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第8章 魔獣襲来

園香

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「核攻撃だと!? そいつは一体どういうことだ!?」
 声を荒げ、会議机を叩いて立ち上がる。
 舞奈が怒りをあらわにするのは稀だ。

 対するフィクサーは申し訳なさそうに、だが毅然と言葉を続ける。

「討伐部隊の撤退後、マンティコアはテリトリーの中心部に移動、結界を形成した」
 側の壁にかけられたモニターを指さす。
 そこには、中空から撮ったとおぼしき廃墟が映っている。
 周囲のビルが薙ぎ払われてできた荒れ地が、マンティコアのテリトリーだ。

 その場所を、舞奈はよく知っている。
 3年前、美佳が衛星軌道上から魔法の盾ハーモニウム・ディフェンダーを落とし、魔獣を屠った場所だ。
 一樹が落下の直前に戦術結界を形成して爆発の被害から周囲を守った。
 だが結界の内部にあったものはすべて破壊され、更地になった。

 そんな因縁の場所の中央、ちょうどケルベロスがいた場所に、暗い色の結界が塔のように高くのびている。
 幅はビルを4、5本ほど束ねたくらいか。
 さしずめ天を支える闇の柱といった風体だ。

 そんな柱の中ににうっすら見える、うずくまる獣の姿。
 魔獣マンティコアだ。
 怖ろしげな魔獣の背がチャビーの子猫と同じ縞模様なのを見やり、口元を歪める。

「さらに、結界を囲むように複数体の魔獣が出現した」
 フィクサーの声とともに、カメラは塔から遠ざかる。
 そして上空からの映像になった。

 そこでは柱を遠巻きに囲むように、繭状の結界が3つ、鎮座していた。
 ひとつは、山火事のように燃え盛る炎。
 もうひとつは、クリスタルのような氷の塊。
 最後のひとつは、チカチカと放電する光の繭。
 3つの繭の中にも、マンティコアとは別のシルエットがうっすらと見える。

「調査の結果、マンティコアは結界による魔法装置を形成して自身の魔力を高めているらしい。魔獣がさらなる強化を遂げる前に、確実に排除する必要がある」
「……」
 舞奈はフィクサーを睨んだまま、無言で先をうながす。
 フィクサーは言葉を続ける。

「現状の戦力でこれを成し得る手段は、大魔法インヴォケーションブリューナクの炎槍サモン・ニュークリア・ミサイル】以外に存在しない。また、これは上層部の意向でもある。独断で計画を変更することはできない」
「それじゃ、あの子猫はどうするつもりなんだよ!?」
 チャビーが探している子猫は、マンティコアの核になっている。
 そのマンティコアを核爆発の圧倒的なエネルギーで倒せば、子猫は耐えられない。
 3年前、質量攻撃で倒されたケルベロスの跡に、動かない犬が残されていたように。

「その件に関しては、君との約束を違えることになって申し訳ないと思っている」
「よくもそんな口を……!?」
 舞奈は殺気すら滲ませてフィクサーを睨む。
 だが、それだけ。
 他に手段などないと、知っていたからだ。

 大量の異能力者を動員した討伐作戦は、失敗した。
 何かのミスがあったわけではなく、完全な力負けだ。
 しかも新たに魔獣が生まれ、マンティコア自身も強化されようとしている。

 舞奈は張の知恵を借りて、子猫が自身を魔獣化する魔法の実質的な術者になっていることを知った。それをやめさせれば元に戻るかもしれない。
 だが子猫に術を解かせる具体的な手段は考えていない。
 1匹の子猫のために、街を危険に晒すことはできない。

 無論、【機関】のやり方にはいくつも不手際があった。
 最初から戦力の出し惜しみなどせず、支部の総力をあげて討伐に臨めば結果は変わったのかもしれない。

 だが、そのツケを魔獣による被害という形で余人に支払わせるわけにはいかない。

 それに、舞奈に【機関】の決定を覆す力がなかったのも事実だ。
 3年前の美佳と一樹に庇われるばかりだったあの頃から、心身を鍛え抜いて最強になった。それでも、舞奈ひとりの力ではままならないことがある。だから、

「……あたしは帰るよ。邪魔したな」
 そう言ってフィクサーに背を向け、立て付けの悪いドアのノブに手をかける。
 他にここで、できることなどないからだ。
 だが、そのとき、

「――失礼します」
 入れ替わるように明日香が入ってきた。

「何しに来やがった?」
「あら、いたんなら丁度いいわ。仕事よ」
「仕事だと?」
 舞奈は明日香を睨みつける。
「ええ。今、ヒマでしょ?」
 明日香は平然とそんなことを言った。

