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魔術学院2年目
049 星暦550年 青の月 19日 ストーリー
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死後の世界に関する想像とか理論は色々ある。
だが、考えてみたら神に愛される神殿長は一応神と連絡が取れているらしい。
となったら、死後の世界が実際にどうなっているのか、知ることも不可能でない訳だ。
・・・ちょっと気になるかも。
『絹の踊り』のショーは、普通のサーカスと違い、ちょっとしたストーリーに沿ったものになっている。
最初のスタートは臨終の場面。
老人が一人、宙に浮いて医者が『ご臨終でございます』と自分の死を宣言する場面を見つめる。
『死んだんだ・・・』と茫然としている間に神の使い(もしくは悪戯好きな妖精かも。微妙に不明)が現れ、死後の世界へ楽しく遊びながら老人を誘っていく。
当然、使いは美女。
しかもピラピラ・透け透けなドレスを着ている。
だから宙を舞っている間に観客は色っぽい脚のラインとか胸の輪郭を目に焼き付けながら楽しむことになる。
実際のショーではこの舞いは天井からぶら下げた極細のワイヤーに女性をぶら下げて優雅に動かしているだけだ。だからあまり激しい動きは無く、ある意味ここは魔術を使えばコピーは非常に簡単な場面だろう。
それなりに『うふふふ~。こちらへいらっしゃ~い』みたいなシーンを続けた後、今度は老人の若き日の思い出のシーンへと移る。
基本的に内容は本人の『俺は若い頃はあんなことも、こんなこともやったんだ』みたいな自慢げな回想と、『ああ、あの時はあんな美女がこんなことをやっていたよなぁ』という希望的観測も混ざっているらしき美しき思い出。
どうやら、枯れた老人でも男はいつまでたっても男。何より拘るのは自分の自慢と女らしい。
思い出はまず若い男性がサーカスでブランコを飛び交っているシーンから始まり、その下をトランポリンで男女が次々とバック転や横転やその他もろもろな動きをしながら飛びまわっているシーンへ移る。
その際に一番活躍している若い男性(明らかに老人よりも背が高いんだけど)が老人の若き日の姿らしい。
で、そのトランポリンがいつの間にか姿を消し、今度は大きな円錐の柱から吊るしたロープに手や足でぶら下がりながら美女がぐるぐる舞台を回転するシーンになる。最初は何人かが手や足でロープをつかんで周っていたのが、最終的には一人の女性が足で捕まっているだけになり、残りの女性はお互いの手や足や髪の毛(!)をつかんで人間チェーンを作ってぶんぶん舞台を回る。
あれって痛くないのかね??
下手したら禿げそうだし。
女性だからその心配はしなくていいのかな?
勿論、女性はスカート。
下に薄いタイツを履いているけど。
あれって考えてみたら見ている母親陣からよく抗議が出ないよな。
完全に非日常ということで割り切っているんかね?
そんな女性の艶姿を存分に堪能している老人の元へ、いい加減死後の世界へ行けとせっつきに別の神の使い(多分)が現れる。
まだ『思い出』を堪能したい老人が何故か急に若返って神の使いと格闘を始め、思い出の中の仲間に助けられながら神の使いを撃退してしまう。
・・・そしたら生き返ってしまって美女の姿が全部消え、残ったのはベッド元で老人を心配して集まったふくよかな年老いた妻と、成人した子供たちだったという夢オチ(?)な話だ。
「とりあえず、老人と美女・・・(ごほんと咳)じゃなくって女性が5人は舞台で踊る役として必要だな。
後は若き日の老人役と、その仲間の男性が4人と言ったところか。
それに最後に戦う神の使い役が一人。
あまり人数を増やしすぎると術の方が難しくなるから、この12人のショーとしよう」
ダンカンが寮の食堂で皆の前で話していた。
「若かりし日の老人役は戦うシーンもあることだし、ダレンでいいか?」
お~!と賛成の声が上がる。
「戦う方の神の使い役は?」
「カルス!」
「いや、ダルワーナでどうだ?カルスは身が軽いからトランポリン組だろう。」
どんどん立候補やら推薦の声が上がって役割分担が決まっていった。
舞台に上がる12人のほかに、舞台監督や衣裳係、そして何よりも大変な魔術担当。
やることが尽きない。
本当に10日足らずで準備が全部出来るのか、心配になりそうだ。
ちなみに、舞台監督はダンカンとアレクがやることになった。
俺とシャルロはトランポリンで飛び跳ねることに。
女性陣は美女であるかよりも、身体能力で決められていた。
最後に幻想術で彼女たちをナイスバディな美女に見せるかどうかは・・・中々難しい判断だろうなぁ。
だが、考えてみたら神に愛される神殿長は一応神と連絡が取れているらしい。
となったら、死後の世界が実際にどうなっているのか、知ることも不可能でない訳だ。
・・・ちょっと気になるかも。
『絹の踊り』のショーは、普通のサーカスと違い、ちょっとしたストーリーに沿ったものになっている。
最初のスタートは臨終の場面。
老人が一人、宙に浮いて医者が『ご臨終でございます』と自分の死を宣言する場面を見つめる。
『死んだんだ・・・』と茫然としている間に神の使い(もしくは悪戯好きな妖精かも。微妙に不明)が現れ、死後の世界へ楽しく遊びながら老人を誘っていく。
当然、使いは美女。
しかもピラピラ・透け透けなドレスを着ている。
だから宙を舞っている間に観客は色っぽい脚のラインとか胸の輪郭を目に焼き付けながら楽しむことになる。
実際のショーではこの舞いは天井からぶら下げた極細のワイヤーに女性をぶら下げて優雅に動かしているだけだ。だからあまり激しい動きは無く、ある意味ここは魔術を使えばコピーは非常に簡単な場面だろう。
それなりに『うふふふ~。こちらへいらっしゃ~い』みたいなシーンを続けた後、今度は老人の若き日の思い出のシーンへと移る。
基本的に内容は本人の『俺は若い頃はあんなことも、こんなこともやったんだ』みたいな自慢げな回想と、『ああ、あの時はあんな美女がこんなことをやっていたよなぁ』という希望的観測も混ざっているらしき美しき思い出。
どうやら、枯れた老人でも男はいつまでたっても男。何より拘るのは自分の自慢と女らしい。
思い出はまず若い男性がサーカスでブランコを飛び交っているシーンから始まり、その下をトランポリンで男女が次々とバック転や横転やその他もろもろな動きをしながら飛びまわっているシーンへ移る。
その際に一番活躍している若い男性(明らかに老人よりも背が高いんだけど)が老人の若き日の姿らしい。
で、そのトランポリンがいつの間にか姿を消し、今度は大きな円錐の柱から吊るしたロープに手や足でぶら下がりながら美女がぐるぐる舞台を回転するシーンになる。最初は何人かが手や足でロープをつかんで周っていたのが、最終的には一人の女性が足で捕まっているだけになり、残りの女性はお互いの手や足や髪の毛(!)をつかんで人間チェーンを作ってぶんぶん舞台を回る。
あれって痛くないのかね??
下手したら禿げそうだし。
女性だからその心配はしなくていいのかな?
勿論、女性はスカート。
下に薄いタイツを履いているけど。
あれって考えてみたら見ている母親陣からよく抗議が出ないよな。
完全に非日常ということで割り切っているんかね?
そんな女性の艶姿を存分に堪能している老人の元へ、いい加減死後の世界へ行けとせっつきに別の神の使い(多分)が現れる。
まだ『思い出』を堪能したい老人が何故か急に若返って神の使いと格闘を始め、思い出の中の仲間に助けられながら神の使いを撃退してしまう。
・・・そしたら生き返ってしまって美女の姿が全部消え、残ったのはベッド元で老人を心配して集まったふくよかな年老いた妻と、成人した子供たちだったという夢オチ(?)な話だ。
「とりあえず、老人と美女・・・(ごほんと咳)じゃなくって女性が5人は舞台で踊る役として必要だな。
後は若き日の老人役と、その仲間の男性が4人と言ったところか。
それに最後に戦う神の使い役が一人。
あまり人数を増やしすぎると術の方が難しくなるから、この12人のショーとしよう」
ダンカンが寮の食堂で皆の前で話していた。
「若かりし日の老人役は戦うシーンもあることだし、ダレンでいいか?」
お~!と賛成の声が上がる。
「戦う方の神の使い役は?」
「カルス!」
「いや、ダルワーナでどうだ?カルスは身が軽いからトランポリン組だろう。」
どんどん立候補やら推薦の声が上がって役割分担が決まっていった。
舞台に上がる12人のほかに、舞台監督や衣裳係、そして何よりも大変な魔術担当。
やることが尽きない。
本当に10日足らずで準備が全部出来るのか、心配になりそうだ。
ちなみに、舞台監督はダンカンとアレクがやることになった。
俺とシャルロはトランポリンで飛び跳ねることに。
女性陣は美女であるかよりも、身体能力で決められていた。
最後に幻想術で彼女たちをナイスバディな美女に見せるかどうかは・・・中々難しい判断だろうなぁ。
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