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卒業後
354 星暦553年 橙の月 25日 これも後始末?(14)
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ボロい建物が密集している地域を網羅できる一番早いルートを裏ギルドの男に案内してもらいながら歩く。
心眼に集中するために、あまり嬉しくないが青に腕をつかんで引っ張って貰っている。
爆破装置に使われている魔道具の魔石が小さいので、目を閉じて集中した方が探しやすいんだよね。
・・・と言うか、目を閉じないと見逃しかねない。
スラムと下町の境めぐらいにも木炭の粉から出来た爆破装置で吹き飛ぶような荒ら屋が建っている地域があるというので、そちらも探索の範囲に入れて案内して貰っている。
何時に騒動を起こすつもりなのか分からないが、出来ればパレードが始まる前までに探索を終わらせたい。
全部見つかる前に装置を起動されたら、下手をしたら俺たちが火に巻かれかねないからな。
まあ、清早がいるから死なないとは思うけど。
それでも、周りを焔に包まれたら空気がなくなる可能性もあり、危険だ。
「あった。こっちだ」
まず1つ、見つけた。
魔石の光を頼りに途中にあった家の中を通りぬけて爆破装置が設置してある荒ら屋へたどり着く。
扉を蹴り破って障害物が壁のように積み上げられているのを見て、裏ギルドの男が後ろから付いてきていた男達に声を掛けた。
「おら、一気に片付けるぞ!」
今回は障害物撤去リレーには参加せず、心眼の範囲を広げて次に向かう予定の方向を探し始める。
物理的に自分が近づく方が楽なんだが、心眼の範囲を広げることだって可能ではある。
集中するあまり頭が軽く痛くなってきたが。
こめかみを揉み解しながら心眼を使っていたら、青が腕を引いた。
「もうここに居る必要は無い。
次に向かおう」
確かに、あれだけ単純な構造だったら、解体そのものに魔術師が立ち会う必要は無い。
脅威なのはタレスの焔が発生してからだ。
それまでは単に幾つかの小さな樽が積んであるだけであり、それを分ければ問題は無い。
「こちらだ!」
裏ギルドの男が道案内を再開してくれたようだ。
取り敢えず、青がしっかり俺を引きずって行ってくれると信頼して、目を閉じたまま心眼で探索を続ける。
そんなこんなでパレードが始まる10刻の鐘が鳴った時点で、5つの爆破装置を発見していた。
「もうすぐパレードが始まるが、あとどの位の範囲が残っているんだ?」
10刻の鐘の音を聞いて、青が裏ギルドの男に尋ねる。
「あと少しだ」
半ば走りながら男が答える。
流石に完全に走ると心眼に集中しきれないので早歩きにして貰っているのだが、先程から歩みが段々早くなっている。
まあ、焦る気持ちも分かるけどさ。
だから文句言わずに何とか足を動かしているのだが・・・これだったら、青におんぶでもして貰って動く方が早いか?なんて思いながら必死の思いで心眼を集中していたら、向かっている方向で魔石がその魔力を解放するの視えた。
「爆発する!!」
タレスの焔の直撃を受けたらしゃれにならないので、慌てて横道に入る。
『清早!消せないのは分かるが、結界か何かを張ってタレスの焔が他の建物に触れるのを防げるか??』
燃え広がったら水で消せないにしても、広がるのを防げれば砂で何とか消火できるかも知れない。
『おう!
風のにも応援を頼んでおいたから、広がらないように止めておくね。
何カ所もあったらどうしようかと思ったけど、ここだけだったら何とかなる!』
清早の力強い返事に、ふうっと一瞬安堵の息が抜けた。
「結界で周りにタレスの焔が広がらないようにとどめるから、力が尽きる前に砂を持ってきて消火してくれ」
裏ギルドの男に声を掛ける。
「お前ら!砂だ、砂で消火しろ!」
周りの男達が爆破装置があった荒ら屋の周りの家を取り壊し、スラムの住人達が消火用の砂を持ってきている間に、まだ探索できていなかった残りの範囲を心眼で調べる。
一個一個魔道具を起動しているのだったらまだ他にも装置があるかもしれない。
最初の爆破の際にタレスの焔が飛び散るのを防ぎ、周りの家を取り壊せればこの爆破装置の火事だって普通の火事と大して差は無い。
だからここはもう俺がいなくても何とかなる。
他の場所でも爆破があるならそっちを何とかしないと、
ドガ~ン!!
そんなことを考えていたら、調べた地域から微妙に下町寄りに外れた場所で爆音と共に焔が空に立ち登るのが見えた。
ちっ!!
まだあったか!
一体どんだけ予算を注ぎ込んだんだよ、ガルカ王国!!
心眼に集中するために、あまり嬉しくないが青に腕をつかんで引っ張って貰っている。
爆破装置に使われている魔道具の魔石が小さいので、目を閉じて集中した方が探しやすいんだよね。
・・・と言うか、目を閉じないと見逃しかねない。
スラムと下町の境めぐらいにも木炭の粉から出来た爆破装置で吹き飛ぶような荒ら屋が建っている地域があるというので、そちらも探索の範囲に入れて案内して貰っている。
何時に騒動を起こすつもりなのか分からないが、出来ればパレードが始まる前までに探索を終わらせたい。
全部見つかる前に装置を起動されたら、下手をしたら俺たちが火に巻かれかねないからな。
まあ、清早がいるから死なないとは思うけど。
それでも、周りを焔に包まれたら空気がなくなる可能性もあり、危険だ。
「あった。こっちだ」
まず1つ、見つけた。
魔石の光を頼りに途中にあった家の中を通りぬけて爆破装置が設置してある荒ら屋へたどり着く。
扉を蹴り破って障害物が壁のように積み上げられているのを見て、裏ギルドの男が後ろから付いてきていた男達に声を掛けた。
「おら、一気に片付けるぞ!」
今回は障害物撤去リレーには参加せず、心眼の範囲を広げて次に向かう予定の方向を探し始める。
物理的に自分が近づく方が楽なんだが、心眼の範囲を広げることだって可能ではある。
集中するあまり頭が軽く痛くなってきたが。
こめかみを揉み解しながら心眼を使っていたら、青が腕を引いた。
「もうここに居る必要は無い。
次に向かおう」
確かに、あれだけ単純な構造だったら、解体そのものに魔術師が立ち会う必要は無い。
脅威なのはタレスの焔が発生してからだ。
それまでは単に幾つかの小さな樽が積んであるだけであり、それを分ければ問題は無い。
「こちらだ!」
裏ギルドの男が道案内を再開してくれたようだ。
取り敢えず、青がしっかり俺を引きずって行ってくれると信頼して、目を閉じたまま心眼で探索を続ける。
そんなこんなでパレードが始まる10刻の鐘が鳴った時点で、5つの爆破装置を発見していた。
「もうすぐパレードが始まるが、あとどの位の範囲が残っているんだ?」
10刻の鐘の音を聞いて、青が裏ギルドの男に尋ねる。
「あと少しだ」
半ば走りながら男が答える。
流石に完全に走ると心眼に集中しきれないので早歩きにして貰っているのだが、先程から歩みが段々早くなっている。
まあ、焦る気持ちも分かるけどさ。
だから文句言わずに何とか足を動かしているのだが・・・これだったら、青におんぶでもして貰って動く方が早いか?なんて思いながら必死の思いで心眼を集中していたら、向かっている方向で魔石がその魔力を解放するの視えた。
「爆発する!!」
タレスの焔の直撃を受けたらしゃれにならないので、慌てて横道に入る。
『清早!消せないのは分かるが、結界か何かを張ってタレスの焔が他の建物に触れるのを防げるか??』
燃え広がったら水で消せないにしても、広がるのを防げれば砂で何とか消火できるかも知れない。
『おう!
風のにも応援を頼んでおいたから、広がらないように止めておくね。
何カ所もあったらどうしようかと思ったけど、ここだけだったら何とかなる!』
清早の力強い返事に、ふうっと一瞬安堵の息が抜けた。
「結界で周りにタレスの焔が広がらないようにとどめるから、力が尽きる前に砂を持ってきて消火してくれ」
裏ギルドの男に声を掛ける。
「お前ら!砂だ、砂で消火しろ!」
周りの男達が爆破装置があった荒ら屋の周りの家を取り壊し、スラムの住人達が消火用の砂を持ってきている間に、まだ探索できていなかった残りの範囲を心眼で調べる。
一個一個魔道具を起動しているのだったらまだ他にも装置があるかもしれない。
最初の爆破の際にタレスの焔が飛び散るのを防ぎ、周りの家を取り壊せればこの爆破装置の火事だって普通の火事と大して差は無い。
だからここはもう俺がいなくても何とかなる。
他の場所でも爆破があるならそっちを何とかしないと、
ドガ~ン!!
そんなことを考えていたら、調べた地域から微妙に下町寄りに外れた場所で爆音と共に焔が空に立ち登るのが見えた。
ちっ!!
まだあったか!
一体どんだけ予算を注ぎ込んだんだよ、ガルカ王国!!
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