上 下
144 / 524
第9章 そこに『奴』がいた頃

晩餐1

しおりを挟む
「なんだか、お祭りみたいで楽しいね」
 ニコニコ笑いながら、チャビーが言った。

「マイと安倍さんがいて、小夜子さんがいて、ゾマがいて……」
 言いながら店内を見渡す。
 舞奈も明日香も笑みを返す。

 けどチャビーは店を見回し続ける。
 そこにいるはずのない、誰かを探すように。
 けど見つからなくて、見つかるはずもなくて、その事実に耐えかねたように、

「お兄ちゃんも、いっしょにいられたら良かったのにね……」
 ぽつりと漏らした。

 その一言をきっかけに、店の空気が重苦しいものに変わる。

 彼を育て上げたチャビーの両親、幼馴染だった小夜子。
 同じ事件で最愛の弟を亡くした桂木姉妹。

 ここにいる誰もが思っていた。
 けれども、その言葉を口にしていいのはただひとりだと心得ていた。

 それは小4という幼さで、何の覚悟もないまま兄と引き離されたチャビーだ。

 だから母はチャビーの横に椅子を寄せ、沈んだ娘の肩を抱く。

 一方、園香母も娘を抱きしめる。
 心優しい園香が、友人の悲しみに感化されないわけはないと心得ているのだ。

 サチは小夜子を、姉妹は互いを慰める。

 明日香も少し遠い目をして、彼がいた時間を懐かしむ。

 舞奈は椅子の背もたれに頬杖をついたまま、皆を見回す。
 口元に乾いた笑みを浮かべる。そして、

「……兄ちゃんさ、きっと、みんなに笑っててほしかったんだよ」
 ポツリと言った。

 素直で純粋な故に強く、同じ理由で脆かった彼が、何を考えていたのか。
 彼がいなくなって1年たって、その間に何度も彼のことを考えて、なんとなくわかった気がする。

「だからさ……あいつのこと話すとき、笑ってやらないか?」
「……うん、そうだよね」
 静かに言った舞奈の言葉に、最初にうなずいたのもチャビーだった。
 机の上の子猫が少女を見上げ、心配そうに「みゃぁー」と鳴いた。

「そういえば、この店はBGMが無いアルね」
 張が言った。
 そして舞奈が止めようとする間もなく、

「水素水~♪ 水素水~♪ メメント~モリ~の水素水~♪」
 歌いだした。
 音程の外れまくった酷い歌だ。

「よりによって……」
「何でその曲なんだ……?」
 明日香と舞奈は思わず顔を見合わせる。
 小夜子は微妙な表情をして、サチは楽しそうに張を見ている。
 楓と紅葉も苦笑する。

 この曲が、弟の仇を探して脂虫を襲っていた桂木姉妹をおびき出すために舞奈、明日香、小夜子が出していたニセ屋台のテーマソングだったからだ。

「あ、この歌、知ってる」
 だがチャビーはそんな事情など知る由もない。

「あのね! マイってば、この前、公園でお店屋さんをしてたんだよ。安倍さんと小夜子さんも一緒だったの」
「へえ、そいつはすごいなあ」
 笑顔を取り戻したチャビーの言葉に、父も笑顔で答える。

「ゾマと、桜ちゃんと、高校生のお友だちと見に行ったんだよ」
 高校生の友だちとは奈良坂のことだ。
 奈良坂は元園香の護衛で、桜の姉の友人だが、チャビーと直接の面識はない。

「舞奈ちゃんたち、何を売ってたの?」
「えーっとね……水?」
 母親の問いに、首をかしげながらチャビーは答える。

 すると園香父がギロリと舞奈を睨んできた。
 舞奈が胡散臭い店に園香を誘いこんだと思っているのだ!

