花と散る

ひのま

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2 出会い

ワタナベラン

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「じゃあ次に委員会決めるぞー、クラス委員やってくれる人ー!男女1人ずつなー!」

 こういうの、面倒くさい。自分から立候補する気にはなれないが、沈黙が続くのも気がひける。

「じゃあ泉!」
「は?なんで俺?」

 松村が急に亮介に話をふっかける。ノリがいいからっていったってこいつはそういうのはやりたい奴じゃない。

「いいかあ、お前ら!今から就職とか進学のことは考えとけよ!点数取れない奴は内申書で稼ぐんだぞ!」

 今から卒業後のことを言われても・・・と他人事のように考えていると・・・

「俺やる!俺やります!」

 ああ、俺はこいつが真底バカなことを忘れていた。

「だけど先生!条件がありまーす!」
「なんで上から目線なんだよ、んで?」
「女子はワタナベランさんでよろしくお願いしまーす!
   んじゃなきゃ俺やんねーから!」

 ああ、俺はこいつが真底バカでちゃっかりしてることを忘れていた。
 でも、なんでワタナベ?そこは麗奈じゃないのか?
 横目で麗奈を見ると、案の定悲しい顔をしていた。

「だそうだが・・・、どうだ、渡辺?」

 一斉に彼女に目線が集まるのがわかる。俺の真後ろの席のワタナベがうつむいているのも想像がつく。

「やり、ます」

 大人しそうなワタナベがやるとなってクラスは少しざわめいている。麗奈はただただうつむいている。
 一体亮介は何を考えているんだろう?

「じゃあ、今日の放課後、委員会に参加してちょうだい!」
「うぃーす!」

 

「かけるー!先に帰ってて!」
「うん」
「麗奈は待ってるよ?」
「いいから!お前も先帰ってよ!」
「な、なん「わったなべー!」」

 麗奈の言葉を遮るように、わざと大きな声でワタナベを呼んだ。ワタナベはきまりが悪そうな顔をして、こちらに来た。麗奈はワタナベと目を合わせまいと俺の制服の裾を強く引っ張った。

「翔。帰ろ」
「うん」

 ワタナベの視線を感じたが、気づかないフリをしてその場を去った。

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