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第二章 未知なる大地
出会い 4
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その夜、啼義は眠れずにいた。
まだ少し混乱しているが、大体のことは整理できた。
ダムスの街は、なんとドラガーナ山脈を越えたすぐ南に位置する街だった。気温が高めなのは、ある程度の距離を南下したせいだ。羅沙の社で馴染んでいた木材ではなく、石材のタイル状の床の部屋の雰囲気は、どこかしら慣れない。
彼らがいるのは二間続きの部屋で、隣の間ではイルギネスが大の字で熟睡していた。自分という得体の知れない人間と一緒でも、全く気にしていないかのような無警戒ぶり──無事だった愛用の剣が手放せずに、抱き抱えてベッドの上で身を固くしている自分とは、正反対だ。
自分が生きているならば、ダリュスカインも──生きていると考えて間違いないだろう。それは否定しようのない予感だった。ここが山脈を越えているのなら、すぐに見つかる心配はなさそうだが、自分が生きていることが分かれば、必ず追ってくるはずだ。そう思うと、とても警戒を緩められる気分ではなかった。
ダリュスカインは、打ち解けているとは言い難い相手ではあったが、靂が認める手腕の魔術師として、尊敬してもいた。好かれてるとは思っていなかったものの、あんなふうに、敵意を剥き出しにされたこともなかった。なのに──
<靂……>
ぼんやりと、心の中で名を呼んだ。ダリュスカインは本当に、靂を──? 確かに、あの様子は尋常ではなかった。だが、自分は決定的瞬間を見ていないのだ。でも──きっと間違いではないという理解が、心の片隅で疼いた。
急に身体が冷え、思わず目を閉じる。剣を抱きしめ、瞼の裏に、いつも大樹に登って眺めていた景色を浮かべて、啼義は耐えた。それはどこか夢のようで、懐かしい記憶に彷徨ううちに、彼の意識はやっと、眠りへと引き込まれていった。
翌朝──目が覚めた啼義の身体は、ほとんど回復していた。あちらこちらにあった切り傷は、瘡蓋になっているか、ほとんど薄れていて、さほど痛みもない。右肩は相当の深傷だったのか、まだ完全に自由が利く状態ではないが、とりあえず大事はなさそうだ。
起き上がることも、ほぼ難なく出来た。いつもの癖で髪をまとめようと手を回し──その手が空を切って、髪が肩先までしかないことを思い出した。頭が軽い。
<そうだった。ねえんだ>
もう、結ばなくてもいい。そこから繋がる事実が、冷たい風のように心を吹き抜けた。ぐっと胸の奥が支える。知らず歯を食いしばって息が詰まり、込み上げた感情が溢れそうになったその瞬間、扉が開き、イルギネスが姿を見せた。パンとミルクピッチャーを乗せたトレーを持っている。
「よう。起きていたのか」
その時、自分はどんな顔をしていたのだろう。イルギネスの表情が一瞬動き、「大丈夫か?」と問うた。
「──大……丈夫」目元を腕で拭って、啼義は答えた。心を掻き乱す感情を押し戻すように、「大丈夫」ともう一度、しっかりした口調で繰り返す。イルギネスは何か言いたげに啼義を見つめたが、トレーをベッドの横の小さなテーブルに置くと、柔らかく微笑んだ。
「お前も、腹が減ってると思ってさ」
言われて、昨日目覚めてから、水分と、林檎をいくらか口にしただけだったことを思い出した。あとは、薬草を煮込んだ、苦いスープを飲んだくらいだ。その時は、さして食欲も湧いていなかったが、今は空腹を感じる。
「俺はもう食ったから、全部食っていいぜ。ほら、ミルクも飲め」