 だが胡散臭い屋台だったのは否定できないので、舞奈は成す術もなく縮こまる。

「上から読んでも水素水~♪」
「「下から読んでも水素水~♪」」
 唐突に、チャビーが合わせて歌いだした。

「おい、チャビー?」
「日比野さん?」
 舞奈と明日香は思わずチャビーの正気を疑う。

 だが、楽しげな雰囲気を感じたのかサチが一緒に歌い始めた。
 隣の小夜子も仕方なく笑う。

 3人歌うと、おそらくその場のノリだけで楓も歌いだす。
 アーティストとは言うものの専門外の楓の歌唱力はごく普通だ。
 それでも妹の紅葉はつき合って歌う。

 顔見知り以外に客のいない店内に、胡散臭い水素水の歌が響き渡る。
 とても他人には見せられない絵面だ。

 けどチャビーは笑顔だった。

 否、自らの意思で笑っていた。
 舞奈の言葉に、亡き兄の想いに答えるために。

 だから舞奈も笑って歌いだした。

 この、どうしようもなく下らなく、そして笑顔に満ちたひとときは、まぎれもなくあの時間の再来だったから。

――――――――――――――――――――

 小学生たちの事情など知らぬ陽介は、今夜0時に開始される作戦のことで頭をいっぱいにしながら帰宅した。だが、

「陽介さん、おかえりなさい。おじゃましてます」
「園香ちゃん、い、いらっしゃい。でも、なんで俺の家で……?」
 奥からあらわれた園香を見やって面喰う。

「あのね! 今日ね! 学校のみんなが晩御飯食べに来ることになったの!」
 続いてチャビーもやってきた。

「マイに、ゾマに、安倍さんも来てくれるの! いいでしょ?」
「いいでしょって、今さらダメだなんて言えないだろ?」
 そう言って、陽介はチャビーの頭をやさしくなでる。

 陽介たち執行人エージェントは、今晩の作戦決行を控える身だ。
 本来ならば少しでも休養をとるべきだ。
 だが、人の良い彼は妹の屈託ない笑顔を見て嫌とは言えない。

「マイと安倍さんが食材を持ってきてくれて、ゾマが料理を手伝ってくれてたの!」
「手伝うっていうか、園香ちゃんが作ってくれてるんじゃないのか?」
「お兄ちゃんったら、ヘンなところで鋭いんだから」
 チャビーは拗ねてみせる。
 陽介は苦笑する。

「っていうか、お前の役割分担はなんなんだ?」
「そ、それはね……」
 つっこむとチャビーは焦る。そんな妹の頭をなでつつ、

「園香ちゃん、迷惑かけちゃってゴメンね。俺も手伝うよ」
「そんな、ありがとうございます」
「お兄ちゃん、マイだけじゃなくてゾマにまで手を出そうとしてる!?」
「してないってば! っていうか舞奈のことだって誤解だって言ってるだろ」
 陽介は苦笑しつつ、はしゃぐチャビーと困る園香を連れて台所に向かう。
 その時、ドアがガチャリと開いて、

「チャビー、ジュース買ってきたぞー」
「日比野さん、これで全部なんでしょうね? さすがに3度目は勘弁してほしいわ」
 両手にコンビニの袋を提げた舞奈と明日香が入ってきた。
 執行人エージェントの都合など知らぬ舞奈たちは、今日は単なるチャビーの友人として食事会の準備を手伝っていた。

 さらにドアが開いた。

「陽介君、千佳ちゃんから家の電話に留守電が入ってて――」
 言いつつ小夜子が入ってきた。
 小夜子は陽介の両隣に並んだ千佳と園香、靴を脱ぎかけの舞奈と明日香を見やり、

「陽介君、小学生に囲まれて嬉しそうだね」
 凄い目つきで陽介を睨んだ。

 そんな些細なトラブルがあったりもしたが、食事会の準備は滞りなく進んだ。

 陽介は機嫌を直した小夜子と一緒にカレーを作ることになった。
 チャビーの大好物だという甘口カレーだ。
 市販の子供用カレーにハチミツを足すらしい。
 それはカレーなのか? と舞奈は思った。
 だが、チャビーが満面の笑みで心待ちにするそれを、食べてみたくなった。

