ひさめんとこ

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3章~ひさめんとこと転校生~

その2

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「あ…その…えっと…」
「緊張しすぎんなヨー」
「あ…は、はい…」
入ってきたのは黒髪セミロングの女の子。
「えっと ぉ…京都から来ました、守手熊那由多すてぐま なゆたです…えっと…えっとぉ…」
大分あたふたしている。気の弱い子らしい。
「ふ、不束者ですがよろしくお願いします…」
「うーん、それはちょっと違うかナ?」
先生の冷静な突っ込み。
「あ…えっと…これは…その…違くて…えっと…別にここに好みの男性が居たとかではなく…その…はうぅ…」
思いっきり赤面しながら俯く。
「はは、まぁドンマイドンマイ!」
先生が笑いながら肩をポーンと軽く叩く。
「は、はいぃ…」
それでも赤面は収まらない。
「それでは…あたらめまして、よろしくお願い致します…」
那由多さんは小声でそう言って赤面のまま、深々と頭を下げた。
(おい、結構可愛くね?)      (おう、俺狙ってみようかな )          (無理無理無理無理、カタツムリよ。アンタなんかフラれるって)                   (なにをー!この鬼ババァ!)                 (な、何よ!パセリの少ないくせに!)
「おーい、静まれーい。で…もう一人…が、居ない?」
ド…
「初日から遅刻カ?」
ドドド… 
「ん?何だこの音?」
「さぁ…?」(モブ)
ドドドドド…
「んー?このクラスの中に弓と矢で射抜かれたやつとか居るカ?」
「先生何言ってるんすか?」(モブ)
ドドドドドドドド…! 
「いや、スタンドがさ…」
ドド…
「あ、止まっt」ガラッ、バーン!
盛大な扉を開く音。そして…
「うぃーす。遅刻しました、サーセーン」
駆け込んできたのは金髪ショートの女の子…だよね?
「お、おう。初日から遅刻は感心しないゾ?」
「だからサーセンって言ってるじゃないすか。それともあれですか?頭でも下げれば良いんすか?」
「いや、何もそこまで…」
「良いんすか此方こなたに頭下げさせて。此方が頭を下げたらこの教室の中に居る人の内の一人は頭を下げるっすよ!」
「いや、それお前がカウントされてるんじゃネ?」
「あれ?バレちゃったっすか?いやー察しが良いっすねセンセー!」
「いやぁ、それほどでもー…ていうか自己紹介!」
「え?あぁそっすね。自己紹介しといた方が良いっすね」
すぅっと一瞬息を吸って、
「ここに来る途中で車に轢かれたっす!」
「いや、それ事故紹介!ていうか何コレ!何この空気!漫才みたいになってんゾ!」
「いやー、何か面白くって…」
「…」「…」「…」
クラスの皆は唖然としていた…。
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