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第13章 神話怪盗ウィアードテールズ

母と娘、父と娘

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 ウィアードテール騒動と、大盛況に終わった委員長の場繋ぎライブから数日後。
 とある平日の昼下がりの、繁華街の一角。
 看板に3人の天女と『太賢飯店』の店名が描かれた店の中で、

「彼女のツケは、そこまでのことになっていたのか……」
「舞奈ちゃん、そんなことを言ってたアルか……」
 公安の術者のひとり猫島朱音は、店主の張と顔を見合わせて苦笑していた。

 先日の騒動で、自分たちを接戦の末に打ち負かした偽ウィアードテールのうち2人。

 その片割れの志門舞奈は、去り際に店の案内カードを投げ寄越した。
 何を食っても美味い上に自分の名前でツケがきくと言い残して。
 以前に奢ったカレーへの意匠返しのつもりか。

 大食漢ながらも舌は肥えていそうな彼女がそうまで言い切る店には興味がある。
 東京に戻る前に、是非とも食べてみたいと思った。
 それに幼い強者たちの奮戦に答える意味もこめて、同僚を連れて来店した。

 職務中は深編笠ふかあみがさをかぶることの多い同僚のフランシーヌ。
 だが彼女も、今日ばかりは流れるような金髪をあらわにしている。

 そして昼飯には少し遅い時間とはいうものの人気のまったくない店内に若干の不安を覚え、それでも小太りで感じのいい店主と意気投合して雑談していた朱音は、

「もちろん、今日の代金は現金で支払わせていただく」
 きっぱり言い放った。

 もとより大人が、子供の名前で食費をツケにする気など毛頭なかった。
 だが張から聞いた舞奈のツケの状況は予想外だった。だから、

「それと、次に会った時に厳しく言い含めておこう」
 苦笑しながら宣言する。

「払うつもりのないツケは、無銭飲食と同じだと」
「……よろしく頼むアルよ」
 張も苦笑しつつ、首の見えない饅頭顔と繋がった肩を器用にすくめた。

「ふふ。お話が終わりましたら、料理を選ばせていただきましょう」
 カウンターの隣の席で、フランシーヌはメニューを広げてニコニコと見ていた。
 朱音はそれもそうだとメニューを覗きこむ。

 美味そうな料理が並ぶメニュー表は繁体字で書かれ、小さくルビがふられている。
 なかなかに雰囲気がある。

 その中でも舞奈がおすすめと言った担々麺を、なるほどこれはと一瞥する。
 だが飯物も捨てがたい。
 特に麻婆飯など、とろりとした辛みと旨味が写真の中から飛び出してきそうだ。
 それに色好く焼けた焼き餃子も、瑞々しい水餃子も食欲をそそる。

 なので腹具合を計算しつつメニューを凝視していると、

「こう見えても、わたしは和食が大好きなんです」
「「え!?」」
 フランシーヌが心から楽しそうに、そう言った。

「中でもラーメンが好きです。ラーメンはこれですか?」
「和食じゃなくて中華アルよ……」
「そもそもラーメンは和食なのか……?」
 金髪美女の妄言に、張と朱音は顔を見合わせて困惑した。

 そんなことのあった平日の、夕方。
 日比野邸の2階にあるネコポチの部屋――元はチャビーの兄が暮らしていた部屋で、

「ナァー?」
 外に気配を感じ、少しだけ大きくなった子猫は窓枠に跳び乗った。

 窓には脱走避けの金網が張られている。
 もちろん重力を操ることのできるネコポチに対して、そんなものに意味はない。
 だが、それが今の飼い主のネコポチへの愛情だから外には出ない。

 代わりに金網の向こうを見やる。

 そこに居たのは1匹のハリネズミだった。

 ネコポチの目前で、小さな生き物の姿がねじれる。
 それが魔力によって引き起こされる現象だと、今のネコポチは知っている。
 小さな魔力の塊は少しだけ広がり、変化し――

「――!?」
 美しい猫の姿になった。

 自分と同じ茶色のトラ縞模様の、大人の雌猫。
 窓枠にかけられた手の、ぷにぷにとした肉球のついた指の数は6本。
 金網ごしに見つめる、あたたかな眼差しは……

『……ママ?』
 猫の言葉で、ネコポチはひとりごちるように問いかける。
 雌猫はうなずく。そして、

『会いに来るのが遅れて、ごめんなさい』
 懐かしい声色で、母猫は言った。
 ネコポチは瞳孔を開いたまま、人の仕草を真似て首をぷるぷると横に振る。

 胸がいっぱいだった。
 もう会えないと思っていた母猫が目の前にいる、それだけで十分だった。

『あの日、わたしはあの場所で、オートバイに轢かれて命を落としたわ。けど気がついたらわたしはまだ生きていて、側には人間の飼い主がいた』
 夢にまで見た母の声。
 ネコポチにうっとりと聞き惚れる。
 そんな我が子に、母猫はあの懐かしい日々と変わらぬ慈愛の瞳を向けながら、

『わたしは貴女に会いに行こうとした。けど、わたしと飼い主は、あの場所からずっと離れた場所にいた。猫の情報網を使って貴女を探そうとしたけれど……』
 そこで母猫は表情を歪ませ、

『……できなかった。わたしは猫ではなくなっていたの。一度死んで、猫ではない何かに生まれ変わっていたの』
『知ってるよ、ボク。それは魔法って言うんだよね?』
 得意げに言ったネコポチに母猫は驚き、そして頷く。
 そんな母の仕草に、自分が少し大人になれた気がして嬉しかった。だから、

『ボクも同じだよ』
 ネコポチも得意げに言った。

『ママが恋しくて、ママになりたくて、ある日、見つけた魔法を使った。けど元に戻れなくて、どうしようもなくなって、けど、みんながたすけてくれた』
 ネコポチの言葉に、母猫も思わず目を丸くする。
 そんな仕草のひとつひとつが嬉しくて、少しだけ大きくなった子猫は言葉を続ける。

『元に戻った後も、ボク少しだけ魔法が使えるんだ。ボクの中に魔力があって、それを使う方法も覚えたもの』
 言いつつ背に小さな黒い羽根を生成し、反重力でくるりと一回転してみせる。

『それでね、ボクには飼い主が……新しいママができたんだ。その子も大事な人を亡くして、でもボクに優しくしてくれた。ネコポチって、名前もつけてくれたんだ』
 自慢げに語る。

 母猫を寂しがらせてしまうかな?
 ふと、そう思って不安になったネコポチに、

『わたしもよ』
 母も微笑みながら言った。

『今のわたしの名前はルビーアイ。飼い主がつけてくれた名前よ』
 言いつつ小さなハリネズミに姿を変え、再び猫に戻る。
 一度そうだと気づいてしまうと、ハリネズミの姿でも母の面影を見ることができた。

『ねえ、ネコポチ。今のママは優しい?』
『うん!』
 母猫の問いに、ネコポチは力強く答える。

『チーかまをいっぱいくれて、いっぱい甘えさせてくれるよ。けど少し頼りなくて、ボクが魔法でまもってあげなくちゃいけないんだ』
『ふふ……』
 屈託のない子猫の言葉に、母猫は思わず微笑む。

『わたしの飼い主も、ちょっと頭が……いえ、とてもユニークなものの考え方をする子で、わたしがついていないと何をしでかすかわからないの』
『同じだね』
『ええ、同じね』
 かつて引き裂かれた母猫と子猫は、金網ごしに笑みを浮かべる。

 どちらもこの金網を破って、共に2匹で逃げ去ることはできる。
 けど、どちらもそれをしない。
 2匹がそれぞれの幸せを見つけたから。

『よかったわ。貴女が幸せでいてくれて……』
 母親は子猫に慈愛の視線を向ける。
 それを子猫は見やり、

『ママも今、幸せ?』
『ええ!』
 先日に舞奈から問われたのと同じ問いに、今度は即答することができた。

『だから、もう行かなきゃ』
『うん』
 幸せな母猫と子猫は、再び笑みを向け合う。

 そして母猫は母の面影を残したハリネズミの姿へと転じ、夜闇へと身を躍らせた。
 その身体が不意に何かに持ち上げられ、

「ルビーアイ、おかえりー!」
 小さな獣をキャッチしたのは長髪の少女だ。

 彼女は陽子――ルビーアイの飼い主であり、ウィアードテールの正体だ。

「お話は済んだ?」
「ええ。……ありがとう陽子、わたしのわがままに付き合ってくれて」
「いいってことよ!」
「ルビーアイちゃんも、いつもわたしたちの我儘に付き合ってもらっていますものね」
 陽子の側にいたショートカットの少女が微笑む。

 こちらは夜空。
 陽子の友人であり、『夜闇はナイト』の召喚主だ。

「下で待っていてくれても良かったのに。ここじゃ目立つし危険よ」
「ほら、こっちのほうが高いから」
 飼い主の要領を得ない答えと、ニコニコしているだけの友人に苦笑する。
 ルビーアイの新しい娘は、頭の出来の残念な娘だ。
 さらに残念なことに、一見まともそうな友人も実のところ同類だ。つまりバカだ。

「――ネコポチー? 外に何かいるのー?」
 部屋の中から幼い少女の声がした。
 ネコポチの飼い主だろう。
 ニャーニャー鳴いていたので、気になって見に来たのだろう。

 一瞬だけ、娘の新しいママがどんな娘か見てみたいと思った。

 だが、やめた。
 それはフェアじゃないと思った。
 なぜなら母猫は、子猫に新しい娘を紹介していない。

 それより、ほら、言わんこっちゃない。
 誤魔化すか、こっそり退散する算段を立てていたルビーアイを肩に乗せつつ、

「にゃ、にゃあ~?」
 ウィアードテール――陽子は鳴いた。

 陽子!? なぜ猫の鳴きまねをしたの!?
 誤魔化すつもりだったのだろうか?
 頭がアレな飼い主の奇行にルビーアイは戸惑いつつも、

「ほかのネコちゃんとお話してたの?」
 幼女の声に耳を澄ます。

「ごめんね。ネコポチを外に出してあげるわけにはいかないの。ネコポチが……帰ってこなかったらヤダもん」
「ナァ~」
「でもね、代わりに今日はネコポチの大好きなチーかまをいっぱいあげるね」
「ニャ~~!」
 こちらも楽しそうな1匹とひとりの会話を聞きながら、ルビーアイは微笑んだ。

「あ、そうだ! はやく楓さんのところに行かなきゃ! 今度は偽物なんて作れないような、すっごくカッコイイ予告状のデザインを考えてもらうんだ!」
「そうね。その前にここから抜け出さないと。見つからないようにね……」
 苦笑しつつルビーアイは思案を巡らせる。

 頭の出来が残念な2人の娘がどうやって民家の屋根に上ったのか。
 そして、どうやって降りるつもりだったのかに……。

 そのように舞奈のあずかり知らぬ場所で諸々の出来事があった日の、翌日。
 生徒でごった返す朝の校門前で、

 皆と同じく登校してきた舞奈は、チャビーと桜とばったり出くわしていた。

「――でね、ベティさんとクレアさんがたすけてくれたんだよ!」
「なのー!」
 2人は派手な身振り手振りをまじえて、例の日の話を熱弁していた。

 チャビーと桜はウィアードテールになって、舞奈たちと共に委員長宅に押し入った。
 でも早々に捕まった。
 その後しばらく、地元警察による取り調べを受けていたらしい。
 その1時間足らずが、2人には余程こたえたようだ。

 だが当初の予定通り、訓練の連絡不徹底という体での事後処理は迅速に行われた。

 つまり関係各所への連絡はつつがなく完了した。
 そして手違いで警察に拘束された『関係者』も速やかに回収された。
 回収に向かったのはベティとクレアだ。
 
 市民を脂虫から守る役にはたたないくせに、子供や弱者にとことん強気な地元警察。
 そんな大人に取り囲まれて心底怯えていた中に、知人の警備員があらわれた。

 無論プライドばかり高い奴らは捕らえた子供の引き渡しにも難色を示したはずだ。

 だが2メートル近い長身で浅黒いベティは、凄むと結構な迫力がある。
 着やせしているが筋骨隆々とした金髪美女のクレアと並ぶと威圧感も2倍だ。
 それは舞奈がいくら最強でも、子供だからと言う理由でできないことのひとつだ。

 そんな2人が正規の書面を携えて訪れたのだ。

 権威をかさに着て弱者をなぶる卑怯者は、更なる権威や強者にはとことん弱い。
 威圧的な警官を押しのけて登場した警備員は、2人にはさぞ頼もしく見えただろう。

「だから」
 チャビーは満面の笑みを浮かべ、

「わたしの王子さまはベティさん!」
「おっ、嬉しいこと言ってくれるっすね!」
 ベティの腕にぶらさがる。

 長躯のベティは横に腕を伸ばす。
 すると、ぶらさがった幼女は足がつかずにぶらぶらする。
 しかも屈強な腕は身体強化なしでもピクリとも動かない。
 まさに人間ブランコだ。

「桜の王子さまはクレアさん!」
「ふふっ、光栄です」
 桜はクレアの二の腕にしがみつく。
 金髪美女も、まんざらでもない様子で笑いつつ、ひょいと桜を抱え上げる。

 戦闘では後衛を務める彼女。
 だが鍛え抜かれた筋力はベティ以上。
 なにせグレネードランチャーエクスカリバーMk2アサルトライフルL85A2を使い分けるのだ。
 それに比べれば女子小学生の体重なんて羽根みたいなものだ。

「……そりゃポリティカルコネクトに配慮した素晴らしい発言だ」
 舞奈はやれやれと肩をすくめる。途端、

「――また通行の邪魔をして」
「だから、あたしは何もしてないだろ」
「ふふ、おはようマイちゃん。みなさんもおはようございます」
 背後から明日香が毒づきながら、園香がにこやかに登校してきた。

「この前の園香の衣装、すっごく着やすくて動きやすかった。恩に着るぜ」
「そんな。ウィアードテールのマイちゃんも格好良かったよ」
「エヘヘ、そうかな」
 園香の笑顔に思わず相好を崩す舞奈を見やり、今度は明日香が肩をすくめる。
 そんな中、

「みなさん、おはようございます」
 委員長が礼儀正しくやってきた。

「この前の委員長の歌、すごかったね!」
「桜も感動したのー!」
 チャビーはベティの腕から跳び下り、桜といっしょに委員長を称える。

 すべてが終わった後、皆はあずさのライブと、そして委員長の曲を聞いた。
 だから園香も明日香も、舞奈も笑う。

 そもそも件のウィアードテール騒ぎは委員長がライブ会場に行くためのものだ。
 皆が力を合わせた計画は、見事に成功をおさめたのだ。だから、

「みなさんも、手伝ってくれてありがとうなのです」
 言って委員長は笑顔で一礼する。

 だが、その表情に一瞬だけ陰りが差したのを舞奈は見逃さなかった。
 父親のことを考えているのは明白だ。
 ライブに反対する父親の制止を振り切り、彼女は歌った。

 その後に親子関係がひどく不仲になったとは聞いていない。
 だが、生真面目で和を重んずる彼女にとって、それが懸念になっているのは確かだ。

 そんな友人を、園香は気づかわしげに見やる。

 舞奈は何食わぬ顔で委員長の側に立ち、

「……おまえの親父さんさ、部屋の前にいたんだ」
 本人にしか聴き取れぬほど小さな声で、ボソリと言った。

「撃てもしないショットガン持って、お前の部屋のドアの前で、ずっと待ってた」
 予告状の主を。

 ――来週の日曜日、貴方のいちばん大事なものをいただきます

 そのふんわりとした予告に、彼は娘の部屋の前で答えた。

 自分のいちばん大事なものは、この先にあると。
 名だたる宝物が展示された宝物庫ではなく。

 しかも、それは手ずから銃を向けることにより社会的な立場や信用を危うくするほど大事なものなのだと。自分のすべてより、大切な娘だと。

 舞奈にとって、それは不器用ながらも完璧な答えのように思えた。
 だが同時に、それが委員長にとって同じ意味を持つとは限らないのだと。
 それでも、

「……それはわかってるいのです」
 委員長は言葉少なくそう答えて……少し笑った。

 同じ頃。
 梨崎邸の一角にある委員長の部屋で、

「紗羅はお前の世話を、きちんとしているようだな」
 サイドテーブルの片隅に設えたエース君のケージを見やり、父は満足げにうなずく。

 委員長父は、普通に娘の部屋に入る。
 娘がいつ公人になってもいいようにと決めた教育指針によるものだ。
 隠し事はすべからく露見するし、公にできないことはするべきじゃない。
 無論、そのルールは自身に対しても適用される。
 父の私室に、書斎に、娘がいつ入っても非難することはしない。
 そもそも、どちらの部屋にも使用人が普通に入って掃除する。

 余談だが、自宅にプライベートな空間がないという環境は桜と同じである。
 あちらは貧乏子だくさんのせいで自室がないだけなのだが。
 まあ理由はどうあれ、それは真逆な性格の2人が妙にウマの合う理由のひとつだ。

 そんな部屋の片隅に建ち尽くし、父はケージにそっと手を入れる。
 ハリネズミは小さな鼻を指に押し当てる。
 そして飼い主に似て異なる匂いを嗅いで「キュー」と鳴く。
 その様を見やって父は笑う。

 娘がハリネズミを飼いたいと言った日、ロックな趣味だと心躍らせたのは事実だ。

「……それにしても、なんで紗羅はおまえに、エースなんて名を付けたのだろうな」
 寂しそうに語る。
 ふと側に立てかけられた、古びた額縁が目に入る。

 映っているのはギターを抱えた若い男と、赤子を抱いた若い女。
 男は照れくさそうに笑っている。
 女の表情は……窓から差しこむ光に遮られて見えない。

 だから父は苦しげに顔を歪めただけで済んだ。
 それでも光の中に、慈しむように優しく微笑む彼女の姿が見えた気がして――

「――ッ」
 ケージ入れっぱなしだった指をハリネズミが甘噛みした。
 父は慌てて手を引っこめる。
 そして指先を見つめる。右手の人差し指は、ギターのピックを支える指だ。

 エース君が噛む子だとは聞いていないし、紗羅はその類の事を隠すタイプではない。
 つまり先ほどの自分はそれほど――

「すまない。見苦しいところを見せた」
 娘に似た生真面目な表情で言葉をかける。
 そして「キュー?」と鳴く小さな生き物から目をそらし、

「だがな、わたしはもう……」
 幼いロッカーの父親は、あるいは裏の世界の国防の一角を担う運輸会社の社長は、ひとりごちるように言った。

「わたしはもう……何者でもないのだよ」
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