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卒業後
811 星暦557年 紫の月 11日 肩凝り対策(2)
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「まずは身近な人にどんな症状が辛いのか、どんな時に悪化するのか、何をすると改善するのかとかを聞いてみようか」
アレクが黒板モドキに書き込む。
「肩凝りと腰痛と首周りの凝りとで違いがあるのかとか聞いても良いかもね。
あと、此方の参考情報として年齢層とか職業も聞いておいて統計を取ると販売時に役立つかも?」
シャルロが付け加える。
「風呂に入ったらふわ~っとリラックスして体の緊張が取れる気がするんだが、あれってどうなのかな?
それこそ魔術学院の教員とかは俺たちが風呂を作ってからお湯につかる頻度がぐっと上がったと思うが、肩凝りとかが改善したか聞いてみないか?」
それなりに学生に付き合って遠出したり学院祭でバタバタしたりと忙しいから、肩凝りに悩まされている教員自体が少ないかもだが。
考えてみたら、教員よりも事務職員とかの方がより一般層向けに参考になるかも知れない。
まあ、風呂を提供するっていうのは肩凝り対策の魔具の開発には役に立たないが、あんな風に体を包み込むような感じに温めるのが効果的っていうのなら部分的な加熱っぽい事は可能だ。
「ついでに魔術院でも聞き取りしてみない?
魔術師に肩凝りが少ないなら、魔術を使う事が何かに効くのかもだし。
一般の人に魔術を使わせるのは無理だけど、体に微弱な魔力を通す程度だったら可能だよね?」
シャルロが提案する。
軍部にいる魔術師は参考にならないだろうが、魔術院にいる不健康そうな魔術師に関しては統計を取る価値があるかも知れない。
「そう言えばさ、もうそろそろ総会のお知らせが来る頃じゃないか?
毎年のアンケートについでに肩凝りとか健康問題に関して質問を紛れ込ませられないか、アンディに相談してみようぜ」
以前の税金とローン詐欺の問題以来、毎年総会前に魔術院からお知らせと合わせて基本的な魔術師として知っておいて欲しい制度などに関するアンケートが送られてくるようになった。
それを返答しなかったり、正解率が低いと総会後の研修に出席しないと年会費が5倍になるという中々思い切った策に出た魔術院だが、去年もアンディからそれの正解率確認に苦労している話を聞いた。
「返答の正解率確認作業を手伝う代わりと言えば可能か?
民間の事業に利用するような情報を魔術院の正式なアンケートに紛れ込ますのは微妙かも知れないが・・・魔術師の健康問題の確認ということで魔術院が集めた情報を元に売り上げ予測を立てるぐらいのことだったらさほど問題は無いだろう」
アレクが暫し俺の提案を吟味してから、ゆっくり頷いた。
どうせ魔具なのだ。
微弱な魔力を通すのに何か効果があったりするなら、下手に揉み解したりする機能を付けるよりも楽かもしれない。
まあ、魔術師に肩凝りが少ないからと言って魔力を通すことが肩凝りに役立つとは限らないが。
「じゃあ、取り敢えずまず僕はパディン夫人に聞いて、後は近所のご老人の話でも聞いてくるよ。
アレクはアンディに話を持ち掛けて交渉、ウィルはその間に魔術学院の方で話を聞いて来てくるってことでどう?」
シャルロがパンと手を叩いて立ち上がりながら言った。
「そうだな。
ついでにアンディと話が終わったらシェフィート商会の方でも肩凝りに悩んでいる人間が居るか聞いて、何か参考になる情報が無いか確認してくるよ」
アレクが頷く。
「年末のパーティで視た際にはアレクの親父さんもホルザック氏もそれなりに肩凝りが酷かったようだから、参考になるんじゃないか?
セビウス氏はそれほどでもなかったようだが。
ある意味、何が違うのかを聞くとそれも参考になるかもな」
あそこはアレクの母親がかなり強烈そうだからなぁ。
どの位キラ・シェフィートの引き起こす事態をいなせるかで各人の苦労と肩凝りの度合いが変わっていそうな気もする。
さて。
俺は久しぶりに学院長に会ってくるか。
あの人もそれなりに爺さんだから、肩凝りとかあるのか聞いてみても良いかも。
老人で、大して運動もしていないのに肩が凝らないなら魔術師は肩が凝りにくい説が正しい可能性がある。
まあ、精霊の加護があると知らない間に体の調子を整えて貰っているとかの可能性もあるし、もしかしたら学院長だったら『いつ戦場に駆り出されるか分からない』とか言って鍛錬している可能性もあるが。
・・・どうなんだろ?
そうだとしたらシャルロにも鍛錬させた方が良いのかな?
アレクが黒板モドキに書き込む。
「肩凝りと腰痛と首周りの凝りとで違いがあるのかとか聞いても良いかもね。
あと、此方の参考情報として年齢層とか職業も聞いておいて統計を取ると販売時に役立つかも?」
シャルロが付け加える。
「風呂に入ったらふわ~っとリラックスして体の緊張が取れる気がするんだが、あれってどうなのかな?
それこそ魔術学院の教員とかは俺たちが風呂を作ってからお湯につかる頻度がぐっと上がったと思うが、肩凝りとかが改善したか聞いてみないか?」
それなりに学生に付き合って遠出したり学院祭でバタバタしたりと忙しいから、肩凝りに悩まされている教員自体が少ないかもだが。
考えてみたら、教員よりも事務職員とかの方がより一般層向けに参考になるかも知れない。
まあ、風呂を提供するっていうのは肩凝り対策の魔具の開発には役に立たないが、あんな風に体を包み込むような感じに温めるのが効果的っていうのなら部分的な加熱っぽい事は可能だ。
「ついでに魔術院でも聞き取りしてみない?
魔術師に肩凝りが少ないなら、魔術を使う事が何かに効くのかもだし。
一般の人に魔術を使わせるのは無理だけど、体に微弱な魔力を通す程度だったら可能だよね?」
シャルロが提案する。
軍部にいる魔術師は参考にならないだろうが、魔術院にいる不健康そうな魔術師に関しては統計を取る価値があるかも知れない。
「そう言えばさ、もうそろそろ総会のお知らせが来る頃じゃないか?
毎年のアンケートについでに肩凝りとか健康問題に関して質問を紛れ込ませられないか、アンディに相談してみようぜ」
以前の税金とローン詐欺の問題以来、毎年総会前に魔術院からお知らせと合わせて基本的な魔術師として知っておいて欲しい制度などに関するアンケートが送られてくるようになった。
それを返答しなかったり、正解率が低いと総会後の研修に出席しないと年会費が5倍になるという中々思い切った策に出た魔術院だが、去年もアンディからそれの正解率確認に苦労している話を聞いた。
「返答の正解率確認作業を手伝う代わりと言えば可能か?
民間の事業に利用するような情報を魔術院の正式なアンケートに紛れ込ますのは微妙かも知れないが・・・魔術師の健康問題の確認ということで魔術院が集めた情報を元に売り上げ予測を立てるぐらいのことだったらさほど問題は無いだろう」
アレクが暫し俺の提案を吟味してから、ゆっくり頷いた。
どうせ魔具なのだ。
微弱な魔力を通すのに何か効果があったりするなら、下手に揉み解したりする機能を付けるよりも楽かもしれない。
まあ、魔術師に肩凝りが少ないからと言って魔力を通すことが肩凝りに役立つとは限らないが。
「じゃあ、取り敢えずまず僕はパディン夫人に聞いて、後は近所のご老人の話でも聞いてくるよ。
アレクはアンディに話を持ち掛けて交渉、ウィルはその間に魔術学院の方で話を聞いて来てくるってことでどう?」
シャルロがパンと手を叩いて立ち上がりながら言った。
「そうだな。
ついでにアンディと話が終わったらシェフィート商会の方でも肩凝りに悩んでいる人間が居るか聞いて、何か参考になる情報が無いか確認してくるよ」
アレクが頷く。
「年末のパーティで視た際にはアレクの親父さんもホルザック氏もそれなりに肩凝りが酷かったようだから、参考になるんじゃないか?
セビウス氏はそれほどでもなかったようだが。
ある意味、何が違うのかを聞くとそれも参考になるかもな」
あそこはアレクの母親がかなり強烈そうだからなぁ。
どの位キラ・シェフィートの引き起こす事態をいなせるかで各人の苦労と肩凝りの度合いが変わっていそうな気もする。
さて。
俺は久しぶりに学院長に会ってくるか。
あの人もそれなりに爺さんだから、肩凝りとかあるのか聞いてみても良いかも。
老人で、大して運動もしていないのに肩が凝らないなら魔術師は肩が凝りにくい説が正しい可能性がある。
まあ、精霊の加護があると知らない間に体の調子を整えて貰っているとかの可能性もあるし、もしかしたら学院長だったら『いつ戦場に駆り出されるか分からない』とか言って鍛錬している可能性もあるが。
・・・どうなんだろ?
そうだとしたらシャルロにも鍛錬させた方が良いのかな?
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