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卒業後
972 星暦557年 橙の月 26日 次は?(7)(アレク視点)
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>>>サイド アレク・シェフィート
「そしてその上でこのスイッチを押したら、この箱に入っている球と馬の乗っている台とが連動する様になり、球を動かしたように馬ごと台が動くようになっている。
ただし、この競馬フィールドと呼んでいる板の上じゃないと直ぐに魔石が空になるから、この中で走らせて遊ぶ感じになりますね」
実家のリビングで、親族と子供たちを集めて今回の競馬オモチャの使い方を説明している。
まだ障害物のジャンプとかは出来ないが、取り敢えず平地を走り回って追いかけっこしたり競馬のように速度を競ったりする遊びを流行らせて、本体の方の走る機能に何か問題が無いかを確認しようと3人で相談して決めたのだ。
ジャンプさせる機能はそれなりに複雑だし、出力も上げる必要があるからどうしても単価が高くなる。
だったら後から上位版として売り出した方が良い。
子供が遊ぶのにつられて大人まで一緒に楽しむようになっていたら、子供用の玩具としてはちょっと高額な魔具のオモチャの上位版でも本人も楽しむつもりで親が買う可能性もあるだろう。
「うわ~凄い!!
手許で動かした球の通りに動くんだ!!!」
早速手を出した長兄の真ん中の子が、いつの間にか競馬フィールドの中に置かれた馬を動かしていた。
素早いな。
まだ使い方も殆ど説明していないのに。
まあ、そこそこ直感的に使える様にはなっているし、競馬フィールドの魔石は既に放出する様になっていたから問題なく動くのだが。
「随分と手の込んだオモチャだな?
魔具のオモチャなんて高くて子供用には手が出ないんじゃないか?」
父が微妙な顔で聞いてきた。
「何を言っているの、自分で競馬が出来るのよ?子供だけじゃなくて親まで一緒になって夢中に遊ぶに決まっているじゃない」
母が鼻息荒く言い切った。
「確かに、殿方は速さや技を競うのが好きですからねぇ」
笑いながら義姉《アリサ》が合意する。
・・・そんなに自分達は競争とか競馬が好きだろうか?
まあ、確かに造っている最中にテストを兼ねてあの馬を走らせて競うのは楽しかったが。
「取り敢えず、今年いっぱいぐらいはシェフィート商会や一族の子供たちに遊ばせて、何か問題があるかとか、遊び方とか競争のルールとかを色々調べたり考えたりして貰えますか?
勿論その間に工房で生産の手筈も整えておく必要がありますが。
で、来年の初めにでもこのオモチャを売り出すと同時に、何処かでちょっとした大会でも開いて、最初は馬を貸し出しにして色んな子供に楽しませてはどうでしょう?
子供の為に親が動かすのも有りにしておけば気に入った父親が買ってくれる可能性も高いでしょうし」
年末は家族で集まることが多いが、年初は社交も相まって色々と友人や仕事相手とも家族そろって集まる事が多い。
そう言う場所で子供用にと貸し出したら、人気が出るだろう。
何か所かで披露した後に、売り出したら一気に売れそうな気がする。
「コースを色々と造ったりしたら大人でも楽しめそうね」
息子と一緒になって遊んでいるホルザック兄やついでに手を出し始めたセビウス兄を見ながら母が言った。
「迷宮っぽいコースを作って突破順位を争っても良いですし、普通に外縁を走り回るコースを作って競馬っぽくしても良いですし、鬼ごっこのような感じに誰かを捕まえる遊びでも良いでしょう。
将来的には機能を増やしてジャンプも出来る様にしてもっと垣根や川なんかもある狩場や障害物競走みたいなのが出来る様にするのもありかと思っています」
最初は馬にポールでも持たせて球を弾きながらゴールに入れるのを争うゲームをやらせるのも有りかと思ったのだが、流石に動かす先を見ながら球に細い棒を当てるのは難しすぎるということで諦めた。
単に動き回る狐や鹿役が逃げるのを追いかけまわるだけだったらまだ可能かもと考えている。
上のぬいぐるみを馬から狐や鹿に変えるだけだったらそれ程難しくはない。
なんだったら一部は猟犬役として犬のぬいぐるみを提供するのもありかも知れない。
「狩りは好きな人は好きですからねぇ。
寒い最中に泥が跳ねてくるかもしれない外に出なくて済むなら、女性陣も一緒になって参加できるかもしれないし。
家族一緒に遊ぶのには良いかも知れないわね」
子供を連れて遊びに来ていた従姉妹のラティファが話に参加してくる。
ラティファの娘も甥っ子と一緒になって夢中になって馬を動かしている。
確かにあの子なら猟に参加するのを喜びそうだ。
猟は男性の嗜みという考えが多いので、外で走り回るのは男性が多いし、基本的に貴族の接待になりがちだが、これだったら普通に家族や親しい友人たちだけで色々と遊べるだろう。
「まあ、ジャンプさせたりするのはまだこれから機能を考えなきゃいけないし、魔石消費量がかなり増えると思うからそこら辺の実現性はやってみなくちゃ分からないんだが・・・。
取り敢えず、初回版で魔石の消費量とか遊んでいる際の問題や故障について、色々と確認してくれ。
ついでにしっかり工房の生産体制も整えておいて欲しい。
次の生産も私たちが手伝う羽目になったら、ウィルが逃げるぞ」
シャルロも嫌がっていたが、ウィルは最後の方は目が死んだ魚の様になっていたからなぁ。
あれの繰り返しは不味い。
「そしてその上でこのスイッチを押したら、この箱に入っている球と馬の乗っている台とが連動する様になり、球を動かしたように馬ごと台が動くようになっている。
ただし、この競馬フィールドと呼んでいる板の上じゃないと直ぐに魔石が空になるから、この中で走らせて遊ぶ感じになりますね」
実家のリビングで、親族と子供たちを集めて今回の競馬オモチャの使い方を説明している。
まだ障害物のジャンプとかは出来ないが、取り敢えず平地を走り回って追いかけっこしたり競馬のように速度を競ったりする遊びを流行らせて、本体の方の走る機能に何か問題が無いかを確認しようと3人で相談して決めたのだ。
ジャンプさせる機能はそれなりに複雑だし、出力も上げる必要があるからどうしても単価が高くなる。
だったら後から上位版として売り出した方が良い。
子供が遊ぶのにつられて大人まで一緒に楽しむようになっていたら、子供用の玩具としてはちょっと高額な魔具のオモチャの上位版でも本人も楽しむつもりで親が買う可能性もあるだろう。
「うわ~凄い!!
手許で動かした球の通りに動くんだ!!!」
早速手を出した長兄の真ん中の子が、いつの間にか競馬フィールドの中に置かれた馬を動かしていた。
素早いな。
まだ使い方も殆ど説明していないのに。
まあ、そこそこ直感的に使える様にはなっているし、競馬フィールドの魔石は既に放出する様になっていたから問題なく動くのだが。
「随分と手の込んだオモチャだな?
魔具のオモチャなんて高くて子供用には手が出ないんじゃないか?」
父が微妙な顔で聞いてきた。
「何を言っているの、自分で競馬が出来るのよ?子供だけじゃなくて親まで一緒になって夢中に遊ぶに決まっているじゃない」
母が鼻息荒く言い切った。
「確かに、殿方は速さや技を競うのが好きですからねぇ」
笑いながら義姉《アリサ》が合意する。
・・・そんなに自分達は競争とか競馬が好きだろうか?
まあ、確かに造っている最中にテストを兼ねてあの馬を走らせて競うのは楽しかったが。
「取り敢えず、今年いっぱいぐらいはシェフィート商会や一族の子供たちに遊ばせて、何か問題があるかとか、遊び方とか競争のルールとかを色々調べたり考えたりして貰えますか?
勿論その間に工房で生産の手筈も整えておく必要がありますが。
で、来年の初めにでもこのオモチャを売り出すと同時に、何処かでちょっとした大会でも開いて、最初は馬を貸し出しにして色んな子供に楽しませてはどうでしょう?
子供の為に親が動かすのも有りにしておけば気に入った父親が買ってくれる可能性も高いでしょうし」
年末は家族で集まることが多いが、年初は社交も相まって色々と友人や仕事相手とも家族そろって集まる事が多い。
そう言う場所で子供用にと貸し出したら、人気が出るだろう。
何か所かで披露した後に、売り出したら一気に売れそうな気がする。
「コースを色々と造ったりしたら大人でも楽しめそうね」
息子と一緒になって遊んでいるホルザック兄やついでに手を出し始めたセビウス兄を見ながら母が言った。
「迷宮っぽいコースを作って突破順位を争っても良いですし、普通に外縁を走り回るコースを作って競馬っぽくしても良いですし、鬼ごっこのような感じに誰かを捕まえる遊びでも良いでしょう。
将来的には機能を増やしてジャンプも出来る様にしてもっと垣根や川なんかもある狩場や障害物競走みたいなのが出来る様にするのもありかと思っています」
最初は馬にポールでも持たせて球を弾きながらゴールに入れるのを争うゲームをやらせるのも有りかと思ったのだが、流石に動かす先を見ながら球に細い棒を当てるのは難しすぎるということで諦めた。
単に動き回る狐や鹿役が逃げるのを追いかけまわるだけだったらまだ可能かもと考えている。
上のぬいぐるみを馬から狐や鹿に変えるだけだったらそれ程難しくはない。
なんだったら一部は猟犬役として犬のぬいぐるみを提供するのもありかも知れない。
「狩りは好きな人は好きですからねぇ。
寒い最中に泥が跳ねてくるかもしれない外に出なくて済むなら、女性陣も一緒になって参加できるかもしれないし。
家族一緒に遊ぶのには良いかも知れないわね」
子供を連れて遊びに来ていた従姉妹のラティファが話に参加してくる。
ラティファの娘も甥っ子と一緒になって夢中になって馬を動かしている。
確かにあの子なら猟に参加するのを喜びそうだ。
猟は男性の嗜みという考えが多いので、外で走り回るのは男性が多いし、基本的に貴族の接待になりがちだが、これだったら普通に家族や親しい友人たちだけで色々と遊べるだろう。
「まあ、ジャンプさせたりするのはまだこれから機能を考えなきゃいけないし、魔石消費量がかなり増えると思うからそこら辺の実現性はやってみなくちゃ分からないんだが・・・。
取り敢えず、初回版で魔石の消費量とか遊んでいる際の問題や故障について、色々と確認してくれ。
ついでにしっかり工房の生産体制も整えておいて欲しい。
次の生産も私たちが手伝う羽目になったら、ウィルが逃げるぞ」
シャルロも嫌がっていたが、ウィルは最後の方は目が死んだ魚の様になっていたからなぁ。
あれの繰り返しは不味い。
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