そう言って、ピッチャーからマグカップにミルクを注いだ。啼義は、やや躊躇いの表情を浮かべて、皿に盛られた大小のパンと、マグカップを眺めながら考え──ほどなくして、香ばしい匂いに空腹が勝った。パンをひとつ、そっと手に取り、それとイルギネスに交互に視線を投げてから、意を決したように齧った。
「うまい」自然と言葉に出た。
「だろ? すぐ隣のパン屋が、毎朝持って来てくれるんだそうだ。焼き立てだぜ」
まるで自分が作ったかのように得意げな口調で、イルギネスが言った。
「あんまり、食ったことなかった」
「そうか」笑顔を向けられ、啼義もやっと、少しだけ口元をほころばせた。それでも久し振りに、こんな風に表情を緩めた気がする。
「食欲が出れば、大丈夫だな。今日のところはゆっくりして、明日以降、様子を見ながら出発の準備をしよう」
その言葉で、啼義の心に新たな疑問が浮かんだ。
「そういえば、どこへ行くんだ?」
「まあ、まずは南下して、ミルファの港町まで行く。そこで仲間と落ち合う約束をしてるんだ」
言われたところで、土地勘のない啼義には全く分からない。それに、一緒に来ないかと言われて、そのまま着いて行っていいのか、まだ判断に迷うところだ。
「その後は?」なんとなく、答えを探すように尋ねる。イルギネスは穏やかな青い瞳で啼義を見返し、「そうだな」と続けた。
「イリユスの神殿が、最終目的地というか、俺の帰る場所だ」
一瞬、喉にパンが詰まりそうになり、啼義は慌ててミルクを喉に流し込んだ。そこは確か、蒼空の竜の信仰の拠点ではなかったか。
「……えっ?」
「ああ。俺が所属している場所さ。ちょっと人探しで出されてたんだが、見つからなくて──あ」
イルギネスはそこでふと、何かを思い出したように啼義を見つめた。真っ向から探るような視線を向けられ、啼義は少し警戒して身を引く。
「なんだよ」腰掛けているベッドに置いている剣に無意識に手を掛け、啼義が聞いた。
「──いや」
イルギネスは顎に手を当てて視線を外したが、「ふむ」とまた啼義に向き直った。
「お前、親は?」
「は?」
いきなり質問され、啼義は狼狽えた。しかも、答えようがない質問だ。
「……いない。っていうか、知らねえんだよ」
今度はイルギネスが、やや驚きの顔を浮かべる。「知らない?」
「……ああ。拾われて育ったから」
どこまで言ったらいいのか迷い、啼義はそこで言葉を切った。自分がいた羅沙の社では、淵黒の竜を信仰していた。この男がイリユスの神殿に所属している者なら、それを知られるのは避けたい。これ以上追及されたらどうしようかと思ったが、次の質問は全く違った。
「北の育ちか?」
「え?」
「いや、なんとなく。名前の音が、東字を当ててそうだなって」
東字というのは、北部独特の字体のことだ。エディラドハルドの東にある大陸から流れ込んだ文化のひとつで、普段から使われているわけではないが、人名や地名に意味合いを込めて付けられることが多い。南部にはない風習だ。
「──うん」
「じゃあ、山を越えてきたのか?」
どう答えるべきか、今度こそ答えに詰まった。
「ああ、怪我人にあれこれ聞いてすまん。まあ、話せるところだけでいいさ」
啼義の沈黙をどう捉えたのか、イルギネスは引き下がり、会話は一度そこで終わった。啼義は少しほっとして、食事に戻る。黙々とパンを平らげミルクを飲み干すのを、イルギネスが傍で見ていたが、居心地の悪い雰囲気はしなかった。むしろ、どこか安堵のようなものを、啼義は感じていた。
「あのさ……」
空腹が満たされると、思考も回り出す。そうなると、急にいろいろ気になり始めた。
「……ここの宿代とか……服とかも、買ってきてくれたんだろ? その、金とか……どうしたらいいか……」
途端に不安になってきた。そもそも、金を入れていた袋が無事かどうかも、確認できていない。