 そして小学生組は隣のダイニングで、園香の指導の元、サラダの野菜を切っていた。

「あのね、小夜子さんはチャビーちゃんのお隣さんなんだよ」
「うん! お兄ちゃんと、とっても仲がいいの」
「日比野さん、手元を気をつけてね」
 慣れた手つきでトマトを切る園香の隣で、チャビーは危なっかしくキュウリを切る。

 包丁とまな板が2人分しかなくて、ひとつは当然ながら園香が使って、もうひとつはチャビーが切りたがっていたのでチャビーが使っている。
 なので舞奈と明日香は切った野菜をサラダボウルに盛りつける係だ。

「兄ちゃんのガールフレンドってことかー」
 手持無沙汰な舞奈は無駄口を叩く。

「そう! ガールフレンドー!」
「日比野さん、手元、手元!」
「あのね、小夜子さんってば、高校生なのにお胸がちっちゃいって気にしてるんだよ」
 チャビーは楽しそうに話す。

 これでも病気がちなチャビーは、元気な時にしか会えない友人たちが大好きだ。
 だから大好きな友人のことを、別の友人に話すのが楽しいのだ。

「なるほど、胸を……」
「あ、ちょっと、どこ行くのよ」
 明日香の制止を背にして、舞奈はふらふらとキッチンに向かう。
 甘口なのだとすぐにわかるカレーの匂いが意外にも食欲をそそる。

「お隣のお姉ーちゃん、チャビーから聞いたよ」
 笑みを浮かべてそう言うと、なぜか陽介が動揺した。

「ええっと、聞いたって何を?」
「胸が小さいことを気にしてるってことさ。でも、あたしはお姉ちゃんの胸、良い形だと思うよ。兄ちゃんもそう思うだろ?」
 尋ねた途端、陽介は目を泳がせた。

 彼は健全な青少年だ。
 いきなり女の子の胸の話をふられたら照れもするだろう。

 だが舞奈は小夜子に背後から抱きついて、小ぶりな胸を揉んでみた。
 小学生だから許される行為である。

「ひゃっ!?」
 小夜子が放り出した皿を、陽介はあわててキャッチする。
 あられもない小夜子の声につられて赤面する。

「あのね、舞奈……。そういうことしたらダメだよ」
 しどろもどろに舞奈をたしなめつつ、小夜子を見やる。

 けれど彼は青少年だ。
 その視線は小夜子の視線に吸い寄せられ、

「陽介君のエッチ!」
 小夜子は真っ赤になって叫んで、

 スパコーン!

 舞奈は背後から忍び寄っていた明日香に、後頭部をハリセンではたかれた。

 そんなトラブルもあったものの、

「いただきます」
 夕食の時間には、テーブルに皆で作ったご馳走が並んだ。

 タコさんウィンナーを乗せた甘口カレー。
 クリームスープで煮こんだロールキャベツ。
 ささみのサラダ。

 豪華な料理を囲むのは、舞奈と明日香と園香。
 向かいには陽介と、両隣に座った小夜子と千佳。

「ロールキャベツをお上品に切り分けるのは不用心だったな、ひときれいただき!」
 明日香の皿に、舞奈がフォークを走らせる。

 だが、フォークはカキンと受け止められる。
 ロールキャベツに夢中になっていたはずの明日香が、自分のナイフで舞奈のフォークを防いだのだ。

「油断したのはどっちかしら?。奇襲にしては見え見えだし、強襲にしてはのろまね」
 そのままギリギリとつばぜり合いをはじめる。

「舞奈も、明日香も落ち着いて……」
「その隙に、マイのカレーのタコさんウィンナーをいただきー」
「あっ、千佳!? そんなことしちゃダメだろう」
「マイちゃんも、チャビーちゃんも、おかわりが欲しかったらまだあるよ」
 小学生が好き放題に振舞う中、同い年のはずの園香がお母さんみたいになっていた。
 そんな園香を見やって顔を赤らめる陽介を、

「……陽介君、今度は園香ちゃんのことじーっと見てるね」
 小夜子がすごい負のオーラがこもった視線でジトッと睨んでいた。

「小夜子、これは、その、違うんだ……」
 陽介はあわてて目を泳がせる。そして、

「そうだ。小夜子、口開けてみて」
「……?」
 不審げに開けた可憐な唇に、フォークで刺したサラダのささみを押しつけた。
 小夜子は思わずささみをほおばる。
 頬を赤らめながら、それでももぐもぐと咀嚼する。

「お兄ちゃん、小夜子さんと恋人ごっこだ」
「そ、そんな、千佳ちゃんったら……」
 照れたついでに機嫌も直った小夜子の様子に、陽介は胸をなでおろす。
 彼もけっこう苦労しているらしい。だが、

「じゃあ、わたしはお兄ちゃんにタコさんウィンナー」
「……え?」
 チャビーが真似してフォークの先にウィンナーをのせて食べさせた。
 今度は陽介が驚いて、それでも笑顔になって咀嚼する。

「それならカレーも食べてください。せっかく手伝ってくださったんですから」
 そう言う遊びだと解釈したのだろう、園香もいっしょになって食べさせようとする。

「あはは、兄ちゃんロバみたいだな」
 目を白黒させて狼狽える陽介を見ていると、舞奈も何か食べさせてみたくなった。

「あたしのささみも食えよ」
「わたしは貴女たちが彼に炭水化物と肉だけを食べさせようとする無神経さが気に入らないのだけど。陽介さん、サラダのニンジンスティックも食べるべきです」
 言って舞奈はささみを、明日香はニンジンを押しつける。

「園香ちゃん、舞奈、明日香、気持ちは嬉しいんだけど……」
 しどろもろになって狼狽える陽介を、小夜子が凄まじい形相で睨んでいた。
 舞奈は小夜子がナワリ呪術師だということを知らなかったのだが、それでもこのときは彼女が魔女みたいだと思った。

 ……正直、舞奈も少しやり過ぎたなあと思った。
 そんな張りつめた空気を、

「あのね、わたし、お兄ちゃんのカレーライス大好き!」
 無邪気なチャビーの笑みが浄化した。

「わたしね、大きくなったら、たくさん、たくさんカレーを作ってね、プールいっぱいに作って、みんなで食べたら楽しいよねって思う!」
「どんだけ食う気だよ。っていうか、腹に入りきらないだろ」
 舞奈は思わずつっこむ。
 だがチャビーは楽しげに笑う。

「じゃあね、じゃあね……カレーのプールで泳ぐとか!?」
「千佳ちゃん……?」
「チャビーちゃん……?」
「何を言っているの日比野さん!? 正気!?」
 園香と小夜子は顔を見合わせ、明日香は理解できないといった表情で目を見開く。

「わたしと、お兄ちゃんと、小夜子さんと、マイとゾマと安倍さんもいっしょにね、みんなで泳ぐの。クラスのみんなとウサギさんもいっしょだよ!」
「ウサギが黄色くなるぞ……」
 再び舞奈がつっこむ。
 小夜子とクラスメートたちはしばし見つめあい、そして爆笑した。

「そういえば日比野さん、明日はウサギ小屋の当番よ。わたしと真神さんと貴女で」
 明日香が思い出したように言った。

「おまえ、スケジュール表みたいだな」
 舞奈が茶々を入れる。

「でも、千佳もその調子なら大丈夫そうだよね。行っておいでよ」
「わーい、ウサギさんと何して遊ぼうかなー」
「ちゃんと掃除もするんだぞ。明日香、園香ちゃん、千佳をお願いするね」
 陽介の言葉に、2人はにこやかにうなずく。

「はやく明日にならないかな!」
 そう言ってチャビーが笑う。
 チャビーを囲んでみんなが笑う。

 そうやって、日比野家の晩餐は面白おかしく過ぎていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。

広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ! 待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの? 「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」 国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

英雄になった夫が妻子と帰還するそうです

白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。 愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。 好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。 今、目の前にいる人は誰なのだろう? ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。 珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥) ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...