1,019 / 1,038
卒業後
1018 星暦558年 藤の月 18日 棚以外にも使えるよね?(15)
しおりを挟む
「でもまあ、取り敢えずこの魔具を使ってオムツを綺麗に出来る事は確認できたね」
シャルロがニコニコしながら綺麗になったオムツを手に取って言った。
水の再利用とか各段階からの移動とか、使用する魔力の効率化など、まだまだ工夫しなければならない事は色々とあるが、パディン夫人が入手してくれた新鮮なウンチ付きのオムツはちゃんと黄ばみが消えて白く汚れが無くなり、外に干してささっと乾かしたら(実際にはお茶を飲む間だけ干して、その後は待ち切れなくて蒼流に頼んで水気を抜いてもらった)すっかり綺麗になった。
パディン夫人に見せたら『まるで新品の様に綺麗になりましたね!』と驚かれたぐらいだ。
通常、何度も使って洗っているオムツはそのうち黄ばんだ汚れが染み込んでしまい、洗ってもそれ程綺麗にならないらしい。
あまり酷いと汗が蒸れて赤ちゃんの肌がかぶれ易くなるらしいので、そのぐらいのタイミングで洗濯し終わったオムツを雑巾に転用して新しいオムツを作るとのこと。
今回借りてきてくれたオムツは転用直前ぐらいな汚れだったのだが、すっきり綺麗になったのでもう暫く使い続けられそうだとパディン夫人が言っていた。
へぇぇ。
ちょっと必要以上に綺麗にし過ぎているのか?
でもまあ、しっかり汚れが落ちる方が赤ちゃんのお尻の為に良いだろう。
「じゃあ、次は実際に魔具として一連の動きを勝手にやってくれる様にしないとだね。
まずは最初のウンチ付きオムツの乾燥とブラッシングが終わったら下の洗う槽に落とす為にガコンとローラーの部分が折れ曲がって下が開いて落ちる様にでもする?」
試作品を覗き込みながらシャルロが言った。
「でも、下をガコンと開けたら洗う槽にウンチのカケラが落ちて、洗うための水に溶けちまわないか?」
現時点ではブラッシング部分の試作品は下の洗う槽に繋がっていない。元々ローラー部分が箱の中をほぼ完全に覆っているので箱の下部には落ちない形には一応なっている。
ブラッシングしつつ汚れを吸着する魔術回路で汚れを取り除いているから箱の下にはそれ程埃(やウンチ)は溜まっていないが、実際にひっくり返して作業机の上でコンコンと叩いてみたら茶色い粉が落ちてきたのでゼロではない。
・・・この机、後で綺麗にしないとなぁ。
泥もだが、ウンチの残骸が付いたと思うと今後この机の上にクッキーとかを置きたくない気がする。
清早にきっちり洗浄して貰おう。
「ローラーがある箱の底にも汚れを吸着する魔術回路を設置して最後に下を開く前に綺麗にするとか?」
シャルロが提案する。
「そうだな。
あと、どの位この箱の中でブラッシングと汚れ落としをする様に設定する?
汚れが無くなったかどうかなんて察知する仕組みはないぞ?」
アレクが指摘した。
「おっと。
確かに目で確かめながらじゃあ手間の節約にならないよね」
シャルロが溜め息を吐いた。
「・・・濡れる度合いは色々違いがあるかもだから、水分除去の魔術回路で吸収される水が無くなったら、それから何ミルで大体綺麗になるか複数のオムツで試していって、平均値の2割増しぐらいでどうだ?」
何がなんでもこの段階で完璧に綺麗にならなくても、多少は汚れが残っていたって次の石鹸水で洗う段階で残りの汚れが落ちるだろう。
取り敢えず、ウンチが露骨に残っていなければ良いのだ。
どうしても綺麗にならなかったら洗濯をもう一度すればいいんだし。
「そうだね~。
パディン夫人にもっと沢山きちゃないオムツを入手して貰って只管試すしかないか・・・」
ちょっと微妙そうな顔をしつつシャルロが合意した。
お前がオムツ関連の魔具を作りたいと言ったんだぞ?
いや、最初はあやす用のオモチャだったけど。
これって出来上がったらちゃんと赤ちゃんのオムツ洗いに苦労してきたお母さん達に買ってもらえて感謝されるのかなぁ・・・。
まあ、少なくとも近所の母親達からは試作品で洗う間は喜ばれるだろうな。
ウンチ付きオムツ洗濯業者なんて居ないだろうけど、暫くオムツ洗いを独占しちゃいそうだ。
シャルロがニコニコしながら綺麗になったオムツを手に取って言った。
水の再利用とか各段階からの移動とか、使用する魔力の効率化など、まだまだ工夫しなければならない事は色々とあるが、パディン夫人が入手してくれた新鮮なウンチ付きのオムツはちゃんと黄ばみが消えて白く汚れが無くなり、外に干してささっと乾かしたら(実際にはお茶を飲む間だけ干して、その後は待ち切れなくて蒼流に頼んで水気を抜いてもらった)すっかり綺麗になった。
パディン夫人に見せたら『まるで新品の様に綺麗になりましたね!』と驚かれたぐらいだ。
通常、何度も使って洗っているオムツはそのうち黄ばんだ汚れが染み込んでしまい、洗ってもそれ程綺麗にならないらしい。
あまり酷いと汗が蒸れて赤ちゃんの肌がかぶれ易くなるらしいので、そのぐらいのタイミングで洗濯し終わったオムツを雑巾に転用して新しいオムツを作るとのこと。
今回借りてきてくれたオムツは転用直前ぐらいな汚れだったのだが、すっきり綺麗になったのでもう暫く使い続けられそうだとパディン夫人が言っていた。
へぇぇ。
ちょっと必要以上に綺麗にし過ぎているのか?
でもまあ、しっかり汚れが落ちる方が赤ちゃんのお尻の為に良いだろう。
「じゃあ、次は実際に魔具として一連の動きを勝手にやってくれる様にしないとだね。
まずは最初のウンチ付きオムツの乾燥とブラッシングが終わったら下の洗う槽に落とす為にガコンとローラーの部分が折れ曲がって下が開いて落ちる様にでもする?」
試作品を覗き込みながらシャルロが言った。
「でも、下をガコンと開けたら洗う槽にウンチのカケラが落ちて、洗うための水に溶けちまわないか?」
現時点ではブラッシング部分の試作品は下の洗う槽に繋がっていない。元々ローラー部分が箱の中をほぼ完全に覆っているので箱の下部には落ちない形には一応なっている。
ブラッシングしつつ汚れを吸着する魔術回路で汚れを取り除いているから箱の下にはそれ程埃(やウンチ)は溜まっていないが、実際にひっくり返して作業机の上でコンコンと叩いてみたら茶色い粉が落ちてきたのでゼロではない。
・・・この机、後で綺麗にしないとなぁ。
泥もだが、ウンチの残骸が付いたと思うと今後この机の上にクッキーとかを置きたくない気がする。
清早にきっちり洗浄して貰おう。
「ローラーがある箱の底にも汚れを吸着する魔術回路を設置して最後に下を開く前に綺麗にするとか?」
シャルロが提案する。
「そうだな。
あと、どの位この箱の中でブラッシングと汚れ落としをする様に設定する?
汚れが無くなったかどうかなんて察知する仕組みはないぞ?」
アレクが指摘した。
「おっと。
確かに目で確かめながらじゃあ手間の節約にならないよね」
シャルロが溜め息を吐いた。
「・・・濡れる度合いは色々違いがあるかもだから、水分除去の魔術回路で吸収される水が無くなったら、それから何ミルで大体綺麗になるか複数のオムツで試していって、平均値の2割増しぐらいでどうだ?」
何がなんでもこの段階で完璧に綺麗にならなくても、多少は汚れが残っていたって次の石鹸水で洗う段階で残りの汚れが落ちるだろう。
取り敢えず、ウンチが露骨に残っていなければ良いのだ。
どうしても綺麗にならなかったら洗濯をもう一度すればいいんだし。
「そうだね~。
パディン夫人にもっと沢山きちゃないオムツを入手して貰って只管試すしかないか・・・」
ちょっと微妙そうな顔をしつつシャルロが合意した。
お前がオムツ関連の魔具を作りたいと言ったんだぞ?
いや、最初はあやす用のオモチャだったけど。
これって出来上がったらちゃんと赤ちゃんのオムツ洗いに苦労してきたお母さん達に買ってもらえて感謝されるのかなぁ・・・。
まあ、少なくとも近所の母親達からは試作品で洗う間は喜ばれるだろうな。
ウンチ付きオムツ洗濯業者なんて居ないだろうけど、暫くオムツ洗いを独占しちゃいそうだ。
11
お気に入りに追加
503
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる