14 / 33
第三話 鳥籠を開けて
約束
しおりを挟む
ちょこまかと走り回るネズミを追って、領事は迷わず歩を進める。現れたのは離れのような小さな社殿。
案内を終えたネズミがコートの肩へ器用に上り、前歯をくわっと見せて「チチチッ」と小さく鳴く。
「この骨? 怒らせるためのパフォーマンスだ。その方が相手の本音がわかりやすい」
中折れ帽を脱いで悪趣味な骨を外し、社殿の隅へ放る。もう必要のないものだ。
「おかげでじっくり見ることができたよ、この美しくて惨い鳥籠を」
そう言って扉に手をかけた時。何者かが駆けて来る足音を察知して、ネズミがそそくさとコートのポケットに隠れた。
「領事殿!」
息を上げて走って来たのはアタラだった。ミツルと告鳥が対峙する最中、人目を盗んで追いかけて来たのだ。
「そこはセレニティ様の恩寵を集めた特別な場所。これ以上カージュで勝手をされては困る」
一歳にならないうちからカージュへ捧げられ、生まれてからのほとんどを鳥籠の中で過ごしてきた。アタラの根っこには、神鳥に対する深い忠誠心がある。
そんな模範的な優等生を一瞥してもなお、領事は扉から手を離さない。
「君はこの中に何があるのか知っているのか?」
淡い金糸の間から、冷たく燃える青の瞳が突き刺さる。アタラの背筋を駆け抜けた悪寒は、間違いなく殺気だ。
「……何もない。使われる場合は扉に札をかけるようになっている。その中は無人だ」
「よかった。知っていて止めているのなら、君を八つ裂きにするところだった」
「それは、どういう……」
答える代わりに、扉が勢いよく開け放たれた。
外に灯された篝火が入り口付近をゆらゆらと照らす。奥まで見通すことができない暗闇を物ともせず、領事は足を踏み入れた。
靴底で板間を踏みしめ、一歩ずつ近づいた先。事切れたように動かぬ肢体の前で片膝をつき、口元に手の甲を当てる。微かな呼吸を感じて、安堵の息を吐いた。
「やっと見つけた、俺の小鳥」
気を失ったオトを軽々と横抱きにして立ち上がる。彼女が大切に抱えていた壊れたリラも拾って。
「オト!?」
外で待機していたアタラは、領事に抱えられたオトを見て思わず駆け寄った。
血の気の引いた唇は色を失い、泣き腫らしたまぶたは石のように硬く閉ざされている。
「気を失ってるだけだ。だが酷く衰弱してる」
「っ、すぐに医師を手配する。こちらへ――」
「必要ない」
「は……? おい、待ってくれ!」
困惑したアタラがしゃんと伸びた背に向かって叫ぶ。だが彼の足は止まらない。
「鳥籠から出す気もないくせに、中途半端な優しさで飼い殺すのは一番非道だ。狡い男だな、君は」
「っ……!」
その言葉に、浅沓が酷く重くなった。
蒸気船を見て瞳を輝かせたオトの横顔を知っている。ずっと、誰より近くで見てきた。守っていた、つもりだった。
打ちひしがれてその場から動けなくなったアタラを残し、領事は来た道を辿って本殿へと戻った。
素顔を見せた領事と、死んだようにぴくりとも動かないオト。雛鳥たちは囀ることも忘れて息を飲む。
「島主殿、献上選びは終わりだ。本島へ戻ろう」
「ああ」
感情が見えない鳥面の奥から無言で睨みつける告鳥の横を通り過ぎ、二人は船着き場へ向かう回廊を歩いた。
誰も言葉を発せられない異様な空気の中、小さな影が二人を追う。
「ま、待って!」
サヨが腹の底から叫んだ。ゆっくりと振り返った領事と島主、そしてカージュ全員の視線が小さな身体に突き刺さり、足が竦む。だが、その恐怖すら凌駕する思いがあった。
「サヨも連れて行ってください! オト姉様は歌うのが怖いと言っていました。だから、サヨがオト姉様の分までせいいっぱいご奉仕します!」
「幼鳥の分際で何を、」
「お願いします! オト姉様のおそばにいさせてください!」
口を挟んだメルヴィに嘆願を被せ、深々と頭を下げる。
歌も、楽器も、言葉も、文字も。全部オトが教えてくれた。カージュで散々苦しめられてきたオトが大陸人の手籠めにされるのをただ見過ごすことなど、サヨにはできない。
あまりの緊張に涙が浮かび、床の木目が滲んで見えた。コツコツと靴底の音が近づいて来て、一気に身体が強張る。身のほど知らずとぶたれるのだろうか。オトに降りかかる罵倒と暴力を間近で見ていた幼い脳裏には、そんな考えが当然のように浮かぶ。
「サヨ、と言ったか?」
「は、はいっ」
名を呼ばれて恐る恐る顔を上げると、オトの膝裏を抱える手から壊れたリラを渡された。
