。分かりやすい人だ。こういう性格の人って優しくていい人なんだよな。

「レオンさん何か隠してるよね。話すなら考えるよ」
「……わ、分かった。勇者殿になら全てを話せる。でも秘密にしてくれるかな」
「勿論です」

 しまった、またしてもウルトライージーミス‼ 自分から聞いてどうすんだよ。もうお約束の面倒臭そうなの始まったよ。

「実は二つ名などで呼ばれているが、私は全然強くないんだ。一度たりとも強いモンスターと戦ったこともない」

 これって、運がいいのか悪いのか分からない勘違い系のよくあるパターンかな。

「弱そうには見えないけど。凄い装備だし、その魔剣も本物でしょ」
「あぁ、本物だ。でもこんなのお金を出せば誰でも買えるから」

 はい出た金持ち思考。それだけの重装備だもの、そりゃ持ってるよね。

「鎧とか盾はそうだとしても、魔剣だよ魔剣。使いこなすにはそれなりの実力がいるでしょ」
「そんな事はない、これは低級の名もない魔剣だから。とにかくお金でどうにかなるんだよ」

 そんなにセレブなのかよ。まったくもって羨ましい。
 しかし魔剣って簡単に買えるし使えるんだな。ちょっとレオンの装備を鑑定眼で見てみよう。
 だが残念なことに今のスキルレベルではレオンの装備は不明としかでない。恐らくトンでもなく高価だ。
 話からしてレオンって超お金持ちのお坊ちゃまなんじゃね。

「私は凄く臆病というか、慎重な性格なんだ。だからまずは防御重視で装備を強化していた。だがそのせいで凄く目立ってしまって、いつも上級者と勘違いされてしまうんだ」

 レオンは温厚で気弱そうな性格みたいだし、オドオドしてる間に周りが勝手に騒いで最後まで否定できなかった、って感じだな。しかも主人公風のイケメンだし、勘違いする奴らの気持ちもわかる。
 でもこの違和感は何だろう。装備とか関係なく弱そうに見えない。職業に何か秘密があるのかな。

「レオンさんって魔剣持ってるけど職業は剣士なの、それとも戦士?」

 まさかレベル99まで極めて二つ目の職業ってことはないよね。

「私はずっと戦士だよ」

 ですよねぇ。装備見れば聞くまでもなかった。
 因みに剣士は剣技を極める者で剣の特別なスキルが使え、バランスよくステイタスが上がる。戦士はパワーと防御力が上がり、剣や槍、斧に棍棒などパワー系の武器が使い熟せビッグシールドも片手で扱える。ヘビーアーマーとかプレートアーマーみたいな全身鎧も装備可能だ。ただ武器ごとの特別な大技などは使えない。
 となると、気になるのはレベルだよな。

「戦士のレベルってどこまで上がってますか?」
「30だけど」
「えっ、30⁉ それ凄いじゃないですか。全然弱くないでしょ。胸張って上級の冒険者だと名乗っていいレベルですよ」

 違和感はレベルのせいだったんだ。レベル30の戦士でこのフル装備なら一人でステージボスと戦えそう。

「いや、違うんだ。レベルなんて関係ないよ。先に言ったじゃないか、私は強いモンスターと戦ったことはないと。そんな臆病者を上級の冒険者とはいわないよ」
「でもレベルが証明しているじゃないですか。伊達じゃないでしょ、レベル30の戦士は」

 レベル30だぜ、上級モンスターを狩りまくらないとそこまで上がらないだろ。何か裏技があるのなら別だけど。

「私は……本当に本当に慎重な性格なんだ。基本的に低級モンスターのスライムやゴブリンとしか戦ってない。強いモンスターが出る時もあるけど、いつも運よく逃げられるんだ」
「んっ⁉ ってことは、ザコだけでレベル30まで上げたってこと?」
「ま、まあ、そうなるかな」
「マジですか……それ」

 超絶スゲーー、凄すぎる‼ こいつ天才だ。本物の努力の天才。っていうか変態だろ。低級モンスターどんだけ狩ったんだよ。狩られた奴らがかわいそうに思えてくるよ。
 てか初心者冒険者のために低級モンスターは残しておけよバカヤローが。お前の近くにいた初心者の奴ら困ってたんじゃないの。そもそもなんでそこまで臆病な奴が冒険者やってんだよ、村人やれ村人。その地道さがあれば冒険者以外ならなんでも成功するだろ。

「ご主人、世の中は広いですね。このような冒険者がいるとは」
「凄いのにゃ。なんだかよく分からないけどレオン様は凄いのにゃ」
「あの、アッキー、私はいま半獣人に褒められているのかけなされているのかどっちなんだろ」
「素直に褒めているんですよ。ある意味、本当に凄いですからね」
「そう、ならいいけど」
「レオンさんの性格からして冒険者に向いてないと思うけど、なんで冒険者やってるんですか? そのうち死ぬかもしれませんよ」
「それは……すまない、秘密だ。まあくだらない理由だから気にしないでくれ」

