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卒業後
956 星暦557年 黄の月 12日 新しい伝手(20)
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「警告雷撃そのものは今の素材で小さくしても機能するんじゃない?
出力は下がるかもだけど。
第一、これはそれこそ色を変えるとか光るだけでも良いんだから、あまり重要性はないよね?」
3つのパーツを全部色々な素材で試作するか否かを話し合い始めた時点で、シャルロが雷撃っぽいのは特に問題は無い筈と指摘した。
「まあなぁ。
腕輪が光っても見えないし、指輪がピカピカ光ったらちょっと怪しいが、雷撃じゃなくって針が指か腕にチクっと刺さるような動きでも良いんだから、これに関しては後回しで良いか」
というか、この雷撃チックなのって安上がりに複製出来たら街を歩く時の護身用に売り出せるんじゃないか?
まあ、頭を殴って気絶させて誘拐したり身包み剥ぐタイプの襲撃には役に立たないが、変な男に絡まれて逃げたい時なんかにビリビリっと雷撃で脅かして逃げるのには良さそうだ。
「考えてみたら、この雷撃指輪は毒探知よりも社交界に出る女性用に売り出したらいいかも知れないね。
ブレスレットに魔石を付けて出力を出す形にしたら、変な貴族の男性に追い詰められそうになった時なんかに若い女性が使えそうだ」
アレクが似たようなことを考えていたのか撃退用魔具としてのアイディアを出してきた。
「痛みを与えて逃げて良い相手なんだったら思いっきり股の間を蹴り上げれば良いじゃないかという気もするが、指輪でビリっといく方が何が起きたか分からない間に逃げられて良いのかな?
どさくさ紛れに逃げる用だったら若いメイドや侍女が雇い主の息子とかに目を付けられた場合に逃げるのに使えるかもだし」
まあ、雇い主の息子が相手だったら短期的にしか効果は無いだろうが。
「嫌な感じな女性に囲まれて困った男性が逃げるのにも使えるかも?
こっちはあまり痛みはなく、驚かせて逃げる時間を稼ぐ程度にしないとダメだろうけど」
シャルロが何やら想定外な方向の提案をしてきた。
「はぁ?
女が相手だったらずいっと押しのければ良いじゃないか」
男の方が力が強いんだ。
逃げる事自体は可能だろう。
「いや、下手に女性に押しのけるぐらいしっかり触れると、身体を穢したとかいちゃもんを付けて責任取れと婚姻をごり押ししてくる場合があるからな。
手がかすったか否かぐらいの接触でビリっとさせて身を引かせる程度だったら上手く包囲網を抜け出すのに使えて重宝されるかも知れない」
アレクがシャルロに賛成した。
マジ???
そりゃあ、お買い得な高位貴族の令息とか中位とか低位貴族でも跡継ぎなんかはそれなりに狙われるという話は聞いていたが・・・男でもそこまで危機感を持って行動しないといけないのかぁ。
マジで貴族なんぞになるもんじゃないな。
まあ、金食い虫でろくでもない嫁と結婚する羽目になろうと、スラムで食うもんも無く飢えるよりはマシだが。
・・・お家乗っ取り目当てなのに捕まると、妊娠したと言い張れる状態になった途端に命を狙われる危険性もあるが。
「じゃあまあ雷撃指輪は後でじっくり研究することにして、読み取る機能と反応を確認する機能は考えてみたら一緒に使わないと意味がないよな。
先ずはどっちかだけ魔術回路の素材を変えたら小さくしても機能するか、実験してみようぜ」
考えてみたら、魔術回路を薄くして二層にすればちょっと分厚くなるにしてもサイズを変えずにこの毒探知用魔具の機能を復元できるかも?
薄い魔術回路を重ねるなんていうのは製作が大変そうだから実用性は微妙になるかも知れないが。
「考えてみたら、ちゃんと毒を読み取ったかどうか知るために毒を試した反応の結果を出さないとだから、雷撃の魔法陣とも繋ぐ必要があるね」
試作品を一回り小さくした魔術回路を新素材で作っていたシャルロが、ふと顔を上げて指摘した。
「取り敢えず、光るようにしたら良いんじゃないか?
熱を発するんでも良いが、そっちは指が冷えていたり暖かいマグを持っていた後だったりすると感じられないかも知れないから、光る方が無難だろ」
最初に魔具を造る授業で習ったランプの魔術回路のごく単純な物を使って、毒ありの場合に軽く光るようにするのは簡単だ。
「指の背に熱を伝える感じだったらそれなりにどんな状況でも感じられるんじゃないか?
だとしたら雷撃も必要無くなる」
アレクが口を挟む。
「まあ、極寒の状況で凍えていたら感じられないかも知れないが、そう言う状況だったら毒殺を心配する必要も無いだろうから、ありかもだな。
取り敢えず、毒探知の方を出来るだけ小さくしてから考えてみようぜ」
もしも遭難とかして適当に山や野原で食料を自力で探す羽目になったらそんな心配をしている暇も無いだろうし。
いや、遭難した場合はキノコとか果物に毒があるかを知るために毒探知機能は有用か?
その場合は指の感覚がなくなる程寒いんだったら、頑張って手を擦って温めてから調べるしか無いな。
寒さで指の感覚が無くなっていたら雷撃だって感じられないだろうし。
毒探知用魔具なんかを持っているような人間が遭難なんぞする可能性はかなり低いとは思うけどな。
出力は下がるかもだけど。
第一、これはそれこそ色を変えるとか光るだけでも良いんだから、あまり重要性はないよね?」
3つのパーツを全部色々な素材で試作するか否かを話し合い始めた時点で、シャルロが雷撃っぽいのは特に問題は無い筈と指摘した。
「まあなぁ。
腕輪が光っても見えないし、指輪がピカピカ光ったらちょっと怪しいが、雷撃じゃなくって針が指か腕にチクっと刺さるような動きでも良いんだから、これに関しては後回しで良いか」
というか、この雷撃チックなのって安上がりに複製出来たら街を歩く時の護身用に売り出せるんじゃないか?
まあ、頭を殴って気絶させて誘拐したり身包み剥ぐタイプの襲撃には役に立たないが、変な男に絡まれて逃げたい時なんかにビリビリっと雷撃で脅かして逃げるのには良さそうだ。
「考えてみたら、この雷撃指輪は毒探知よりも社交界に出る女性用に売り出したらいいかも知れないね。
ブレスレットに魔石を付けて出力を出す形にしたら、変な貴族の男性に追い詰められそうになった時なんかに若い女性が使えそうだ」
アレクが似たようなことを考えていたのか撃退用魔具としてのアイディアを出してきた。
「痛みを与えて逃げて良い相手なんだったら思いっきり股の間を蹴り上げれば良いじゃないかという気もするが、指輪でビリっといく方が何が起きたか分からない間に逃げられて良いのかな?
どさくさ紛れに逃げる用だったら若いメイドや侍女が雇い主の息子とかに目を付けられた場合に逃げるのに使えるかもだし」
まあ、雇い主の息子が相手だったら短期的にしか効果は無いだろうが。
「嫌な感じな女性に囲まれて困った男性が逃げるのにも使えるかも?
こっちはあまり痛みはなく、驚かせて逃げる時間を稼ぐ程度にしないとダメだろうけど」
シャルロが何やら想定外な方向の提案をしてきた。
「はぁ?
女が相手だったらずいっと押しのければ良いじゃないか」
男の方が力が強いんだ。
逃げる事自体は可能だろう。
「いや、下手に女性に押しのけるぐらいしっかり触れると、身体を穢したとかいちゃもんを付けて責任取れと婚姻をごり押ししてくる場合があるからな。
手がかすったか否かぐらいの接触でビリっとさせて身を引かせる程度だったら上手く包囲網を抜け出すのに使えて重宝されるかも知れない」
アレクがシャルロに賛成した。
マジ???
そりゃあ、お買い得な高位貴族の令息とか中位とか低位貴族でも跡継ぎなんかはそれなりに狙われるという話は聞いていたが・・・男でもそこまで危機感を持って行動しないといけないのかぁ。
マジで貴族なんぞになるもんじゃないな。
まあ、金食い虫でろくでもない嫁と結婚する羽目になろうと、スラムで食うもんも無く飢えるよりはマシだが。
・・・お家乗っ取り目当てなのに捕まると、妊娠したと言い張れる状態になった途端に命を狙われる危険性もあるが。
「じゃあまあ雷撃指輪は後でじっくり研究することにして、読み取る機能と反応を確認する機能は考えてみたら一緒に使わないと意味がないよな。
先ずはどっちかだけ魔術回路の素材を変えたら小さくしても機能するか、実験してみようぜ」
考えてみたら、魔術回路を薄くして二層にすればちょっと分厚くなるにしてもサイズを変えずにこの毒探知用魔具の機能を復元できるかも?
薄い魔術回路を重ねるなんていうのは製作が大変そうだから実用性は微妙になるかも知れないが。
「考えてみたら、ちゃんと毒を読み取ったかどうか知るために毒を試した反応の結果を出さないとだから、雷撃の魔法陣とも繋ぐ必要があるね」
試作品を一回り小さくした魔術回路を新素材で作っていたシャルロが、ふと顔を上げて指摘した。
「取り敢えず、光るようにしたら良いんじゃないか?
熱を発するんでも良いが、そっちは指が冷えていたり暖かいマグを持っていた後だったりすると感じられないかも知れないから、光る方が無難だろ」
最初に魔具を造る授業で習ったランプの魔術回路のごく単純な物を使って、毒ありの場合に軽く光るようにするのは簡単だ。
「指の背に熱を伝える感じだったらそれなりにどんな状況でも感じられるんじゃないか?
だとしたら雷撃も必要無くなる」
アレクが口を挟む。
「まあ、極寒の状況で凍えていたら感じられないかも知れないが、そう言う状況だったら毒殺を心配する必要も無いだろうから、ありかもだな。
取り敢えず、毒探知の方を出来るだけ小さくしてから考えてみようぜ」
もしも遭難とかして適当に山や野原で食料を自力で探す羽目になったらそんな心配をしている暇も無いだろうし。
いや、遭難した場合はキノコとか果物に毒があるかを知るために毒探知機能は有用か?
その場合は指の感覚がなくなる程寒いんだったら、頑張って手を擦って温めてから調べるしか無いな。
寒さで指の感覚が無くなっていたら雷撃だって感じられないだろうし。
毒探知用魔具なんかを持っているような人間が遭難なんぞする可能性はかなり低いとは思うけどな。
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