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卒業後
456 星暦554年 緑の月 6日 俺達専用の屋形船(4)
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「寝室4つに客室4つに居間2つは『屋形船』じゃないって学院長に大爆笑された」
帰宅して、お茶を飲みながらシャルロとアレクに俺達の船のことを話したら、アレクも小さく笑いながら肩を竦めた。
「まあ、水精霊に動かして貰う事を前提とする、言うならば水に浮かぶ屋敷だからね。
屋形船というのはちょっと語弊があるかも知れない。
私もダルム商会でフェルダン氏にかなり変な顔をされたよ」
シャルロがクッキーの缶を取り出しながら首を傾げた。
「そんなに変かなぁ?
便利だと思うんだけど。
僕はちょっと水の上に家を造りたいんだ~って言ったら変な顔をされたけど、蒼流の助けがあるから防水とかバランスは考えなくて良いから移動しやすいように居心地が良い家を船の枠の中に造って欲しいんだって言ったら『分かりました』って言われたよ?」
確かに、移動しやすいように家を船の枠の中に入れるだけ、と説明したら『屋形船を造る』と言うよりも誤解がなくって良いかな?
「『屋形船』って呼ぶと平屋タイプのもっと小さいのを皆思い浮かべるみたいだから、取り敢えず『屋敷船』って呼ばないか?」
「確かにその方が誤解が無くて良いかもね。
防水性も安定性も水や風の抵抗も考えなくて良い上に帆も付ける必要が無いって言ったらフェルダン氏は頭をかきむしっていたからねぇ。
『船』というよりも『移動式の家』と言った方が良いぐらいだよね。
海に浮かべて移動する予定だから取り敢えず『船』とは呼ぶけど、一般的に使われる『屋形船』の名称は使わない方が良いだろうね」
アレクが同意した。
「だったら、『可動式海上屋敷』とでも呼ぶ?」
シャルロが真面目に提案したが・・・流石にそれは無いだろう。
「取り敢えず、『船』と呼ぶことで余分な税金が掛るとか言うんじゃ無い限り、流石に『海上屋敷』よりは『屋敷船』の方が良いんじゃないか?
まあ、シャルロが『可動式海上屋敷』と呼びたいって言うんだったら俺は別に構わないが」
「僕も別に構わないよん」
シャルロは肩を竦めてお茶のお代わりを注いだ。
「そう言えば、学院長は転移箱の事は何か言ってた?」
おっと。
そう言えばそちらを話し合う為に集まったんだった。
「王宮のような警備対象は転移門が使えないように結界が張られているから、下手に転移門の魔術回路を弄くってそれをくぐり抜けるような魔道具を造らなければ大丈夫だろうけど一応王宮と軍部に確認してくれるってさ。
まあ、ガルカ王国のゴタゴタのせいで返事が貰えるまで暫く時間が掛るかもって言っていたけど
転移門の魔術回路その物は魔術院の専門部署で管理しているらしいから、それを見せてもらいに行く際に魔術院にも確認すれば問題無いんじゃ無いか?」
立ち上がってクッキーに手を伸ばしながら答えたら、アレクが首を小さく傾げた。
「そう言えば、王城の周囲にはそれなりのサイズで魔術が使えないフィールドが結界として張りめぐらされているはずではなかったか?
以前、空滑機《グライダー》を開発した際に王宮への侵入に使われたりしたら困ると確認した時にそう言われたような気がしたが」
あれ?
そう言えば、そんな話も聞いた気がしないでも無い。
でも・・・。
「確かにそんな話を学院長から聞いた気はする。
でも、王宮でだって通信機は機能するよな??
転移とか移動とか攻撃魔法のような特定の魔術だけ妨害するんかね?」
シャルロが肩を竦めながら別のクッキーに手を伸ばした。
「そりゃあ、何から何まで全部の魔術を妨害していたらいくら魔力があっても足りないから、危険だと見なされたタイプだけ機能しないようにしているんじゃ無い?
だからこそ、転移門を小さくするために回路を弄っていて王宮の結界をくぐり抜けるようなの造ったら駄目だよ~って学院長は言っていたんじゃないの?」
そうなのか。
しっかし、『王宮で使っている結界はどんな風に機能していますか~?』と聞くわけにはいかないだろうから変な風に機能しちゃわないかどうか、どうやって確認すれば良いんだ??
「まあ、転移門を小さく出来るか否かだってまだ確実では無いんだ。
実際に小さくした魔道具が出来たら、学院長にでも王宮以外の警備対象でそういう転移を防ぐ結界が張ってあるテストに使える場所が無いか聞いてみたら良いだろう。
取り敢えず、学院長から返事が来るまでは、屋敷船に集中しよう」
アレクが提案した。
「了解。
ちなみに、考えてみたらやはり客室4つと居間2つは贅沢すぎないか?
シャルロの家族がしょっちゅうパストン島に遊びに来そうって言うならまあ良いけど、そうじゃなかったら4組も客が来る状況なんて、あまりなさそうだと思うんだが」
幾ら普通の船のような制限が無いとは言え、無駄に大きくしたら使い勝手が悪くなるし、邪魔だ。
ちゃんと要らない部屋は削らないと。
「え~、僕の家族や知り合いだけで無く、ウィルやアレクの知り合いとかも来るかと思って客室4つって思ったんだけど・・・そんなに要らない?」
シャルロが首を傾げながら聞き返してきた。
「一気にそれ程の人数が行きたがるとは思えないから・・・シャルロがそれなりの人数の客を想定しているので無い限り、客室は2つか3つで良いと私も思うな」
アレクが苦笑しながら答えた。
ふむ。
やはりちょっとシャルロが非常識だっただな。
あまり話を進める前に、パディン夫人にも相談して意見を聞いておく方が良さそうだ。
帰宅して、お茶を飲みながらシャルロとアレクに俺達の船のことを話したら、アレクも小さく笑いながら肩を竦めた。
「まあ、水精霊に動かして貰う事を前提とする、言うならば水に浮かぶ屋敷だからね。
屋形船というのはちょっと語弊があるかも知れない。
私もダルム商会でフェルダン氏にかなり変な顔をされたよ」
シャルロがクッキーの缶を取り出しながら首を傾げた。
「そんなに変かなぁ?
便利だと思うんだけど。
僕はちょっと水の上に家を造りたいんだ~って言ったら変な顔をされたけど、蒼流の助けがあるから防水とかバランスは考えなくて良いから移動しやすいように居心地が良い家を船の枠の中に造って欲しいんだって言ったら『分かりました』って言われたよ?」
確かに、移動しやすいように家を船の枠の中に入れるだけ、と説明したら『屋形船を造る』と言うよりも誤解がなくって良いかな?
「『屋形船』って呼ぶと平屋タイプのもっと小さいのを皆思い浮かべるみたいだから、取り敢えず『屋敷船』って呼ばないか?」
「確かにその方が誤解が無くて良いかもね。
防水性も安定性も水や風の抵抗も考えなくて良い上に帆も付ける必要が無いって言ったらフェルダン氏は頭をかきむしっていたからねぇ。
『船』というよりも『移動式の家』と言った方が良いぐらいだよね。
海に浮かべて移動する予定だから取り敢えず『船』とは呼ぶけど、一般的に使われる『屋形船』の名称は使わない方が良いだろうね」
アレクが同意した。
「だったら、『可動式海上屋敷』とでも呼ぶ?」
シャルロが真面目に提案したが・・・流石にそれは無いだろう。
「取り敢えず、『船』と呼ぶことで余分な税金が掛るとか言うんじゃ無い限り、流石に『海上屋敷』よりは『屋敷船』の方が良いんじゃないか?
まあ、シャルロが『可動式海上屋敷』と呼びたいって言うんだったら俺は別に構わないが」
「僕も別に構わないよん」
シャルロは肩を竦めてお茶のお代わりを注いだ。
「そう言えば、学院長は転移箱の事は何か言ってた?」
おっと。
そう言えばそちらを話し合う為に集まったんだった。
「王宮のような警備対象は転移門が使えないように結界が張られているから、下手に転移門の魔術回路を弄くってそれをくぐり抜けるような魔道具を造らなければ大丈夫だろうけど一応王宮と軍部に確認してくれるってさ。
まあ、ガルカ王国のゴタゴタのせいで返事が貰えるまで暫く時間が掛るかもって言っていたけど
転移門の魔術回路その物は魔術院の専門部署で管理しているらしいから、それを見せてもらいに行く際に魔術院にも確認すれば問題無いんじゃ無いか?」
立ち上がってクッキーに手を伸ばしながら答えたら、アレクが首を小さく傾げた。
「そう言えば、王城の周囲にはそれなりのサイズで魔術が使えないフィールドが結界として張りめぐらされているはずではなかったか?
以前、空滑機《グライダー》を開発した際に王宮への侵入に使われたりしたら困ると確認した時にそう言われたような気がしたが」
あれ?
そう言えば、そんな話も聞いた気がしないでも無い。
でも・・・。
「確かにそんな話を学院長から聞いた気はする。
でも、王宮でだって通信機は機能するよな??
転移とか移動とか攻撃魔法のような特定の魔術だけ妨害するんかね?」
シャルロが肩を竦めながら別のクッキーに手を伸ばした。
「そりゃあ、何から何まで全部の魔術を妨害していたらいくら魔力があっても足りないから、危険だと見なされたタイプだけ機能しないようにしているんじゃ無い?
だからこそ、転移門を小さくするために回路を弄っていて王宮の結界をくぐり抜けるようなの造ったら駄目だよ~って学院長は言っていたんじゃないの?」
そうなのか。
しっかし、『王宮で使っている結界はどんな風に機能していますか~?』と聞くわけにはいかないだろうから変な風に機能しちゃわないかどうか、どうやって確認すれば良いんだ??
「まあ、転移門を小さく出来るか否かだってまだ確実では無いんだ。
実際に小さくした魔道具が出来たら、学院長にでも王宮以外の警備対象でそういう転移を防ぐ結界が張ってあるテストに使える場所が無いか聞いてみたら良いだろう。
取り敢えず、学院長から返事が来るまでは、屋敷船に集中しよう」
アレクが提案した。
「了解。
ちなみに、考えてみたらやはり客室4つと居間2つは贅沢すぎないか?
シャルロの家族がしょっちゅうパストン島に遊びに来そうって言うならまあ良いけど、そうじゃなかったら4組も客が来る状況なんて、あまりなさそうだと思うんだが」
幾ら普通の船のような制限が無いとは言え、無駄に大きくしたら使い勝手が悪くなるし、邪魔だ。
ちゃんと要らない部屋は削らないと。
「え~、僕の家族や知り合いだけで無く、ウィルやアレクの知り合いとかも来るかと思って客室4つって思ったんだけど・・・そんなに要らない?」
シャルロが首を傾げながら聞き返してきた。
「一気にそれ程の人数が行きたがるとは思えないから・・・シャルロがそれなりの人数の客を想定しているので無い限り、客室は2つか3つで良いと私も思うな」
アレクが苦笑しながら答えた。
ふむ。
やはりちょっとシャルロが非常識だっただな。
あまり話を進める前に、パディン夫人にも相談して意見を聞いておく方が良さそうだ。
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