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卒業後
982 星暦557年 桃の月 11日 家族(?)サービス期間(6)
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「え、精霊って経年劣化も防げるの??」
ちょっとびっくりして清早に尋ねる。
精霊の凄さって言うのは清早が出来ることだけでも分かるし、蒼流なんか更に凄いのもそれなりに知っている。
だが、時の経過をなかったことに出来る程とは知らなかった。
だって、精霊の加護持ちって普通に年を取っているんだぜ?
幾らなんでもピクニック用の台よりも加護持ちへの愛情の方が強いと思うから、ピクニックテーブルの経年劣化を無しに出来るんだったら加護持ちだの寿命だって伸ばしそうなもんじゃないか。
『命を引き延ばすのは無理かな。
病気とか怪我で死なない様に助けることは出来るけど、流石に寿命を無視して生きた状態を伸ばすのは無理だね。
死ぬ寸前に仮死状態で時間を凍結させるって言うのは出来なくもないけど、あまりやる意味ないでしょ?
でも、決まった場所にある程度以上草が生えてこない様にしたり、物の状態を劣化しない様に維持するのは可能だよ』
清早が答えた。
「なるほど。
じゃあ、シャルロ君やウィルが永遠に生きるってことはないのね」
シェイラがちょっと安心したように言った。
シャルロが永遠の命を貰って・・・なんてことになってもあいつ一人じゃああまり幸せな人生を過ごせるとも思えないな。
近い家族と友人全部ってなったらまだしもだが、流石にそれは無理だろうし。
清早はそんなことを俺にするとは思わないが、蒼流は過保護だからなぁ。
まあ、死ぬ寸前の体を仮死状態にして保管って言うのはするかも知れないが・・・精霊だったら自然な命の循環を無理やり止めたりはしないかな?
『そう。
やっぱ命って無理やり伸ばすと色々と問題が起きるみたいだからね~。
それにうっかり注意が逸れている間に砂になっていたなんてことが起きると気まずいし』
清早があっさり答える。
砂??
無理やり精霊に頼んで時間を止めるっぽい事をすると、精霊の注意が逸れた瞬間に時間の流れが生命に追いついてあっという間に死んじまうのかな?
砂までいかなくても骨と皮だけの死体に変わったりするぐらいの時期の方が見た目はえぐいかも。
どちらにせよそんなことを頼むつもりはないが、やってみた人間と精霊は居たようだな。
「ちなみに、このテーブルってどうやって劣化を止めているんだ?
魔術で同じことが出来るんだったら中々便利な気がするんだが」
『う~ん、一番簡単なのは時の流れを禁じることだね。
時の精霊に頼めば一発だけど、あいつはのんびり屋だから捕まえるまでに腐って無くなっちゃわない様に水や虫や小さな生き物が表面より中に入るのを禁じておくのが無難だね』
清早が言った。
へぇぇ。
時の精霊なんて居るんだ??
精霊にすらのんびり屋って言われるってことは、人間が頼みごとをしようと思っても声を掛けて返事を貰える前に寿命が来ちゃいそうだが。
「もしかして、この迷いの森とか、昔の人たちが住んでいた範囲の広場の辺とかも状態維持に時の精霊に何か頼みごとがしてあるのかしら?」
シェイラが尋ねる。
一瞬、清早がシェイラの問いを無視しそうな雰囲気だったが、俺がシェイラの質問を繰り返そうとしたら肩を竦めて答えてくれた。
一応シェイラの事は俺の大切な人ってことで注意は払ってくれているんだけど、必ずしも質問や頼みごとに応じようと感じている訳じゃあないんだよなぁ。
これって俺がいない時だったら気分次第ではシェイラが声を掛けても無視しそうだ。
『人が暮らす「場所」の時の流れを止めると色々と問題があるから、あそこは土の精霊に広場に要らない植物が生えてこない様に頼んだだけだね』
「昔ここに住んでいた民って精霊と仲がいい人間が多かったのか?」
別に、森に棲んで自然を大切にしていれば精霊が仲良くしてくれるという訳ではない。
それだったら田舎の農家や狩人に加護持ちが多い筈だが、実際にはそんなことは無いらしい。
まあ、加護持ちだったら軍や魔術院に勧誘されて街に出て来るって言う事もあるのかもだけど。
だから基本的にアファル王国では精霊の加護っていうのはいつ誰が貰えるか分からないから、頼っちゃいけないけどあったら運が良かったねという程度の扱いだ。
勿論、シャルロや学院長のように強力だったらそれなりに必要に応じて国の運営に助けを求めるけど。
だけどフォラスタ文明の人の暮らしにそれなりに精霊の助けを貰っていたのだったら、この迷いの森の民と精霊の関係はちょっと違ったのかも?
『う~ん、どうだろ?
この森が好きな精霊が居て、そこに住み着いた人たちが精霊を怒らせない様に気を使って暮らしていたっていうのが正解じゃないかな?
そんでもって時折その精霊に気に入られた人間がいた程度?』
なるほど。
加護持ちの人間がいて精霊が住み着いたのではなく、精霊が先なのか。
まあ、そうじゃなきゃ人間が居なくなった後もずっと精霊が残って頼まれていた効果がそのまま残るのはおかしいよな。
ちょっとびっくりして清早に尋ねる。
精霊の凄さって言うのは清早が出来ることだけでも分かるし、蒼流なんか更に凄いのもそれなりに知っている。
だが、時の経過をなかったことに出来る程とは知らなかった。
だって、精霊の加護持ちって普通に年を取っているんだぜ?
幾らなんでもピクニック用の台よりも加護持ちへの愛情の方が強いと思うから、ピクニックテーブルの経年劣化を無しに出来るんだったら加護持ちだの寿命だって伸ばしそうなもんじゃないか。
『命を引き延ばすのは無理かな。
病気とか怪我で死なない様に助けることは出来るけど、流石に寿命を無視して生きた状態を伸ばすのは無理だね。
死ぬ寸前に仮死状態で時間を凍結させるって言うのは出来なくもないけど、あまりやる意味ないでしょ?
でも、決まった場所にある程度以上草が生えてこない様にしたり、物の状態を劣化しない様に維持するのは可能だよ』
清早が答えた。
「なるほど。
じゃあ、シャルロ君やウィルが永遠に生きるってことはないのね」
シェイラがちょっと安心したように言った。
シャルロが永遠の命を貰って・・・なんてことになってもあいつ一人じゃああまり幸せな人生を過ごせるとも思えないな。
近い家族と友人全部ってなったらまだしもだが、流石にそれは無理だろうし。
清早はそんなことを俺にするとは思わないが、蒼流は過保護だからなぁ。
まあ、死ぬ寸前の体を仮死状態にして保管って言うのはするかも知れないが・・・精霊だったら自然な命の循環を無理やり止めたりはしないかな?
『そう。
やっぱ命って無理やり伸ばすと色々と問題が起きるみたいだからね~。
それにうっかり注意が逸れている間に砂になっていたなんてことが起きると気まずいし』
清早があっさり答える。
砂??
無理やり精霊に頼んで時間を止めるっぽい事をすると、精霊の注意が逸れた瞬間に時間の流れが生命に追いついてあっという間に死んじまうのかな?
砂までいかなくても骨と皮だけの死体に変わったりするぐらいの時期の方が見た目はえぐいかも。
どちらにせよそんなことを頼むつもりはないが、やってみた人間と精霊は居たようだな。
「ちなみに、このテーブルってどうやって劣化を止めているんだ?
魔術で同じことが出来るんだったら中々便利な気がするんだが」
『う~ん、一番簡単なのは時の流れを禁じることだね。
時の精霊に頼めば一発だけど、あいつはのんびり屋だから捕まえるまでに腐って無くなっちゃわない様に水や虫や小さな生き物が表面より中に入るのを禁じておくのが無難だね』
清早が言った。
へぇぇ。
時の精霊なんて居るんだ??
精霊にすらのんびり屋って言われるってことは、人間が頼みごとをしようと思っても声を掛けて返事を貰える前に寿命が来ちゃいそうだが。
「もしかして、この迷いの森とか、昔の人たちが住んでいた範囲の広場の辺とかも状態維持に時の精霊に何か頼みごとがしてあるのかしら?」
シェイラが尋ねる。
一瞬、清早がシェイラの問いを無視しそうな雰囲気だったが、俺がシェイラの質問を繰り返そうとしたら肩を竦めて答えてくれた。
一応シェイラの事は俺の大切な人ってことで注意は払ってくれているんだけど、必ずしも質問や頼みごとに応じようと感じている訳じゃあないんだよなぁ。
これって俺がいない時だったら気分次第ではシェイラが声を掛けても無視しそうだ。
『人が暮らす「場所」の時の流れを止めると色々と問題があるから、あそこは土の精霊に広場に要らない植物が生えてこない様に頼んだだけだね』
「昔ここに住んでいた民って精霊と仲がいい人間が多かったのか?」
別に、森に棲んで自然を大切にしていれば精霊が仲良くしてくれるという訳ではない。
それだったら田舎の農家や狩人に加護持ちが多い筈だが、実際にはそんなことは無いらしい。
まあ、加護持ちだったら軍や魔術院に勧誘されて街に出て来るって言う事もあるのかもだけど。
だから基本的にアファル王国では精霊の加護っていうのはいつ誰が貰えるか分からないから、頼っちゃいけないけどあったら運が良かったねという程度の扱いだ。
勿論、シャルロや学院長のように強力だったらそれなりに必要に応じて国の運営に助けを求めるけど。
だけどフォラスタ文明の人の暮らしにそれなりに精霊の助けを貰っていたのだったら、この迷いの森の民と精霊の関係はちょっと違ったのかも?
『う~ん、どうだろ?
この森が好きな精霊が居て、そこに住み着いた人たちが精霊を怒らせない様に気を使って暮らしていたっていうのが正解じゃないかな?
そんでもって時折その精霊に気に入られた人間がいた程度?』
なるほど。
加護持ちの人間がいて精霊が住み着いたのではなく、精霊が先なのか。
まあ、そうじゃなきゃ人間が居なくなった後もずっと精霊が残って頼まれていた効果がそのまま残るのはおかしいよな。
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