「……今、そういう気分じゃないんだ」
 部屋を出ようとする。
 その耳を引っぱられた。

「イテテ! なにすんだ、やめろよ」
「話くらい聞いてきなさいよ。やりたくなるかも知れないでしょ?」
「……勝手にしろ」
 むくれる舞奈の耳を離し、明日香はフィクサーに向き直る。

「先日、ある子猫が魔獣へと変化した件について、ご存知の事かと思います」
「……ああ」
 フィクサーは表向きだけは冷静に答える。
 その魔獣の話を、先ほどまで舞奈と話していたからだ。
 明日香も何食わぬ表情で言葉を続ける。

「その件で、【組合C∴S∴C∴】から子猫と魔力の分離実験の許可をいただきました」
「分離実験だと?」
 舞奈は思わず口を挟む。
 明日香はニヤリと笑みを浮かべて舞奈に向き直る。

「ええ。首領の見立てによれば、子猫自身が擬似的な術者となって自らを魔獣に転化させているそうよ。その施術を中断させ、魔力を分離させて子猫を元の姿に戻すの」
「おい、それって……!?」
 それは舞奈が実行しようとして、だが試みることすらできなかったことだ。

「こちらが【組合C∴S∴C∴】から【第三機関】巣黒すぐろ支部宛の正式な協力要請です」
 明日香は時代錯誤な羊皮紙の巻物を取り出し、広げて見せる。
 それを見やったフィクサーの表情が変わる。

 巣黒町近辺の魔道士メイジを束ねる相互扶助組織である【組合C∴S∴C∴】は、【機関】と同じくらい古い歴史を持ち、同等かそれ以上の魔法戦力と権威を持つ。
 そんな【組合C∴S∴C∴】から正式になされた要請を無視することはできない。
 それは上層部からの指示よりも優先される。

 そんな【組合C∴S∴C∴】を魔術師ウィザードである明日香が動かし、それによって【機関】も動いた。

 明日香は舞奈と違って最強じゃない。
 だが今までだって、明日香はいつも舞奈より一枚上手だった。
 他者や組織を巧みに利用し、舞奈にすらできないことをやってのけた。

「そいつはいいが、具体的にはどうやるつもりなんだ?」
 口元に浮かんだ笑みを誤魔化そうと、問いかける。

魔道士メイジによる総攻撃で周囲の魔獣を排除、及びマンティコアの魔力を低下させた後に動物会話のできる術者が説得するわ」
「戦力的な問題はどうするつもりかね?」
 今度はフィクサーが指摘する。
 ケチをつけてるわけではない。実験という名目であれマンティコアから子猫を救う計画を実行するのなら、今度こそ失敗は許されない。

「周囲の魔獣はともかく、マンティコアは前回の交戦時以上に力を増しているはずだ」
 だが明日香は、準備は済んでいると言わんばかりに笑みを返す。

「【組合C∴S∴C∴】からの要請により、我が【安倍総合警備保障】からも魔法戦力を動員することになりました。そして――」
 意味ありげに言葉を切って、明日香はドアに注視する。
 舞奈も、フィクサーもつられて見やる。

 そのドアが、ゆっくりと押し開かれ、

「……ううっ、お、重いですね。このドア」
 桂木楓が入ってきた。
 その後ろに紅葉も続く。彼女はマンティコアとの交渉に必要な猫との会話が可能だ。

「……立てつけが悪くてすまん」
「楓さんのおっしゃってた効果的な登場というのは、それですか?」
「いえ、もう少し颯爽と登場するはずだったのですが」
 出てきて早々に疲れた雰囲気の楓に、明日香も困る。

「妹さんに開けてもらえばよかったのでは……?」
「それもそうですね、流石は明日香さんです」
「……そいつはいいが、あんたたちは何しに来たんだ?」
 舞奈は毒気を抜かれて苦笑する。
 明日香はやれやれとため息をついて、

「桂木楓は以前の交戦時に【大いなる生命の衣ヘペス・アンク・ウセル】の魔術を使用しました。これは高等魔術における【魔道衣の召喚サモン・メイジ・ドレス】と同等の大魔法インヴォケーションです」
「……だからおまえも、魔術用語を魔術用語で説明すんな」
 意味がわからず口元をへの字に曲げる。
 そんな舞奈に、明日香は不敵な笑みを向ける。

「早い話が、魔法少女に変身する魔法よ」
 その言葉に舞奈の、フィクサーの瞳が見開かれた。

 魔法少女。
 3年前、執行人エージェントが束になっても敵わなかったエンペラーの幹部と死闘を繰り広げ、たった3人で魔獣をも屠った伝説の存在。
 かつて舞奈が属していた、最強の退魔集団。

 その力の片鱗を再び手にすることができるなら、魔獣に対する対抗手段になる。

「できるのかね?」
「ひとつだけ問題があります」
 フィクサーの問いに楓は答える。
 それは、可能だと即答されるより現実味を帯びた回答だった。

「施術に必要な魔力が足らないのです」
 楓は言う。
 舞奈とフィクサーは無言で先をうながす。

「明日香さんとの戦闘ではメジェド神を魔力に還元しました。ですが、そのメジェドは前回の戦闘で全滅してしまいましたし、必要な数を新たに創造する時間はありません」
「――それならあちしに任せるのだ」
 ドアをガチャリと開けて、糸目の少女があらわれた。

 颯爽とした登場に、楓が妬ましげな視線を向ける。
 そんな楓を、舞奈は(それはいいから)と視線で制す。

「ルーンに焼きつけた魔力を還元して譲渡する魔術があるのだ。【魔道衣の召喚サモン・メイジ・ドレス】に必要と思われる量ならば問題なく融通できるのだよ」
 糸目を細めて笑う。
「無論、その秘術を目の前で見られるというのなら、協力は惜しまないのだよ」
 言ってちらりと、得意げな表情を舞奈に向ける。

 明日香の魔術が銃砲で楓の魔術がアートなら、ニュットの魔術は工業技術だ。
 必要な奇跡を、必要な場所に、時間に、過不足なく再現することができる。

 舞奈の口元に笑みが浮かぶ。

 ここにいる少女たちは、皆、大事な誰かを失った。
 愛していた誰かを社会に、組織に軽んじられ、見捨てられた。

 彼女らは皆、そんな運命に憤っていた。
 だから抗おうとしている。
 魔獣になった子猫を取り戻し、ひとりの少女の笑顔を守ろうとしてくれている。
 舞奈も同じだ。

 そう。舞奈の最強は、舞奈ひとりの力で得られたものではない。
 多くの人々の力を借り、支えられ、その力を集めて数々の強敵を討ち倒してきた。
 その事実を再確認できた気がして、嬉しかった。

 その後はマンティコアを倒すための作戦会議になった。
 参加可能な人員と方向性をまとめ、詳細は後日に詰めることとなった。

 そして翌日。
 舞奈が普段通りに登校すると、やはりチャビーが窓の外を見ていた。

「よう、チャビー」
「あ、マイ……」
 うかない顔に無理矢理笑みを浮かべるチャビーと並んで、舞奈は窓の外を見る。
 空を見上げると、澄み渡った青い空を入道雲が流れていった。

「子猫のこと、さ」
 視界の端で、チャビーは少し悲しそうな顔をした。
 だが舞奈は笑う。

「あたしが絶対、連れ戻すよ」
 先日のあの会議室で、舞奈は心に決めていた。
 皆の力を集めた最強をもってして、不可能を可能にしてみせると。
 魔獣になってしまった子猫を、必ず取り戻してみせると。

「マイ……!!」
 チャビーははっとして、その表情が和らぐ。

 舞奈は子猫を連れもどせる根拠を何ひとつ言っていない。
 そもそも守秘義務があるので言えない。
 けれど、その力強い口調でわかるのだろう。
 舞奈はそういった期待に背いたことはない。だから、

「お願いね、マイ」
「まかせとけって」
「えへへ、マイにまかせれば安心だね。あ、そうだ。猫ちゃんの名前考えなきゃ」
「ああ、可愛い奴を考えてやれよ」
 もちろん再会の時に呼ぶために。

 舞奈は不敵な笑みを浮かべる。
 チャビーも笑う。

 そんな2人を、園香が静かに見つめていた。

 そして放課後。
 街はずれの教会。

「あら、園香さんがおひとりで見えられるなんて、珍しいですね」
 いつもの包みこむように優しい口調で、シスターが言った。

 小学生にしては長身で巨乳な園香も、大人のシスターに比べれば子供だ。
 そんなシスターからは、うつむいた園香の表情は見えない。

 山の手暮らしの園香が野菜を貰いに来ることはないが、チャビーが兄を悼むために訪れるときに付き添うことがある。
 シスターともそのときに知り合った。
 物腰柔らかく気品にあふれ、どこか芯の強さをうかがわせる彼女は、園香の憧れだ。
 それは特に【教会】の信者とかではない園香が、聖職者という職種に信頼を寄せる理由でもある。

 だから今日はシスターに悩みを相談しに、町はずれの教会を訪れていた。

「わたし、チャビーちゃんやマイちゃんと、ちゃんと友達になれてるのかな」
 その問いに、シスターは思わず首をかしげる。
 彼女たちの友情に偽りがあるとは思えないからだ。
 だがシスターは無言で先をうながす。

「チャビーちゃんはお兄さんを亡くしてて、マイちゃんもたぶんいろいろなものを無くしてて、それでも強くて、でもわたしだけなにも……失ってない」
 園香の声はかすれていた。

 どんなに大人びていても園香は小5だ。
 異能と互角に渡り合う舞奈や、異能にまつわる事件に巻きこまれたチャビーと向き合おうとして本気で思い悩んだ結果、そういう考えに至ったのだろう。

 園香は親との関係も良好だ。
 だからこそ、心優しく気の利く園香は親にこういう悩みを打ち明けられない。
 シスターは、そんな園香が自分を頼ってくれたことが嬉しかった。
 だから、優しげに微笑む。

「園香さんは、家事を全くしない舞奈さんやチャビーさんを、怠惰だと思いますか?」
「そんなこと……!?」
「ふふ、それと同じですよ」
「……え?」
 虚をつかれて驚く様に、思わず笑みがこぼれる。

「お2人方とも今の貴女が好きなのですよ。自分たちと同じように何かを失って欲しい訳じゃなくて、欠けるところない貴女と笑みを向けあいたいのです」
 その言葉を実践するように園香の頬にそっと手をやり、顔を上げさせる。
 そして満面の笑みを向ける。
 素直で初々しい園香を見ていて浮かんだ笑みを、彼女自身に向ける。

「だから笑ってください。そして――」
 園香の背に手を回し、抱きしめる。

「お2人方が悲しそうにしていたら、こうやって抱きしめてください」
 長身で大人びた園香に甘える友人は多いのに、甘えさせてくれる人はあまりいない。
 だから園香は、尊敬しているシスターがそうしてくれたことが嬉しかった。
 だからやわらかなシスターの身体に、安心して身を任せた。

「そうそう。それから、舞奈さんには貴女を守らせてあげてください」
「マイちゃんに……?」
「はい。あの方は強くて抜け目ないのですが、力こぶ以外に得意なことがありませんので。そこを頼って差し上げないと、することがなくて困ってしまいます」
 冗談めかしたシスターの言葉に、園香は笑う。
 シスターは優しくその背をなでる。

 そんな2人を、ステンドグラスの窓から差しこむ光が優しく照らしていた。

 そして園香はシスターに見送られながら教会を後にした。

「あ……」
 少し歩いたところで、パラパラと小雨が降ってきた。

 教会は園香の家のある讃原さんばら町の、隣町にある。
 傘もないし、走って帰宅する頃にはびしょ濡れだろう。
 家に電話しようか、教会に戻って雨宿りさせてもらおうか迷う。

 すると不意に雨が止んだ。

 ――否。誰かが傘をさしていた。
 見やると、園香と同じ蔵乃巣くらのす学園のセーラー服を着こんだ女子高生だった。
 ウェーブのかかった長い髪が印象的だ。

「あ、あの、ありがとうございます……」
 恐縮しつつも、シスターとの対話に続いて人の親切心に触れられたのが嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。

「ふふ、傘を忘れてしまったのですか?」
 彼女の言葉に、こくりとうなずく。
 シスターに相談したい一心で、天気予報をチェックするのを忘れていたのは事実だ。

 けれど彼女に傘を借りるのも、送ってほしいと頼むのも気が引ける。
 そんなふうに園香は迷う。

 ――イシス……!?

 ふと気づくと、彼女がじっと見ていた。

「……え?」
 園香が首をかしげると、彼女は我に返って照れ隠しのつもりか笑った。
 けれどすぐに、神妙な顔つきで園香を見やる。

「あの、お嬢さん」
 視線を合わせるように、身をかがめる。
 親切な彼女は、上品で整った顔立ちの美女だった。

 その美貌に圧倒される園香を、美女はまっすぐ見つめる。
 そして真摯な口調で言った。

「わたしの、絵のモデルになっていただけませんか?」
「えっ?」
 わたしは絵なんてそんなに上手じゃないし、としどろもどろに言いかけて、モデルになって欲しいと頼まれたことに気づく。
 絶世の美女である彼女を描くのではなく、彼女が自分を描きたいと申し出ている。

「え、あの……えっ?」
 動転する園香に、美女はニッコリと微笑んだ。
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