7 / 80
第1章 代償の始まり
第6話 後悔
しおりを挟む
尾形さんは不動産屋に行ったあと一緒だった二人を送り、父母の待つ家に帰りました。
スマホや鍵などはAさんの、お母さんが持って帰りました。
「ただいまぁ」
「あれ、お帰り、ご飯食べる?」
「あっ食べたい、なんでもいいよ」
「昨日のカレーもあるよ、あんた食べてないでしょ」
「あ食いますハイッ」と手を挙げておどけました。
「なんか変ねぇ・・・」
「なにが」
「うーん・・・何か・・・」
「あのさ母さん神社の御守りとか御札っていくらすんの」
「なに、なにすんの」
「それがさぁ・・・」
尾形さんは自分のお母さんにAさんが行方不明になった話をしました。
「ちょっと、あんた一回外出て」
「なに?」
「塩撒くから、おいで」
二人は玄関先で、お互い塩を頭や背中にふったそうです。
尾形さんの、お母さんという方は感の強い方で昔から目に見えないものに敏感な人なのだそうです。
それは先祖代々からの遺伝もあるそうで、だとすれば息子の誠一さんも少なからず感が強いのでしょうか・・・
「この塩はね、お父さんの会社で時々つかってる神社の塩だから、それにそのアパート○○町の川沿いじゃない?
あそこはね、あぶないからもう行っちゃダメ」
「え?かあさん知ってんの」
「噂聞いたことあるだけよ」
「あしたさぁAの母さんと部屋のゴミ片付け手伝う約束してんだよ」
「・・・じゃ先に神社行って、お守りと御札頂いてから行きなさい絶対よAくんの、お母さんの分も持って、それから行くの塩もあげるから」
「おー・・・わかった、とにかくそうするわヤバイんだなやっぱ」
「あんたヤバイなんてもんじゃないわよ」
「なに、教えてよ」
「だめ、変な先入観持って行くと良くないし、さっさと済ませちゃいなさい」
おかあさんは晩ご飯の支度の手をとめて家の神棚にお灯明を点けて祈りました。
「神社の奥さんは私お友達だから今から電話してお守りと御札、頼んでおくからアパート行く前に必ず神社に寄ってから行ってね」
尾形さんはAさんが行方不明になる前、相談に乗るとか軽く大丈夫だと言って何も対処していなかったことを本当に後悔したそうです。
翌朝、尾形さんはAさんのお母さんに電話をして現地集合の連絡と共に注意事項を伝えました。
それは『一人で部屋に入らないことです』
朝一に神社に行って御守りを用意するのでという事と相当あのアパートは強烈だということをAさんのお母さんに伝えました。
Bさんを迎えに行き、その足で神社に向かい御守りの、お礼を丁寧に述べて二人はアパートに向かいました。
アパートの前にはAさんのお母さんの車が既に待機しておりました。
応急的に安い紐でしたが、お守りをつないで三人は首から下げ部屋に入りました。
目に見えないものに対して写真や映像を見ている三人は何の疑問も持たずに用意された御守りと御札を、ありがたく感じていました。
ゴミは大量でしたが見た目ほど多くはなくペットボトルや空き缶、弁当のからなどが、ほとんどで燃えるゴミも少なく、みるみる部屋が片付いていきました。
畳の部屋がもうすぐ終わると思った頃、尾形さんとBさんは台所付近で雑巾がけをしていたAさんのお母さんが、しゃがみ込み具合悪そうにしているのに気がつきました。
お母さんは自力で立てましたが、めまいがするらしく二人で外の車まで付き添って避難しました。
「大丈夫ですか・・これ水です、あと何も食べてないなら、これ食べてください」
尾形さんとBさんがコンビニで買った、おにぎりやパンがありました。
尾形さんは神社の塩を自分の車に取りに行き、ひとつまみ、お母さんに舐めてもらいました。
「これちょっと舐めてください肩にも塩振り撒きますね、あと僕らでやりますから無理しないで車で休んでいてください」
「すいません」とAさんのお母さんは、か細い声であやまりました。
泣いているかのようなAさんの、お母さんが急にかわいそうになってきました。
やっぱりAさんを心配しているのです・・・
スマホや鍵などはAさんの、お母さんが持って帰りました。
「ただいまぁ」
「あれ、お帰り、ご飯食べる?」
「あっ食べたい、なんでもいいよ」
「昨日のカレーもあるよ、あんた食べてないでしょ」
「あ食いますハイッ」と手を挙げておどけました。
「なんか変ねぇ・・・」
「なにが」
「うーん・・・何か・・・」
「あのさ母さん神社の御守りとか御札っていくらすんの」
「なに、なにすんの」
「それがさぁ・・・」
尾形さんは自分のお母さんにAさんが行方不明になった話をしました。
「ちょっと、あんた一回外出て」
「なに?」
「塩撒くから、おいで」
二人は玄関先で、お互い塩を頭や背中にふったそうです。
尾形さんの、お母さんという方は感の強い方で昔から目に見えないものに敏感な人なのだそうです。
それは先祖代々からの遺伝もあるそうで、だとすれば息子の誠一さんも少なからず感が強いのでしょうか・・・
「この塩はね、お父さんの会社で時々つかってる神社の塩だから、それにそのアパート○○町の川沿いじゃない?
