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卒業後
403 星暦554年 藤の月 22日 旅立ち?(44)
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「月に1回御用聞きとして酒場から誰かが酒を売りに来るから、適当な銘柄のを5~10本買ってくれ。
それにみかじめ料モドキが含まれることになる。
この領事館の周りを見回りしてくれるとかはないが、『顔役にみかじめ料を払っている団体』の一つとして認識されるから、顔役の配下の人間に襲われることが無くなるし、関係ない奴らに襲われた場合は『ザブル』という酒場に連絡したら顔役の顔を潰したということでそいつらを叩きのめしてくれるそうだ。
それと、裏社会の手伝いが必要になった場合も『ザブル』経由で頼めるが、こちらは別料金になる。
バルダンに関しては軽く話しておいたから、変な奴から干渉されないで済むはずだ」
朝、降りてきたらちょうどナヴァールが朝食を食べているところだったので顔役との話し合いの結果を報告した。
昨日はダブに領事館とアファル王国のことを説明した後、ゼブの所にあっさり案内された。
まあ、考えてみたら幾ら交易で栄えているとは言っても、王都の3分の1にもならない大きさの街だもんな。
しかもその街の4分の1しかカバーしていないのだから、幾らトップの顔役と言ってもそこまで『連絡が取れる酒場』から『顔役』まで沢山の段階を隔てる必要は無かったようだ。
助かったぜ。
お陰で、ゼブとの話がすんなり終わった後にシェイラへのお土産を探しに行けた。
なんとゼブには妻と娘が居るとかで、娘の誕生日によく使う店というのを教えて貰えたのだ。
センスが良いかどうかは分からないが・・・取り敢えず、勧められた店だし、柄もそれ程違和感を感じさせない物だったし、肌触りも良かったのでシェイラ用のスカーフを2枚とパディル夫人ともしもの時に渡せそうなハンカチを合わせて3枚程度買ってきた。
シャルロとアレクに見せたら気に入られて、店に案内する羽目になったが。
お陰で帰って来たら既にナヴァールの姿が見当たらず、報告が遅れた。
まあ、最初に帰った時に外していたのはナヴァールなんだ、俺だけの責任では無い。
「おう、ありがとうよ。
明日にでも、その酒場へ領事館に残るガルバを連れて行ってくれるか?
顔役本人とまで行かなくても、連絡先とは会っておかないともしもの時に騙されたら困るからな」
ナヴァールがお茶を飲みながら上機嫌に答えた。
一緒にいるハルツァもニコニコしながら朝食を食べているので、転移門の設置が無事完了したのかな?
「分かった。
ちなみに、帰りの出発はいつになりそうだ?
もうそろそろなら買い物を終わらせる必要があるし、まだまだ日数があるなら1度周辺を見て回りたいが」
・・・どちらにせよ、今日出発という事は無いだろうから、空滑機《グライダー》で街の周りを飛んでみるのも良いかもな。
いや、下手に空滑機《グライダー》を街の人間に見せると欲しがられるか?
あれを東の大陸で売るかどうかまだ決まってないからなぁ。
アファル王国近辺では、それとなく軍部がシェフィート商会に国外には売らないで欲しいと匂わせたらしい。どうせ製造が販売に追いついていないので売っていないが、こちらはどうなるのかな?
アファル王国がこの東の大陸の国と戦争することはまず無いと思うが、海賊退治モドキな準軍事的衝突はあり得るか?
まあ、新規航路開拓の船が空滑機《グライダー》を乗せるようになったらいつの日か空滑機《グライダー》が奪われるか又買いされる日が来るとは思うが。
「こちらの行政府との交渉は順調に進んでいるから、残りはガルバに任せて次の船で来る担当が最終捺印まで持って行く事になると思う。
転移門の設置もほぼ問題無い。後は少し物や動物を送って試運転するだけだな。
だから後2,3日で出発になると思う」
嬉しそうに笑いながらナヴァールが答えた。
ご機嫌だね~。
そう言えば、こいつって結婚しているんだっけ?
若い奥さんと幼い子供が居てもおかしくない年代だから、早く帰りたいのかな?
今すぐ出発しても1月は家を空けたことになるもんな。
あまり時間を掛けると・・・奥さんが浮気してたり?
まあ、固定式通信機を設置したから話は出来るようになったと思うが、早く帰りたいんだろうな。
俺もいい加減帰りたいし。
・・・考えてみたら、1度俺も通信機でシェイラに連絡して、何か欲しいものがないか確認した方が良いか??
だが、アレクの話だと何やらアファル王国と時間がずれているらしいから、連絡を取るのも中々大変そうなんだよなぁ・・・。
【後書き】
シェイラの場合は宿屋にも通信機があるのでそちらで連絡が取れますが、シェイラが宿に戻っているぐらいの時間かつまだ就寝していない時間帯を狙わないといけないので、時差が分からないと中々難しいんですね~。
まあ、唐変木のウィルが連絡を取ったしても相手が何を土産に欲しがるか、上手く聞き出せるとは思えませんがw
それにみかじめ料モドキが含まれることになる。
この領事館の周りを見回りしてくれるとかはないが、『顔役にみかじめ料を払っている団体』の一つとして認識されるから、顔役の配下の人間に襲われることが無くなるし、関係ない奴らに襲われた場合は『ザブル』という酒場に連絡したら顔役の顔を潰したということでそいつらを叩きのめしてくれるそうだ。
それと、裏社会の手伝いが必要になった場合も『ザブル』経由で頼めるが、こちらは別料金になる。
バルダンに関しては軽く話しておいたから、変な奴から干渉されないで済むはずだ」
朝、降りてきたらちょうどナヴァールが朝食を食べているところだったので顔役との話し合いの結果を報告した。
昨日はダブに領事館とアファル王国のことを説明した後、ゼブの所にあっさり案内された。
まあ、考えてみたら幾ら交易で栄えているとは言っても、王都の3分の1にもならない大きさの街だもんな。
しかもその街の4分の1しかカバーしていないのだから、幾らトップの顔役と言ってもそこまで『連絡が取れる酒場』から『顔役』まで沢山の段階を隔てる必要は無かったようだ。
助かったぜ。
お陰で、ゼブとの話がすんなり終わった後にシェイラへのお土産を探しに行けた。
なんとゼブには妻と娘が居るとかで、娘の誕生日によく使う店というのを教えて貰えたのだ。
センスが良いかどうかは分からないが・・・取り敢えず、勧められた店だし、柄もそれ程違和感を感じさせない物だったし、肌触りも良かったのでシェイラ用のスカーフを2枚とパディル夫人ともしもの時に渡せそうなハンカチを合わせて3枚程度買ってきた。
シャルロとアレクに見せたら気に入られて、店に案内する羽目になったが。
お陰で帰って来たら既にナヴァールの姿が見当たらず、報告が遅れた。
まあ、最初に帰った時に外していたのはナヴァールなんだ、俺だけの責任では無い。
「おう、ありがとうよ。
明日にでも、その酒場へ領事館に残るガルバを連れて行ってくれるか?
顔役本人とまで行かなくても、連絡先とは会っておかないともしもの時に騙されたら困るからな」
ナヴァールがお茶を飲みながら上機嫌に答えた。
一緒にいるハルツァもニコニコしながら朝食を食べているので、転移門の設置が無事完了したのかな?
「分かった。
ちなみに、帰りの出発はいつになりそうだ?
もうそろそろなら買い物を終わらせる必要があるし、まだまだ日数があるなら1度周辺を見て回りたいが」
・・・どちらにせよ、今日出発という事は無いだろうから、空滑機《グライダー》で街の周りを飛んでみるのも良いかもな。
いや、下手に空滑機《グライダー》を街の人間に見せると欲しがられるか?
あれを東の大陸で売るかどうかまだ決まってないからなぁ。
アファル王国近辺では、それとなく軍部がシェフィート商会に国外には売らないで欲しいと匂わせたらしい。どうせ製造が販売に追いついていないので売っていないが、こちらはどうなるのかな?
アファル王国がこの東の大陸の国と戦争することはまず無いと思うが、海賊退治モドキな準軍事的衝突はあり得るか?
まあ、新規航路開拓の船が空滑機《グライダー》を乗せるようになったらいつの日か空滑機《グライダー》が奪われるか又買いされる日が来るとは思うが。
「こちらの行政府との交渉は順調に進んでいるから、残りはガルバに任せて次の船で来る担当が最終捺印まで持って行く事になると思う。
転移門の設置もほぼ問題無い。後は少し物や動物を送って試運転するだけだな。
だから後2,3日で出発になると思う」
嬉しそうに笑いながらナヴァールが答えた。
ご機嫌だね~。
そう言えば、こいつって結婚しているんだっけ?
若い奥さんと幼い子供が居てもおかしくない年代だから、早く帰りたいのかな?
今すぐ出発しても1月は家を空けたことになるもんな。
あまり時間を掛けると・・・奥さんが浮気してたり?
まあ、固定式通信機を設置したから話は出来るようになったと思うが、早く帰りたいんだろうな。
俺もいい加減帰りたいし。
・・・考えてみたら、1度俺も通信機でシェイラに連絡して、何か欲しいものがないか確認した方が良いか??
だが、アレクの話だと何やらアファル王国と時間がずれているらしいから、連絡を取るのも中々大変そうなんだよなぁ・・・。
【後書き】
シェイラの場合は宿屋にも通信機があるのでそちらで連絡が取れますが、シェイラが宿に戻っているぐらいの時間かつまだ就寝していない時間帯を狙わないといけないので、時差が分からないと中々難しいんですね~。
まあ、唐変木のウィルが連絡を取ったしても相手が何を土産に欲しがるか、上手く聞き出せるとは思えませんがw
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