するとイルギネスは「なんだ、そんなことか」と陽気に笑い、どこか悪戯っぽい笑顔になって、こう答えた。
「気にするな。経費で落とす」
まだ少し混乱しているが、大体のことは整理できた。
ダムスの街は、なんとドラガーナ山脈を越えたすぐ南に位置する街だった。気温が高めなのは、ある程度の距離を南下したせいだ。羅沙の社で馴染んでいた木材ではなく、石材のタイル状の床の部屋の雰囲気は、どこかしら慣れない。
彼らがいるのは二間続きの部屋で、隣の間ではイルギネスが大の字で熟睡していた。自分という得体の知れない人間と一緒でも、全く気にしていないかのような無警戒ぶり──無事だった愛用の剣が手放せずに、抱き抱えてベッドの上で身を固くしている自分とは、正反対だ。
自分が生きているならば、ダリュスカインも──生きていると考えて間違いないだろう。それは否定しようのない予感だった。ここが山脈を越えているのなら、すぐに見つかる心配はなさそうだが、自分が生きていることが分かれば、必ず追ってくるはずだ。そう思うと、とても警戒を緩められる気分ではなかった。
ダリュスカインは、打ち解けているとは言い難い相手ではあったが、靂が認める手腕の魔術師として、尊敬してもいた。好かれてるとは思っていなかったものの、あんなふうに、敵意を剥き出しにされたこともなかった。なのに──
<靂……>
ぼんやりと、心の中で名を呼んだ。ダリュスカインは本当に、靂を──? 確かに、あの様子は尋常ではなかった。だが、自分は決定的瞬間を見ていないのだ。でも──きっと間違いではないという理解が、心の片隅で疼いた。
急に身体が冷え、思わず目を閉じる。剣を抱きしめ、瞼の裏に、いつも大樹に登って眺めていた景色を浮かべて、啼義は耐えた。それはどこか夢のようで、懐かしい記憶に彷徨ううちに、彼の意識はやっと、眠りへと引き込まれていった。
翌朝──目が覚めた啼義の身体は、ほとんど回復していた。あちらこちらにあった切り傷は、瘡蓋になっているか、ほとんど薄れていて、さほど痛みもない。右肩は相当の深傷だったのか、まだ完全に自由が利く状態ではないが、とりあえず大事はなさそうだ。
起き上がることも、ほぼ難なく出来た。いつもの癖で髪をまとめようと手を回し──その手が空を切って、髪が肩先までしかないことを思い出した。頭が軽い。
<そうだった。ねえんだ>
もう、結ばなくてもいい。そこから繋がる事実が、冷たい風のように心を吹き抜けた。ぐっと胸の奥が支える。知らず歯を食いしばって息が詰まり、込み上げた感情が溢れそうになったその瞬間、扉が開き、イルギネスが姿を見せた。パンとミルクピッチャーを乗せたトレーを持っている。
「よう。起きていたのか」
その時、自分はどんな顔をしていたのだろう。イルギネスの表情が一瞬動き、「大丈夫か?」と問うた。
「──大……丈夫」目元を腕で拭って、啼義は答えた。心を掻き乱す感情を押し戻すように、「大丈夫」ともう一度、しっかりした口調で繰り返す。イルギネスは何か言いたげに啼義を見つめたが、トレーをベッドの横の小さなテーブルに置くと、柔らかく微笑んだ。
「お前も、腹が減ってると思ってさ」
言われて、昨日目覚めてから、水分と、林檎をいくらか口にしただけだったことを思い出した。あとは、薬草を煮込んだ、苦いスープを飲んだくらいだ。その時は、さして食欲も湧いていなかったが、今は空腹を感じる。
「俺はもう食ったから、全部食っていいぜ。ほら、ミルクも飲め」
そう言って、ピッチャーからマグカップにミルクを注いだ。啼義は、やや躊躇いの表情を浮かべて、皿に盛られた大小のパンと、マグカップを眺めながら考え──ほどなくして、香ばしい匂いに空腹が勝った。パンをひとつ、そっと手に取り、それとイルギネスに交互に視線を投げてから、意を決したように齧った。
「うまい」自然と言葉に出た。
「だろ? すぐ隣のパン屋が、毎朝持って来てくれるんだそうだ。焼き立てだぜ」
まるで自分が作ったかのように得意げな口調で、イルギネスが言った。
「あんまり、食ったことなかった」
「そうか」笑顔を向けられ、啼義もやっと、少しだけ口元をほころばせた。それでも久し振りに、こんな風に表情を緩めた気がする。
「食欲が出れば、大丈夫だな。今日のところはゆっくりして、明日以降、様子を見ながら出発の準備をしよう」
その言葉で、啼義の心に新たな疑問が浮かんだ。
「そういえば、どこへ行くんだ?」
「まあ、まずは南下して、ミルファの港町まで行く。そこで仲間と落ち合う約束をしてるんだ」
言われたところで、土地勘のない啼義には全く分からない。それに、一緒に来ないかと言われて、そのまま着いて行っていいのか、まだ判断に迷うところだ。
「その後は?」なんとなく、答えを探すように尋ねる。イルギネスは穏やかな青い瞳で啼義を見返し、「そうだな」と続けた。
「イリユスの神殿が、最終目的地というか、俺の帰る場所だ」
一瞬、喉にパンが詰まりそうになり、啼義は慌ててミルクを喉に流し込んだ。そこは確か、蒼空の竜の信仰の拠点ではなかったか。
「……えっ?」
「ああ。俺が所属している場所さ。ちょっと人探しで出されてたんだが、見つからなくて──あ」
イルギネスはそこでふと、何かを思い出したように啼義を見つめた。真っ向から探るような視線を向けられ、啼義は少し警戒して身を引く。
「なんだよ」腰掛けているベッドに置いている剣に無意識に手を掛け、啼義が聞いた。
「──いや」
イルギネスは顎に手を当てて視線を外したが、「ふむ」とまた啼義に向き直った。
「お前、親は?」
「は?」
いきなり質問され、啼義は狼狽えた。しかも、答えようがない質問だ。
「……いない。っていうか、知らねえんだよ」
今度はイルギネスが、やや驚きの顔を浮かべる。「知らない?」
「……ああ。拾われて育ったから」
どこまで言ったらいいのか迷い、啼義はそこで言葉を切った。自分がいた羅沙の社では、淵黒の竜を信仰していた。この男がイリユスの神殿に所属している者なら、それを知られるのは避けたい。これ以上追及されたらどうしようかと思ったが、次の質問は全く違った。
「北の育ちか?」
「え?」
「いや、なんとなく。名前の音が、東字を当ててそうだなって」
東字というのは、北部独特の字体のことだ。エディラドハルドの東にある大陸から流れ込んだ文化のひとつで、普段から使われているわけではないが、人名や地名に意味合いを込めて付けられることが多い。南部にはない風習だ。
「──うん」
「じゃあ、山を越えてきたのか?」
どう答えるべきか、今度こそ答えに詰まった。
「ああ、怪我人にあれこれ聞いてすまん。まあ、話せるところだけでいいさ」
啼義の沈黙をどう捉えたのか、イルギネスは引き下がり、会話は一度そこで終わった。啼義は少しほっとして、食事に戻る。黙々とパンを平らげミルクを飲み干すのを、イルギネスが傍で見ていたが、居心地の悪い雰囲気はしなかった。むしろ、どこか安堵のようなものを、啼義は感じていた。
「あのさ……」
空腹が満たされると、思考も回り出す。そうなると、急にいろいろ気になり始めた。
「……ここの宿代とか……服とかも、買ってきてくれたんだろ? その、金とか……どうしたらいいか……」
途端に不安になってきた。そもそも、金を入れていた袋が無事かどうかも、確認できていない。
するとイルギネスは「なんだ、そんなことか」と陽気に笑い、どこか悪戯っぽい笑顔になって、こう答えた。
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