あそこはね、あぶないからもう行っちゃダメ」
「え?かあさん知ってんの」
「噂聞いたことあるだけよ」
「あしたさぁAの母さんと部屋のゴミ片付け手伝う約束してんだよ」
「・・・じゃ先に神社行って、お守りと御札頂いてから行きなさい絶対よAくんの、お母さんの分も持って、それから行くの塩もあげるから」
「おー・・・わかった、とにかくそうするわヤバイんだなやっぱ」
「あんたヤバイなんてもんじゃないわよ」
「なに、教えてよ」
「だめ、変な先入観持って行くと良くないし、さっさと済ませちゃいなさい」
おかあさんは晩ご飯の支度の手をとめて家の神棚にお灯明を点けて祈りました。
「神社の奥さんは私お友達だから今から電話してお守りと御札、頼んでおくからアパート行く前に必ず神社に寄ってから行ってね」
尾形さんはAさんが行方不明になる前、相談に乗るとか軽く大丈夫だと言って何も対処していなかったことを本当に後悔したそうです。
翌朝、尾形さんはAさんのお母さんに電話をして現地集合の連絡と共に注意事項を伝えました。
それは『一人で部屋に入らないことです』
朝一に神社に行って御守りを用意するのでという事と相当あのアパートは強烈だということをAさんのお母さんに伝えました。
Bさんを迎えに行き、その足で神社に向かい御守りの、お礼を丁寧に述べて二人はアパートに向かいました。
アパートの前にはAさんのお母さんの車が既に待機しておりました。
応急的に安い紐でしたが、お守りをつないで三人は首から下げ部屋に入りました。
目に見えないものに対して写真や映像を見ている三人は何の疑問も持たずに用意された御守りと御札を、ありがたく感じていました。
ゴミは大量でしたが見た目ほど多くはなくペットボトルや空き缶、弁当のからなどが、ほとんどで燃えるゴミも少なく、みるみる部屋が片付いていきました。
畳の部屋がもうすぐ終わると思った頃、尾形さんとBさんは台所付近で雑巾がけをしていたAさんのお母さんが、しゃがみ込み具合悪そうにしているのに気がつきました。
お母さんは自力で立てましたが、めまいがするらしく二人で外の車まで付き添って避難しました。
「大丈夫ですか・・これ水です、あと何も食べてないなら、これ食べてください」
尾形さんとBさんがコンビニで買った、おにぎりやパンがありました。
尾形さんは神社の塩を自分の車に取りに行き、ひとつまみ、お母さんに舐めてもらいました。
「これちょっと舐めてください肩にも塩振り撒きますね、あと僕らでやりますから無理しないで車で休んでいてください」
「すいません」とAさんのお母さんは、か細い声であやまりました。
泣いているかのようなAさんの、お母さんが急にかわいそうになってきました。
やっぱりAさんを心配しているのです・・・
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あやかし民宿『うらおもて』 ~怪奇現象おもてなし~
木川のん気
キャラ文芸
第8回キャラ文芸大賞応募中です。
ブックマーク・投票をよろしくお願いします!
【あらすじ】
大学生・みちるの周りでは頻繁に物がなくなる。
心配した彼氏・凛介によって紹介されたのは、凛介のバイト先である『うらおもて』という小さな民宿だった。気は進まないながらも相談に向かうと、店の女主人はみちるにこう言った。
「それは〝あやかし〟の仕業だよ」
怪奇現象を鎮めるためにおもてなしをしてもらったみちるは、その対価として店でアルバイトをすることになる。けれど店に訪れる客はごく稀に……というにはいささか多すぎる頻度で怪奇現象を引き起こすのだった――?
JOLENEジョリーン2・かごめは鬼屋を許さない また事件です『こわい』です。気を緩めると巻き込まれます。
尾駮アスマ(オブチアスマ おぶちあすま)
キャラ文芸
残酷描写ありです。
苦手な方は御注意ください。
完全フィクション作品です。
実在する個人・団体等とは一切関係ありません。
ジョリーン・鬼屋は人をゆるさない
の続編になります。不定期連載になる予定、少々お待たせします。
もしよろしければ前作も
お読みいただけると
よくご理解いただけると思います。
応援よろしくお願いいたします。
っていうか全然人気ないし
あんまり読まれないですけど
読者の方々 ありがたいです。
誠に、ありがとうございます。
読みやすいように、わざと行間を開けて執筆しています。
もしよければお気に入り登録・イイネ・感想など、よろしくお願いいたします。
大変励みになります。
ありがとうございます。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる