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久しぶり
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帰って早々に騎士との合同訓練とはこちらの魔法士も忙しいなと思った私は予め説明された騎士と魔法士の二人一組で行う訓練の相手である騎士を待っていた。周りを見ればおおかた相手が見つかり、別の訓練所へ皆行ってしまった様子でそろそろ来てくれないとここに私ひとりになりそうだ。渡された紙に書かれた番号と同じ番号の場所に立って相手を待つ仕様なため相手が誰かも分からず、ひたすら困惑するしかない。
どれだけ待ってもいっこうに現れる様子がない相手に私と分かり放置された可能性もありそうだと思い始めた頃、とうとう私ひとりになってしまい立っているのも疲れ、壁へもたれる。待つしかすることもない私は帰ってきたばかりで忙しかったこともあり眠たく、うとうとしてしまう……。
「レド、起きて……」
名を呼ばれ、肩を叩かれる感覚に私はいつの間にか眠っていたことに気付くと同時に目の前に懐かしい顔があった。自分の記憶よりも大人な顔つきだがそれでもよく見ていたから覚えている。
「ディア……」
私が名前を呼ぶと目の前の彼は嬉しそうに微笑んで「レド、久しぶり」と言った。「久しぶり」と私も返せば彼から抱きしめられる。寝起きでされるがままだったが彼が本当に私との再会を喜んでくれている様子を感じ私も彼の背中に手を回す。
「ああ、嬉しいよ。元気にしていた? ずっと会いたかった……」
言葉とともに抱擁を強める彼に苦笑してしまう。久しぶりに会う私へ嘘でもそんなことを言ってくれる彼は相変わらず人が出来てるようだ。
「私も嬉しいよ。見ての通り元気にはしていたさ、ディアはどう?」
前は身長差がそれほどなかったはずが少し見上げなくてはいけなくなった彼の顔を抱擁をゆるめ、見た。目の合った彼は優しく笑って「私もこの通り元気だよ」と言う。そして彼は最後にもう一度というように抱きついて、離れた。
「それにしても長いこと待たせて本当に申し訳ない。私たちの今日の訓練は無しにして部屋ででも休むかい?」
出入り口を見てから問う彼だったが私はよく意味が分からず、返答に困ってしまった。困惑する私に彼は彼で「もしかして具合でも悪い?」などと見当外れな心配をし始めるため、首を横に振り口を開く。
「私の訓練相手はまだ来れないということだろうか? 来る予定なら私はここで待つからディアは相手のもとに……」
漸く返答を返す私を彼は遮るように「待って」と手を出して言った。遮られた私は従い口を閉じ、どうしたんだと不思議そうに彼を見る。
「レドの相手は私なのだけれど、もしかして聞いてなかった?」
彼の顔を見つめ三拍ほどおいた私は「え?」と驚いてしまった。
どれだけ待ってもいっこうに現れる様子がない相手に私と分かり放置された可能性もありそうだと思い始めた頃、とうとう私ひとりになってしまい立っているのも疲れ、壁へもたれる。待つしかすることもない私は帰ってきたばかりで忙しかったこともあり眠たく、うとうとしてしまう……。
「レド、起きて……」
名を呼ばれ、肩を叩かれる感覚に私はいつの間にか眠っていたことに気付くと同時に目の前に懐かしい顔があった。自分の記憶よりも大人な顔つきだがそれでもよく見ていたから覚えている。
「ディア……」
私が名前を呼ぶと目の前の彼は嬉しそうに微笑んで「レド、久しぶり」と言った。「久しぶり」と私も返せば彼から抱きしめられる。寝起きでされるがままだったが彼が本当に私との再会を喜んでくれている様子を感じ私も彼の背中に手を回す。
「ああ、嬉しいよ。元気にしていた? ずっと会いたかった……」
言葉とともに抱擁を強める彼に苦笑してしまう。久しぶりに会う私へ嘘でもそんなことを言ってくれる彼は相変わらず人が出来てるようだ。
「私も嬉しいよ。見ての通り元気にはしていたさ、ディアはどう?」
前は身長差がそれほどなかったはずが少し見上げなくてはいけなくなった彼の顔を抱擁をゆるめ、見た。目の合った彼は優しく笑って「私もこの通り元気だよ」と言う。そして彼は最後にもう一度というように抱きついて、離れた。
「それにしても長いこと待たせて本当に申し訳ない。私たちの今日の訓練は無しにして部屋ででも休むかい?」
出入り口を見てから問う彼だったが私はよく意味が分からず、返答に困ってしまった。困惑する私に彼は彼で「もしかして具合でも悪い?」などと見当外れな心配をし始めるため、首を横に振り口を開く。
「私の訓練相手はまだ来れないということだろうか? 来る予定なら私はここで待つからディアは相手のもとに……」
漸く返答を返す私を彼は遮るように「待って」と手を出して言った。遮られた私は従い口を閉じ、どうしたんだと不思議そうに彼を見る。
「レドの相手は私なのだけれど、もしかして聞いてなかった?」
彼の顔を見つめ三拍ほどおいた私は「え?」と驚いてしまった。
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