「これを持ってくれないか? 落としそうで困っていたんだ」
朽葉色のそれをおずおずと受け取り、胸に抱く。優しい声色だった。張り詰めた糸が緩んだ柔らかな頬を涙が伝う。
再び船着き場を目指して歩き出した領事の代わりに、ミツルが立ち竦む幼鳥の手を引いた。
「献上は二羽ってことでいいのかな? 異例尽くしで飽きないね、新しい領事殿は」
「島主殿は新しい物好きと聞いた。嫌いじゃないだろう、こういうのも」
「まぁ、たまにはね」
肩書で呼び合うのに妙に親し気な二人だ。そんな会話をしているうちに、さざ波が打ち寄せる音と潮の香りが漂う船着き場に着いた。桟橋の奥には、大きな蒸気船の影が浮かぶ。
すると、それまでピクリとも動かなかったオトがわずかに身じろぎした。
もう指先一本動かす気力もない。無音の世界で叫びすぎた喉は乾いて血が滲み、身体は鉛のように重い。なのに、この心地良い温もりは何だろう。気力を尽くしてうっすらとまぶたを開ける。
ぼやけた視界に揺らめくのは、月光を浴びて内側からきらめく白金。それに真っ直ぐな群青の瞳。カージュには咲いていないツツジの香りを感じる。
「どう、して……?」
とうとう都合の良い幻覚でも見ているのかと思った。どれだけ泣いて叫んでも誰も助けてくれない世界に魂が囚われて、おかしくなってしまったのかと。だって、ずっと願っていたから。期待しないと自分に言い聞かせたくせに、音にならない声でずっと叫んでいたから。
「会いに行くって約束したろ? ……遅くなって、悪かった」
残された羽耳へ直接吹き込まれた言葉に、安堵の涙が溢れる。
大陸の男がこじ開けた堅牢な籠から、愛を知らない片羽の鳥が放たれた。
これからオトは少しずつ外の世界を知り、やがて安寧と幸福の中で愛を歌う。悪夢に包まれたクレセンティアを変える、愛の歌を。
案内を終えたネズミがコートの肩へ器用に上り、前歯をくわっと見せて「チチチッ」と小さく鳴く。
「この骨? 怒らせるためのパフォーマンスだ。その方が相手の本音がわかりやすい」
中折れ帽を脱いで悪趣味な骨を外し、社殿の隅へ放る。もう必要のないものだ。
「おかげでじっくり見ることができたよ、この美しくて惨い鳥籠を」
そう言って扉に手をかけた時。何者かが駆けて来る足音を察知して、ネズミがそそくさとコートのポケットに隠れた。
「領事殿!」
息を上げて走って来たのはアタラだった。ミツルと告鳥が対峙する最中、人目を盗んで追いかけて来たのだ。
「そこはセレニティ様の恩寵を集めた特別な場所。これ以上カージュで勝手をされては困る」
一歳にならないうちからカージュへ捧げられ、生まれてからのほとんどを鳥籠の中で過ごしてきた。アタラの根っこには、神鳥に対する深い忠誠心がある。
そんな模範的な優等生を一瞥してもなお、領事は扉から手を離さない。
「君はこの中に何があるのか知っているのか?」
淡い金糸の間から、冷たく燃える青の瞳が突き刺さる。アタラの背筋を駆け抜けた悪寒は、間違いなく殺気だ。
「……何もない。使われる場合は扉に札をかけるようになっている。その中は無人だ」
「よかった。知っていて止めているのなら、君を八つ裂きにするところだった」
「それは、どういう……」
答える代わりに、扉が勢いよく開け放たれた。
外に灯された篝火が入り口付近をゆらゆらと照らす。奥まで見通すことができない暗闇を物ともせず、領事は足を踏み入れた。
靴底で板間を踏みしめ、一歩ずつ近づいた先。事切れたように動かぬ肢体の前で片膝をつき、口元に手の甲を当てる。微かな呼吸を感じて、安堵の息を吐いた。
「やっと見つけた、俺の小鳥」
気を失ったオトを軽々と横抱きにして立ち上がる。彼女が大切に抱えていた壊れたリラも拾って。
「オト!?」
外で待機していたアタラは、領事に抱えられたオトを見て思わず駆け寄った。
血の気の引いた唇は色を失い、泣き腫らしたまぶたは石のように硬く閉ざされている。
「気を失ってるだけだ。だが酷く衰弱してる」
「っ、すぐに医師を手配する。こちらへ――」
「必要ない」
「は……? おい、待ってくれ!」
困惑したアタラがしゃんと伸びた背に向かって叫ぶ。だが彼の足は止まらない。
「鳥籠から出す気もないくせに、中途半端な優しさで飼い殺すのは一番非道だ。狡い男だな、君は」
「っ……!」
その言葉に、浅沓が酷く重くなった。
蒸気船を見て瞳を輝かせたオトの横顔を知っている。ずっと、誰より近くで見てきた。守っていた、つもりだった。
打ちひしがれてその場から動けなくなったアタラを残し、領事は来た道を辿って本殿へと戻った。
素顔を見せた領事と、死んだようにぴくりとも動かないオト。雛鳥たちは囀ることも忘れて息を飲む。
「島主殿、献上選びは終わりだ。本島へ戻ろう」
「ああ」
感情が見えない鳥面の奥から無言で睨みつける告鳥の横を通り過ぎ、二人は船着き場へ向かう回廊を歩いた。
誰も言葉を発せられない異様な空気の中、小さな影が二人を追う。
「ま、待って!」
サヨが腹の底から叫んだ。ゆっくりと振り返った領事と島主、そしてカージュ全員の視線が小さな身体に突き刺さり、足が竦む。だが、その恐怖すら凌駕する思いがあった。
「サヨも連れて行ってください! オト姉様は歌うのが怖いと言っていました。だから、サヨがオト姉様の分までせいいっぱいご奉仕します!」
「幼鳥の分際で何を、」
「お願いします! オト姉様のおそばにいさせてください!」
口を挟んだメルヴィに嘆願を被せ、深々と頭を下げる。
歌も、楽器も、言葉も、文字も。全部オトが教えてくれた。カージュで散々苦しめられてきたオトが大陸人の手籠めにされるのをただ見過ごすことなど、サヨにはできない。
あまりの緊張に涙が浮かび、床の木目が滲んで見えた。コツコツと靴底の音が近づいて来て、一気に身体が強張る。身のほど知らずとぶたれるのだろうか。オトに降りかかる罵倒と暴力を間近で見ていた幼い脳裏には、そんな考えが当然のように浮かぶ。
「サヨ、と言ったか?」
「は、はいっ」
名を呼ばれて恐る恐る顔を上げると、オトの膝裏を抱える手から壊れたリラを渡された。
「これを持ってくれないか? 落としそうで困っていたんだ」
朽葉色のそれをおずおずと受け取り、胸に抱く。優しい声色だった。張り詰めた糸が緩んだ柔らかな頬を涙が伝う。
再び船着き場を目指して歩き出した領事の代わりに、ミツルが立ち竦む幼鳥の手を引いた。
「献上は二羽ってことでいいのかな? 異例尽くしで飽きないね、新しい領事殿は」
「島主殿は新しい物好きと聞いた。嫌いじゃないだろう、こういうのも」
「まぁ、たまにはね」
肩書で呼び合うのに妙に親し気な二人だ。そんな会話をしているうちに、さざ波が打ち寄せる音と潮の香りが漂う船着き場に着いた。桟橋の奥には、大きな蒸気船の影が浮かぶ。
すると、それまでピクリとも動かなかったオトがわずかに身じろぎした。
もう指先一本動かす気力もない。無音の世界で叫びすぎた喉は乾いて血が滲み、身体は鉛のように重い。なのに、この心地良い温もりは何だろう。気力を尽くしてうっすらとまぶたを開ける。
ぼやけた視界に揺らめくのは、月光を浴びて内側からきらめく白金。それに真っ直ぐな群青の瞳。カージュには咲いていないツツジの香りを感じる。
「どう、して……?」
とうとう都合の良い幻覚でも見ているのかと思った。どれだけ泣いて叫んでも誰も助けてくれない世界に魂が囚われて、おかしくなってしまったのかと。だって、ずっと願っていたから。期待しないと自分に言い聞かせたくせに、音にならない声でずっと叫んでいたから。
「会いに行くって約束したろ? ……遅くなって、悪かった」
残された羽耳へ直接吹き込まれた言葉に、安堵の涙が溢れる。
大陸の男がこじ開けた堅牢な籠から、愛を知らない片羽の鳥が放たれた。
これからオトは少しずつ外の世界を知り、やがて安寧と幸福の中で愛を歌う。悪夢に包まれたクレセンティアを変える、愛の歌を。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
魔法の使えない不良品伯爵令嬢、魔導公爵に溺愛される
ねこいかいち
恋愛
魔法で栄えた国家グリスタニア。人々にとって魔力の有無や保有する魔力《オド》の量が存在価値ともいえる中、魔力の量は多くとも魔法が使えない『不良品』というレッテルを貼られた伯爵令嬢レティシア。両親や妹すらまともに接してくれない日々をずっと送っていた。成人間近のある日、魔導公爵が嫁探しのパーティーを開くという話が持ち上がる。妹のおまけとして参加させられたパーティーで、もの静かな青年に声をかけられ……。
一度は書いてみたかった王道恋愛ファンタジーです!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる