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卒業後
986 星暦557年 桃の月 11日 家族(?)サービス期間(10)(アレク視点)
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>>>サイド アレク・シェフィート
「こちらの書類は終わったよ」
頼まれていた書類の確認と承認を終えて長兄《ホルザック》へ渡しに行ったら、別の束を渡された。
「こちらも頼む」
「はぁぁ。
今年はいつもに増して書類が山積みだね」
報告書や申請書というのは随時ちゃんと提出しなければ資金決裁なども滞る。なので基本的に書類の提出は随時行われ、流れはそれ程滞らない筈なのだが・・・どうしても年の終わりというのは心理的区切りとして頭に浮かぶのか、年末が近づくと後回しにされていた書類や、忘れられていた書類が慌てて完成されて提出されることが多く、本店では事務担当が悲鳴を上げることになる。
「今年はお前達のせい・・・というかお蔭で特に書類が多いんだよ。
今迄も色々と新しい物を開発していたが、今回は年の終わり近くにこれまでの販売領域と違う過敏《アレルギー》体質安全用魔具とかオモチャとかを開発しただろう?
お蔭で新しい伝手が出来たり新たなイベントに関係したりで色々とやることが山積みになって、書類仕事が後回しになったんだ」
ちょっと恨めしそうに兄に睨まれた。
なる程。
貴族に対する販売というのは美顔器関連の魔具で増えてはいたが、今回は毒探知機として流用させないために体質チェックという新しい手順と組み合わせて売り出したせいで色々と面倒な流れになったし・・・既存のシェフィート商会の客層ではあまりなかった子持ちの貴族や引きこもりがちな貴族夫人なども新たに客層になった。
それは良いのだが、その関係で色々と根回しをしたり、恨まれない様に利益を分けたりなどで作業が増えたのだろう。
「まあ、それなりに儲かっているんだろう?
一族の中で暇をしている老人層や子がそれなりに育った婦人層を呼び戻したらどうだ?
それなりに戻ってきてくれる人は居るんじゃないか?」
どうしても女性が結婚して子供が出来たり家族の誰かが看護が必要になったりした際に、家の中の子育て等々の作業分を人を雇うか自分でするかで費用対コストや精神的充実感などで悩むことが多くなりがちだ。
中間層ぐらいまでだと人を雇う費用より自分の給料の方が安い事も多く、長い目で見て将来的に給料が上がることを考えてちょっとここで無理をするか、諦めて暫く休むかを迷う女性は多い。
まあ従姉妹《ラティファ》のように夫側が数年間休職することもあるが、どうしても子育てというのは女性側に負担が重くなることが多いので、休職するのも女性が多い。
「正式な児童養護所じゃないけどシェフィート商会の従業員の子供たちが纏まって遊べる場所があるんだろ?
だったらそこに数人大人を雇って見張らせるようにしておけば、子供を預けやすいんじゃないか?
あと、従業員の家庭用にメイドの派遣を割安で行うようにするとか。
毎日メイドが来る必要は無くても、週に2日ぐらい来て家事をやって貰えたら大分と負担が軽くなって仕事に復帰できる人も多いかも?」
シェフィート商会の書類の吟味や承認作業はそれなりに知識と信頼が必要だから誰にでも任せられる仕事ではないが、メイド程度だったら簡単に雇えるし、子供の見張りも複数人でやらせれば極端に人を選ばなくても適した人物は見つけられるだろう。
仕事への復帰に前向きな人が復帰しやすい様に、単純労働への支援を金で解決すれば良い。
「確かにな。
だが!!
今忙しいこの時期にそんなことを手配する余裕はないんだ~~~!!」
うが~~!!と声を上げながら長兄《ホルザック》がばたりと机の上に頭を横たえた。
どうやら大分と疲れが溜まっているらしい。
「取り敢えず、年末まで私たちの方は息抜きして家族サービスをしようということになったから手伝うよ。
来年になって少し落ち着いたら増員の手配を考えたらいい」
元々、シェフィート商会は徐々に規模が大きくなっていたのだが、最近は魔具関連の販売であちこちに伝手が広がって商売の拡大が以前よりも早く進んでいる気がする。
いい加減、しっかり人を増やすか・・・魔具販売の一部を外に流すかした方が良いだろう。
義姉《アリサ》あたりにでもちょっと話をして、長兄《ホルザック》とそこら辺をどうするつもりなのか話し合うよう促した方が良いかも知れない。
シェフィート商会の次の世代のトップはホルザックとアリサなのだ。
今のトップである両親との話し合いも必要だが、今後の路線をどうしたいのかまず二人で話し合ってから、両親とも話をして手を打つべきだろう。
・・・下手に将来の話を両親に持ち出すと自分の結婚はどうするのかとかいう話に飛び火しかねないので、そこら辺は避けたい。
次兄《セビウス》だってまだ自由気ままに遊んでいるのだ。
自分は『これは』と思う人に会うまではノンビリしていても良いだろう。
「こちらの書類は終わったよ」
頼まれていた書類の確認と承認を終えて長兄《ホルザック》へ渡しに行ったら、別の束を渡された。
「こちらも頼む」
「はぁぁ。
今年はいつもに増して書類が山積みだね」
報告書や申請書というのは随時ちゃんと提出しなければ資金決裁なども滞る。なので基本的に書類の提出は随時行われ、流れはそれ程滞らない筈なのだが・・・どうしても年の終わりというのは心理的区切りとして頭に浮かぶのか、年末が近づくと後回しにされていた書類や、忘れられていた書類が慌てて完成されて提出されることが多く、本店では事務担当が悲鳴を上げることになる。
「今年はお前達のせい・・・というかお蔭で特に書類が多いんだよ。
今迄も色々と新しい物を開発していたが、今回は年の終わり近くにこれまでの販売領域と違う過敏《アレルギー》体質安全用魔具とかオモチャとかを開発しただろう?
お蔭で新しい伝手が出来たり新たなイベントに関係したりで色々とやることが山積みになって、書類仕事が後回しになったんだ」
ちょっと恨めしそうに兄に睨まれた。
なる程。
貴族に対する販売というのは美顔器関連の魔具で増えてはいたが、今回は毒探知機として流用させないために体質チェックという新しい手順と組み合わせて売り出したせいで色々と面倒な流れになったし・・・既存のシェフィート商会の客層ではあまりなかった子持ちの貴族や引きこもりがちな貴族夫人なども新たに客層になった。
それは良いのだが、その関係で色々と根回しをしたり、恨まれない様に利益を分けたりなどで作業が増えたのだろう。
「まあ、それなりに儲かっているんだろう?
一族の中で暇をしている老人層や子がそれなりに育った婦人層を呼び戻したらどうだ?
それなりに戻ってきてくれる人は居るんじゃないか?」
どうしても女性が結婚して子供が出来たり家族の誰かが看護が必要になったりした際に、家の中の子育て等々の作業分を人を雇うか自分でするかで費用対コストや精神的充実感などで悩むことが多くなりがちだ。
中間層ぐらいまでだと人を雇う費用より自分の給料の方が安い事も多く、長い目で見て将来的に給料が上がることを考えてちょっとここで無理をするか、諦めて暫く休むかを迷う女性は多い。
まあ従姉妹《ラティファ》のように夫側が数年間休職することもあるが、どうしても子育てというのは女性側に負担が重くなることが多いので、休職するのも女性が多い。
「正式な児童養護所じゃないけどシェフィート商会の従業員の子供たちが纏まって遊べる場所があるんだろ?
だったらそこに数人大人を雇って見張らせるようにしておけば、子供を預けやすいんじゃないか?
あと、従業員の家庭用にメイドの派遣を割安で行うようにするとか。
毎日メイドが来る必要は無くても、週に2日ぐらい来て家事をやって貰えたら大分と負担が軽くなって仕事に復帰できる人も多いかも?」
シェフィート商会の書類の吟味や承認作業はそれなりに知識と信頼が必要だから誰にでも任せられる仕事ではないが、メイド程度だったら簡単に雇えるし、子供の見張りも複数人でやらせれば極端に人を選ばなくても適した人物は見つけられるだろう。
仕事への復帰に前向きな人が復帰しやすい様に、単純労働への支援を金で解決すれば良い。
「確かにな。
だが!!
今忙しいこの時期にそんなことを手配する余裕はないんだ~~~!!」
うが~~!!と声を上げながら長兄《ホルザック》がばたりと机の上に頭を横たえた。
どうやら大分と疲れが溜まっているらしい。
「取り敢えず、年末まで私たちの方は息抜きして家族サービスをしようということになったから手伝うよ。
来年になって少し落ち着いたら増員の手配を考えたらいい」
元々、シェフィート商会は徐々に規模が大きくなっていたのだが、最近は魔具関連の販売であちこちに伝手が広がって商売の拡大が以前よりも早く進んでいる気がする。
いい加減、しっかり人を増やすか・・・魔具販売の一部を外に流すかした方が良いだろう。
義姉《アリサ》あたりにでもちょっと話をして、長兄《ホルザック》とそこら辺をどうするつもりなのか話し合うよう促した方が良いかも知れない。
シェフィート商会の次の世代のトップはホルザックとアリサなのだ。
今のトップである両親との話し合いも必要だが、今後の路線をどうしたいのかまず二人で話し合ってから、両親とも話をして手を打つべきだろう。
・・・下手に将来の話を両親に持ち出すと自分の結婚はどうするのかとかいう話に飛び火しかねないので、そこら辺は避けたい。
次兄《セビウス》だってまだ自由気ままに遊んでいるのだ。
自分は『これは』と思う人に会うまではノンビリしていても良いだろう。
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