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出会い
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僕と、コウタが出会ったのは、もう
2年前の事になる。
僕は3年前に飼い主に捨てられ、
1年間だけ、野良だった。
その生活は、恐ろしいものであり、
思い出すだけで、切なくなる。
食べるものは、人間の捨てた生ゴミや、
食べカス。
飲み物は、そこらに溜まった雨水だった。
そんな日々が一変したのは、2年前。
商店街の路地裏で寒さに凍えて
もう、息絶えそうになっていた時のこと。
コウタは突然やって来た。
全身黒い服を着て、
顔は少しだけ俯いていた。
僕は思った。
(この人はきっと今、悲しいんだ。)
なぜか、そう思った。
顔をしばし眺めていると、
僕の頭を撫で始めた。
「君も1人なの?」
そう。
これがコウタとの初めてのやり取り。
それからコウタは、度々僕のところへ
来るようになった。
時には、毛布。
時には、シーチキン。
時には、煮干。
コウタは、いつも笑ってた。
初め見た顔が嘘のように、
僕に話しかける。
そんなある日の事だった。
コウタは、僕をひょいと持ち上げ、
ダンボールへと乗せた。
「君はもう、1匹じゃないよ。」
そう言って僕の入ったダンボールを抱えて、
歩き始めた。
こうして、僕はコウタの飼い犬になったんだ
2年前の事になる。
僕は3年前に飼い主に捨てられ、
1年間だけ、野良だった。
その生活は、恐ろしいものであり、
思い出すだけで、切なくなる。
食べるものは、人間の捨てた生ゴミや、
食べカス。
飲み物は、そこらに溜まった雨水だった。
そんな日々が一変したのは、2年前。
商店街の路地裏で寒さに凍えて
もう、息絶えそうになっていた時のこと。
コウタは突然やって来た。
全身黒い服を着て、
顔は少しだけ俯いていた。
僕は思った。
(この人はきっと今、悲しいんだ。)
なぜか、そう思った。
顔をしばし眺めていると、
僕の頭を撫で始めた。
「君も1人なの?」
そう。
これがコウタとの初めてのやり取り。
それからコウタは、度々僕のところへ
来るようになった。
時には、毛布。
時には、シーチキン。
時には、煮干。
コウタは、いつも笑ってた。
初め見た顔が嘘のように、
僕に話しかける。
そんなある日の事だった。
コウタは、僕をひょいと持ち上げ、
ダンボールへと乗せた。
「君はもう、1匹じゃないよ。」
そう言って僕の入ったダンボールを抱えて、
歩き始めた。
こうして、僕はコウタの飼い犬になったんだ
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