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最終章 大団円へ

第7話 バードストライク

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 明後日にも大祭りが始まるというのに
件のアパートの現・所有者である銀行で異変が起きていました。

 相手は悪霊か悪魔か、移動中、静華さんは
スマホに銀行の地図を表示し手をかざして遠隔透視を始めました。
「あーれぇーマルダぁー銀行に御札ベタベタ貼ったよね?」
「え?はい、貼りましたよ、たくさん」
「んー光が見えないんだけど・・・誰か剥がしたなあ?」
「えー?そうなんでしょうか・・・」

『車で二人になってわかったのですが、お香のような、いい匂いが静華さんから漂ってきました、おっと安全運転しなきゃ・・・』

「ちょっと車寄せてくれる?それで警察呼んで欲しいの銀行に、入口とか封鎖して私たちが入る前に先に警察官、
中に5人くらい入れてくれないかなぁ」

すぐに車を寄せました。

「えーっと、わかりました、副署長経由で、お願いしてみます」

「あと、あの武藤って刑事さん今忙しくなかったら呼んでもらったほうが勝手が良いんだけど」

「はい、わかりました・・・・あーっと、もしもしぃー茂木さんですか、式です、実は今から・・・」

警察にも協力を、お願いして銀行に向かいました。

銀行正面入口の自動ドア・ガラスに
次から次と雀・鳩・カラスがぶつかって来て入口の地面には沢山の死骸が落ちていました。
ほら、また
―ゴンッ! 鳥がガラスに激突しています。

嘘なんですが鳥が死んでいるのでガス漏れ事故の可能性があるとして、
お客様には退店してもらい従業員だけ中に残っていました。

私はその様子を撮影したりしました。
「ひどいね、マルダ裏に回りましょう」
「はい」
裏口に回ってみると、なんと!仁王立ちで和華さんが待っていました。

「遅いっ!」右手に刀ケース、白い帽子に白いワンピース姿です。

「なぁに偉そうに、はしゃいでんの、よくわかったわね瞑想は済んだの?」

「フンっ」和華さんはニコニコして鼻を鳴らしました。

「ふざけてる場合じゃないわよ、前にもこんなの見たことがあるわ」

「へぇー何時いつ?お姉様」和華さんが聞きました。

「私があんた位の歳の頃、父上に同行してね大阪の繁華街で・・・・
こういう現場には呪物があるか死の近い呪われた人間がいるか、なんて状況が多いのよ、それにしても死骸の数が多すぎる・・・」

ドアに手をかけ中に入りました。

銀行のなかでは行員が静かに机に座っていました。
何人かは電話中でした。

店内を見回すと
急に静華さんが大声を張り上げました。
「おいっ御札はどうした?なぜ貼ってない?
それと、そこの男衆!
そらそこのっ!お前らっ!私は鳥の死骸を片付けに来たんじゃないぞ!

お前ら自分の店だろう、自分らの会社じゃないのか!頭取が泣くぞ!
男衆!ゴミ袋とちりとり持って表の死骸集めて片付けろ!」

中で見ていた警察官も、みな面食らって、だまってコチラを見ています。

「返事わぁーどうしたあー!口がきけんのか、お前らあー!」
静華さんはケースから日本刀を取り出しました。

「うわぁ、あ、はい、はいわかりましたぁすぐに・・・オイっ」
男性行員たちは、あたふたと立ち上がり動き出しました。

「マルダ、悪いけど御札、よさそうなところに貼って歩いて欲しいの」
「わかりました」

その間、和華さんはケースに入った日本刀を右手に持って
ブラブラと店内を見て回っていました。

「こっちは大丈夫そうよ、お姉様」

「そうね、ちょっと店員さん、ここの責任者は?」

「はい、ソチラの奥の支店長室にいると思います」

「ふーん、出迎えもなしか・・・」

「はぁ、カメラで見てらっしゃると思うのですが」
そう女性の店員が答えました。

その時、刑事の武藤さんが来てくれました。
「どうも静華先生、よぉ式、調子は?」

「えぇ何とか、あの武藤さん御札貼るの手伝ってもらえませんか」

「バァカ、なんで刑事の俺が手伝うんだ」

すると静華さんが
「待って!・・・何か変よ、武藤さん一緒に支店長室に入ってもらえますか」

「えぇ、いいですよ」

「和華、このまま見張ってて、こっちで何かあったらテレパシーで呼んで」

「うん、わかった」

そう言うと二人は、お互い片手を差し出すと
一回―パン!と手をあわせて鳴らしました。

―コンコン ノックをして武藤さんが言います。
「警察です、入りますよ」

 私は脚立の準備をしに奥に行き、静華さんと武藤さんは支店長室に入っていきました。

すぐに慌てた様子の武藤さんの声が遠くから聞こえてきました。
「おい、救急車!支店長が首吊りだっ!」

そして同時に地響きを伴って建物全体が

―ドーン!と大きな音を立てました。
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