 そう言った時のレオンの顔は深刻そうだった。その訳ありは絶対に面倒臭い事だから、これ以上は聞かずにおこう。

「分かりました、もう訊きません」
「えっ、聞かないの……」

 レオンは残念そうな顔をして小声で言った。
 って聞いて欲しいのかよ、面倒くさいなぁもう。理由に関してはスルーが得策だ。このまま話を変えて放置してやる。

「でも装備が凄いとかそれだけの勘違いでは二つ名の冒険者までにはならないよね。どういう経緯でここまで成り上がったの」

 とか聞いてはいるが想像はつく。俺のこれまでの旅が関係してそうなんだよな。
 ここでクリスとスカーレットに余計なことは喋るな、と耳打ちする。

「冒険者になってからずっとそうなんだけど、何かあるたびに関係ないのに私の手柄になるんだ。特にモンスター討伐などは」
「ははっ、やっぱそのパターンか。誰かが強いモンスターを倒した時にたまたま側にいて、周りにいた他の冒険者が勘違いした、ってことね」
「流石勇者殿、いやアッキー、話が早い。その通りなんだ」

 アニメとかマンガ好きの日本人なら誰でもわかる、それテンプレすぎるから。ただそのイケメンぶりと装備なら勘違いもするっての。
 本当にこんな面白いラッキーマンいるんだな。やはりファンタジー世界の住人は侮れない。

「最近は勘違いが特に酷くて困ってるんだ。北のジャングルで上級モンスターが倒されたときも、たまたま近くにいて私が倒したことになってるし、その後の砂漠の盗賊も、サンドブールの町に居ただけなのに、やはり私が退治したことになってる」

 クリスはポカンとしていたが、俺とスカーレットは何も言わず顔を見合わせた。
 うん、間違いなくそれやったの俺だね。ややこしくなるから絶対に言わないでおこう。

「本当にどうなっているんだろう」

 レオンは困惑した表情で言った。可哀想に、こういうのって自分じゃどうにもできないからな。しかも性格が真面目だからその状況を利用して楽しめない。

「まあ今更違うとは言えないよね。ご愁傷様です」

 きっとそういう星のもとに生まれているんだろうな。宿命とか運命ってやつだ。諦めるしかない。

「それで、その、アッキー、先程の答えは……」
「あぁ、一緒に行動するってやつね」

 想定外の強いモンスターが出るから一人で帰るのが怖いんだな。

「レベル30なら戦えば強いってことだし、一人で大丈夫でしょ」
「いや、そんな事はない‼」
「逃げ運もあるんでしょ」
「それはこれまでの事で、次は逃げられないかもしれない‼」

 おいおい、語尾にキリッが聞こえそうなぐらい、はっきりと情けないことを清々しく言いきったな。ある意味男らしいぜ。

「俺たちもっと奥に行ってからしか帰らないけど、それでいいなら一緒に来たら」

 そう言ったらスカーレットが嫌そうな顔をしたように見えた。足手まといが増えるんだしスカーレットにしたら当然だな。

「ありがとうアッキー、同行させてもらうよ」

 変なオマケが付いてしまったが、何かあったら守らなきゃならないのか。考えただけで疲れるなぁ。俺の方が素人なのに。
 いやまあ展開によっては別に途中で捨てていっても問題ないよな、遊びに来てるんじゃないんだから。冒険バトルは命懸けだし、ここに居る以上は死ぬことも覚悟の上のはずだ。

「それじゃあ気を取り直していきますか」
「はいにゃ」

 クリスは元気に返事したがスカーレットは近付いてきて、なにやら小声で話しはじめた。

「ご主人、実はもう一人、後方に居るようです。気配の絶ち方からしてかなりのつわものかと」
「えぇ~、まだ居るのぉ」

 もうヤダこのパターン。変な人はいりませんよ。お腹いっぱいだからね。

「例のあの人じゃないだろうな」
「匂いからして違うと思います」
「それならまだいいけど」

 考えてみればあのかまってちゃんの暴君エルフが、いつまでも隠れているわけないよな。

「少し距離はありますがどうしましょう。悪い気配はしませんが」

 隠れているってことは、俺たちかレオンを監視しているのか?

「殺気とかないなら放置していいんじゃないの」

 なんて誰が言うか‼ 意表を突いて猛ダッシュし、さっき通ってきた通路に戻る。

「こっちから行ってやんよ」

 後に回すと凄く疲れそうなので、面倒ついでに誰か知らないけど正体暴いてやる。
 だが通路を数十メートルほど戻っても誰もいない。逃げられたか。

「気配は完全に絶っていますが、まだ近くに居ると思います」

 俺の動きに合わせてダッシュし、すぐ後ろに居たスカーレットが言う。

「おおぉぉぉいっ‼ 居るの分かってるぞ、分かってるんだからな、お前が誰かも全て分かってるぞ、逃げても無駄だ、出てこいコノヤロー、何もかもお見通しなんだよ‼」

 通路の奥に向けて大声で言った。恐らく聞こえているはずだ。
 言ったことは嘘だけども、これで自分の存在がバレているのが分かっただろうし、しばらくは近付いてこないだろう。

「ご主人、私が仕留めてきましょうか」
「いやいいよ。それより先に進もう」
「御意」
「はいにゃー」

 出遅れていま追いついたクリスがタイミングよく返事した。ホンと可愛いだけで冒険には役に立たないよ。
 クリスに女神の祝福で職業を与えたら少しは変わるのかな。いまいち想像できないし、どの職業が合うのかも分からない。
 しかしもっと役に立たないかもしれないのがレオンだ。今やっと追いついてきた。

「なっ、なにかあったのか、アッキー」
「いや、勘違いだったみたい」





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